「デスティニーガンダム」の版間の差分

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== ZGMF-X42S デスティニーガンダム(Destiny Gundam) ==
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{{登場メカ概要
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| 外国語表記 = Destiny Gundam
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| 登場作品 =  
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*[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
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*[[ガンダムビルドファイターズトライ]]
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*[[ガンダムEXA VS]]
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| デザイン = 大河原邦男
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}}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 -->
  
*登場作品:[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
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{{登場メカ概要
*デザイナー:大河原邦男
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| タイトル = スペック
*分類:試作型[[モビルスーツ]]
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| 正式名称 = デスティニー
*装甲材質:[[ヴァリアブルフェイズシフト装甲]]
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| 分類 = 試作型[[モビルスーツ]]
*全高:18.08m
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| 型式番号 = ZGMF-X42S<ref>ユニウス条約違反である核エンジンの搭載を示す「A」は故意に削除され、代わりにセカンドステージを示す「S」が付け加えられている。ただし、政治的配慮を考えず純粋に性能で判断するならサードステージかそれ以上のハイステージに属する機体となる。</ref>
*重量:79.44t
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| 全高 = 18.08m
*主動力:[[ハイパーデュートリオンエンジン]]
+
| 重量 = 79.44t
<!-- *出力: -->
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| 動力 = [[ハイパーデュートリオンエンジン]]
<!-- *推力: -->
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| 装甲材質 = [[ヴァリアブルフェイズシフト装甲]]
<!-- *センサー有効半径: -->
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| 開発組織 = [[ザフト軍]]
*開発組織:[[ザフト軍]]
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| 所属組織 = [[ザフト軍]]
*主なパイロット:[[シン・アスカ]]
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| 所属部隊 = [[FAITH]]
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| 母艦 = [[ミネルバ]]
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| 主なパイロット = [[シン・アスカ]]
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}}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 -->
  
[[インパルスガンダム]]の発展型として開発された[[ザフト軍]]の最新鋭[[モビルスーツ]]。<br />[[ユニウス条約]]で禁止された装備と、インパルスの[[フォースインパルスガンダム|フォース]]・[[ソードインパルスガンダム|ソード]]・[[ブラストインパルスガンダム|ブラスト]]の各シルエットの特徴を併せ持つ。動力はデュートリオンエンジンと核エンジンとのハイブリッドエンジンである「[[ハイパーデュートリオンエンジン]]」で、他機体を凌駕する高出力を誇る。OSは新型の「'''G'''unnery '''U'''nited '''N'''uclear-'''D'''euterion '''A'''dvanced '''M'''aneuver System(核・デュートリオン統合先進機動砲撃システム)」。
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== 概要 ==
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プラント最高評議会議長[[ギルバート・デュランダル]]の指令により開発された[[ザフト軍]]の最新鋭[[モビルスーツ]]。
  
開発は[[プラント]]最高評議会議長[[ギルバート・デュランダル]]の主導で行われ、当時、既に形骸化していたユニウス条約を半ば故意犯的に破っている。また、この機体には多くの新技術が搭載され高い機体性能を実現しており、本来ならばサードステージシリーズに分類されるMSであるが、前述の政治的な理由からセカンドステージシリーズに分類されている。核動力を使用する機体にも関わらず型式番号の末尾がフリーダム、ジャスティス等の「A」、ドムトルーパーの「T」ではなく「'''S'''」になっているのはそのせいである。インパルスのメインパイロットである[[シン・アスカ]]の基本データを元に調整され、事実上、彼専用の機体となっている。
+
当初の開発コンセプトは、[[インパルスガンダム|インパルス]][[シルエットシステム]]によってなし得ていた多様性を一機に集約する事にあった。そのため、開発はインパルスをベースとしつつ[[フォースインパルスガンダム|フォース]]、[[ソードインパルスガンダム|ソード]]、[[ブラストインパルスガンダム|ブラスト]]の各シルエットを統合した「[[デスティニーインパルスガンダム|デスティニーシルエット]]」の形で開始された。完成したデスティニーインパルスは4機が試作されたが、運用データからインパルスをベースとするよりゼロから新規設計した方がより高性能機になると判断され、開発計画もそちらへとシフトした。
  
主人公の番組後期における搭乗機で、番組タイトルの「デスティニー」を冠するガンダム、と主役機要素満載のこの機体だが、記念すべき初陣が軍を脱走した[[アスラン・ザラ|アスラン]]を追跡し撃墜する役回り、最終決戦でアスランの[[インフィニットジャスティスガンダム]]に敗北、OPの番組タイトルバックの出番を[[ストライクフリーダムガンダム]]に奪われる、などパイロットのシン同様に作中での扱いはあまりよろしいものではなかった。
+
新たなスタートを切ったデスティニーの開発では、開発指令を発したデュランダルから「最高の技術をすべて盛り込む」事が求められた<ref>これは[[ユニウス条約]]によって禁止された各種技術の搭載も意味している。</ref>。結果、完成したデスティニーは[[核エンジン]][[ハイパーデュートリオンエンジン]]によるハイブリッドシステムを搭載し、更に[[ミラージュコロイド]]技術を応用した光学残像を形成する分身機構も有している。加えて、[[D.S.S.D]]の独自開発した[[スターゲイザー]]に搭載された[[ヴォワチュール・リュミエール]]の技術をも転用し<ref>D.S.S.Dは非軍事組織であり、プラントの支援も受けているが、軍事への技術協力を完全拒否しており、同技術がD.S.S.Dから直接伝えられたとは考えにくい。</ref>、高速移動時には背部のウィングから「光の翼」が出現するという独自の推進システムの構築に成功。更に開発陣はこれら既存の技術の発展転用だけでなく、掌部にビーム砲を搭載するなど、他の機体には見られない独自システムも多数搭載している。これは「モビルスーツによる戦闘運用の新たな想像」であり、デスティニーはそれまでの機体とは全く違う戦闘も可能とする機体となった。
  
