「ガンダムF90」の版間の差分
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− | + | ダウンサイジングにあたり、ムーバブルフレームの構成から始まり、ヤシマ重工から提供を受けたマイクロハニカム構造の採用により、フレーム断面の重量を従来品から30%カットに成功。MS用小型高出力ジェネレータの開発が遅れていたので、MS用ではない軌道レース衛星用の物をMS用に改造した物を2基当初は搭載していた。後に小型MS用ジェネレータが開発・量産されて以降はそちらを1基搭載する仕様に変更された。 | |
− | + | 外付けの換装装備規格「ミッションパック」を採用し、ハードポイントを設置して多種多様な機能を持ち合わせ、現場での即時交換も可能にしている。また、ミッションパックは理論上装着部位が重複しない限り、別々の装備であっても装備する事ができる。そのため、素体は無駄な装備の一切を取り外した機体になっている。これは実戦を想定していない試験機としての性格が強い本機体の事情による。ただしVタイプだけは装備のジェネレータリソースの配分(特に高出力を要するヴェスバーやビームシールド)や熱配分の関係で他装備の混載は不可能となっている。 | |
− | + | 基本OSは建造当時最新式で高性能だった8000系ニューロコンピュータに、「擬似人格」を持ち合わせている。この擬似人格は初期の1号機と2号機に試験的に採用され、1号機の総称が「Type-[[アムロ・レイ|A.R]]」で先読みする機能、2号機の総称が「Type-[[シャア・アズナブル|C.A]]」で機体性能を瞬間的に約3倍に引き上げる機能をそれぞれ設定された。ただしこのニューロコンピュータは熱に弱い為格納庫での待機時でも専用の冷却設備を要する代物であった。 | |
− | + | 基本的に試験機としての側面が強く、実戦投入は後継機に委ねられる予定であったが、オールズモビル戦役など不測の出来事から実戦投入の機会が多くなり、蓄積された運用データはF91などの後継機に引き継がれていき、ブラッシュアップしていった。 | |
オールズモビル戦役で2号機が火星独立ジオン軍に強奪・改修され指揮官機となり、1号機と戦闘。両機共に大破し、戦闘不能になるがサナリィに回収される。その後、1号機はそのまま修繕、2号機はF90IIに改修され運用された。 | オールズモビル戦役で2号機が火星独立ジオン軍に強奪・改修され指揮官機となり、1号機と戦闘。両機共に大破し、戦闘不能になるがサナリィに回収される。その後、1号機はそのまま修繕、2号機はF90IIに改修され運用された。 | ||
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:背部バックパックに2本装備。配置はRX-78こと初代ガンダムと同じ。 | :背部バックパックに2本装備。配置はRX-78こと初代ガンダムと同じ。 | ||
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:本機専用デザインの1枚板の実体盾。 | :本機専用デザインの1枚板の実体盾。 | ||
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;(Aタイプ)アサルトタイプ | ;(Aタイプ)アサルトタイプ | ||
:敵陣深くに単独で侵攻し、重要拠点をビームバズーカで奇襲する強襲用。両肩にミノフスキークラフト式の機動ユニット、手足のハードポイントに大量の推進剤を備え、長時間の大気圏飛行を可能にしている。 | :敵陣深くに単独で侵攻し、重要拠点をビームバズーカで奇襲する強襲用。両肩にミノフスキークラフト式の機動ユニット、手足のハードポイントに大量の推進剤を備え、長時間の大気圏飛行を可能にしている。 | ||
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:当初は配色や内装プログラム以外はほぼ同一仕様だった。 | :当初は配色や内装プログラム以外はほぼ同一仕様だった。 | ||
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;[[ガンダムF90II]] | ;[[ガンダムF90II]] | ||
− | : | + | :1号機との戦闘で大破した2号機(火星独立ジオン軍仕様)を回収し、機体パーツの6割を新造して製作された機体。試作型バイオコンピュータの搭載や小型MS規格の新型ジェネレータ搭載などにより性能が向上。デザインも変更され、[[F91]]に近いものとなった。カラーリングはトリコロール基調である面は変わらないが色の付いた部分が増え白い部分が減った物となっている。ミッションパックが使用出来る様にハードポイントシステムも戻され、本機の製造後に作られたミッションパックも存在する。 |
