イフリート

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イフリート
外国語表記 EFREET
登場作品
デザイナー 大河原邦男
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スペック
分類 試作型モビルスーツ
型式番号 MS-08TX
頭頂高 17.2m
全高 18.1m
本体重量
  • 50.4t
  • 59.4t (シュナイド機)
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 1,072kW
スラスター総推力
  • 67,000㎏
  • 62,000kg (シュナイド機)
装甲材質 超硬スチール合金
開発組織 ジオン公国軍
所属組織 ジオン公国軍
所属部隊
主なパイロット
  • ヘンリー・ブーン
  • ダグ・シュナイド
  • ヘレナ・ヘーゲル
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    概要[編集 | ソースを編集]

    ジオン軍の地球方面軍が独自開発した試作型モビルスーツ。機体設計的にはグフドムの中間に位置する[1]。ジオン系の機体で同じく08ナンバーを持つ機体に高機動型試作機が存在するが、機体の系譜は独立している。

    グフと同じく格闘戦重視の機体として開発されたが、テクニカルファイター的な性格を持つグフと異なり、イフリートは大推力と高出力を前面に押し出したパワーファイター的な機体となっている。武装も固定武装を重視したグフと異なり、専用に開発された手持ち武器を使用する。

    ジオンの陸戦MSとしては最高クラスの近接格闘能力を有しており、その推力はゲルググも凌駕していたが、宇宙至上主義者であるジオン軍上層部が宇宙用MSの開発を重視していた事、生産性や操縦性に難点を残していた事などから、8機が完成した段階で生産は打ち切られた。生産数こそ少ないものの、設計上の余裕も大きく複数のバリエーションが存在する。

    各仕様 [編集 | ソースを編集]

    004号
    ウルフ・ガー隊隊長ヘンリー・ブーン大尉の搭乗機。試作機を改造した機体で、青と青紫を基調としたカラーリングが施されている。設定画ではショルダーアーマーと脚部の縁が白く塗装されているが、『クロディメ』のゲーム中では赤く塗装されている。主兵装はショットガンとヒートサーベル。
    5号機
    マルコシアス隊総隊長ダグ・シュナイド大尉の搭乗機。パーソナルカラーである紫色に塗装されており、彼の戦闘スタイルにあわせてカスタマイズされている。ショットガンやジャイアントバズといった様々な火器に加え、ヒート・ランサーによるリーチを生かした格闘戦にも対応。一年戦争後は様々な人の手に渡り、最終的にイフリート・シュナイドとして生まれ変わる。
    ヘレナ・ヘーゲル
    ノイジー・フェアリー隊の隊員であるヘレナ・ヘーゲルの搭乗機。彼女に合わせて急遽調整が施された機体だが、機番は不明。外見は改造機である004号と同一であるが、『Code Fairy』のゲーム内のイェーガーの解説では「通常仕様」という扱いになっている。後にヘレナの戦闘スタイルに合わせたイフリート・イェーガーへと改修された。

    登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

    機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079
    初出作品。ウルフ・ガー隊隊長ヘンリー・ブーン大尉の乗機として004号機が登場する。ゴビ砂漠の中心でボルク・クライ大尉の駆るピクシーと壮絶な一騎討ちを繰り広げた。なお、ゲームでは設定画だと白い部分が赤く描写されている。8機製造されたという設定はゲーム発売後に追加された設定となる。
    機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
    第2話に右脚と右手の一部が映るコマ(ベルが「外惑星探査船の中で育ったから」と話すコマ)がある。サイド3ズムシティズム特別戦争博物館に展示されているのが確認できる。
    機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク
    マルコシアス隊総隊長ダグ・シュナイド大尉の乗機として調整された5号機が登場。後にこの機体は度重なる改修を受け、最終的にフレッド・リーバーの手に渡り、彼によってイフリート・シュナイドと名付けられる。
    機動戦士ガンダム バトルオペレーション Code Fairy
    ノイジー・フェアリー隊部隊員ヘレナ・ヘーゲルの乗機が登場。ゲーム中表記は「イフリート (HH)」。彼女が第6話で乗機のザクII[狙撃型]を損傷させてしまったため、続く第7話で彼女用に急遽調整を施した上で配備された。その後、オデッサで行われていたイフリートの改修プランを流用する形で最終的な改修が行われ、第8話でイフリート・イェーガーとして完成した。

    装備・機能[編集 | ソースを編集]

    武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

    ※生産の特性と、ジオン軍の慣例から、エースパイロットには階級に応じた任意のカスタマイズが許されていたため、基本となる装備が定かでないが、おそらくヘンリー・ブーン機のものが基本武装と思われる。

    本体搭載装備 [編集 | ソースを編集]

    スモーク・ディスチャージャー
    機体に4基搭載。設定のみであり、搭載位置等は不明。
    バルカン砲
    頭部に2門内蔵されている小口径機関砲。スペック表には表記が行われていない。