また、その戦績の悪さから「ストライクフリーダムやインフィニットジャスティスに敗北したのは、そもそも非合理的な全領域対応に伴って、対大型目標用の小回りの利かない(対艦刀、高エネルギー長射程ビーム砲など)器用貧乏化した装備構成が問題である。」という指摘をされることがあるが、ビームライフル、ビームサーベル(ビームブーメランと兼用)、頭部機関砲などの対モビルスーツ戦に有用な武装を積んでいない訳ではないため「小回りの利かない」というのは只の'''難癖'''である。また、現実の空軍機が世代を経るに従ってマルチロール化の流れを歩んでいることを考えれば、換装作業なしで多方面のミッションに参加させられるのはむしろ合理的である。(その証拠として、ヘブンズベース、ダイダロス攻防戦では対モビルスーツ部隊戦闘、対モビルアーマー戦闘、戦艦・拠点制圧を淀みなくこなした。)このことを考慮すると、この機体が器用貧乏なのではなく、'''万能機'''としてのもう一つ面でもあるといってよいだろう。(シンの場合は、後述のように精神面でのコンディションが影響した結果)とも言える。
+
完成した機体は[[ミネルバ]]所属のエースパイロット[[シン・アスカ]]に引き渡され、デュランダル自らが引き渡しを行った。引き渡し前にはそれまでのシンの各種戦闘データを参考に機体への大掛かりな再調整・微改造も行われており、この結果、本機は専属パイロットであるシン・アスカが搭乗した時にこそ最強の真価が発揮される事になった。
  
「腕が使用できなければ、頭部CIWS以外の武装が使用できなくなり、C.E.73当時最高レベルの機体として並び立つ[[ストライクフリーダムガンダム|ストライクフリーダム]]、[[インフィニットジャスティスガンダム|インフィニットジャスティス]]、[[レジェンドガンダム|レジェンド]]と比較すると無力である。手がある状態であっても手数に劣る」という指摘がされることもあるが、
+
人体を模した形を持つMSは堅い外装を持つ故に人と同じように動く事が出来ず、戦闘用に特化したマシンとして「銃を撃つ」「剣を振る」など限られた基本動作はほぼ人間と同じように行う事が可能であったが、デスティニーはそうした限られた動作だけでは十分な性能を引き出せない事が設計段階で判明しており、全身のあらゆる箇所に設置されている武装を戦闘中にタイムロスなく使いこなす必要があった。この問題への解決策として、「より人間に近い動きが可能となる機体」として開発されている。採用された技術として、基本構造を細かなパーツに分割し、それぞれを連動させる方式が取られ、関節部においては[[フェイズシフト装甲]]技術を転用した特殊素材が採用された。これは運動に合わせて各部の素材性質を変化させるもので、文字通り柔軟性のある関節を生み出す事が可能となった。しかし、その構造は通常のMSの数倍複雑であり、生産とメンテナンスの面では大きな問題を残す事になった。
:・そもそも腕が無くなって中破状態の[[モビルスーツ]]の'''積極的な戦闘を想定すること自体が間違っている'''。
 
:・固定武装にも「取り換えられない」「パージできない」「破壊された時、本体へのダメージが大きい」等の'''デメリットがある'''ことを考慮していない。
 
:・シンをはじめとした[[ザフト軍]]のエースパイロットは'''手の延長としてMSの腕を扱うことに長けている'''ため、そのフレキシビリティを固定武装等で縛ってしまうのは問題がある。
 
:・モビルスーツという複雑な操縦を要する兵器の黎明期([[ジン]]が最初にロールアウトしたのがC.E.69)にあって、'''腕以上の数の兵装を同時に正確に制御できる程のパイロットは限られている'''。
 
等の反論がある。最終的な戦果が挙げられなかったのは、要するに相手が悪かった、ということだろう。
 
  
『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』のガンダム関連は大河原邦男氏が担当しており、そのメカニックギミックは氏が今まで担当した集大成ともいうべきものになっている。本機の場合は素のままでは通常の人型であり、意外にも大河原氏の担当したギミックの要素は少ない。その代わり、演出面における効果の色合いが強い機体であり、これは総監督の福田己津央氏の…サンライズ製作のロボットアニメのイメージが色濃く再現されている。別にこれはSEEDシリーズに限ったことでもないのだが、メカニックギミックの無さを演出面で強化するのはいわゆるロボットアニメの本道であり、同じく大河原氏が担当した[[ゴッドガンダム]]も、『[[機動武闘伝Gガンダム]]』総監督の今川泰宏氏の演出面で強化されている。福田氏と今川氏は共に本業は演出家であり、「魅せる」という点ではお互い、共通しあっている。その意味では、本機は演出面が色濃く表現されたガンダムの一つに数えられるだろう。
+
本機の脚部は装甲を複数のパーツに分割し、それぞれをフレキシブルにスライドさせる事で広い可動範囲と高い運動性を実現している。これは装甲に隙間を作る事と同義語であり、防御力の低下は避けられないが、ザフト開発陣は専属パイロットであるシン・アスカの戦闘データを解析し、パイロットの運用実績に合わせた可動範囲の設定と装甲分割を行っている。これにより、敵に対する無防備な瞬間を最小限に留めながら最大の機動性を発揮する事が可能となった<ref>同様のシステムは[[ストライクフリーダムガンダム|ストライクフリーダム]]にも採用されているが、こちらは機動力を上げる事で被弾しない事を前提とした、「防御力の低下を無視する」仕様であり、根本的なシステム思想は大きく異なる。</ref>。
  
ちなみに、前機体のメカニックギミックの要素を詰め込んだ機体というのは、元々はフリーダムの[[ストライクガンダムI.W.S.P.|初期案]]でもあった。
+
なお、ザフトでは複数のデスティニーとエースパイロットで構成された部隊「コンクルーダーズ」が検討されていたとされる。
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
;[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
 