;ガンダムF90I(木星決戦仕様) | ;ガンダムF90I(木星決戦仕様) | ||
:『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人|鋼鉄の7人]]』に登場したインターセプトタイプの決戦仕様。パイロットは[[ミノル・スズキ]]。肩パーツがF90IIの物に変更されている他、ビームランサーの代わりに小型核ミサイルを装備したショットランサー兼ビームライフルを装備しているのが特徴。 | :『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人|鋼鉄の7人]]』に登場したインターセプトタイプの決戦仕様。パイロットは[[ミノル・スズキ]]。肩パーツがF90IIの物に変更されている他、ビームランサーの代わりに小型核ミサイルを装備したショットランサー兼ビームライフルを装備しているのが特徴。 | ||
;[[クラスターガンダム]] | ;[[クラスターガンダム]] | ||
− | : | + | :F90の3号機かつY型仕様。コアブロックシステムを採用している。 |
;[[ガンダムF91]] | ;[[ガンダムF91]] | ||
:F90V型装備仕様から発展開発された新型試作機。 | :F90V型装備仕様から発展開発された新型試作機。 |
2018年4月26日 (木) 13:06時点における版
F90 ガンダムF90(Gundam F90)
- 登場作品:
- デザイナー:大河原邦男
- 装甲材質:ガンダリウム合金セラミック複合材
- 分類:汎用試作型モビルスーツ
- 頭頂高:14.8m
- 本体重量:7.5t
- 全備重量:17.8t
- ジェネレーター出力:3,160kw
- スラスター推力:27,510kg×2、9,870kg×2
- アポジモーター数:51
- ハードポイント:21
- 開発:サナリィ
- 所属:地球連邦軍
- 主なパイロット:デフ・スタリオン、ベルフ・スクレット
海軍戦略諜報機関のサナリィの「フォーミュラ計画(Fシリーズ)」により開発された地球連邦軍の試作汎用型モビルスーツ。機体名にガンダムを称しているが、これは先祖に当たるガンダムに肖った名称で正式名称は「フォーミュラー・ナインティン」。サナリィの趣旨である「モビルスーツの小型化」を目指して設計され、既存のモビルスーツの機能を落とすことなくダウンサイジングに成功している。この機体は「Fシリーズ」の「F9シリーズ」のラインを採用しており、サナリィ製モビルスーツの基本体となっている。当初は搭載OSのみ異なる2機が製造されたとされていたが、後に3号機であるクラスターガンダムの存在が明らかになり、さらには他の予備機が存在していたなどの事情により、正確な生産数は不明である。
ダウンサイジングにあたり、ムーバブルフレームの構成から始まり、ヤシマ重工から提供を受けたマイクロハニカム構造の採用により、フレーム断面の重量を従来品から30%カットに成功。MS用小型高出力ジェネレータの開発が遅れていたので、MS用ではない軌道レース衛星用の物をMS用に改造した物を2基当初は搭載していた。後に小型MS用ジェネレータが開発・量産されて以降はそちらを1基搭載する仕様に変更された。
外付けの換装装備規格「ミッションパック」を採用し、ハードポイントを設置して多種多様な機能を持ち合わせ、現場での即時交換も可能にしている。また、ミッションパックは理論上装着部位が重複しない限り、別々の装備であっても装備する事ができる。そのため、素体は無駄な装備の一切を取り外した機体になっている。これは実戦を想定していない試験機としての性格が強い本機体の事情による。ただしVタイプだけは装備のジェネレータリソースの配分(特に高出力を要するヴェスバーやビームシールド)や熱配分の関係で他装備の混載は不可能となっている。
基本OSは建造当時最新式で高性能だった8000系ニューロコンピュータに、「擬似人格」を持ち合わせている。この擬似人格は初期の1号機と2号機に試験的に採用され、1号機の総称が「Type-A.R」で先読みする機能、2号機の総称が「Type-C.A」で機体性能を瞬間的に約3倍に引き上げる機能をそれぞれ設定された。ただしこのニューロコンピュータは熱に弱い為格納庫での待機時でも専用の冷却設備を要する代物であった。
基本的に試験機としての側面が強く、実戦投入は後継機に委ねられる予定であったが、オールズモビル戦役など不測の出来事から実戦投入の機会が多くなり、蓄積された運用データはF91などの後継機に引き継がれていき、ブラッシュアップしていった。
