「デスティニーガンダム」の版間の差分

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| 正式名称 = デスティニー
 
| 正式名称 = デスティニー
 
| 分類 = 試作型[[モビルスーツ]]
 
| 分類 = 試作型[[モビルスーツ]]
| 型式番号 = ZGMF-X42S
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| 型式番号 = ZGMF-X42S<ref>ユニウス条約違反である核エンジンの搭載を示す「A」は故意に削除され、代わりにセカンドステージを示す「S」が付け加えられている。ただし、政治的配慮を考えず純粋に性能で判断するならサードステージかそれ以上のハイステージに属する機体となる。</ref>
 
| 全高 = 18.08m
 
| 全高 = 18.08m
 
| 重量 = 79.44t
 
| 重量 = 79.44t
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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[インパルスガンダム|インパルス]]の運用データをもとに開発された[[ザフト軍]]の最新鋭[[モビルスーツ]]。<br />インパルスの[[フォースインパルスガンダム|フォース]]・[[ソードインパルスガンダム|ソード]]・[[ブラストインパルスガンダム|ブラスト]]の各シルエットの特徴を併せ持つ遠距離、中距離、近距離の全領域に対応する万能機をコンセプトとして開発された。当初はインパルス用の装備としてこれらのシルエットの特徴を併せ持った新型装備「[[デスティニーインパルスガンダム|デスティニーシルエット]]」が製造されて運用テストが行われたが、既にインパルスは分離、合体機構の採用で構造が複雑化しており、そこにさらに多数の武装を追加したことで電力消費量も膨大なものとなり、実戦での運用に耐えうるものではなかった。インパルスをベースとした開発継続はもはや限界となり、開発陣は方針を転換。完全新設計のモビルスーツとして本機が誕生することとなった。
+
プラント最高評議会議長[[ギルバート・デュランダル]]の指令により開発された[[ザフト軍]]の最新鋭[[モビルスーツ]]。
  
開発は[[プラント]]最高評議会議長[[ギルバート・デュランダル]]の主導で行われ、当時、既に形骸化していた[[ユニウス条約]]を半ば故意犯的に破っている。これにより本機では再び[[ニュートロンジャマーキャンセラー]]、[[ミラージュコロイド]]といった技術を導入している。動力はデュートリオンエンジンと核エンジンとのハイブリッドエンジンである「[[ハイパーデュートリオンエンジン]]」となり、従来の機体を凌駕する高出力を獲得した。新エンジンの採用に伴い、OSは新型の「'''G'''unnery '''U'''nited '''N'''uclear-'''D'''euterion '''A'''dvanced '''M'''aneuver System(核・デュートリオン統合先進機動砲撃システム)」となっている。ミラージュコロイドシステムは[[ブリッツガンダム|ブリッツ]]に搭載された光学迷彩によるステルスシステムではなく、自機の周囲にミラージュコロイドを散布して残像を発生させるものとなっている。
+
当初の開発コンセプトは、[[インパルスガンダム|インパルス]][[シルエットシステム]]によってなし得ていた多様性を一機に集約する事にあった。そのため、開発はインパルスをベースとしつつ[[フォースインパルスガンダム|フォース]][[ソードインパルスガンダム|ソード]]、[[ブラストインパルスガンダム|ブラスト]]の各シルエットを統合した「[[デスティニーインパルスガンダム|デスティニーシルエット]]」の形で開始された。完成したデスティニーインパルスは4機が試作されたが、運用データからインパルスをベースとするよりゼロから新規設計した方がより高性能機になると判断され、開発計画もそちらへとシフトした。
  
全身の装甲は細かく分割され、さらに関節部の動きに連動して装甲をスライドさせることによって柔軟な可動性を実現、運動性能の飛躍的な向上を果たした。さらに内部フレームは[[フェイズシフト装甲|PS装甲]]技術を転用した特殊素材となっており、装甲分割による防御力の低下を抑えるとともに、高機動戦闘時におけるフレームへの負荷を光に変換して外部に放出することが可能となっており、高負荷のかかったフレームは鈍い金属色に発光する。本機構による柔軟な可動性能は、搭載された多数の武装を効率よく運用する上でも必要不可欠なものとなっている。同様の機構は[[クライン派]]で製造された[[ストライクフリーダムガンダム|ストライクフリーダム]]にも採用されたが、あちらは開発、整備環境が限られていることもあり、極限まで装甲を分割し被弾ゼロを前提とした半ば強引な設計となっているのに対し、本機では充実した環境によって搭乗者である[[シン・アスカ]]の操縦技術、反応速度に合わせた調整が繰り返し行われ最適化されており、防御力の低下は最小限に抑えられている。
+
新たなスタートを切ったデスティニーの開発では、開発指令を発したデュランダルから「最高の技術をすべて盛り込む」事が求められた<ref>これは[[ユニウス条約]]によって禁止された各種技術の搭載も意味している。</ref>。結果、完成したデスティニーは[[核エンジン]][[ハイパーデュートリオンエンジン]]によるハイブリッドシステムを搭載し、更に[[ミラージュコロイド]]技術を応用した光学残像を形成する分身機構も有している。加えて、[[D.S.S.D]]の独自開発した[[スターゲイザー]]に搭載された[[ヴォワチュール・リュミエール]]の技術をも転用し<ref>D.S.S.Dは非軍事組織であり、プラントの支援も受けているが、軍事への技術協力を完全拒否しており、同技術がD.S.S.Dから直接伝えられたとは考えにくい。</ref>、高速移動時には背部のウィングから「光の翼」が出現するという独自の推進システムの構築に成功。更に開発陣はこれら既存の技術の発展転用だけでなく、掌部にビーム砲を搭載するなど、他の機体には見られない独自システムも多数搭載している。これは「モビルスーツによる戦闘運用の新たな想像」であり、デスティニーはそれまでの機体とは全く違う戦闘も可能とする機体となった。
  
