「ガンダムF90火星独立ジオン軍仕様」の版間の差分
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− | + | オールズモビルの手に落ちたF90 2号機は[[火星]]への移送途上において解析を目的として分解されていた事が判明しており、これは火星基地および火星コロニーでのF90量産を想定していただけでなく、リバースエンジニアリングによって組織全体のテクノロジー・レベルの底上げを目論んでいたものと推測でき、フレーム段階まで分解された機体はオールズモビルのエンジニアによって改修が施され、機体カラーも濃紺系から白と赤を基調としたものに改められた<ref>[[ジオンマーズ]]時代から伝わる旧ジオンの親衛隊カラー。原型機もロールアウト当初はハードポイントカバーや脚部の一部が赤く塗装されていた。</ref>。 | |
− | + | 改装が行われたのは外装部分と関節部、脚部スラスター及びアポジモーターに留まっており、[[ムーバブルフレーム]]や反応炉、基本アビオニクスやニューロコンピュータ、疑似人格プログラムなどについてはほとんど手は加わっておらず、そのまま留め置かれた。 | |
− | + | 装甲はF90のマイクロハニカム構造を用いたガンダリウム合金セラミック複合材ではなく、旧来のガンダリウムγセラミック複合材に差し戻されている。このためもあってか機体重量は2.4トンほどの増大を見ているが、これはテロ組織であるオールズモビルが調達容易な装甲を用いる事で損耗率の高い部位の交換を容易にしたものと推測される。自重の増大はF90本来の運動性を損なう<ref>Fシリーズの設計における最大の特徴はハードポイントではなくその徹底的な軽量化である。</ref>ものであったが、致命的なものとまではいえず、むしろこれまでの実戦テストで得られた被弾率の高い部位に重点的な装甲増加を施す事によって近接戦闘時の防御力の増大を図っていた。一部ハードポイントも撤廃されているが、装甲が一体化された事によって耐久性そのものはむしろ向上している。 | |
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+ | 消耗の激しい駆動部も耐久性が高く交換しやすい設計に改められており、実験機というよりは実戦モデルとしての性質が強調されている。破損しやすい頭部V字アンテナも廃され頭頂部の複合センサーと一体化しており、徹底した稼働率へのこだわりが見て取れる。 | ||
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+ | 増加装甲とハードポイントは上半身に集中し、脚部はハードポイントを廃してアポジモーター及び大型化されたスラスターと装甲カウルからなる堅実な設計となっており、[[νガンダム]]を思わせるスマートなフォルムを有する。また、この改修に伴い原型機では脚部に配されていた2基のジェネレーターは胴体後部に移設され、両脚部を喪失しても戦闘行動を継続する事が可能になった。また、ジェネレーターを胴体に移設する過程で装甲形状そのものも完全に変更されており、冷却装置を兼ねた大型の動力パイプが配置され、胸部の放熱器も大型化し、コクピットハッチを含む前面装甲厚も向上している。 | ||
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+ | しかし、この仕様は単にF90からマイクロハニカム構造装甲を引き算した「貧乏仕様」という訳ではなく、前腕部、両左右腰、腰前面、バックパックに独自規格のハードポイントが用意されており、肩部装甲もモジュール化され換装が容易な設計となっていた。特に両腕部ハードポイントには膨大な電力を供給するための接続マウントが設けられており、[[ビーム・シールド]]もしくは[[ヴェスバー]]の搭載が想定されていたものと思われる。胸部装甲の形状変更はコクピット周囲への[[サイコフレーム]]搭載が想定されていたと思われ、腰部グレネードもサイコミュ・グレネードの採用が検討されていたとする資料も存在する。 | ||
== 登場作品と操縦者 == | == 登場作品と操縦者 == | ||
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+ | :VOLUME22で解説が行われ、脚部ジェネレーターが胴体へ移設された件や、サイコフレームの搭載を画策していたなどの設定が新たに追加された。 | ||
== 装備・機能 == | == 装備・機能 == | ||
=== 特殊機能 === | === 特殊機能 === | ||
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=== 武装・必殺攻撃 === | === 武装・必殺攻撃 === | ||
