「クェス・パラヤ」の版間の差分

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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[地球連邦政府]]の参謀次官[[アデナウアー・パラヤ]]の娘。実母は離婚して家を出て行き、父の愛人・キャサリンとは険悪な仲という家庭環境で育ったためか、反抗心の強い我侭なお嬢様として育っていた。
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[[地球連邦政府]]の参謀次官[[アデナウアー・パラヤ]]の娘。実母はナポリに残ったまま<ref>小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(前篇)」 191頁より</ref>、以降生き別れとなる。父の連れている継母・キャサリンとは険悪な仲である。
  
[[ニュータイプ]]への関心が深く、インドでニュータイプ主義者の僧のもとで学び、自身もニュータイプとして高い資質を持っている。父親によって強制的に宇宙へと連れていかれた際に[[ハサウェイ・ノア]]と知り合い、友人関係となっていくのだが、ニュータイプへの関心が強いクェスは初めての宇宙に惹かれ、かつてニュータイプとして名を馳せた[[アムロ・レイ]]や[[シャア・アズナブル]]と関わった事でクェスの運命は変わってしまう。
+
アデナウアーの都合でチベットのラサに移り住んでいた頃、親子関係が険悪なままだったクェスは、インドへと家出を敢行<ref>小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(前篇)」 191頁より</ref>、トフラー・ランゲラージをリーダーとした一行に加わり、2ヶ月彼らと旅をした<ref>小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(中篇)」 30頁より</ref>。グループ内では当初は継母のことに触れると荒れ狂うほど心身的に不安定な状態であったが、トフラーや[[ニュータイプ]]を目指し修業を行うクリスチーナに辛抱強く問答を行われ<ref>小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(前篇)」 190頁より</ref>、次第に落ち着きを取り戻していった。
  
シャアの優しさに触れたクェスは「父親」を求めて彼のみを拠り所として慕う。そして、シャアの思想に染まってしまったクェスは、彼に言われるがまま戦場へと駆りだされ、自覚無しに父親を手にかけてしまい、その後も[[α・アジール]]で戦場を暴れる事になるが、最期は自らを説得する為に戦場に飛び込んできたハサウェイを庇うような形で死亡してしまう事になった。
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父親の依頼したマン・ハンターによりクリスチーナ一行から引き離れ、チベットのラサでアデナウアーと共にスペースシャトル「天鹿」に搭乗、宇宙に上がる最中に機内で[[ハサウェイ・ノア]]と知り合い、友人関係となった。
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インドでの経験もあり、ニュータイプへの関心が強いクェスは初めての宇宙に惹かれ、かつてニュータイプとして名を馳せた[[アムロ・レイ]]や[[シャア・アズナブル]]と関わった事でクェスの運命は変わってしまう。
  
客観的に見て、家庭環境の悪さがクェスの人格を狂わせ、利用されるがまま誰からも大事な存在と思われず、孤独に散った人生は自らの破滅という最悪な結果を生んでしまった。小説版ではアムロに寄り添う[[ベルトーチカ・イルマ]]に、劇場版では[[チェーン・アギ]]に嫉妬し、またシャアに寄り添う[[ナナイ・ミゲル]]に敵意をむき出しにしていた。
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ネオ・ジオンに移動後、シャアの優しさに触れたクェスは無意識に「父親」を求めて彼のみを拠り所として慕う。そして、シャアの思想に染まってしまったクェスは、彼に言われるがまま戦場へと駆りだされ、自覚無しに父親を手にかけてしまい、その後も[[α・アジール]]で戦場を暴れる事になるが、最期は自らを説得する為に戦場に飛び込んできたハサウェイを庇い、[[チェーン・アギ]]の攻撃で若い命を散らしてまう事となった。
  