;[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
:[[ジブラルタル基地]]で[[シン・アスカ]]が受領。その直後に[[レイ・ザ・バレル]]の乗る[[レジェンドガンダム]]と共に脱走した[[アスラン・ザラ]][[メイリン・ホーク]]が奪取した[[グフイグナイテッド]]を追撃、撃墜する。その後、ヘブンズベース戦で[[デストロイガンダム]][[ウィンダム]]などを撃墜するといった戦果を挙げている。さらに、その後のオーブ攻防戦やレクイエム攻略戦でも活躍するが、最後の月面レクイエム攻防戦でアスランの搭乗する[[インフィニットジャスティスガンダム]]と交戦、撃墜され、大破した。
+
:初登場作品。PHASE-35で[[ジブラルタル基地]]で[[シン・アスカ]]が受領。多数の地球連合やオーブ軍機を撃墜し、ストライクフリーダムやインフィニットジャスティスとも交戦した。最終決戦となるメサイア攻防戦において、アスランの搭乗する[[インフィニットジャスティスガンダム|インフィニットジャスティス]]との戦闘で大破、機体は月面に不時着し放棄された。<br/>後半の主役機かつ番組タイトルの「デスティニー」を冠するガンダム、と主役機の要素満載だが、記念すべき初陣が軍を脱走した[[アスラン・ザラ|アスラン]]を追跡し撃墜する役回り、上記の通り最終決戦で敗北、OPの番組タイトルバックの出番を[[ストライクフリーダムガンダム]]に奪われる、などパイロットのシン同様に作中での扱いは不憫なものであった。
;[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY GENERATION OF C.E.]]
+
;[[ガンダムビルドファイターズトライ]]
:主にシン・アスカが搭乗するが、ルートによってはレイ・ザ・バレルが搭乗し、自軍の前に立ちはだかる。
+
:第7話にて区立条冬中学のファイターである[[イズナ・シモン]]の使用するガンプラとして登場。特筆した改造の無い「素組み」の機体であったが、それでも大会常連校の機体を打ち破るほどの凄まじい戦闘力を誇る。<br />準々決勝では[[カミキ・セカイ]]の駆る[[ビルドバーニングガンダム]]と壮絶な肉弾戦を繰り広げた。
 +
;[[ガンダムEXA VS]]
 +
:C.E.世界で[[アル・アダ]]が搭乗し、[[デストロイガンダム]]や時間稼ぎに来た[[Gダイバー]]の搭乗する[[ドレッドノートガンダム|Xアストレイ]]と交戦し撃破した。
  
 
== 装備・機能 ==
 
== 装備・機能 ==
 
 
=== 特殊能力 ===
 
=== 特殊能力 ===
 
;[[ヴァリアブルフェイズシフト装甲]]
 
;[[ヴァリアブルフェイズシフト装甲]]
:[[フェイズシフト装甲]]の改良型。装甲に掛ける電圧を調整できるようになっており、エネルギー消費の効率化を図っている。その影響で装甲の色が変化するようになった。
+
:[[フェイズシフト装甲]]を改良した相転移装甲。装甲に掛ける電圧を調整できるようになった結果、エネルギー消費の効率化を図っている。<br/>また、関節部にはPS装甲技術を転用した特殊素材が採用され、運動に合わせて関節部の素材性質を変化させる事で関節に高い柔軟性を生み出している。
;特殊な稼働機構
+
;ウイングユニット
:従来のMSは堅い外装を持つために人体と同じ動きはある程度までしか再現出来ず、「銃を撃つ」「剣を振る」などの限られた基本動作以外は人間と同じように出来なかったのだが、インパルスの各シルエットの機能・装備を併せ持つ本機においては、そうした限られた動作のみでは十分に性能を引き出せないという事が本機の設計段階で判明したため、基本構造を細かなパーツに分割し、それぞれを連動させることで人体に近い動きを可能とする機構が採用された。<br/>関節部は[[フェイズシフト装甲|PS装甲]]技術を転用した特殊素材製で、稼働状態では鈍い金属光を発する。装甲は、従来は一枚で成り立っていた部位を複数のパーツに分解し、それぞれをフレキシブルにスライドさせることで、広い関節稼動部分と高い運動性を実現させている。この機構はどうしても防御力が下がってしまうという欠点があるが、ザフト開発陣は専属パイロットのシンの戦闘データを解析し、運用実績にあわせた稼動範囲の設定と装甲分割を行っているため、敵に対して無防備な瞬間を最小限にとどめつつ最大の機動性が発揮できるようになっている。この装甲分割の調整はシンに引き渡された後も複数回にわたって微調整が続けられている。<br/>同様のシステムが[[ストライクフリーダムガンダム]]にも採用されているが、[[キラ・ヤマト|キラ]]の搭乗を前提として過大な装甲分割を行っているストライクフリーダムとは違い、ある程度の普遍性を持たせている本機のシステムの方が実戦的である。
+
:背部ウイングユニットはメインスラスターを中心に左右対称に配置され、大型パーツの内部に小型ウイングが収納されてており、展開すると合計十基のウイングとなる。<br/>[[ヴォワチュール・リュミエール]]の技術が転用されており、出力を上げると「光の翼」が発生するが、D.S.S.D製のそれが光の幕で太陽風を受けるソーラーセイルのシステムを基本としているのに対し、デスティニーではシステムから得られる特殊なエネルギー変換による強大な光圧を加速時のメイン推進とするなど、運用法に大きな違いが見られる。
;光の翼
 
:背部のウイングユニットはフリーダムの大型ウイングの発展型で、内部のスラスターには[[D.S.S.D.]]で開発された[[ヴォワチュール・リュミエール]]の近似技術が採用され、出力増大に伴って「光の翼」が発生する。これは本家ヴォワチュール・リュミエールを搭載している[[スターゲイザー]]のようにソーラーセイルとして用いるものではなく、自機の電源から得られたエネルギーを光圧に特殊変換し主推力として用いるというものである。
 
 
;[[ミラージュコロイド]]
 
;[[ミラージュコロイド]]
 
:背部ウイングユニットから放出される。本機はステルス装備としてではなく、自機の残像を映す幻惑機能として装備している。特に高速機動時の効果は高く、本機の高い機動性と相俟って敵機を翻弄する。
 
:背部ウイングユニットから放出される。本機はステルス装備としてではなく、自機の残像を映す幻惑機能として装備している。特に高速機動時の効果は高く、本機の高い機動性と相俟って敵機を翻弄する。
 
;[[ハイパーデュートリオンエンジン]]
 
;[[ハイパーデュートリオンエンジン]]
:核エンジンとデュートリオンシステムのハイブリッド動力機関。
+
:核エンジンとデュートリオンシステムのハイブリッド動力機関。この動力機関から得られる膨大な出力によって多様な兵装の搭載と運用が可能となった。
  