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:バックパックに装備されている近接用兵装。ベース機では二本装備していたが、本仕様ではバックパック右側に装備している一本のみとなっている。 | :バックパックに装備されている近接用兵装。ベース機では二本装備していたが、本仕様ではバックパック右側に装備している一本のみとなっている。 | ||
;ビーム・マシンガン | ;ビーム・マシンガン | ||
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;対MS用グレネード | ;対MS用グレネード | ||
− | : | + | :腰部サイドスカートに二基ずつ、計四基装備。筒状の発射管から射出される。F90本体にサイコフレームを搭載し、サイコミュ・グレネードの採用が検討されていたとする資料が存在する。 |
+ | ;スパイク・アーマー | ||
+ | :右肩部に追加されたスパイク。一見アナクロに見えるが、至近戦闘における有用性はつとに知られているため、有効な兵装として採用された。 | ||
== 対決・名場面 == | == 対決・名場面 == |
2024年7月26日 (金) 08:11時点における版
ガンダムF90火星独立ジオン軍仕様 | |
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外国語表記 | GUNDAM F90 (Mars independent Zeon specification) |
登場作品 | 機動戦士ガンダムF90 |
デザイナー |
スペック | |
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分類 | 鹵獲改造型モビルスーツ |
生産形態 | 鹵獲機 / 改修機 |
型式番号 | OMS-90R |
頭頂高 | 15.2m |
本体重量 | 8.9t |
全備重量 | 20.22t |
主動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 3,160kW |
スラスター推力 |
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スラスター総推力 | 77,720kg |
装甲材質 | ガンダリウム合金セラミック複合材 |
原型機 | ガンダムF90 2号機 (オールズモビルが強奪) |
改修 | オールズモビル |
所属 | オールズモビル |
主なパイロット | ボッシュ・ウェラー |
概要
オールズモビルが強奪したガンダムF90の2号機を改修した機体。ハードポイントによる換装機構をオミットし、外装の8割を変更した事により、モビルスーツ単体としての性能を向上させている。
オールズモビルの手に落ちたF90 2号機は火星への移送途上において解析を目的として分解されていた事が判明しており、これは火星基地および火星コロニーでのF90量産を想定していただけでなく、リバースエンジニアリングによって組織全体のテクノロジー・レベルの底上げを目論んでいたものと推測でき、フレーム段階まで分解された機体はオールズモビルのエンジニアによって改修が施され、機体カラーも濃紺系から白と赤を基調としたものに改められた[3]。
改装が行われたのは外装部分と関節部、脚部スラスター及びアポジモーターに留まっており、ムーバブルフレームや反応炉、基本アビオニクスやニューロコンピュータ、疑似人格プログラムなどについてはほとんど手は加わっておらず、そのまま留め置かれた。
装甲はF90のマイクロハニカム構造を用いたガンダリウム合金セラミック複合材ではなく、旧来のガンダリウムγセラミック複合材に差し戻されている。このためもあってか機体重量は2.4トンほどの増大を見ているが、これはテロ組織であるオールズモビルが調達容易な装甲を用いる事で損耗率の高い部位の交換を容易にしたものと推測される。自重の増大はF90本来の運動性を損なう[4]ものであったが、致命的なものとまではいえず、むしろこれまでの実戦テストで得られた被弾率の高い部位に重点的な装甲増加を施す事によって近接戦闘時の防御力の増大を図っていた。一部ハードポイントも撤廃されているが、装甲が一体化された事によって耐久性そのものはむしろ向上している。
消耗の激しい駆動部も耐久性が高く交換しやすい設計に改められており、実験機というよりは実戦モデルとしての性質が強調されている。破損しやすい頭部V字アンテナも廃され頭頂部の複合センサーと一体化しており、徹底した稼働率へのこだわりが見て取れる。
増加装甲とハードポイントは上半身に集中し、脚部はハードポイントを廃してアポジモーター及び大型化されたスラスターと装甲カウルからなる堅実な設計となっており、νガンダムを思わせるスマートなフォルムを有する。また、この改修に伴い原型機では脚部に配されていた2基のジェネレーターは胴体後部に移設され、両脚部を喪失しても戦闘行動を継続する事が可能になった。また、ジェネレーターを胴体に移設する過程で装甲形状そのものも完全に変更されており、冷却装置を兼ねた大型の動力パイプが配置され、胸部の放熱器も大型化し、コクピットハッチを含む前面装甲厚も向上している。