なお、一見性格に問題の見えないチェーンがクェスから毛嫌いされてしまった事について理解できないと思う視聴者も多いが、実はクェス本人にとってはチェーンを激しく嫌悪する確かな理由があった。チェーンは好意を寄せているアムロに対してはしおらしく振る舞って彼に追従したり献身的に接する反面、本人が側にいない所では容赦の無い物言いをしてしまう等、人によって態度が大きく変化してしまう部分があり、劇中冒頭における[[νガンダム]]の組み立て作業時においてもその姿が描かれていた。この「調子が良い」とも言える部分は、クェスから父親を奪った愛人のキャサリンと似通っており(キャサリンはクェスに苛烈な態度を見せるのに対し、彼女の父・アデナウアーに対しては甘える態度に出ている)、クェスはチェーンからキャサリンと似た空気を感じた結果、激しく毛嫌いする事になったのだと思われる。
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家庭環境の悪さから親元を一人離れ、インドでクリスチーナ一行と悩みを打ち明け本来の性格に戻っていた最中であったにも関わらず、シャアの隕石落としによる世情の変化に翻弄され、ネオ・ジオンに利用され連邦軍のモビルスーツ部隊を蹴散らした。しかし、最期には今まで疎ましく思っていたハサウェイを守り散った。
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映画の初期稿である小説『機動戦士ガンダム ベルトーチカ・チルドレン』ではアムロの子供を身籠もった[[ベルトーチカ・イルマ]]をニュータイプ能力で察知し自分から身を引く潔さを見せた。アムロの子供が登場しない劇場版では[[チェーン・アギ]]に嫉妬、同様にシャアに寄り添う[[ナナイ・ミゲル]]に敵意をむき出しにしていた。
  
上映直後はそのエキセントリックな言動や、13歳という若さを顧みても非常に我儘な性格に、多くの反感があった。しかし、両親の愛情が薄い家族環境、高いニュータイプ能力、自分勝手で自己を顧みない性格等は、実はTV版初期のアムロの姿とオーバーラップする。アムロは多くの出会いと別離を経て本当の意味でのニュータイプとして変革したのに対し、クェスは悉く正反対の選択をし続けていった。アムロを人類の変革すべき姿のひとつとして描かれているのなら、クェスは反面教師の姿として描かれていると言える。つまるところ、優れたニュータイプ能力を持っていたとしても、結局は本人次第ということであろう。作中の彼女の言動を見て共感できる人は多くはないと思われるが、このような描写からも他者と共感はできても他者からは共感はされない、という彼女の孤独が描かれている。
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[[ニュータイプ]]が深い優しさを持ち洞察力の高い人間であると[[ジオン・ズム・ダイクン]]が最初に定義したように<ref>小説「機動戦士ガンダムⅢ」 28頁より</ref>、クェスも洞察力に秀でていて、恋敵であるチェーンが好意を寄せているアムロに対してはしおらしく振る舞って彼に追従したり献身的に接する反面、本人が側にいない所では容赦の無い物言いをしてしまう等、人によって態度が大きく変化してしまう「調子の良い」部分を察知し嫌悪していたようである。(劇中冒頭における[[νガンダム]]の組み立て作業時においてもその姿が描かれていた。)この好きな男の前とそれ以外で180度態度を変える性格は、父親を奪った愛人のキャサリンと似通っており(キャサリンはクェスに苛烈な態度を見せるのに対し、彼女の父・アデナウアーに対しては甘える態度に出ている)、クェスはチェーンからキャサリンと似た空気を感じた結果、激しく毛嫌いする事になったのだと思われる。
  