背部大型ウイングには新技術として、[[D.S.S.D.]]の宇宙探査機[[スターゲイザー]]に採用されていたヴォワチュール・リュミエールシステムを独自発展させた高推力スラスターを搭載している。スラスターの使用時はウイングから「光の翼」を発生させ、元々従来機以上である本機の機動性を更に引き上げることが可能であり、前述のミラージュコロイドにより発生する残像と併用することにより、並のパイロットでは本機を捕捉することすら不可能となっている。
+
完成した機体は[[ミネルバ]]所属のエースパイロット[[シン・アスカ]]に引き渡され、デュランダル自らが引き渡しを行った。引き渡し前にはそれまでのシンの各種戦闘データを参考に機体への大掛かりな再調整・微改造も行われており、この結果、本機は専属パイロットであるシン・アスカが搭乗した時にこそ最強の真価が発揮される事になった。
  
その他、機体のソフト、ハード両面においてシンの搭乗を前提とした調整がなされており、事実上、彼専用の機体となっている。
+
人体を模した形を持つMSは堅い外装を持つ故に人と同じように動く事が出来ず、戦闘用に特化したマシンとして「銃を撃つ」「剣を振る」など限られた基本動作はほぼ人間と同じように行う事が可能であったが、デスティニーはそうした限られた動作だけでは十分な性能を引き出せない事が設計段階で判明しており、全身のあらゆる箇所に設置されている武装を戦闘中にタイムロスなく使いこなす必要があった。この問題への解決策として、「より人間に近い動きが可能となる機体」として開発されている。採用された技術として、基本構造を細かなパーツに分割し、それぞれを連動させる方式が取られ、関節部においては[[フェイズシフト装甲]]技術を転用した特殊素材が採用された。これは運動に合わせて各部の素材性質を変化させるもので、文字通り柔軟性のある関節を生み出す事が可能となった。しかし、その構造は通常のMSの数倍複雑であり、生産とメンテナンスの面では大きな問題を残す事になった。
  
様々な新機軸が導入されたことから、本来ならばサードステージシリーズに分類されるMSであるが、前述の政治的な理由からセカンドステージシリーズに分類されている。型式番号の末尾が核動力機を示す「A」ではなくセカンドステージシリーズを示す「'''S'''」になっているのはそのためである。
+
本機の脚部は装甲を複数のパーツに分割し、それぞれをフレキシブルにスライドさせる事で広い可動範囲と高い運動性を実現している。これは装甲に隙間を作る事と同義語であり、防御力の低下は避けられないが、ザフト開発陣は専属パイロットであるシン・アスカの戦闘データを解析し、パイロットの運用実績に合わせた可動範囲の設定と装甲分割を行っている。これにより、敵に対する無防備な瞬間を最小限に留めながら最大の機動性を発揮する事が可能となった<ref>同様のシステムは[[ストライクフリーダムガンダム|ストライクフリーダム]]にも採用されているが、こちらは機動力を上げる事で被弾しない事を前提とした、「防御力の低下を無視する」仕様であり、根本的なシステム思想は大きく異なる。</ref>。
  
ちなみに、主人公機の前機体の各要素を詰め込んだ機体というのは、元々はフリーダムの[[ストライクガンダムI.W.S.P.|初期案]]でもあった。
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なお、ザフトでは複数のデスティニーとエースパイロットで構成された部隊「コンクルーダーズ」が検討されていたとされる。
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
;[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
 
;[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
:初登場作品。PHASE-35で[[ジブラルタル基地]]で[[シン・アスカ]]が受領。多数の地球連合やオーブ軍機を撃墜し、ストライクフリーダムやインフィニットジャスティスとも交戦した。最終決戦となるメサイア攻防戦において、アスランの搭乗する[[インフィニットジャスティスガンダム|インフィニットジャスティス]]との戦闘で大破、機体は月面に不時着し放棄された。
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:初登場作品。PHASE-35で[[ジブラルタル基地]]で[[シン・アスカ]]が受領。多数の地球連合やオーブ軍機を撃墜し、ストライクフリーダムやインフィニットジャスティスとも交戦した。最終決戦となるメサイア攻防戦において、アスランの搭乗する[[インフィニットジャスティスガンダム|インフィニットジャスティス]]との戦闘で大破、機体は月面に不時着し放棄された。<br/>後半の主役機かつ番組タイトルの「デスティニー」を冠するガンダム、と主役機の要素満載だが、記念すべき初陣が軍を脱走した[[アスラン・ザラ|アスラン]]を追跡し撃墜する役回り、上記の通り最終決戦で敗北、OPの番組タイトルバックの出番を[[ストライクフリーダムガンダム]]に奪われる、などパイロットのシン同様に作中での扱いは不憫なものであった。
 
;[[ガンダムビルドファイターズトライ]]
 
;[[ガンダムビルドファイターズトライ]]
 
:第7話にて区立条冬中学のファイターである[[イズナ・シモン]]の使用するガンプラとして登場。特筆した改造の無い「素組み」の機体であったが、それでも大会常連校の機体を打ち破るほどの凄まじい戦闘力を誇る。<br />準々決勝では[[カミキ・セカイ]]の駆る[[ビルドバーニングガンダム]]と壮絶な肉弾戦を繰り広げた。
 
:第7話にて区立条冬中学のファイターである[[イズナ・シモン]]の使用するガンプラとして登場。特筆した改造の無い「素組み」の機体であったが、それでも大会常連校の機体を打ち破るほどの凄まじい戦闘力を誇る。<br />準々決勝では[[カミキ・セカイ]]の駆る[[ビルドバーニングガンダム]]と壮絶な肉弾戦を繰り広げた。
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=== 特殊能力 ===
 
=== 特殊能力 ===
 
;[[ヴァリアブルフェイズシフト装甲]]
 
