「ゴッグ」の版間の差分

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== 概要 ==
 
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[[ツィマッド社]]が開発した[[ジオン軍]]初の水陸両用量産型[[モビルスーツ]]。メガ粒子砲の内蔵に成功し、水圧に耐えるための重装甲と熱核水流ジェットによる高い水中機動性、そして陸上でも高い戦果を上げることが出来た傑作機である。
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[[ツィマッド社]]が開発した[[ジオン軍]]初の水陸両用量産型[[モビルスーツ]]。ジオン本国において[[MIP社]]の[[ズゴック]]、[[ジオニック社]]の[[水中実験機]]などと競作された上で正式採用され、北米[[キャリフォルニアベース]]において生産が進められた。
  
しかしながら、重装甲と多量の冷却水を積む故の鈍重さや水冷システムを採用した故の陸上での作戦時間の制限(1~2時間程度と言われる)、更にビーム兵器に対する防御の低さが問題になり、後継として[[ズゴック]]が採用されると急速に姿を消していった。基本性能は優秀だったため、[[統合整備計画]]によって機動性を中心として再設計された[[ハイゴッグ]]が生産された。
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ジオンにおける水陸両用MSの開発は、[[宇宙世紀]]0079年2月の[[地球侵攻作戦]]の決定を以って着手され、当初の計画では[[ザクII]]を回収して運用するというものだったが、通常のザクの各部に水密処理など各種改装を施した[[水中用ザク|ザク・マリンタイプ]]は耐圧性能や装甲形状などの要素から、実戦に耐え得るものではなかったため、全く新たな観点から水陸両用MSが開発される事となり、「MSM」というカテゴリーが設定された。
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ゴッグは後の水陸両用機と比較すれば決して高性能とは言えないが、水中でも陸上でも運用可能なMSが量産可能である事を実証した機体であり、その意味でも非常に画期的であった。特に標準的な機体と比べ、単純計算で2~3倍のジェネレーター出力を有し、ジオン系MSでビーム兵器を標準装備する最初期の機体となった<ref>これは、水冷構造などを取り入れた冷却システムの採用によって可能になったものだが、ジオンのMSへのビーム兵器搭載は、[[地球連邦軍 (UC)|連邦軍]]のような[[エネルギーCAP]]技術の開発によらず、ジェネレーター直結構造の小型化という形で推進されていた。一方、冷却システム上の制限により陸戦での稼働時間は短かった。</ref>。
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ゴッグを開発したツィマット社は、[[ドム]]のホバー機能で知られるように、流体推進装置や流体制御技術を得意分野の一つとしており、機体のいち早い実用化、量産化においてもそれが反映された。ゴッグはロールアウト後に早々に実戦投入され、地球各地で戦果をあげた。元々海上戦力において絶対的に不利であったジオン軍ではあったが、極論すれば「[[メガ粒子砲]]の自走砲台が突如として海から上陸してくる」というゴッグの運用方法は防御のしようがなく、連邦軍もその対応に遅れを取ったと言われている。
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ゴッグの頭部ユニットは、基本的にザクと同等の機能を果たす程度のスペックしか求められておらず、モノアイと航行のために最低限必要なソナー及びマルチプルランチャー以外は装備されていない<ref>ただし、他の機体用に何種類かの装備を試験的に搭載した機体もあったようで、いくつかの仕様違いもあったと言われている。</ref>。また、ボディユニットは水陸両用MSとしての機能が整理される以前の構造のまま生産が続けられ、通常のMSとして必要な部品と潜航艇として必要な装備の双方をそのまま備えていた。これは、逆にテストヘッドとして膨大なデータを生み出している。
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ゴッグの機体の各所はそれぞれの機能ごとに一定間隔で機体を区切り防水壁とするバルクヘッド構造となっているが、それぞれに独立した与圧を施すため、外装はその容量を全て内包する形で設計されており、それらを防御するため最終装甲は厚くなり、機体重量は平均的なMSを遥かに上回るものとなった。そのため、更に高トルクのパルスモーターの搭載が必須となり、更に強力なジェネレーターが必要となるといういたちごっこと流体工学の落とし所として、水中用として開き直った設計思想に基づき独特なフォルムを採用している<ref>ゴッグの機能は水中用である事を前提に盛り込まれており、水面下であれば機体の比重は軽くなるため、陸上での機能が多少限定されようとも、水陸両用という環境に適応したスペックさえ達成できれば充分だったという考え方。また、基本的にゴッグのボディ容量はザクのそれに数倍し、各部の断面積でザクより狭い所は一つもない。</ref>。
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ゴッグの脚部は歩行脚であると同時に熱核ハイドロジェットエンジンを搭載した主要推進装置でもある。また、航行時の抵抗を減らすため、股関節をボディ内に引き込む事ができるようになっていた。水中での最高速度は70kt(ノット=時速約130km)。航続距離も非常に長かった事から、電撃的な上陸作戦が可能であるのみならず、そのまま帰投も可能であった。一方、水中での稼働を前提に設計されているため、いわゆる歩行能力は決して高いとは言えない。ただし、自重を移動させるためだけというわけでもなく、それなりに近接戦闘への対応が可能な程度のトルクやレスポンスは確保され、緊急時には「走行」も可能である他、ボディ下面や背部スラスターを使用すれば、一撃離脱の白兵戦も不可能ではなかった<ref>ただし、陸戦においては温度の上昇などに配慮しなければならず、パイロットは常に水際で戦う事を心がける必要があった。ゴッグの評価が芳しくなかったのも、およそこの構造上の問題に帰結する。</ref>。
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投入が急がれたため、生産された時期によって機体の仕様に若干の違いがあり、前期型や後期型といった分類が施され、後に開発された他機種との性能差の改善や機能向上が図られている。また、同機は[[ズゴック]]とのフォーメーションが非常に有効であるという経験則から、[[一年戦争]]末期には[[統合整備計画]]に基づいて設計を全面的に見直した[[ハイゴッグ]]が開発されている。
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
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;[[機動戦士ガンダム]]
 