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;MMI-GAU26 17.5mm CIWS
 
;MMI-GAU26 17.5mm CIWS
:頭部に2門内蔵されたバルカン砲。本機唯一の実弾兵器で、先行のセカンドステージシリーズに装備された物より小径化されている。劇中未使用。
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:頭部に2門内蔵されたバルカン砲。<br />本機唯一の実弾兵器で、PS装甲を持つMSなどには効果は薄いが、対人制圧やミサイル迎撃などに効果を発揮する。
;MA-BAR73/S 高エネルギービームライフル
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;MA-BAR73/S 高エネルギー[[ビームライフル]]
:インパルスなどが装備している物の改良型。出力と速射性能が高まっている。腰部にマウントラッチがある。
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:先行したセカンドステージシリーズMSに装備されていたビームライフルの改良型。ハイパーデュートリオンの採用により、豊富な電力が確保されたことから、それに対応できるよう改良され、出力と連射性が大幅にアップした。
 
;RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン
 
;RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン
:ソードインパルスのフラッシュエッジの発展型。ビームサーベルとしても使用可能だが、2つを組み合わせて大きな実体式ブーメランとする機構はオミットされた。アンチビームコーティングが施されたシールドを容易に破断する威力がある。
+
:左右両肩に装備された簡易[[ドラグーンシステム|ドラグーン]]式のビームブーメラン。ソードインパルスの同装備の改良型である。オリジナルにあった連結機構は無くなっているが、ビームの出力調整により刃が伸縮し、[[ビームサーベル]]としての役割も果たすようになった。
 
;M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲
 
;M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲
:背部の左ウェポンラックに装備された大型ビームランチャー。不使用時は2つ折りにマウントされる。展開時の全長は本機を上回る。ガナーウィザードのオルトロスやブラストインパルスのケルベロス以上の出力を誇り、MSの携帯火器の中でも最強クラス。また、速射性能も高く、迎撃にも使用できる。なお、砲身分割の技術には本体でも採用された基本構造体の細部化と連動が生かされている。
+
:背面左部に装備された、破壊力と精度を併せ持った大型ビームランチャー。ブラストシルエットと同装備の改良タイプで、ハイパーデュートリオンからの豊富なエネルギー供給により、攻撃力はオルトロスやケルベロスを遥かに上回る。通常は折りたたまれた状態にあり、展開時の銃身は機体の身長を越える程である。<br/>折りたたみ技術には、本体にも採用された基本構造体の細部化と連動が生かされており、他にも変形機構を持つ武装が存在するが、ここまで複雑化したものはないとされる。
 
;MMI-714 アロンダイト ビームソード
 
;MMI-714 アロンダイト ビームソード
:背部の右ウェポンラックに装備された、デスティニー専用の近接戦用大型ビームソード。対艦刀でもある。不使用時は2つ折り状態でマウント。ソードインパルスのエクスカリバーやグフイグナイテッドのテンペストの発展型で、デストロイすら一刀両断するほどの威力があるが、構造上脆弱な部分がある。機体の全高を上回る長さで、使うには駆動部にも高い剛性と柔軟性が求められる。
+
:背面右部に装備されているビーム刃と実体刃の二種の刃を持つ長刀。エクスカリバーの改良型であるが刀身は更に伸びている。高エネルギー長射程ビーム砲と同様に折りたたまれた状態で装備される。<br/>斬馬刀の如く一刀の元に敵艦艇を両断する切れ味を持つが、同時に格闘戦でも猛威を振るう。これだけの長さの剣を扱うためには、機体そのものの柔軟性は元よりパイロットにも高度な操縦技術が必要であり、仮にデスティニー以外の機体に装備させても使いこなす事は不可能とされる。
 
;MMI-X340 パルマフィオキーナ 掌部ビーム砲
 
;MMI-X340 パルマフィオキーナ 掌部ビーム砲
:左右の掌底部に内蔵された小型ビーム砲。接近戦で威力を発揮する。一撃で戦艦をも破壊する威力を持つ。ビームサーベルとしても使えるらしい。デスティニー独自の実験的兵装で、パイロットの発想次第で様々な応用が可能。[[シャイニングガンダム]]のシャイニングフィンガーをオマージュした武器である。
+
:両手の掌に装備されたビーム兵器。デスティニーの隠し武器ともいえ、効果範囲は狭いが、極めて高い攻撃力を有し、密着した状態の相手を確実に破壊する。通常ありえないゼロ距離での格闘戦を想定した武装であり、ここからもデスティニーの特異さを伺う事ができた。新機軸の兵装であるがゆえに、戦術バリエーションも未知数であった。
;フル・ウェポン・コンビネーション
 
:スーパーロボット大戦シリーズで使用可能なデスティニーの必殺技。外付けの武装を次々と使用する連続攻撃で、最後にゼロ距離からパルマフィオキーナを叩き込む。ゲーム「機動戦士ガンダムSEED DESTINY GENERATION of C.E.」におけるデスティニーのオリジナル最強攻撃「バーストアタック」が元ネタである(特に回転しながらパルマフィオキーナを構える場面などはそっくりそのまま)。
 
 
;MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置
 
;MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置
:両手甲部に装備された光学防御装備。展開領域の任意設定が可能で、シールドの形状変更のみならず、ビームガン等としての使用も可能。高出力ビームの直撃すら無効化するほどの対ビーム防御力を持ち、実弾も防御可能だが、アンチビームコーティングが施された物体は素通りしてしまうという弱点もある。ただし、本機は[[ヴァリアブルフェイズシフト装甲|VPS装甲]]があるため、そのような心配は無用である。
+
:両手の甲に装備された[[ビームシールド]]。ビーム、実体弾の双方に高い防御力を発揮する。<br/>一説には[[ハイペリオンガンダム|ハイペリオン]]に装備されたモノフェーズ光波シールドの類型とも言われており、前大戦後、衰退した[[ユーラシア連邦]]の科学者陣により齎されたのではないかと推測される。<br/>両腕のものを合わせて防御範囲を大型化でき、シールド内部からの攻撃も可能であるなど、形状は状況に応じて変更できるためオールラウンドでの使用に適する。
 
