「30バンチ事件」の版間の差分
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− | 事件後、[[ティターンズ]]の圧力による報道規制により「激発性の伝染病による全滅」と事実は隠蔽された。鎮圧を依頼した地球連邦軍もこの行為を事実上黙認せざるを得ず、ティターンズの発言権を強める結果となった。ティターンズ内部においてもごく一部の将校しかこの事実を知る者はおらず、作戦決行時も徹底した情報の秘匿が行われた<ref>ティターンズ大佐の[[オットー・ペデルセン]] | + | 事件後、[[ティターンズ]]の圧力による報道規制により「激発性の伝染病による全滅」と事実は隠蔽された。鎮圧を依頼した地球連邦軍もこの行為を事実上黙認せざるを得ず、ティターンズの発言権を強める結果となった。ティターンズ内部においてもごく一部の将校しかこの事実を知る者はおらず、作戦決行時も徹底した情報の秘匿が行われた<ref>ティターンズ大佐の[[オットー・ペデルセン]]も、G2ガス輸送部隊の護衛任務に[[T3部隊]]を派遣した際には「バスクが何らかの作戦行動を行う」としか把握しておらず、30バンチ事件の真相を知った[[エマ・シーン]]や[[ライラ・ミラ・ライラ]]も強いショックを受けている。</ref>。ただ、[[スペースノイド]]側はこの報道に疑いを持つ者は多く、結果として反地球連邦運動は激化。親スペースノイド派だった[[ブレックス・フォーラ]]もティターンズに対する反発を強め、[[エゥーゴ]]を結成することになる<ref>なお、小説版『Ζ』における説明では、これら非人道的作戦の多くはバスクや[[ジャマイカン・ダニンガン|ジャマイカン]]の指揮によるもので、ティターンズ創設者の[[ジャミトフ・ハイマン]]の意向に沿ったものではないとされている。</ref>。 |
事件後、コロニーはそのまま放置され、[[グリプス戦役]]期には機能を停止したまま内部は荒廃し、街中はミイラ化した住人の遺体で埋め尽くされていた。 | 事件後、コロニーはそのまま放置され、[[グリプス戦役]]期には機能を停止したまま内部は荒廃し、街中はミイラ化した住人の遺体で埋め尽くされていた。 | ||
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:ティターンズ所属当時は情報統制によって真相を知らされていなかったが、民間のネットで流れていた噂で事件の事に感づいており、戦役後それが事実であった事が心理的なトラウマになっていると発言している。 | :ティターンズ所属当時は情報統制によって真相を知らされていなかったが、民間のネットで流れていた噂で事件の事に感づいており、戦役後それが事実であった事が心理的なトラウマになっていると発言している。 | ||
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2024年7月1日 (月) 00:09時点における版
30バンチ事件(30-Banchi Incident)
『機動戦士Ζガンダム』においてティターンズが過去に引き起こした事件。ティターンズのスペースノイドに対する暴挙を象徴した事件であり、この事件を機に反地球連邦運動は激化の一途を極めた。
地球連邦軍から反地球連邦政府デモの鎮圧を依頼されたティターンズは、宇宙世紀0085年7月31日にバスク・オム大佐の指揮で、当時使用が禁止されていたG2ガス (G3)をサイド1の30バンチコロニーの内部に注入し、コロニーに住んでいた1500万人の住民を虐殺。コロニーの大気循環システムによりガスが瞬く間にコロニー全域に広がったため、住人はガス攻撃を知る事も逃げる事も叶わなかった。
事件後、ティターンズの圧力による報道規制により「激発性の伝染病による全滅」と事実は隠蔽された。鎮圧を依頼した地球連邦軍もこの行為を事実上黙認せざるを得ず、ティターンズの発言権を強める結果となった。ティターンズ内部においてもごく一部の将校しかこの事実を知る者はおらず、作戦決行時も徹底した情報の秘匿が行われた[1]。ただ、スペースノイド側はこの報道に疑いを持つ者は多く、結果として反地球連邦運動は激化。親スペースノイド派だったブレックス・フォーラもティターンズに対する反発を強め、エゥーゴを結成することになる[2]。
事件後、コロニーはそのまま放置され、グリプス戦役期には機能を停止したまま内部は荒廃し、街中はミイラ化した住人の遺体で埋め尽くされていた。
また、ティターンズはグリプス戦役末期に再びコロニーに対するガス攻撃を実行しており、宇宙世紀0087年8月21日にはガディ・キンゼー少佐率いる部隊がサイド2・25バンチコロニーへのガス攻撃を実行。エゥーゴにより作戦は失敗に終わったものの、同年12月14日にはバスク・オム大佐の指揮の下、今度はサイド2の21バンチコロニーに対しガスを注入。住人を全滅させている。
登場作品
- 機動戦士Ζガンダム
- 出典元。第6話でレコア・ロンドがエマ・シーンにエゥーゴが戦いを始めた理由として説明したのが初出。エマにティターンズの実態を見せるべく、会話を盗聴していたブレックス・フォーラの提案で30バンチへの寄港が決定した。そして第7話でクワトロ・バジーナがカミーユ・ビダンとエマを連れて未だミイラ化した死体が漂うコロニー内部を訪れている。一方、エゥーゴの秘密基地の有無を調査するべくコロニーに潜入したライラ・ミラ・ライラは内部でクワトロ達と遭遇。クワトロから事実を聞かされ動揺している。