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:初登場作品。第26話で[[マッドアングラー隊]]の[[コーカ・ラサ]]と[[マーシー]]の機体が初登場し、[[ホワイトベース]]が停泊中の[[ベルファスト]]を襲撃した。当初は重装甲と火力で圧倒し、ガンダムの新兵器ハイパー・ハンマーを難なく受け止める程の馬力を見せたが、鈍重な動き故にビーム兵器相手には分が悪く、最終的に全滅した。第29話の[[ジャブロー]]戦においてもゲートを死守していた[[ホワイトベース隊]]と交戦し呆気なく撃墜されている。
 
:初登場作品。第26話で[[マッドアングラー隊]]の[[コーカ・ラサ]]と[[マーシー]]の機体が初登場し、[[ホワイトベース]]が停泊中の[[ベルファスト]]を襲撃した。当初は重装甲と火力で圧倒し、ガンダムの新兵器ハイパー・ハンマーを難なく受け止める程の馬力を見せたが、鈍重な動き故にビーム兵器相手には分が悪く、最終的に全滅した。第29話の[[ジャブロー]]戦においてもゲートを死守していた[[ホワイトベース隊]]と交戦し呆気なく撃墜されている。
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== 装備・機能 ==
 
== 装備・機能 ==
 
=== 特殊機能 ===
 
=== 特殊機能 ===
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;マルチプルランチャー
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:頭頂部に搭載されたフリージーヤードなどを射出するランチャー。水中での射出も可能で、信号弾や照明弾も使用可能。
 