一方、劇中では友人となっていたハサウェイが、最もクェスと真剣に向き合おうとする様子が描かれている。当初こそ一目惚れに過ぎなかったのかもしれないが、シャトルで怯えていた父親への態度等から彼女の中の鬱屈や孤独に気付いたのか、ハサウェイはクェスから何度拒絶されても彼女を見捨てようとはせず、遂には彼女を助けたいが為にプチモビでラー・カイラムに密航したり、ジェガンに乗り込んで危険な戦場に身を投じる程の行動力まで見せていた。しかし、戦場で再会した彼女からは拒絶され、そこに居合わせたチェーンからも離れるよう言われるが、それでもハサウェイは考えを変えようとはせず、チェーンのリ・ガズィの攻撃からクェスを庇う行動にまで出る。自らに攻撃が直撃する事に気付いたクェスは、この時になってようやくクェスはハサウェイを想った行動に出たのだが、その先に待っていたのは自分自身の死であった。この結末について、月刊ニュータイプに掲載された[[富野由悠季]]氏のインタビューでは「クェスのように最後の3秒間だけ人の気持を考えても遅いんです」というコメントが掲載されている。後に、クェスの魂はハサウェイの夢に意識体となって姿をあらわすが、これもアムロ・レイとララァ・スンの関係に酷似している。また、一方では、ネオ・ジオンの[[ギュネイ・ガス]]からも好意を抱かれていたが、彼はニュータイプとしてのクェスにしか惹かれておらず、彼女個人の内面については見ようとしなかった。加えて、クェスの憧れの存在であったシャアへの侮蔑や悪い噂をするばかりか、自分が優秀である事をアピールをする等、口説き方としては最悪なやり方だった為、クェスはギュネイに対して煩わしいという感情しか持たなかった。
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劇中では唯一、連邦軍、ネオ・ジオン双方を行き来するエキセントリックな言動、複雑な家庭環境を顧みても非常に我儘な性格で、流石のシャアもクェスがパイロットスーツも着ずに真空に飛び出した時には目を丸くする程であった。しかし、父親が離婚し子供に直接的な愛情を示さない家族環境、戦場で死んでいった思惟を体に取り込むなどの高いニュータイプ能力、自分勝手で自己を顧みない性格等は、TV版初期のアムロの姿とオーバーラップする。アムロは多くの出会いと別離を経てダイクンの定義した深い優しさと高い洞察力を持ったニュータイプへ変革したのに対し、クェスは高い洞察力は持っていたものの優しさを見せたのがハサウェイを庇った死の直前の行動しかなかった。逆襲のシャア劇中でナナイからアムロは「優しさがニュータイプの武器だと勘違いしている男」と批判的に言われるものの、他者に優しさをほぼ示さず悲劇的な運命を辿ったクェスは、アムロのアンチテーゼ的な存在と言っても過言ではないだろう。つまるところ、高い洞察力やサイコミュを動かす高い感応波出力を持っていたとしても、真のニュータイプとは優しさが伴わなければならないのだ。
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スペースシャトル「天鹿」でのファーストコンタクトから、スペース・コロニー「ロンデニオン」では雑談をするなど、急速に距離を縮め友人となっていたハサウェイ。彼は、最もクェスと真剣に向き合おうとする様子が描かれている。「天鹿」で怯えていた父親への態度等から彼女の中の鬱屈や孤独に気付いたのか、ハサウェイはクェスから何度拒絶されても彼女を見捨てようとはせず、遂には彼女を助けたいが為にラー・カイラムの図面を暗記してプチモビで密航。修理中であったジェガンに乗り込んで危険な戦場に身を投じる程の行動力まで見せていた。しかし、戦場で再会した彼女からは拒絶され、そこに居合わせたチェーンからも離れるよう言われるが、それでもハサウェイは考えを変えようとはせず、チェーンのリ・ガズィの攻撃を、α・アジールの砲塔を操ることで撃ち落とし、クェスを庇う行動にまで出る。チェーンにより再び行われた攻撃が遂にハサウェイへ直撃する事に気付いてしまったクェスは、この時になってようやくクェスはハサウェイを想った行動に出たのだが、その先に待っていたのは自分自身の死であった。この結末について、月刊ニュータイプに掲載された[[富野由悠季]]氏のインタビューでは「クェスのように最後の3秒間だけ人の気持を考えても遅いんです」というコメントが掲載されている。後に、クェスの魂はハサウェイの夢に意識体となって姿をあらわすが、これもアムロ・レイとララァ・スンの関係に酷似している。また、一方では、ネオ・ジオンの[[ギュネイ・ガス]]からも好意を抱かれていたが、彼はニュータイプとしてのクェスにしか惹かれておらず、彼女個人の内面については見ようとしなかった。加えて、クェスの憧れの存在であったシャアへの侮蔑や悪い噂をするばかりか、自分が優秀である事をアピールをする等、口説き方としては最悪なやり方だった為、クェスはギュネイに対して煩わしいという感情しか持たなかった。
  
ちなみにOVA版『[[機動戦士ガンダムUC]]』の終盤でシャアらしき意識体の傍らにその姿はない。『機動戦士ガンダムUC』は『逆襲のシャア』のオマージュ的描写を多く取り入れているが、意図的にそうしたのであれば、シャアにとってクェスは「その程度」の存在でしかなかったことの裏付けともなっている。付き合いが短すぎたのも理由の一つと言えるが…。
 
  
 
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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;[[GUNDAM EVOLVE]]
 