;対ビームシールド
 
;対ビームシールド
:左腕にある防御装備。インパルスのシールドの機構が簡易化されて実装されており、上下に伸縮可能。本機はビームシールドとVPS装甲があるため、フェイルセーフ用として装備されている感が強い。実際、使用されたのはビームライフルや片腕を破壊された時の爆発から身を守った時ぐらいである。
+
:ビームコーティングが施された実体式のシールド。腕部に装備するために広範囲を防御できる。インパルスの機動防盾と同じく伸縮機構を備える。ビームシールドとの併用も可能だが、その際は伸長しないで用いられる。
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
 
;対[[デストロイガンダム]]
 
;対[[デストロイガンダム]]
:ヘブンズベース攻防戦において、5機編成のデストロイ部隊のうち3機を仕留める奮戦を見せ、当初劣勢だったザフトに逆転の機を与える。
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:ヘブンズベース攻防戦において、5機編成のデストロイ部隊のうち3機を仕留める奮戦を見せ、当初劣勢だったザフトに逆転の機を与える。ダイダロス攻防戦においては、3機編成のデストロイ部隊のうち1機を撃破したほか、[[ザムザザー]]や[[ゲルズゲー]]などの大型[[モビルアーマー]]部隊及び[[ウィンダム]]部隊を[[レイ・ザ・バレル|レイ]]の[[レジェンドガンダム|レジェンド]]や[[ミネルバ]]と協力して陽動し、[[レクイエム]]破壊を直接担当する[[ルナマリア・ホーク|ルナマリア]]の潜入を支援した。
:ダイダロス攻防戦においては、3機編成のデストロイ部隊のうち1機を撃破したほか、[[ザムザザー]]や[[ゲルズゲー]]などの大型[[モビルアーマー]]部隊及び[[ウィンダム]]部隊を[[レイ・ザ・バレル|レイ]]の[[レジェンドガンダム|レジェンド]]や[[ミネルバ]]と協力して陽動し、[[レクイエム]]破壊を直接担当する[[ルナマリア・ホーク|ルナマリア]]の潜入を支援した。
+
;対[[ストライクフリーダムガンダム]]
 +
:オペレーション・フューリーにおいて初交戦。当初はアロンダイトを白刃取りされてレール砲を撃ち込まれる等劣勢気味であったが、レイのレジェンドとの連携により一時は撃墜寸前に追い込む。しかし寸前でアスランのインフィニットジャスティスが乱入したことにより失敗。メサイア攻防戦においても当初はレジェンドとともに交戦していたが、レイの命令でインフィニットジャスティスの迎撃にまわったため勝敗はつかなかった。<br />「ストライクフリーダムvsデスティニー」は3クール目OPのアウトロや、最終回直前の児童誌など様々な媒体で予告されていたが、劇中でこのカードが実現したのはわずか2回のみ、そのうち勝敗がついたのはわずか1回のみであった。
 
;対[[インフィニットジャスティスガンダム]]
 
;対[[インフィニットジャスティスガンダム]]
:オペレーション・フューリーとメサイア攻防戦の二度に渡って対峙するが、どちらもシンの迷いや負い目が操縦に反映され実力を発揮することが出来ず、インフィニットジャスティスには手も足も出なかった。メサイア攻防戦では両腕と片足を破壊され戦闘不能になり月面に墜落、シンはルナマリアに救助されたが、デスティニーの所在は不明である。
+
:オペレーション・フューリーとメサイア攻防戦の二度に渡って対峙するが、どちらもシンの迷いや負い目が操縦に反映され実力を発揮することが出来ず、インフィニットジャスティスには手も足も出なかった。メサイア攻防戦では両腕と片足を破壊され戦闘不能になり月面に墜落、シンはルナマリアに救助された。
::・高山瑞穂氏のコミカライズ版ではアスランと信念をかけて対決し、デスティニーの性能をフルに発揮して追いつめる。しかし、リフターとキックの連携攻撃に対応しきれず逆転された。
+
::*TV版ではSEED能力を発現させた[[アスラン・ザラ]]に一瞬で無力化されるという、やられ役さながらの惨敗。このシーンを見ればシンが主人公と到底思えないし、技量が数段劣るという評価もやむを得ないだろう。
::・久織ちまき氏の漫画『機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE』では、インフィニットジャスティスの右腕を破壊したものの、アロンダイトを奪われてレクイエムの発射口に投擲、レクイエムを破壊されてしまう。その後両腕を破壊され月面に墜落する。
+
::*高山瑞穂氏のコミカライズ版ではアスランと信念をかけて対決し、デスティニーの性能をフルに発揮して追いつめた。ミーティアと合体した[[インフィニットジャスティスガンダム]]を相手に機動力で翻弄しミーティアを破壊、優位に立つ。しかし、リフターとキックの連携攻撃に対応しきれず逆転された。勝利を目前にしながらもアスランとの問答で精神的に追い詰められたシンが不用意に近づいてしまったことと<ref>この時点ではインフィニットジャスティスに有力な射撃武装はなかったため。</ref>、リフターでの虚を突くような露骨なフェイントに対応できないほどに疲弊していたことが敗因といえる。
 +
::*久織ちまき氏の漫画『機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE』では、インフィニットジャスティスの右腕を破壊したものの、アロンダイトを奪われてレクイエムの発射口に投擲、レクイエムを破壊されてしまう。その後両腕を破壊され月面に墜落する。
 +
;対[[ビルドバーニングガンダム]]
 +
:[[ガンダムビルドファイターズトライ]]7話の準々決勝戦で対決。前日にセカイとシモンが全力を懸けた勝利宣言をしており、加えて残る双方のチームメンバーが全員リングアウトしてしまった事により、実質的な一対一の戦闘へと発展。互いの間合いである超近接戦で白熱した戦いを披露したが、最終的に[[ビルドバーニングガンダム]]が勝利を収めている。
  
 
== 関連機体 ==
 
== 関連機体 ==
 +
=== 系列機・派生機など ===
 +
;[[デスティニーガンダムSpecII]]
 +
:デスティニーの改修機。動力が強化された事でVPS装甲のカラーリングが変化している他、コクピットが[[全天周囲モニター]]に換装されている。
 
;[[ハイネ専用デスティニーガンダム]]
 