;フリージーヤード
 
;フリージーヤード
:航行時に、頭頂部から発射されるカプセルに収納されたゲル状の物質。機体を覆うことで、機雷や爆雷を無効化することができる。これはソナーによる探知を低減する効果もあったが、ウォーターインテークの閉塞のため、長時間は使用できず使用後は速やかに排除する必要があった。本機にのみ採用されている。
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:敵の探知波や機雷などの索敵、掃討装備を無効化する特殊装備。射出されたフリージーヤードは機体の進行方向で炸裂し、内蔵された特殊な液体が海水や真水と反応してゲル状シールドを形成し、機体を包み込むように展開する。これによって、機雷や爆雷などの爆発を防ぐことが出来るうえ、弾体そのものを絡め取るため、接触式機雷のほか、時期感応式信管などにも有効であった。<br/>また、機体表面をゲル状物質がコーティングするため、反響音を探知するようなアクティブセンサーサイトをかいくぐる事も可能であった。ただし、この装備を使用する際は取水口にゲルが侵入しないよう塞ぐ必要があったため、長時間に渡って展開し続ける事はできず、また、絡め取った機雷なども早めに投棄する必要がある。
;レーザー砲 (仮名)
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;レーザー砲 (仮称)
 
:側頭部にあたる位置に計2門内蔵。『1st』第26話で機雷を除去する際に用いた。作中で使用描写のある装備なのにも関わらず一部資料に記載されるのみに留まっている。
 
:側頭部にあたる位置に計2門内蔵。『1st』第26話で機雷を除去する際に用いた。作中で使用描写のある装備なのにも関わらず一部資料に記載されるのみに留まっている。
  
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;アイアンネイル
 
;アイアンネイル
:腕部に装備した巨大な爪。強度もかなりのもののようで、ハイパーハンマーを受け止めたり、[[ガンダム]]の装甲に穴を開け、バルカンを完璧に防いだ。
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:腕部に装備した巨大な爪。水陸両用MSは機体運用の問題からオプション兵装の携行が困難であると想定された上、通常のマニピュレーターに高度な耐圧構造を持たせるのは現実的でないという判断から、斬撃用武装の代替案として打突あるいは斬撃に適したクロ―などを腕部先端に装備することになった。近接戦闘時には武装として機能する他、簡易マニピュレーターとしても機能できるよう、開閉機構も持たされている。<br/>ゴッグの腕部は、後のジオン系水陸両用MSの特徴とも言える環状走行に護られた柔軟な可動肢と、クロ―状のアイアンネイルによって構成されている。通常型のMSのマニピュレーターと違い、自由度の高い複数の関節で構成され、各節のベロウズ(蛇腹)部分を引き込む事で全長を短縮し、より抵抗の少ない航行形態を取れるように採用されたものであったが、この構造は航行時の抵抗を減らし、能動的に可動させる事によって水中機動に援用する事も可能であった事が判明している。更には各部のアクチュエーターがショックアブソーバーとして機能するため、敵の打蹴や投擲兵器を防御したり、受け止めることさえ可能であった。
;ミサイル発射管
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;魚雷発射管
:魚雷発射管ともされ、腹部に2門装備。
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:腹部のメガ粒子砲側面に2門装備された魚雷発射管。
;キアM-23型メガ粒子砲
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;キアM-23型[[メガ粒子砲]]
:腹部に2門装備したメガ粒子砲。収束率が低く、威力も低い。
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:腹部に2門装備したメガ粒子砲。熱核反応炉の冷却に水冷構造を採用したため、他の機体に先んじてメガ粒子砲を装備する事が可能となった。ただし、腹部に二門の固定武装とされたため、取り回しが困難であったとも言われている。
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
 
=== 機動戦士ガンダム ===
 
=== 機動戦士ガンダム ===
 
;対[[ガンダム]]
 
;対[[ガンダム]]
:第26話で、ガンダムのハイパーハンマーを受け止めた。なお、コーカ・ラサ曹長が発した有名な「さすがゴッグだ、なんともないぜ」という言葉はこのシーンのものではなく、この直前に機雷に接触しても無傷だった本機を見ていったものである。その後のガンダムとの戦闘ではバルカンを物ともせず、Gブルが増援として現れるまで苦戦させた。
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:第26話より。ガンダムの放ったハイパーハンマーを受け止めた。なお、コーカ・ラサ曹長が発した有名な「さすがゴッグだ、なんともないぜ」という言葉はこのシーンのものではなく、この直前に機雷に接触しても無傷だった本機を見ていったものである。その後のガンダムとの戦闘ではバルカンを物ともせず、Gブルが増援として現れるまで苦戦させた。
 