;[[ヴァリアブルフェイズシフト装甲]]
:[[フェイズシフト装甲]]の改良型。装甲に掛ける電圧を調整できるようになっており、エネルギー消費の効率化を図っている。装甲の色は電圧に応じて変化するようになった。
+
:[[フェイズシフト装甲]]を改良した相転移装甲。装甲に掛ける電圧を調整できるようになった結果、エネルギー消費の効率化を図っている。<br/>また、関節部にはPS装甲技術を転用した特殊素材が採用され、運動に合わせて関節部の素材性質を変化させる事で関節に高い柔軟性を生み出している。
;光の翼
+
;ウイングユニット
:背部のウイングユニットはフリーダムの大型ウイングの発展型で、内部のスラスターには[[D.S.S.D.]]で開発された[[ヴォワチュール・リュミエール]]の近似技術が採用され、出力増大に伴って「光の翼」が発生する。<br />[[スターゲイザー]]のようにソーラーセイルとして用いるものではなく、自機の電源から得られたエネルギーを光圧に特殊変換し主推力として用いている。
+
:背部ウイングユニットはメインスラスターを中心に左右対称に配置され、大型パーツの内部に小型ウイングが収納されてており、展開すると合計十基のウイングとなる。<br/>[[ヴォワチュール・リュミエール]]の技術が転用されており、出力を上げると「光の翼」が発生するが、D.S.S.D製のそれが光の幕で太陽風を受けるソーラーセイルのシステムを基本としているのに対し、デスティニーではシステムから得られる特殊なエネルギー変換による強大な光圧を加速時のメイン推進とするなど、運用法に大きな違いが見られる。
 
;[[ミラージュコロイド]]
 
;[[ミラージュコロイド]]
 
:背部ウイングユニットから放出される。本機はステルス装備としてではなく、自機の残像を映す幻惑機能として装備している。特に高速機動時の効果は高く、本機の高い機動性と相俟って敵機を翻弄する。
 
:背部ウイングユニットから放出される。本機はステルス装備としてではなく、自機の残像を映す幻惑機能として装備している。特に高速機動時の効果は高く、本機の高い機動性と相俟って敵機を翻弄する。
 
;[[ハイパーデュートリオンエンジン]]
 
;[[ハイパーデュートリオンエンジン]]
:核エンジンとデュートリオンシステムのハイブリッド動力機関。
+
:核エンジンとデュートリオンシステムのハイブリッド動力機関。この動力機関から得られる膨大な出力によって多様な兵装の搭載と運用が可能となった。
  
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;MMI-GAU26 17.5mm CIWS
 
;MMI-GAU26 17.5mm CIWS
:頭部に2門内蔵されたバルカン砲。<br />本機唯一の実弾兵器で、先行のセカンドステージシリーズに装備された物より小径化されている。劇中未使用。
+
:頭部に2門内蔵されたバルカン砲。<br />本機唯一の実弾兵器で、PS装甲を持つMSなどには効果は薄いが、対人制圧やミサイル迎撃などに効果を発揮する。
 
;MA-BAR73/S 高エネルギー[[ビームライフル]]
 
;MA-BAR73/S 高エネルギー[[ビームライフル]]
:インパルスなどに装備されていた物の改良型。<br />ハイパーデュートリオンエンジンの採用により、さらなる出力、速射性能の向上が図られた。腰部にマウントラッチがある。
+
:先行したセカンドステージシリーズMSに装備されていたビームライフルの改良型。ハイパーデュートリオンの採用により、豊富な電力が確保されたことから、それに対応できるよう改良され、出力と連射性が大幅にアップした。
 
;RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン
 
;RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン
:ソードインパルスのフラッシュエッジの発展型。<br />[[ビームサーベル]]としても使用可能だが、2つを組み合わせて大型の実体式ブーメランとする機構はオミットされた。対ビームシールドを容易に切断する威力がある。
+
:左右両肩に装備された簡易[[ドラグーンシステム|ドラグーン]]式のビームブーメラン。ソードインパルスの同装備の改良型である。オリジナルにあった連結機構は無くなっているが、ビームの出力調整により刃が伸縮し、[[ビームサーベル]]としての役割も果たすようになった。
 
;M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲
 
;M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲
:背部の左ウェポンラックに装備された大型ビームランチャー。不使用時は2つ折りにマウントされる。<br />展開時の全長は機体の全高を上回る。出力はガナーウィザードのオルトロスやブラストインパルスのケルベロスを凌駕し、MSの携帯火器の中でも最強クラス。速射性能も高いため、咄嗟の迎撃にも使用できる。<br />砲身の分割技術には本体でも採用された基本構造体の細部化、連動機構が生かされている。<br />デスティニーの射撃兵装では最大の火力を誇る武装でありながら、何故か「オルトロス改」や「ケルベロス改」といった愛称は用意されなかった。
+
:背面左部に装備された、破壊力と精度を併せ持った大型ビームランチャー。ブラストシルエットと同装備の改良タイプで、ハイパーデュートリオンからの豊富なエネルギー供給により、攻撃力はオルトロスやケルベロスを遥かに上回る。通常は折りたたまれた状態にあり、展開時の銃身は機体の身長を越える程である。<br/>折りたたみ技術には、本体にも採用された基本構造体の細部化と連動が生かされており、他にも変形機構を持つ武装が存在するが、ここまで複雑化したものはないとされる。
 