;[[ハイネ専用デスティニーガンダム]]
 
:[[ハイネ・ヴェステンフルス]]専用に調整された同型機。上述の装甲やフレームの原理上、他人の仕様に調整し直すには手間とコストが掛かりすぎる機体なので、乗り手がいなくなった後は倉庫に保管され、そのまま終戦を迎えた。
 
:[[ハイネ・ヴェステンフルス]]専用に調整された同型機。上述の装甲やフレームの原理上、他人の仕様に調整し直すには手間とコストが掛かりすぎる機体なので、乗り手がいなくなった後は倉庫に保管され、そのまま終戦を迎えた。
 
;[[デスティニーインパルスガンダム]]
 
;[[デスティニーインパルスガンダム]]
 
:[[インパルスガンダム]]の三種シルエットの武装を統合した、「プロトタイプデスティニー」とでも呼ぶべき機体。諸処の問題から、実戦参加はできても前線に出ることは無かった。
 
:[[インパルスガンダム]]の三種シルエットの武装を統合した、「プロトタイプデスティニー」とでも呼ぶべき機体。諸処の問題から、実戦参加はできても前線に出ることは無かった。
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=== 技術的関与のある機体 ===
 
;[[フォースインパルスガンダム]]
 
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:フォースシルエットのアビオニクス等が反映されているものと思われる。
 
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;[[スターゲイザー]]
 
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:ヴォワチュール・リュミエールの近似技術が『光の翼』に応用されている。
 
:ヴォワチュール・リュミエールの近似技術が『光の翼』に応用されている。
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=== その他 ===
 
;[[レジェンドガンダム]]
 
;[[レジェンドガンダム]]
:兄弟機
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:兄弟機。
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;[[ガンダムダブルオースカイ]]
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:『[[ガンダムビルドダイバーズ|ビルドダイバーズ]]』に登場する[[ガンダムダブルオーダイバーエース]]の改修機。改修時に光の翼を初めとした本機の特徴も取り入れている。
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;[[ガンダムデスティニースカイ]]
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:『[[ガンダムビルドダイバーリゼ|ビルドダイバーリゼ]]』に登場する本機ベースの改造[[ガンプラ]]。上記のダブルオースカイに影響を受けており、デスティニーに[[GNドライヴ]]などの[[ダブルオーガンダム|ダブルオー]]の要素を取り入れた、ダブルオースカイとは真逆の発想の機体に仕上がっている。
  
 
== 商品情報 ==
 
== 商品情報 ==
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=== ガンプラ ===
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== 話題まとめ ==
 
  
== 資料リンク ==
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=== フィギュア ===
<!-- *[[一覧:デスティニーガンダム]] -->
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== リンク ==
 
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*[[登場メカ]]
 
*[[登場メカ]]
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== 脚注 ==
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2024年5月24日 (金) 11:18時点における最新版

デスティニーガンダム
外国語表記 Destiny Gundam
登場作品
デザイン 大河原邦男
テンプレートを表示
スペック
正式名称 デスティニー
分類 試作型モビルスーツ
型式番号 ZGMF-X42S[1]
全高 18.08m
重量 79.44t
動力 ハイパーデュートリオンエンジン
装甲材質 ヴァリアブルフェイズシフト装甲
開発組織 ザフト軍
所属組織 ザフト軍
所属部隊 FAITH
母艦 ミネルバ
主なパイロット シン・アスカ
テンプレートを表示

概要[編集 | ソースを編集]

プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルの指令により開発されたザフト軍の最新鋭モビルスーツ

当初の開発コンセプトは、インパルスシルエットシステムによってなし得ていた多様性を一機に集約する事にあった。そのため、開発はインパルスをベースとしつつフォースソードブラストの各シルエットを統合した「デスティニーシルエット」の形で開始された。完成したデスティニーインパルスは4機が試作されたが、運用データからインパルスをベースとするよりゼロから新規設計した方がより高性能機になると判断され、開発計画もそちらへとシフトした。

新たなスタートを切ったデスティニーの開発では、開発指令を発したデュランダルから「最高の技術をすべて盛り込む」事が求められた[2]。結果、完成したデスティニーは核エンジンハイパーデュートリオンエンジンによるハイブリッドシステムを搭載し、更にミラージュコロイド技術を応用した光学残像を形成する分身機構も有している。加えて、D.S.S.Dの独自開発したスターゲイザーに搭載されたヴォワチュール・リュミエールの技術をも転用し[3]、高速移動時には背部のウィングから「光の翼」が出現するという独自の推進システムの構築に成功。更に開発陣はこれら既存の技術の発展転用だけでなく、掌部にビーム砲を搭載するなど、他の機体には見られない独自システムも多数搭載している。これは「モビルスーツによる戦闘運用の新たな想像」であり、デスティニーはそれまでの機体とは全く違う戦闘も可能とする機体となった。

完成した機体はミネルバ所属のエースパイロットシン・アスカに引き渡され、デュランダル自らが引き渡しを行った。引き渡し前にはそれまでのシンの各種戦闘データを参考に機体への大掛かりな再調整・微改造も行われており、この結果、本機は専属パイロットであるシン・アスカが搭乗した時にこそ最強の真価が発揮される事になった。

人体を模した形を持つMSは堅い外装を持つ故に人と同じように動く事が出来ず、戦闘用に特化したマシンとして「銃を撃つ」「剣を振る」など限られた基本動作はほぼ人間と同じように行う事が可能であったが、デスティニーはそうした限られた動作だけでは十分な性能を引き出せない事が設計段階で判明しており、全身のあらゆる箇所に設置されている武装を戦闘中にタイムロスなく使いこなす必要があった。この問題への解決策として、「より人間に近い動きが可能となる機体」として開発されている。採用された技術として、基本構造を細かなパーツに分割し、それぞれを連動させる方式が取られ、関節部においてはフェイズシフト装甲技術を転用した特殊素材が採用された。これは運動に合わせて各部の素材性質を変化させるもので、文字通り柔軟性のある関節を生み出す事が可能となった。しかし、その構造は通常のMSの数倍複雑であり、生産とメンテナンスの面では大きな問題を残す事になった。