;対[[Gブル]]、[[ガンキャノン]]
 
;対[[Gブル]]、[[ガンキャノン]]
:実体弾に対して無類の防御力を誇る本機の重装甲も、ビーム兵器相手には通用しなかった。上記の戦闘中にマーシー機がGブルに、第29話のジャブローの戦闘で1機がガンキャノンに撃墜されている。
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:同上。実体弾に対して無類の防御力を誇る本機の重装甲も、ビーム兵器相手には通用しなかった。上記の戦闘中にマーシー機がGブルに、第29話のジャブローの戦闘で1機がガンキャノンに撃墜されている。
  
 
== 関連機体 ==
 
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2024年3月6日 (水) 08:24時点における版

ゴッグ
外国語表記 Gogg
登場作品 機動戦士ガンダム、他
デザイナー 大河原邦男
テンプレートを表示
スペック
分類 水陸両用量産型モビルスーツ
型式番号 MSM-03
頭頂高 18.3m
本体重量 82.4t
全備重量 159.4t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 1,740kW
スラスター総推力 121,000kg
装甲材質 超硬スチール合金
開発組織 ツィマット社
所属 ジオン公国軍
主なパイロット コーカ・ラサ
マーシー、他
テンプレートを表示

概要 

ツィマッド社が開発したジオン軍初の水陸両用量産型モビルスーツ。ジオン本国においてMIP社ズゴックジオニック社水中実験機などと競作された上で正式採用され、北米キャリフォルニアベースにおいて生産が進められた。

ジオンにおける水陸両用MSの開発は、宇宙世紀0079年2月の地球侵攻作戦の決定を以って着手され、当初の計画ではザクIIを回収して運用するというものだったが、通常のザクの各部に水密処理など各種改装を施したザク・マリンタイプは耐圧性能や装甲形状などの要素から、実戦に耐え得るものではなかったため、全く新たな観点から水陸両用MSが開発される事となり、「MSM」というカテゴリーが設定された。

ゴッグは後の水陸両用機と比較すれば決して高性能とは言えないが、水中でも陸上でも運用可能なMSが量産可能である事を実証した機体であり、その意味でも非常に画期的であった。特に標準的な機体と比べ、単純計算で2~3倍のジェネレーター出力を有し、ジオン系MSでビーム兵器を標準装備する最初期の機体となった[1]

ゴッグを開発したツィマット社は、ドムのホバー機能で知られるように、流体推進装置や流体制御技術を得意分野の一つとしており、機体のいち早い実用化、量産化においてもそれが反映された。ゴッグはロールアウト後に早々に実戦投入され、地球各地で戦果をあげた。元々海上戦力において絶対的に不利であったジオン軍ではあったが、極論すれば「メガ粒子砲の自走砲台が突如として海から上陸してくる」というゴッグの運用方法は防御のしようがなく、連邦軍もその対応に遅れを取ったと言われている。

ゴッグの頭部ユニットは、基本的にザクと同等の機能を果たす程度のスペックしか求められておらず、モノアイと航行のために最低限必要なソナー及びマルチプルランチャー以外は装備されていない[2]。また、ボディユニットは水陸両用MSとしての機能が整理される以前の構造のまま生産が続けられ、通常のMSとして必要な部品と潜航艇として必要な装備の双方をそのまま備えていた。これは、逆にテストヘッドとして膨大なデータを生み出している。

ゴッグの機体の各所はそれぞれの機能ごとに一定間隔で機体を区切り防水壁とするバルクヘッド構造となっているが、それぞれに独立した与圧を施すため、外装はその容量を全て内包する形で設計されており、それらを防御するため最終装甲は厚くなり、機体重量は平均的なMSを遥かに上回るものとなった。そのため、更に高トルクのパルスモーターの搭載が必須となり、更に強力なジェネレーターが必要となるといういたちごっこと流体工学の落とし所として、水中用として開き直った設計思想に基づき独特なフォルムを採用している[3]