;MMI-714 アロンダイト ビームソード
 
;MMI-714 アロンダイト ビームソード
:背部の右ウェポンラックに装備された、対艦刀を兼ねた近接戦用大型ビームソード。不使用時は2つ折り状態でマウントされる。<br />ソードインパルスのエクスカリバーやグフイグナイテッドのテンペストの発展型で、[[デストロイガンダム|デストロイ]]すら一刀両断するほどの威力があるが、折りたたみ式という構造上やや脆弱な部分がある。機体の全高を上回る長さで、使用の際には駆動部にも高い剛性と柔軟性が求められる。
+
:背面右部に装備されているビーム刃と実体刃の二種の刃を持つ長刀。エクスカリバーの改良型であるが刀身は更に伸びている。高エネルギー長射程ビーム砲と同様に折りたたまれた状態で装備される。<br/>斬馬刀の如く一刀の元に敵艦艇を両断する切れ味を持つが、同時に格闘戦でも猛威を振るう。これだけの長さの剣を扱うためには、機体そのものの柔軟性は元よりパイロットにも高度な操縦技術が必要であり、仮にデスティニー以外の機体に装備させても使いこなす事は不可能とされる。
 
;MMI-X340 パルマフィオキーナ 掌部ビーム砲
 
;MMI-X340 パルマフィオキーナ 掌部ビーム砲
:左右の掌底部に内蔵された小型ビーム砲で、デスティニー独自の実験的兵装。<br />戦艦の装甲をも一撃で破壊する威力を持ち、主に接近戦で威力を発揮する。ゼロ距離射撃、中距離射撃、果てはビームサーベルとして使用することも可能とされており、パイロットの発想次第で様々な応用が可能。<br />劇中では、本機の高い機動性を生かして懐に飛び込み、ゼロ距離で発射し対象を貫くといった運用方法が中心となった。<br />[[シャイニングガンダム]]のシャイニングフィンガーをオマージュした武器である。
+
:両手の掌に装備されたビーム兵器。デスティニーの隠し武器ともいえ、効果範囲は狭いが、極めて高い攻撃力を有し、密着した状態の相手を確実に破壊する。通常ありえないゼロ距離での格闘戦を想定した武装であり、ここからもデスティニーの特異さを伺う事ができた。新機軸の兵装であるがゆえに、戦術バリエーションも未知数であった。
 
;MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置
 
;MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置
:両手甲部に1基ずつ、計2基装備されている防御兵装。連合製MSであるハイペリオンなどが搭載していたモノフェーズ光波シールドを基に改良した装備。<br />ビーム砲や陽電子砲の直撃すら無効化する高い防御力を持つほか、展開サイズや形状も自在に変化させることが可能。さらには劇中では使用されなかったが、ビームサーベルやビームガンとして攻撃にも使用可能とされる。<br />実体式シールドと違い、ダメージの蓄積によって破壊される事が無いほか、機体の軽量化にも一役買っている。<br />使用には大量のエネルギーを消費する為、バッテリー駆動式のMSでは稼働時間が短縮されてしまうが、本機はハイパーデュートリオンエンジンを動力としているので稼働時間への影響は無い。<br />対ビームコーティングを施した実体兵装は素通りするという弱点があるが、本機ではVPS装甲を採用しているため、こちらも問題にはならない。
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:両手の甲に装備された[[ビームシールド]]。ビーム、実体弾の双方に高い防御力を発揮する。<br/>一説には[[ハイペリオンガンダム|ハイペリオン]]に装備されたモノフェーズ光波シールドの類型とも言われており、前大戦後、衰退した[[ユーラシア連邦]]の科学者陣により齎されたのではないかと推測される。<br/>両腕のものを合わせて防御範囲を大型化でき、シールド内部からの攻撃も可能であるなど、形状は状況に応じて変更できるためオールラウンドでの使用に適する。
 
;対ビームシールド
 
;対ビームシールド
:左腕にある防御装備。インパルスのシールドの機構が簡易化されて実装されており、上下に伸縮可能。<br />本機はビームシールドとVPS装甲があるため、あくまでフェイルセーフ用としての面が強い。実際に使用されたのはビームライフルや片腕を破壊された時の爆発から身を守った時ぐらいである。
+
:ビームコーティングが施された実体式のシールド。腕部に装備するために広範囲を防御できる。インパルスの機動防盾と同じく伸縮機構を備える。ビームシールドとの併用も可能だが、その際は伸長しないで用いられる。
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
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:オペレーション・フューリーにおいて初交戦。当初はアロンダイトを白刃取りされてレール砲を撃ち込まれる等劣勢気味であったが、レイのレジェンドとの連携により一時は撃墜寸前に追い込む。しかし寸前でアスランのインフィニットジャスティスが乱入したことにより失敗。メサイア攻防戦においても当初はレジェンドとともに交戦していたが、レイの命令でインフィニットジャスティスの迎撃にまわったため勝敗はつかなかった。<br />「ストライクフリーダムvsデスティニー」は3クール目OPのアウトロや、最終回直前の児童誌など様々な媒体で予告されていたが、劇中でこのカードが実現したのはわずか2回のみ、そのうち勝敗がついたのはわずか1回のみであった。
 
:オペレーション・フューリーにおいて初交戦。当初はアロンダイトを白刃取りされてレール砲を撃ち込まれる等劣勢気味であったが、レイのレジェンドとの連携により一時は撃墜寸前に追い込む。しかし寸前でアスランのインフィニットジャスティスが乱入したことにより失敗。メサイア攻防戦においても当初はレジェンドとともに交戦していたが、レイの命令でインフィニットジャスティスの迎撃にまわったため勝敗はつかなかった。<br />「ストライクフリーダムvsデスティニー」は3クール目OPのアウトロや、最終回直前の児童誌など様々な媒体で予告されていたが、劇中でこのカードが実現したのはわずか2回のみ、そのうち勝敗がついたのはわずか1回のみであった。
 
;対[[インフィニットジャスティスガンダム]]
 