本機の脚部は装甲を複数のパーツに分割し、それぞれをフレキシブルにスライドさせる事で広い可動範囲と高い運動性を実現している。これは装甲に隙間を作る事と同義語であり、防御力の低下は避けられないが、ザフト開発陣は専属パイロットであるシン・アスカの戦闘データを解析し、パイロットの運用実績に合わせた可動範囲の設定と装甲分割を行っている。これにより、敵に対する無防備な瞬間を最小限に留めながら最大の機動性を発揮する事が可能となった[4]

なお、ザフトでは複数のデスティニーとエースパイロットで構成された部隊「コンクルーダーズ」が検討されていたとされる。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダムSEED DESTINY
初登場作品。PHASE-35でジブラルタル基地シン・アスカが受領。多数の地球連合やオーブ軍機を撃墜し、ストライクフリーダムやインフィニットジャスティスとも交戦した。最終決戦となるメサイア攻防戦において、アスランの搭乗するインフィニットジャスティスとの戦闘で大破、機体は月面に不時着し放棄された。
後半の主役機かつ番組タイトルの「デスティニー」を冠するガンダム、と主役機の要素満載だが、記念すべき初陣が軍を脱走したアスランを追跡し撃墜する役回り、上記の通り最終決戦で敗北、OPの番組タイトルバックの出番をストライクフリーダムガンダムに奪われる、などパイロットのシン同様に作中での扱いは不憫なものであった。
ガンダムビルドファイターズトライ
第7話にて区立条冬中学のファイターであるイズナ・シモンの使用するガンプラとして登場。特筆した改造の無い「素組み」の機体であったが、それでも大会常連校の機体を打ち破るほどの凄まじい戦闘力を誇る。
準々決勝ではカミキ・セカイの駆るビルドバーニングガンダムと壮絶な肉弾戦を繰り広げた。
ガンダムEXA VS
C.E.世界でアル・アダが搭乗し、デストロイガンダムや時間稼ぎに来たGダイバーの搭乗するXアストレイと交戦し撃破した。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊能力[編集 | ソースを編集]

ヴァリアブルフェイズシフト装甲
フェイズシフト装甲を改良した相転移装甲。装甲に掛ける電圧を調整できるようになった結果、エネルギー消費の効率化を図っている。
また、関節部にはPS装甲技術を転用した特殊素材が採用され、運動に合わせて関節部の素材性質を変化させる事で関節に高い柔軟性を生み出している。
ウイングユニット
背部ウイングユニットはメインスラスターを中心に左右対称に配置され、大型パーツの内部に小型ウイングが収納されてており、展開すると合計十基のウイングとなる。
ヴォワチュール・リュミエールの技術が転用されており、出力を上げると「光の翼」が発生するが、D.S.S.D製のそれが光の幕で太陽風を受けるソーラーセイルのシステムを基本としているのに対し、デスティニーではシステムから得られる特殊なエネルギー変換による強大な光圧を加速時のメイン推進とするなど、運用法に大きな違いが見られる。
ミラージュコロイド
背部ウイングユニットから放出される。本機はステルス装備としてではなく、自機の残像を映す幻惑機能として装備している。特に高速機動時の効果は高く、本機の高い機動性と相俟って敵機を翻弄する。
ハイパーデュートリオンエンジン
核エンジンとデュートリオンシステムのハイブリッド動力機関。この動力機関から得られる膨大な出力によって多様な兵装の搭載と運用が可能となった。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

MMI-GAU26 17.5mm CIWS
頭部に2門内蔵されたバルカン砲。
本機唯一の実弾兵器で、PS装甲を持つMSなどには効果は薄いが、対人制圧やミサイル迎撃などに効果を発揮する。
MA-BAR73/S 高エネルギービームライフル
先行したセカンドステージシリーズMSに装備されていたビームライフルの改良型。ハイパーデュートリオンの採用により、豊富な電力が確保されたことから、それに対応できるよう改良され、出力と連射性が大幅にアップした。
RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン
左右両肩に装備された簡易ドラグーン式のビームブーメラン。ソードインパルスの同装備の改良型である。オリジナルにあった連結機構は無くなっているが、ビームの出力調整により刃が伸縮し、ビームサーベルとしての役割も果たすようになった。
M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲
背面左部に装備された、破壊力と精度を併せ持った大型ビームランチャー。ブラストシルエットと同装備の改良タイプで、ハイパーデュートリオンからの豊富なエネルギー供給により、攻撃力はオルトロスやケルベロスを遥かに上回る。通常は折りたたまれた状態にあり、展開時の銃身は機体の身長を越える程である。
折りたたみ技術には、本体にも採用された基本構造体の細部化と連動が生かされており、他にも変形機構を持つ武装が存在するが、ここまで複雑化したものはないとされる。
MMI-714 アロンダイト ビームソード
背面右部に装備されているビーム刃と実体刃の二種の刃を持つ長刀。エクスカリバーの改良型であるが刀身は更に伸びている。高エネルギー長射程ビーム砲と同様に折りたたまれた状態で装備される。
斬馬刀の如く一刀の元に敵艦艇を両断する切れ味を持つが、同時に格闘戦でも猛威を振るう。これだけの長さの剣を扱うためには、機体そのものの柔軟性は元よりパイロットにも高度な操縦技術が必要であり、仮にデスティニー以外の機体に装備させても使いこなす事は不可能とされる。
MMI-X340 パルマフィオキーナ 掌部ビーム砲
両手の掌に装備されたビーム兵器。デスティニーの隠し武器ともいえ、効果範囲は狭いが、極めて高い攻撃力を有し、密着した状態の相手を確実に破壊する。通常ありえないゼロ距離での格闘戦を想定した武装であり、ここからもデスティニーの特異さを伺う事ができた。新機軸の兵装であるがゆえに、戦術バリエーションも未知数であった。
MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置
両手の甲に装備されたビームシールド。ビーム、実体弾の双方に高い防御力を発揮する。
一説にはハイペリオンに装備されたモノフェーズ光波シールドの類型とも言われており、前大戦後、衰退したユーラシア連邦の科学者陣により齎されたのではないかと推測される。
両腕のものを合わせて防御範囲を大型化でき、シールド内部からの攻撃も可能であるなど、形状は状況に応じて変更できるためオールラウンドでの使用に適する。
対ビームシールド
ビームコーティングが施された実体式のシールド。腕部に装備するために広範囲を防御できる。インパルスの機動防盾と同じく伸縮機構を備える。ビームシールドとの併用も可能だが、その際は伸長しないで用いられる。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