ゴッグの脚部は歩行脚であると同時に熱核ハイドロジェットエンジンを搭載した主要推進装置でもある。また、航行時の抵抗を減らすため、股関節をボディ内に引き込む事ができるようになっていた。水中での最高速度は70kt(ノット=時速約130km)。航続距離も非常に長かった事から、電撃的な上陸作戦が可能であるのみならず、そのまま帰投も可能であった。一方、水中での稼働を前提に設計されているため、いわゆる歩行能力は決して高いとは言えない。ただし、自重を移動させるためだけというわけでもなく、それなりに近接戦闘への対応が可能な程度のトルクやレスポンスは確保され、緊急時には「走行」も可能である他、ボディ下面や背部スラスターを使用すれば、一撃離脱の白兵戦も不可能ではなかった[4]

投入が急がれたため、生産された時期によって機体の仕様に若干の違いがあり、前期型や後期型といった分類が施され、後に開発された他機種との性能差の改善や機能向上が図られている。また、同機はズゴックとのフォーメーションが非常に有効であるという経験則から、一年戦争末期には統合整備計画に基づいて設計を全面的に見直したハイゴッグが開発されている。

登場作品と操縦者

機動戦士ガンダム
初登場作品。第26話でマッドアングラー隊コーカ・ラサマーシーの機体が初登場し、ホワイトベースが停泊中のベルファストを襲撃した。当初は重装甲と火力で圧倒し、ガンダムの新兵器ハイパー・ハンマーを難なく受け止める程の馬力を見せたが、鈍重な動き故にビーム兵器相手には分が悪く、最終的に全滅した。第29話のジャブロー戦においてもゲートを死守していたホワイトベース隊と交戦し呆気なく撃墜されている。
F.M.S.
第4回にてジュアッグ改と共に登場。ハイゴッグとの中間的なデザインとなっており、文章からバルカンも有している事が分かる。11月30日にジャブローのホバー発進口で連邦兵の機体と交戦し、死闘の末、背面のノズルにバズーカを撃ち込まれて撃墜された。

装備・機能

特殊機能

マルチプルランチャー
頭頂部に搭載されたフリージーヤードなどを射出するランチャー。水中での射出も可能で、信号弾や照明弾も使用可能。
フリージーヤード
敵の探知波や機雷などの索敵、掃討装備を無効化する特殊装備。射出されたフリージーヤードは機体の進行方向で炸裂し、内蔵された特殊な液体が海水や真水と反応してゲル状シールドを形成し、機体を包み込むように展開する。これによって、機雷や爆雷などの爆発を防ぐことが出来るうえ、弾体そのものを絡め取るため、接触式機雷のほか、時期感応式信管などにも有効であった。
また、機体表面をゲル状物質がコーティングするため、反響音を探知するようなアクティブセンサーサイトをかいくぐる事も可能であった。ただし、この装備を使用する際は取水口にゲルが侵入しないよう塞ぐ必要があったため、長時間に渡って展開し続ける事はできず、また、絡め取った機雷なども早めに投棄する必要がある。
レーザー砲 (仮称)
側頭部にあたる位置に計2門内蔵。『1st』第26話で機雷を除去する際に用いた。作中で使用描写のある装備なのにも関わらず一部資料に記載されるのみに留まっている。