    ヘンリー機・ヘレナ機[編集 | ソースを編集]

    専用ヒート・サーベル
    片刃・直刀タイプの格闘武装。非使用時には腰のホルダーに装着される。
    原作ゲームでは必殺技として、3回斬りつける「ウルフ1」、5回斬りつける「ウルフ2」を使用してくる。また、同ゲームでは単刀で戦うが、媒体によっては二刀流で戦う場合がある。
    専用ショットガン
    本機専用のショットガン。ダブルオーバックシェル42mm散弾を発射する。一部資料ではケンプファーの物を使用していたとする記述も存在する。

    ダグ・シュナイド機[編集 | ソースを編集]

    ヒート・ランサー
    長斧状の格闘武装。非使用時は折りたたんで腰部にマウントされる。
    シュナイド機はこの兵装のテスト用改修機であるともされる[2]
    ショットガン
    ケンプファーと同型の多目的自動ショットガン。
    ジャイアント・バズ
    主にドム系列機が使用している大口径バズーカ。
    3連装35mmガトリング砲
    グフカスタムと同型の前腕装備型のガトリング砲。主に近距離での迎撃、牽制に用いられる。

    対決・名場面[編集 | ソースを編集]

    機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079[編集 | ソースを編集]

    ピクシー
    ゴビ砂漠の地球連邦軍の基地から現れたピクシーと、幾度と交戦。最後は一騎討ちとなる。その後の二機の結末は不明。未製作の続編では宇宙での決着が予定されていた。

    機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク[編集 | ソースを編集]

    陸戦型ジム
    ピクシー(フレッド機)

    関連機体[編集 | ソースを編集]

    改修機・強化型 [編集 | ソースを編集]

    イフリート改
    EXAMシステムを搭載、それに合わせて改造された機体。
    イフリート・ナハト
    特殊なジャミング機能を搭載した機体。
    イフリート・シュナイド
    シュナイド機を長年にわたり強化・改修していった機体。
    イフリート・イェーガー
    ヘレナ・ヘーゲルの搭乗機を彼女の戦闘スタイルに合わせて改修した専用機。近接戦から狙撃までをもこなすオールラウンダーな機体として改修されている。

    その他 [編集 | ソースを編集]

    高機動型試作機
    形式番号に共通点が見られるが、関連性は無いとされる。
    キャノン・イルフート
    ∀ガンダム』に登場するジム・キャノン似のモビルスーツ。イフリートの登場予定が没になったため、名前だけがこの機体に引き継がれた。

    余談[編集 | ソースを編集]

    • 多くの媒体で陸戦用の機体として扱われている本機だが、少なくとも原型機は宇宙・地上両方で運用が可能な機体であるとの事[1]。実際に『CROSS DIMENSION 0079』の説明書や当時の攻略本にも「陸戦用」との記載はない。後に独自解釈で付けられた設定の可能性がある(グフ・ドムの中間機、運用されたのが地上のみ、といった事柄が影響していると思われる)。
    • 『CROSS DIMENSION 0079』の企画当初は、戦争映画『戦争の犬たち』に登場する架空のグレネードランチャー「XM18E1R」が装備候補だったとの事[2]。ただ、ウルフ・ガー隊の隊員マーチン・ハガーが火炎放射器使いで、絵柄的に重複するため没になったとされる[3]
    • 機動戦士ガンダム 第08MS小隊』では当初、ノリス・パッカードの搭乗機として登場予定だったものの、監督が本機の存在を知らず「ノリスの乗るグフの愛称」と勘違いしたため、結果的にグフカスタムが登場することとなった[3]。また、第10話でノリスが出撃する際、グフカスタムに向け「イェバ[4]!」と叫んでいるシーンがあるが、一方で絵コンテには台詞の欄に「イフリート(仮)」と記載されており(絵はグフカスタム)、当初の設定の名残が見られる[5]
    • 2024年10月21日にX上で絵子x氏が本機の原案を担当したと発言しており、『クロディメ』関係者である神春氏も頭部デザインを担当したと明かしている(曰く「フリッツ形ヘルメットから、ややカブトガニヘルメットをやりたかったから」との事)。

    商品情報[編集 | ソースを編集]

    リンク[編集 | ソースを編集]

    脚注[編集 | ソースを編集]

    1. グフとドムはそれぞれジオニック社とツィマッド社によって開発が行われており、双方の特徴を持った機体の開発については諸説ある。
    2. 参照ツイート
    3. 『電撃ホビーマガジン』1999年6月号の飯田馬之介監督のインタビューより
    4. 表記はフィルムコミック「機動戦士ガンダム/第08MS小隊 震える山 (前編) 10」より。ノリスの亡妻の名前とする資料もある
    5. 漫画『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 U.C.0079+α』はこの絵コンテを参考にしたためか、同シーンでグフカスタムに向けてイフリートと叫んでいる。