- 機動戦士Ζガンダム A New Translation 星を継ぐ者
- サイド1に立ち寄るエピソードがカットされているため、レコア・ロンドがエマにノートパソコンで30バンチ内の映像を見せるシーンのみに留まっている。
- ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに
- 主人公エリアルド・ハンターの罪状の一つとして「30バンチ事件への関与」が取り上げられている。しかし実行したのは別部隊であり、エリアルドらは30バンチに向かう輸送船を護衛したのみであった為、それを証明した事で罪状は消滅した。
- コミカライズ版では、エリアルドらが受けた輸送船護衛任務をマキシム・グナーの部隊が引き継ぎ、その輸送船が何に関わったかを知ったグナーの部下が拳銃自殺しており、グナーがエゥーゴへ参加するきっかけの一つとなった。
- ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者
- 主人公である士官候補生ヴァン・アシリアイノとダニカ・マクガイアが、事件当時のガンカメラ映像の入ったデータを手に入れてしまい、それを巡ってティターンズから追われる身となる所から物語は始まる。ただ、追撃に当たったヒューイット・ライネス大尉も事件の実態は知らなかったため、データを回収したものの中身を見て愕然としていた[3]。
- 機動戦士Ζガンダム外伝 審判のメイス
- ハンス・シュミットがこの事件で妻子を失っており、後に地球連邦軍を離反し極左テロ組織「カメラード」を組織する切欠となっている。また、作中では事件直後のコロニー内部の様子も描かれている。
- 機動戦士ガンダムUC 不死鳥狩り
- 作中でシェザール隊の隊長イアゴ・ハーカナが主人公ヨナ・バシュタに対し、見ず知らずの内に事件に関与してしまった過去を告白している。『不死鳥狩り』を原案にした『ガンダムNT』ではイアゴの過去は明かされていないが、コミカライズで30バンチ事件への関与が示唆されている。
関連人物
ティターンズ
- バスク・オム
- 事件の実行責任者。その後のグリプス戦役においても非人道的な作戦を次々と展開した。
- エリアルド・ハンター
- 彼の所属するT3部隊が、ガスを輸送する輸送船の護衛任務と事件の後方支援に就いた。実際には道中の護衛任務と、作戦の阻止を図ったジオン残党部隊の排除に携わるのみで、30バンチ事件には直接関わっていないが、グリプス戦役後には事件への関与が罪状の一つとして取り上げられている。
- オードリー・エイプリル
- エリアルドとともに輸送船の護衛任務と後方支援に携わり、エリアルドの裁判では証人として彼の無実を証明した。
- ティターンズ所属当時は情報統制によって真相を知らされていなかったが、民間のネットで流れていた噂で事件の事に感づいており、戦役後それが事実であった事が心理的なトラウマになっていると発言している。
地球連邦軍
- マキシム・グナー
- 事件の際、ティターンズに一時編入され、T3部隊から輸送船護衛の任を引き継いだ。事件後、彼の部下が真相を知り拳銃自殺した事を契機に連邦を離反してエゥーゴへ渡った。
- ヴァン・アシリアイノ
- 事件当時の映像データを手に入れてしまった士官候補生。それを見てしまった瞬間から、ティターンズに追われる身となった為、反連邦組織「ケラウノス」への参加に至った。
- ハンス・シュミット
- 事件当時、サイド1・30バンチの連邦軍基地に勤務していたが、ガス攻撃により妻子を失う。事件後、遺族会と共に極左テロ組織「カメラード」を組織し、連邦軍及び地球に対する「審判のメイス」作戦を実行する。
- イアゴ・ハーカナ
- 事件当時、任務の詳細を知らされないまま、急遽編成された部隊と共に外周警備を担当。数年後、事件の詳細を知り、見ず知らずの内に事件に加担してしまったことに後悔の念を抱くこととなった。加えて時折、ガス注入直前のコロニーを駆け回るという悪夢を見るようになる。なお『機動戦士ガンダムNT』では30バンチ事件について触れられていないが、コミカライズでは警備任務の関与が示唆されている。
カラード
- アルヴェニシカ・キースト
- 過激派組織カラードの女性パイロット。過去に事件によって母親を亡くしている。
関連用語
- G2ガス (G3)
- 一年戦争時にジオン公国軍がコロニー落とし用のコロニーの確保のため使用した猛毒ガス。南極条約の締結により使用が禁止されたが、ティターンズによって再び使用される事となる。
- サイド1
- 事件の舞台となった30バンチの属するサイド。
リンク
脚注
- ↑ ティターンズ大佐のオットー・ペデルセンも、G2ガス輸送部隊の護衛任務にT3部隊を派遣した際には「バスクが何らかの作戦行動を行う」としか把握しておらず、30バンチ事件の真相を知ったエマ・シーンやライラ・ミラ・ライラも強いショックを受けている。
- ↑ なお、小説版『Ζ』における説明では、これら非人道的作戦の多くはバスクやジャマイカンの指揮によるもので、ティターンズ創設者のジャミトフ・ハイマンの意向に沿ったものではないとされている。
- ↑ ヴァンもライネスも、当初は合成映像や捏造として否定しようとしていた。