しかし、この仕様は単にF90からマイクロハニカム構造装甲を引き算した「貧乏仕様」という訳ではなく、前腕部、両左右腰、腰前面、バックパックに独自規格のハードポイントが用意されており、肩部装甲もモジュール化され換装が容易な設計となっていた。特に両腕部ハードポイントには膨大な電力を供給するための接続マウントが設けられており、ビーム・シールドもしくはヴェスバーの搭載が想定されていたものと思われる。胸部装甲の形状変更はコクピット周囲へのサイコフレーム搭載が想定されていたと思われ、腰部グレネードもサイコミュ・グレネードの採用が検討されていたとする資料も存在する。
登場作品と操縦者
- 機動戦士ガンダムF90
- 初出作品。第7~8話で登場した。オールズモビルに寝返ったボッシュが搭乗し、オリンポス基地内でシドの乗るギラ・ドーガ改やジェガン部隊を迎撃。その後ガンダムF90 1号機と交戦し、右腕と左足を破壊されながらも1号機の頭部と左腕を破壊するが、トップアタックを仕掛けた際に胸部にビーム・ライフルの直撃を受け大破した[5]。
- 大破した機体はパーツの6割を喪失していたものの、地球連邦軍に回収され、サナリィによってガンダムF90IIへと再改修された。
- 機動戦士ガンダムF90FF
- プロローグで登場。1号機と激闘を繰り広げた。
- 機動戦士ガンダムF90クラスター
- 月刊モビルマシーン
- VOLUME22で解説が行われ、脚部ジェネレーターが胴体へ移設された件や、サイコフレームの搭載を画策していたなどの設定が新たに追加された。
装備・機能
特殊機能
- C.A(TYPE ”CA-III”)
- 2号機に搭載されている擬似人格プログラム。機動性が高く、通常のモビルスーツの3倍の速度を出す事が可能。
武装・必殺攻撃
- 頭部バルカン砲
- 頭部に左右一対二基内蔵された機関砲。
- ビーム・サーベル
- バックパックに装備されている近接用兵装。ベース機では二本装備していたが、本仕様ではバックパック右側に装備している一本のみとなっている。
- ビーム・マシンガン
- MMP-80マシンガンを髣髴とさせる形状の携行射撃装備。非使用時にはリアスカートにマウントされる。
『Gジェネシリーズ』の内、『SPIRITS』など一部タイトルでは元のF90のビーム・ライフルの形状のままビームマシンガンとして実装されている。 - 対MS用グレネード
- 腰部サイドスカートに二基ずつ、計四基装備。筒状の発射管から射出される。F90本体にサイコフレームを搭載し、サイコミュ・グレネードの採用が検討されていたとする資料が存在する。
- スパイク・アーマー
- 右肩部に追加されたスパイク。一見アナクロに見えるが、至近戦闘における有用性はつとに知られているため、有効な兵装として採用された。
対決・名場面
- これがガンダム!悪魔の力よ!!
- 『F90』第8話より。ガンダムの力が欲しいがためにジオン残党へと下ったボッシュと、ジオンの眷属と変わり果てた2号機は、火星基地に侵入してきた1号機とデフの前に立ち塞がる。ベテランの経験の差で押してくるボッシュに対し、装着オプションのパージなどの機転と新世代機故の火力で応戦し形勢逆転するデフだったが、不意打ちにより直撃弾を受けかける。しかし、1号機は咄嗟に左腕で庇って直撃弾を防いだ。ここに来て1号機に搭載されている疑似人格プログラムA・Rが予測行動をしている事を知ったデフに対し、ボッシュはこれまでの戦闘は疑似人格コンピュータを搭載したガンダムの力の成せる技だと言い放つ。そしてガンダムの力に執着する切欠となったνガンダムが引き起こした奇跡を「悪魔の力」と証したボッシュは1号機に再び襲い掛かった。
関連機体
- ガンダムF90 2号機
- ベース機。鹵獲時の損傷部(右肩アーマー、頭頂部メイン・カメラ)は改修に伴い変更されている。
- ガンダムF90II
- 奪還した機体をサナリィで再改修した機体。ガンダムF91の建造時データがフィードバックされている。
余談
- 赤色の(混じった)機体色にC.Aと、赤い彗星に肖っている機体であるが、『F90』の脚本を手掛けた山口宏氏曰く「当時は赤いガンダムというものが無かったんで登場させた」との事。実際に漫画本編で中原氏が描いた本機は(白黒ページではあるものの)全身が赤いように見える。また、『F90FF』第7巻巻末のインタビューでは山口氏がTwitter上での発言を踏まえて公式画稿が「赤いガンダム」ではなく「赤と白のツートン」である理由について「(ツートンの)大河原さんの公式画稿はその後だと思います。たぶん加藤(智)さんが発注したんじゃないかな。」と推測している。
- 下半身の後ろ側を見ると、腰部リアアーマーや脚部の形状がνガンダムにやや似通っているのがわかる(サーベルが右側1本しか無い点なども)。この事は上記のインタビューで話題に上がっており、山口氏と小太刀氏は中原氏が意識して描いたのではないかと推測している。
商品情報
漫画