オールズモビル戦役で2号機が火星独立ジオン軍に強奪・改修され指揮官機となり、1号機と戦闘。両機共に大破し、戦闘不能になるがサナリィに回収される。その後、1号機はそのまま修繕、2号機はF90IIに改修され運用された。
登場作品
装備・機能
特殊機能
- 換装
- 機体各所に配置されたハードポイントを介しミッションパックを換装可能。なお一部の装備を除いて混載が可能な様になっている。
基本武装
- バルカン砲
- 頭部(こめかみ横)に左右一対二基内蔵。設計側では必要無しと排除されていたが用兵側からの自衛装備の要求から急遽盛り込まれた装備。
- ビームサーベル
- 背部バックパックに2本装備。配置はRX-78こと初代ガンダムと同じ。
- ビームライフル
- 本機専用デザインの物で当時の一般仕様より威力は高い。
- シールド
- 本機専用デザインの1枚板の実体盾。
ミッションパック
- (Aタイプ)アサルトタイプ
- 敵陣深くに単独で侵攻し、重要拠点をビームバズーカで奇襲する強襲用。両肩にミノフスキークラフト式の機動ユニット、手足のハードポイントに大量の推進剤を備え、長時間の大気圏飛行を可能にしている。
- (Bタイプ)ボンバードタイプ
- (Cタイプ)コールドネスタイプ
- 寒冷地用。
- (Dタイプ)デストロイドタイプ
- 敵主力の面制圧用装備。実体弾かつ、近距離用の重火器が多い。
- (Eタイプ)エレクトリックタイプ
- (Fタイプ)ファイトタイプ
- (Gタイプ)ガードタイプ
- (Hタイプ)ホバータイプ
- 局地戦用。
- (Iタイプ)インターセプトタイプ
- 迎撃追撃用。巨大なシールドを装備しており、この盾は飛行から大気圏突入までをサポートできる。
- (Jタイプ)ジャケットタイプ
- (Kタイプ)キープタイプ
- (Lタイプ)ロングレンジタイプ
- 長距離狙撃用。主武装のロングレンジライフルは、ビーム、実弾を兼用しており、状況に応じて使い分ける事ができる。
- (Mタイプ)マリンタイプ
- 水中用。全身に魚雷を装備している。
- (Nタイプ)不明
- 核武装=Nucleaとも、ニュータイプ=NewTypeとも、またそのダブルミーニングとも言われているが、詳細は不明。
- (Oタイプ)オフィサータイプ
- (Pタイプ)ブランジタイプ
- 大気圏突入用。
- (Rタイプ)レコノイタータイプ
- (Sタイプ)サポートタイプ
- 長距離支援用。
- (Tタイプ)トレーサータイプ
- (Uタイプ)アップリフトタイプ
- (Vタイプ)ヴェスバータイプ
- 新規格火器試験仕様。
- (Wタイプ)ウォーバータイプ
- 軍用機。ノウハウはレコードブレイカーに活用された。
- (Xタイプ)エキストラタイプ
- (Yタイプ)ヤングスタータイプ
- 詳細はクラスターガンダムを参照。
- (Zタイプ)
- ゼロタイプ
関連機体
- ガンダムF90 2号機
- 当初は配色や内装プログラム以外はほぼ同一仕様だった。
- ガンダムF90火星独立ジオン軍仕様
- オールズモビル(火星独立ジオン軍)が強奪した2号機を独自に改修した機体。機体色はオレンジと白。ハードポイントによるミッションパック換装機能を排除しセンサーの大型化やアポジモーターの増設などを行ったため、機体性能は向上している。V字アンテナが撤去された頭部と旧ジオン系を彷彿させる左肩のスパイクアーマーが特徴。
- ガンダムF90II
- 1号機との戦闘で大破した2号機(火星独立ジオン軍仕様)を回収し、機体パーツの6割を新造して製作された機体。試作型バイオコンピュータの搭載や小型MS規格の新型ジェネレータ搭載などにより性能が向上。デザインも変更され、F91に近いものとなった。カラーリングはトリコロール基調である面は変わらないが色の付いた部分が増え白い部分が減った物となっている。ミッションパックが使用出来る様にハードポイントシステムも戻され、本機の製造後に作られたミッションパックも存在する。
- ガンダムF90I(木星決戦仕様)
- 『鋼鉄の7人』に登場したインターセプトタイプの決戦仕様。パイロットはミノル・スズキ。肩パーツがF90IIの物に変更されている他、ビームランサーの代わりに小型核ミサイルを装備したショットランサー兼ビームライフルを装備しているのが特徴。
- クラスターガンダム
- F90の3号機かつY型仕様。コアブロックシステムを採用している。
- ガンダムF91
- F90V型装備仕様から発展開発された新型試作機。
- シルエットガンダム
- V型仕様のデータを盗用したアナハイムで開発された実験試作機。
- クロスボーン・ガンダム
- 系列機。F97。
- レコードブレイカー
- ミノフスキードライブの実験機で同じく系列機。F99。