デストロイガンダム
ヘブンズベース攻防戦において、5機編成のデストロイ部隊のうち3機を仕留める奮戦を見せ、当初劣勢だったザフトに逆転の機を与える。ダイダロス攻防戦においては、3機編成のデストロイ部隊のうち1機を撃破したほか、ザムザザーゲルズゲーなどの大型モビルアーマー部隊及びウィンダム部隊をレイレジェンドミネルバと協力して陽動し、レクイエム破壊を直接担当するルナマリアの潜入を支援した。
ストライクフリーダムガンダム
オペレーション・フューリーにおいて初交戦。当初はアロンダイトを白刃取りされてレール砲を撃ち込まれる等劣勢気味であったが、レイのレジェンドとの連携により一時は撃墜寸前に追い込む。しかし寸前でアスランのインフィニットジャスティスが乱入したことにより失敗。メサイア攻防戦においても当初はレジェンドとともに交戦していたが、レイの命令でインフィニットジャスティスの迎撃にまわったため勝敗はつかなかった。
「ストライクフリーダムvsデスティニー」は3クール目OPのアウトロや、最終回直前の児童誌など様々な媒体で予告されていたが、劇中でこのカードが実現したのはわずか2回のみ、そのうち勝敗がついたのはわずか1回のみであった。
インフィニットジャスティスガンダム
オペレーション・フューリーとメサイア攻防戦の二度に渡って対峙するが、どちらもシンの迷いや負い目が操縦に反映され実力を発揮することが出来ず、インフィニットジャスティスには手も足も出なかった。メサイア攻防戦では両腕と片足を破壊され戦闘不能になり月面に墜落、シンはルナマリアに救助された。
  • TV版ではSEED能力を発現させたアスラン・ザラに一瞬で無力化されるという、やられ役さながらの惨敗。このシーンを見ればシンが主人公と到底思えないし、技量が数段劣るという評価もやむを得ないだろう。
  • 高山瑞穂氏のコミカライズ版ではアスランと信念をかけて対決し、デスティニーの性能をフルに発揮して追いつめた。ミーティアと合体したインフィニットジャスティスガンダムを相手に機動力で翻弄しミーティアを破壊、優位に立つ。しかし、リフターとキックの連携攻撃に対応しきれず逆転された。勝利を目前にしながらもアスランとの問答で精神的に追い詰められたシンが不用意に近づいてしまったことと[5]、リフターでの虚を突くような露骨なフェイントに対応できないほどに疲弊していたことが敗因といえる。
  • 久織ちまき氏の漫画『機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE』では、インフィニットジャスティスの右腕を破壊したものの、アロンダイトを奪われてレクイエムの発射口に投擲、レクイエムを破壊されてしまう。その後両腕を破壊され月面に墜落する。
ビルドバーニングガンダム
ガンダムビルドファイターズトライ7話の準々決勝戦で対決。前日にセカイとシモンが全力を懸けた勝利宣言をしており、加えて残る双方のチームメンバーが全員リングアウトしてしまった事により、実質的な一対一の戦闘へと発展。互いの間合いである超近接戦で白熱した戦いを披露したが、最終的にビルドバーニングガンダムが勝利を収めている。

関連機体[編集 | ソースを編集]

系列機・派生機など [編集 | ソースを編集]

デスティニーガンダムSpecII
デスティニーの改修機。動力が強化された事でVPS装甲のカラーリングが変化している他、コクピットが全天周囲モニターに換装されている。
ハイネ専用デスティニーガンダム
ハイネ・ヴェステンフルス専用に調整された同型機。上述の装甲やフレームの原理上、他人の仕様に調整し直すには手間とコストが掛かりすぎる機体なので、乗り手がいなくなった後は倉庫に保管され、そのまま終戦を迎えた。
デスティニーインパルスガンダム
インパルスガンダムの三種シルエットの武装を統合した、「プロトタイプデスティニー」とでも呼ぶべき機体。諸処の問題から、実戦参加はできても前線に出ることは無かった。

技術的関与のある機体 [編集 | ソースを編集]

フォースインパルスガンダム
フォースシルエットのアビオニクス等が反映されているものと思われる。
ソードインパルスガンダム
対艦刀、ビームブーメラン、格闘モーション等が反映されているものと思われる。
ブラストインパルスガンダム
高エネルギー長射程ビーム砲等のノウハウが反映されているものと思われる。
スターゲイザー
ヴォワチュール・リュミエールの近似技術が『光の翼』に応用されている。

その他 [編集 | ソースを編集]

レジェンドガンダム
兄弟機。
ガンダムダブルオースカイ
ビルドダイバーズ』に登場するガンダムダブルオーダイバーエースの改修機。改修時に光の翼を初めとした本機の特徴も取り入れている。
ガンダムデスティニースカイ
ビルドダイバーリゼ』に登場する本機ベースの改造ガンプラ。上記のダブルオースカイに影響を受けており、デスティニーにGNドライヴなどのダブルオーの要素を取り入れた、ダブルオースカイとは真逆の発想の機体に仕上がっている。

商品情報[編集 | ソースを編集]

ガンプラ[編集 | ソースを編集]

フィギュア[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. ユニウス条約違反である核エンジンの搭載を示す「A」は故意に削除され、代わりにセカンドステージを示す「S」が付け加えられている。ただし、政治的配慮を考えず純粋に性能で判断するならサードステージかそれ以上のハイステージに属する機体となる。
  2. これはユニウス条約によって禁止された各種技術の搭載も意味している。
  3. D.S.S.Dは非軍事組織であり、プラントの支援も受けているが、軍事への技術協力を完全拒否しており、同技術がD.S.S.Dから直接伝えられたとは考えにくい。
  4. 同様のシステムはストライクフリーダムにも採用されているが、こちらは機動力を上げる事で被弾しない事を前提とした、「防御力の低下を無視する」仕様であり、根本的なシステム思想は大きく異なる。
  5. この時点ではインフィニットジャスティスに有力な射撃武装はなかったため。