;対[[インフィニットジャスティスガンダム]]
:オペレーション・フューリーとメサイア攻防戦の二度に渡って対峙するが、どちらもシンの迷いや負い目が操縦に反映され実力を発揮することが出来ず、インフィニットジャスティスには手も足も出なかった。メサイア攻防戦では両腕と片足を破壊され戦闘不能になり月面に墜落、シンはルナマリアに救助されたが、デスティニーの所在は不明である。
+
:オペレーション・フューリーとメサイア攻防戦の二度に渡って対峙するが、どちらもシンの迷いや負い目が操縦に反映され実力を発揮することが出来ず、インフィニットジャスティスには手も足も出なかった。メサイア攻防戦では両腕と片足を破壊され戦闘不能になり月面に墜落、シンはルナマリアに救助された。
::・TV版ではSEED能力を発現させた[[アスラン・ザラ]]に一瞬で無力化されるという、やられ役さながらの惨敗。このシーンを見ればシンが主人公と到底思えないし、技量が数段劣るという評価もやむを得ないだろう。
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::*TV版ではSEED能力を発現させた[[アスラン・ザラ]]に一瞬で無力化されるという、やられ役さながらの惨敗。このシーンを見ればシンが主人公と到底思えないし、技量が数段劣るという評価もやむを得ないだろう。
::・高山瑞穂氏のコミカライズ版ではアスランと信念をかけて対決し、デスティニーの性能をフルに発揮して追いつめた。ミーティアと合体した[[インフィニットジャスティスガンダム]]を相手に機動力で翻弄しミーティアを破壊、優位に立つ。しかし、リフターとキックの連携攻撃に対応しきれず逆転された。勝利を目前にしながらもアスランとの問答で精神的に追い詰められたシンが不用意に近づいてしまったことと<ref>この時点ではインフィニットジャスティスに有力な射撃武装はなかったため。</ref>、リフターでの虚を突くような露骨なフェイントに対応できないほどに疲弊していたことが敗因といえる。
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::*高山瑞穂氏のコミカライズ版ではアスランと信念をかけて対決し、デスティニーの性能をフルに発揮して追いつめた。ミーティアと合体した[[インフィニットジャスティスガンダム]]を相手に機動力で翻弄しミーティアを破壊、優位に立つ。しかし、リフターとキックの連携攻撃に対応しきれず逆転された。勝利を目前にしながらもアスランとの問答で精神的に追い詰められたシンが不用意に近づいてしまったことと<ref>この時点ではインフィニットジャスティスに有力な射撃武装はなかったため。</ref>、リフターでの虚を突くような露骨なフェイントに対応できないほどに疲弊していたことが敗因といえる。
::・久織ちまき氏の漫画『機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE』では、インフィニットジャスティスの右腕を破壊したものの、アロンダイトを奪われてレクイエムの発射口に投擲、レクイエムを破壊されてしまう。その後両腕を破壊され月面に墜落する。
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::*久織ちまき氏の漫画『機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE』では、インフィニットジャスティスの右腕を破壊したものの、アロンダイトを奪われてレクイエムの発射口に投擲、レクイエムを破壊されてしまう。その後両腕を破壊され月面に墜落する。
 
;対[[ビルドバーニングガンダム]]
 
;対[[ビルドバーニングガンダム]]
 
:[[ガンダムビルドファイターズトライ]]7話の準々決勝戦で対決。前日にセカイとシモンが全力を懸けた勝利宣言をしており、加えて残る双方のチームメンバーが全員リングアウトしてしまった事により、実質的な一対一の戦闘へと発展。互いの間合いである超近接戦で白熱した戦いを披露したが、最終的に[[ビルドバーニングガンダム]]が勝利を収めている。
 
:[[ガンダムビルドファイターズトライ]]7話の準々決勝戦で対決。前日にセカイとシモンが全力を懸けた勝利宣言をしており、加えて残る双方のチームメンバーが全員リングアウトしてしまった事により、実質的な一対一の戦闘へと発展。互いの間合いである超近接戦で白熱した戦いを披露したが、最終的に[[ビルドバーニングガンダム]]が勝利を収めている。
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== 関連機体 ==
 
== 関連機体 ==
 
=== 系列機・派生機など ===
 
=== 系列機・派生機など ===
 +
;[[デスティニーガンダムSpecII]]
 +
:デスティニーの改修機。動力が強化された事でVPS装甲のカラーリングが変化している他、コクピットが[[全天周囲モニター]]に換装されている。
 
;[[ハイネ専用デスティニーガンダム]]
 
;[[ハイネ専用デスティニーガンダム]]
 
:[[ハイネ・ヴェステンフルス]]専用に調整された同型機。上述の装甲やフレームの原理上、他人の仕様に調整し直すには手間とコストが掛かりすぎる機体なので、乗り手がいなくなった後は倉庫に保管され、そのまま終戦を迎えた。
 
:[[ハイネ・ヴェステンフルス]]専用に調整された同型機。上述の装甲やフレームの原理上、他人の仕様に調整し直すには手間とコストが掛かりすぎる機体なので、乗り手がいなくなった後は倉庫に保管され、そのまま終戦を迎えた。
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;[[ガンダムデスティニースカイ]]
 
;[[ガンダムデスティニースカイ]]
 
:『[[ガンダムビルドダイバーリゼ|ビルドダイバーリゼ]]』に登場する本機ベースの改造[[ガンプラ]]。上記のダブルオースカイに影響を受けており、デスティニーに[[GNドライヴ]]などの[[ダブルオーガンダム|ダブルオー]]の要素を取り入れた、ダブルオースカイとは真逆の発想の機体に仕上がっている。
 
:『[[ガンダムビルドダイバーリゼ|ビルドダイバーリゼ]]』に登場する本機ベースの改造[[ガンプラ]]。上記のダブルオースカイに影響を受けており、デスティニーに[[GNドライヴ]]などの[[ダブルオーガンダム|ダブルオー]]の要素を取り入れた、ダブルオースカイとは真逆の発想の機体に仕上がっている。
 