武装・必殺攻撃

アイアンネイル
腕部に装備した巨大な爪。水陸両用MSは機体運用の問題からオプション兵装の携行が困難であると想定された上、通常のマニピュレーターに高度な耐圧構造を持たせるのは現実的でないという判断から、斬撃用武装の代替案として打突あるいは斬撃に適したクロ―などを腕部先端に装備することになった。近接戦闘時には武装として機能する他、簡易マニピュレーターとしても機能できるよう、開閉機構も持たされている。
ゴッグの腕部は、後のジオン系水陸両用MSの特徴とも言える環状走行に護られた柔軟な可動肢と、クロ―状のアイアンネイルによって構成されている。通常型のMSのマニピュレーターと違い、自由度の高い複数の関節で構成され、各節のベロウズ(蛇腹)部分を引き込む事で全長を短縮し、より抵抗の少ない航行形態を取れるように採用されたものであったが、この構造は航行時の抵抗を減らし、能動的に可動させる事によって水中機動に援用する事も可能であった事が判明している。更には各部のアクチュエーターがショックアブソーバーとして機能するため、敵の打蹴や投擲兵器を防御したり、受け止めることさえ可能であった。
魚雷発射管
腹部のメガ粒子砲側面に2門装備された魚雷発射管。
キアM-23型メガ粒子砲
腹部に2門装備したメガ粒子砲。熱核反応炉の冷却に水冷構造を採用したため、他の機体に先んじてメガ粒子砲を装備する事が可能となった。ただし、腹部に二門の固定武装とされたため、取り回しが困難であったとも言われている。

対決・名場面

機動戦士ガンダム 

ガンダム
第26話より。ガンダムの放ったハイパーハンマーを受け止めた。なお、コーカ・ラサ曹長が発した有名な「さすがゴッグだ、なんともないぜ」という言葉はこのシーンのものではなく、この直前に機雷に接触しても無傷だった本機を見ていったものである。その後のガンダムとの戦闘ではバルカンを物ともせず、Gブルが増援として現れるまで苦戦させた。
Gブルガンキャノン
同上。実体弾に対して無類の防御力を誇る本機の重装甲も、ビーム兵器相手には通用しなかった。上記の戦闘中にマーシー機がGブルに、第29話のジャブローの戦闘で1機がガンキャノンに撃墜されている。

関連機体

ゴッグ (THE ORIGIN版)
本機のTHE ORIGIN版デザイン。全体的にディテールが追加されている。作中では1機のみ登場した。
ゴッグ (サンダーボルト版)
本機のサンダーボルト版デザイン。劇中に登場する機体は一年戦争時の再設計機。
プロトタイプゴッグ
本機の試作機。
ハイゴッグ
再設計機。ガンプラ旧キット「1/144 ハイゴッグ」の解説書には本機のリデザイン版が共に掲載されている。
ズゴック
後継として採用された機体。
カプール
本機やハイゴッグをベースとした水陸両用機。
テラフォーマーゴッグ
ジャンプフェスタ2020で公開された『ヤングジャンプ×ガンダム40周年スペシャルムービー』で登場した本機。デザインは『テラフォーマーズ』の原作者である橘賢一氏によって書き下ろされたもの。

余談 

  • 『1st』当時の機体名は「ゴッ」で、ラフ画や台本、映画のパンフレットにも同様に記載されていたが、後の作品・資料においては現在の「ゴッグ」に落ち着いている。

商品情報

ガンプラ

フィギュア 

リンク

脚注

  1. これは、水冷構造などを取り入れた冷却システムの採用によって可能になったものだが、ジオンのMSへのビーム兵器搭載は、連邦軍のようなエネルギーCAP技術の開発によらず、ジェネレーター直結構造の小型化という形で推進されていた。一方、冷却システム上の制限により陸戦での稼働時間は短かった。
  2. ただし、他の機体用に何種類かの装備を試験的に搭載した機体もあったようで、いくつかの仕様違いもあったと言われている。
  3. ゴッグの機能は水中用である事を前提に盛り込まれており、水面下であれば機体の比重は軽くなるため、陸上での機能が多少限定されようとも、水陸両用という環境に適応したスペックさえ達成できれば充分だったという考え方。また、基本的にゴッグのボディ容量はザクのそれに数倍し、各部の断面積でザクより狭い所は一つもない。
  4. ただし、陸戦においては温度の上昇などに配慮しなければならず、パイロットは常に水際で戦う事を心がける必要があった。ゴッグの評価が芳しくなかったのも、およそこの構造上の問題に帰結する。