== 余談==
 
*主人公の番組後期における搭乗機で、番組タイトルの「デスティニー」を冠するガンダム、と主役機の要素満載のこの機体だが、記念すべき初陣が軍を脱走した[[アスラン・ザラ|アスラン]]を追跡し撃墜する役回り、最終決戦でアスランの[[インフィニットジャスティスガンダム]]に敗北、OPの番組タイトルバックの出番を[[ストライクフリーダムガンダム]]に奪われる、などパイロットのシン同様に作中での扱いはあまりよろしいものではなかった。
 
*ネット上では「腕が使用できなければ、頭部CIWS以外の武装が使用できなくなり、同時期の最新鋭機である[[ストライクフリーダムガンダム|ストライクフリーダム]]、[[インフィニットジャスティスガンダム|インフィニットジャスティス]]、[[レジェンドガンダム|レジェンド]]と比較すると無力である。手がある状態であっても手数に劣る」という指摘がされることもある。しかしこれについては
 
:・そもそも腕が無くなって中破状態の[[モビルスーツ]]の'''積極的な戦闘を想定すること自体が間違っている'''。
 
:・固定武装にも「取り換えられない」「パージできない」「破壊された時、本体へのダメージが大きい」等の'''デメリットがある'''ことを考慮していない。
 
:・シンをはじめとした[[ザフト軍]]のエースパイロットは'''手の延長としてMSの腕を扱うことに長けている'''ため、そのフレキシビリティを固定武装等で縛ってしまうのは問題がある。
 
:・モビルスーツという複雑な操縦を要する兵器の黎明期<ref>[[ジン]]が最初にロールアウトしたのがC.E.69。</ref>にあって、'''腕以上の数の兵装を同時に正確に制御できる程のパイロットは限られている'''。<br />といった意見もある。
 
  
 
== 商品情報 ==
 
== 商品情報 ==

2024年5月24日 (金) 11:18時点における最新版

デスティニーガンダム
外国語表記 Destiny Gundam
登場作品
デザイン 大河原邦男
テンプレートを表示
スペック
正式名称 デスティニー
分類 試作型モビルスーツ
型式番号 ZGMF-X42S[1]
全高 18.08m
重量 79.44t
動力 ハイパーデュートリオンエンジン
装甲材質 ヴァリアブルフェイズシフト装甲
開発組織 ザフト軍
所属組織 ザフト軍
所属部隊 FAITH
母艦 ミネルバ
主なパイロット シン・アスカ
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概要[編集 | ソースを編集]

プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルの指令により開発されたザフト軍の最新鋭モビルスーツ

当初の開発コンセプトは、インパルスシルエットシステムによってなし得ていた多様性を一機に集約する事にあった。そのため、開発はインパルスをベースとしつつフォースソードブラストの各シルエットを統合した「デスティニーシルエット」の形で開始された。完成したデスティニーインパルスは4機が試作されたが、運用データからインパルスをベースとするよりゼロから新規設計した方がより高性能機になると判断され、開発計画もそちらへとシフトした。

新たなスタートを切ったデスティニーの開発では、開発指令を発したデュランダルから「最高の技術をすべて盛り込む」事が求められた[2]。結果、完成したデスティニーは核エンジンハイパーデュートリオンエンジンによるハイブリッドシステムを搭載し、更にミラージュコロイド技術を応用した光学残像を形成する分身機構も有している。加えて、D.S.S.Dの独自開発したスターゲイザーに搭載されたヴォワチュール・リュミエールの技術をも転用し[3]、高速移動時には背部のウィングから「光の翼」が出現するという独自の推進システムの構築に成功。更に開発陣はこれら既存の技術の発展転用だけでなく、掌部にビーム砲を搭載するなど、他の機体には見られない独自システムも多数搭載している。これは「モビルスーツによる戦闘運用の新たな想像」であり、デスティニーはそれまでの機体とは全く違う戦闘も可能とする機体となった。

完成した機体はミネルバ所属のエースパイロットシン・アスカに引き渡され、デュランダル自らが引き渡しを行った。引き渡し前にはそれまでのシンの各種戦闘データを参考に機体への大掛かりな再調整・微改造も行われており、この結果、本機は専属パイロットであるシン・アスカが搭乗した時にこそ最強の真価が発揮される事になった。

人体を模した形を持つMSは堅い外装を持つ故に人と同じように動く事が出来ず、戦闘用に特化したマシンとして「銃を撃つ」「剣を振る」など限られた基本動作はほぼ人間と同じように行う事が可能であったが、デスティニーはそうした限られた動作だけでは十分な性能を引き出せない事が設計段階で判明しており、全身のあらゆる箇所に設置されている武装を戦闘中にタイムロスなく使いこなす必要があった。この問題への解決策として、「より人間に近い動きが可能となる機体」として開発されている。採用された技術として、基本構造を細かなパーツに分割し、それぞれを連動させる方式が取られ、関節部においてはフェイズシフト装甲技術を転用した特殊素材が採用された。これは運動に合わせて各部の素材性質を変化させるもので、文字通り柔軟性のある関節を生み出す事が可能となった。しかし、その構造は通常のMSの数倍複雑であり、生産とメンテナンスの面では大きな問題を残す事になった。

本機の脚部は装甲を複数のパーツに分割し、それぞれをフレキシブルにスライドさせる事で広い可動範囲と高い運動性を実現している。これは装甲に隙間を作る事と同義語であり、防御力の低下は避けられないが、ザフト開発陣は専属パイロットであるシン・アスカの戦闘データを解析し、パイロットの運用実績に合わせた可動範囲の設定と装甲分割を行っている。これにより、敵に対する無防備な瞬間を最小限に留めながら最大の機動性を発揮する事が可能となった[4]

なお、ザフトでは複数のデスティニーとエースパイロットで構成された部隊「コンクルーダーズ」が検討されていたとされる。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダムSEED DESTINY
初登場作品。PHASE-35でジブラルタル基地シン・アスカが受領。多数の地球連合やオーブ軍機を撃墜し、ストライクフリーダムやインフィニットジャスティスとも交戦した。最終決戦となるメサイア攻防戦において、アスランの搭乗するインフィニットジャスティスとの戦闘で大破、機体は月面に不時着し放棄された。
後半の主役機かつ番組タイトルの「デスティニー」を冠するガンダム、と主役機の要素満載だが、記念すべき初陣が軍を脱走したアスランを追跡し撃墜する役回り、上記の通り最終決戦で敗北、OPの番組タイトルバックの出番をストライクフリーダムガンダムに奪われる、などパイロットのシン同様に作中での扱いは不憫なものであった。
ガンダムビルドファイターズトライ
第7話にて区立条冬中学のファイターであるイズナ・シモンの使用するガンプラとして登場。特筆した改造の無い「素組み」の機体であったが、それでも大会常連校の機体を打ち破るほどの凄まじい戦闘力を誇る。
準々決勝ではカミキ・セカイの駆るビルドバーニングガンダムと壮絶な肉弾戦を繰り広げた。
ガンダムEXA VS
C.E.世界でアル・アダが搭乗し、デストロイガンダムや時間稼ぎに来たGダイバーの搭乗するXアストレイと交戦し撃破した。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊能力[編集 | ソースを編集]

ヴァリアブルフェイズシフト装甲
フェイズシフト装甲を改良した相転移装甲。装甲に掛ける電圧を調整できるようになった結果、エネルギー消費の効率化を図っている。
また、関節部にはPS装甲技術を転用した特殊素材が採用され、運動に合わせて関節部の素材性質を変化させる事で関節に高い柔軟性を生み出している。
ウイングユニット
背部ウイングユニットはメインスラスターを中心に左右対称に配置され、大型パーツの内部に小型ウイングが収納されてており、展開すると合計十基のウイングとなる。
ヴォワチュール・リュミエールの技術が転用されており、出力を上げると「光の翼」が発生するが、D.S.S.D製のそれが光の幕で太陽風を受けるソーラーセイルのシステムを基本としているのに対し、デスティニーではシステムから得られる特殊なエネルギー変換による強大な光圧を加速時のメイン推進とするなど、運用法に大きな違いが見られる。
ミラージュコロイド
背部ウイングユニットから放出される。本機はステルス装備としてではなく、自機の残像を映す幻惑機能として装備している。特に高速機動時の効果は高く、本機の高い機動性と相俟って敵機を翻弄する。
ハイパーデュートリオンエンジン
核エンジンとデュートリオンシステムのハイブリッド動力機関。この動力機関から得られる膨大な出力によって多様な兵装の搭載と運用が可能となった。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

MMI-GAU26 17.5mm CIWS
頭部に2門内蔵されたバルカン砲。
本機唯一の実弾兵器で、PS装甲を持つMSなどには効果は薄いが、対人制圧やミサイル迎撃などに効果を発揮する。
MA-BAR73/S 高エネルギービームライフル
先行したセカンドステージシリーズMSに装備されていたビームライフルの改良型。ハイパーデュートリオンの採用により、豊富な電力が確保されたことから、それに対応できるよう改良され、出力と連射性が大幅にアップした。
RQM60F フラッシュエッジ2 ビームブーメラン
左右両肩に装備された簡易ドラグーン式のビームブーメラン。ソードインパルスの同装備の改良型である。オリジナルにあった連結機構は無くなっているが、ビームの出力調整により刃が伸縮し、ビームサーベルとしての役割も果たすようになった。
M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲
背面左部に装備された、破壊力と精度を併せ持った大型ビームランチャー。ブラストシルエットと同装備の改良タイプで、ハイパーデュートリオンからの豊富なエネルギー供給により、攻撃力はオルトロスやケルベロスを遥かに上回る。通常は折りたたまれた状態にあり、展開時の銃身は機体の身長を越える程である。
折りたたみ技術には、本体にも採用された基本構造体の細部化と連動が生かされており、他にも変形機構を持つ武装が存在するが、ここまで複雑化したものはないとされる。
MMI-714 アロンダイト ビームソード
背面右部に装備されているビーム刃と実体刃の二種の刃を持つ長刀。エクスカリバーの改良型であるが刀身は更に伸びている。高エネルギー長射程ビーム砲と同様に折りたたまれた状態で装備される。
斬馬刀の如く一刀の元に敵艦艇を両断する切れ味を持つが、同時に格闘戦でも猛威を振るう。これだけの長さの剣を扱うためには、機体そのものの柔軟性は元よりパイロットにも高度な操縦技術が必要であり、仮にデスティニー以外の機体に装備させても使いこなす事は不可能とされる。
MMI-X340 パルマフィオキーナ 掌部ビーム砲
両手の掌に装備されたビーム兵器。デスティニーの隠し武器ともいえ、効果範囲は狭いが、極めて高い攻撃力を有し、密着した状態の相手を確実に破壊する。通常ありえないゼロ距離での格闘戦を想定した武装であり、ここからもデスティニーの特異さを伺う事ができた。新機軸の兵装であるがゆえに、戦術バリエーションも未知数であった。
MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置
両手の甲に装備されたビームシールド。ビーム、実体弾の双方に高い防御力を発揮する。
一説にはハイペリオンに装備されたモノフェーズ光波シールドの類型とも言われており、前大戦後、衰退したユーラシア連邦の科学者陣により齎されたのではないかと推測される。
両腕のものを合わせて防御範囲を大型化でき、シールド内部からの攻撃も可能であるなど、形状は状況に応じて変更できるためオールラウンドでの使用に適する。
対ビームシールド
ビームコーティングが施された実体式のシールド。腕部に装備するために広範囲を防御できる。インパルスの機動防盾と同じく伸縮機構を備える。ビームシールドとの併用も可能だが、その際は伸長しないで用いられる。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

デストロイガンダム
ヘブンズベース攻防戦において、5機編成のデストロイ部隊のうち3機を仕留める奮戦を見せ、当初劣勢だったザフトに逆転の機を与える。ダイダロス攻防戦においては、3機編成のデストロイ部隊のうち1機を撃破したほか、ザムザザーゲルズゲーなどの大型モビルアーマー部隊及びウィンダム部隊をレイレジェンドミネルバと協力して陽動し、レクイエム破壊を直接担当するルナマリアの潜入を支援した。
ストライクフリーダムガンダム
オペレーション・フューリーにおいて初交戦。当初はアロンダイトを白刃取りされてレール砲を撃ち込まれる等劣勢気味であったが、レイのレジェンドとの連携により一時は撃墜寸前に追い込む。しかし寸前でアスランのインフィニットジャスティスが乱入したことにより失敗。メサイア攻防戦においても当初はレジェンドとともに交戦していたが、レイの命令でインフィニットジャスティスの迎撃にまわったため勝敗はつかなかった。
「ストライクフリーダムvsデスティニー」は3クール目OPのアウトロや、最終回直前の児童誌など様々な媒体で予告されていたが、劇中でこのカードが実現したのはわずか2回のみ、そのうち勝敗がついたのはわずか1回のみであった。
インフィニットジャスティスガンダム
オペレーション・フューリーとメサイア攻防戦の二度に渡って対峙するが、どちらもシンの迷いや負い目が操縦に反映され実力を発揮することが出来ず、インフィニットジャスティスには手も足も出なかった。メサイア攻防戦では両腕と片足を破壊され戦闘不能になり月面に墜落、シンはルナマリアに救助された。
  • TV版ではSEED能力を発現させたアスラン・ザラに一瞬で無力化されるという、やられ役さながらの惨敗。このシーンを見ればシンが主人公と到底思えないし、技量が数段劣るという評価もやむを得ないだろう。
  • 高山瑞穂氏のコミカライズ版ではアスランと信念をかけて対決し、デスティニーの性能をフルに発揮して追いつめた。ミーティアと合体したインフィニットジャスティスガンダムを相手に機動力で翻弄しミーティアを破壊、優位に立つ。しかし、リフターとキックの連携攻撃に対応しきれず逆転された。勝利を目前にしながらもアスランとの問答で精神的に追い詰められたシンが不用意に近づいてしまったことと[5]、リフターでの虚を突くような露骨なフェイントに対応できないほどに疲弊していたことが敗因といえる。
  • 久織ちまき氏の漫画『機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE』では、インフィニットジャスティスの右腕を破壊したものの、アロンダイトを奪われてレクイエムの発射口に投擲、レクイエムを破壊されてしまう。その後両腕を破壊され月面に墜落する。
ビルドバーニングガンダム
ガンダムビルドファイターズトライ7話の準々決勝戦で対決。前日にセカイとシモンが全力を懸けた勝利宣言をしており、加えて残る双方のチームメンバーが全員リングアウトしてしまった事により、実質的な一対一の戦闘へと発展。互いの間合いである超近接戦で白熱した戦いを披露したが、最終的にビルドバーニングガンダムが勝利を収めている。

関連機体[編集 | ソースを編集]

系列機・派生機など [編集 | ソースを編集]

デスティニーガンダムSpecII
デスティニーの改修機。動力が強化された事でVPS装甲のカラーリングが変化している他、コクピットが全天周囲モニターに換装されている。
ハイネ専用デスティニーガンダム
ハイネ・ヴェステンフルス専用に調整された同型機。上述の装甲やフレームの原理上、他人の仕様に調整し直すには手間とコストが掛かりすぎる機体なので、乗り手がいなくなった後は倉庫に保管され、そのまま終戦を迎えた。
デスティニーインパルスガンダム
インパルスガンダムの三種シルエットの武装を統合した、「プロトタイプデスティニー」とでも呼ぶべき機体。諸処の問題から、実戦参加はできても前線に出ることは無かった。

技術的関与のある機体 [編集 | ソースを編集]

フォースインパルスガンダム
フォースシルエットのアビオニクス等が反映されているものと思われる。
ソードインパルスガンダム
対艦刀、ビームブーメラン、格闘モーション等が反映されているものと思われる。
ブラストインパルスガンダム
高エネルギー長射程ビーム砲等のノウハウが反映されているものと思われる。
スターゲイザー
ヴォワチュール・リュミエールの近似技術が『光の翼』に応用されている。

その他 [編集 | ソースを編集]

レジェンドガンダム
兄弟機。
ガンダムダブルオースカイ
ビルドダイバーズ』に登場するガンダムダブルオーダイバーエースの改修機。改修時に光の翼を初めとした本機の特徴も取り入れている。
ガンダムデスティニースカイ
ビルドダイバーリゼ』に登場する本機ベースの改造ガンプラ。上記のダブルオースカイに影響を受けており、デスティニーにGNドライヴなどのダブルオーの要素を取り入れた、ダブルオースカイとは真逆の発想の機体に仕上がっている。

商品情報[編集 | ソースを編集]

ガンプラ[編集 | ソースを編集]

フィギュア[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. ユニウス条約違反である核エンジンの搭載を示す「A」は故意に削除され、代わりにセカンドステージを示す「S」が付け加えられている。ただし、政治的配慮を考えず純粋に性能で判断するならサードステージかそれ以上のハイステージに属する機体となる。
  2. これはユニウス条約によって禁止された各種技術の搭載も意味している。
  3. D.S.S.Dは非軍事組織であり、プラントの支援も受けているが、軍事への技術協力を完全拒否しており、同技術がD.S.S.Dから直接伝えられたとは考えにくい。
  4. 同様のシステムはストライクフリーダムにも採用されているが、こちらは機動力を上げる事で被弾しない事を前提とした、「防御力の低下を無視する」仕様であり、根本的なシステム思想は大きく異なる。
  5. この時点ではインフィニットジャスティスに有力な射撃武装はなかったため。