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:ハサウェイの登場するジェガンを撃墜し、アムロのνガンダムと交戦。フィン・ファンネルによるビーム・バリアーで攻撃手段を封じられる。そしてハサウェイの思惟とアムロからの説得を受け和解。
;[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ]]
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;小説[[機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ]]
:青年へと成長したハサウェイの夢の中で登場。しかし、死亡してもシャアの所へ行ったらしい。
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:青年に成長したハサウェイの夢の中で残留思念として登場。本気で殺すならともかく、自分を誤って殺したというハサウェイの行動に未だに激怒しており、彼をいちばんきたない人殺しと非難した<ref>小説「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈下〉」 36-37頁より</ref>。
  
 
== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
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;[[アデナウアー・パラヤ]]
 
;[[アデナウアー・パラヤ]]
 
:父親。[[ルナツー]]にて[[クラップ級]]に乗艦していたが、クェスの[[ヤクト・ドーガ]]にブリッジを攻撃され、彼女に知られることなく死亡した。
 
:父親。[[ルナツー]]にて[[クラップ級]]に乗艦していたが、クェスの[[ヤクト・ドーガ]]にブリッジを攻撃され、彼女に知られることなく死亡した。
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:母親。名前は不明。性格は遊び好き、社交好き<ref>小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(前篇)」 191頁より</ref>。
  
 
=== [[ネオ・ジオン]]軍 ===
 
=== [[ネオ・ジオン]]軍 ===
 
;[[シャア・アズナブル]]
 
;[[シャア・アズナブル]]
:新生ネオ・ジオン総帥。彼に好意を寄せるが、結局は利用されただけだった。父親やアムロにはない「大人の男としての頼りがい」を見ていたようだ。
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:新生ネオ・ジオン総帥。好意を寄せていたが、そんなクェスを無意識に鬱陶しく思いマシーンのように扱った。クェス自身は父親やアムロにはない「大人の男としての頼りがい」をシャアに見ていたようである。
 
;[[ギュネイ・ガス]]
 
;[[ギュネイ・ガス]]
 
:[[強化人間]]パイロット。彼から好意を向けられているが、クェスは気にも留めていない。
 
:[[強化人間]]パイロット。彼から好意を向けられているが、クェスは気にも留めていない。
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;[[アムロ・レイ]]
 
;[[アムロ・レイ]]
:一方的に憧れの感情を持ち、そして勝手に失望していた。これはアムロが物語最終盤で「俺はクェスの父親じゃない!」と言っていたように、実父のアデナウアー・パラヤに失望していたクェスがアムロに父性を求めていたことを示している。だがアムロが否定するように、父親として振舞ってくれないアムロに背を向け、シャアの下へと走ってしまった。なお、アムロは父親のテム・レイの酸素欠乏症の原因をそうと知らず生み出しており、クェスもそうと知らず父親のアデナウアーを殺害している。このことからもニュータイプへと革新したアムロと同じ条件を持ちながらも全くの正反対の選択をし続けていた裏付けとも言われている。
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:ニュータイプとして有名な彼に興味を持っていたものの、常に傍にいる[[チェーン・アギ]]のせいで距離を置く事となる。最終盤ではシャアとの問答中に「俺はクェスの父親じゃない!」と声を荒げるなど、独身の身であるからかクェスの父親代わりをする気は毛頭なかったようである。アムロは父親のテム・レイが階段から落ちて死ぬ原因となった酸素欠乏症の原因をそうと知らず間接的に生み出しており、クェスはそうと知らず直接的に父親のアデナウアーを殺害している。アムロと同じ条件を持ちながらも全くの正反対の選択をし続けていた裏付けかもしれない。
 
;[[チェーン・アギ]]
 
;[[チェーン・アギ]]
:彼女によって撃墜される。
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:装備していたサイコ・フレーム試料により幻覚を生み出すなど、クェスとの戦闘では有利に立ち回っていたが、肝心のクェスが敵意を向けていた理由までは洞察出来ていなかった。最期は彼女の手によりクェスは殺害される。
  
 
=== 民間人 ===
 
=== 民間人 ===
 
;[[ハサウェイ・ノア]]
 
;[[ハサウェイ・ノア]]
:おそらくクェスを本当の意味で必要としてくれていた存在。彼がまだ子供だった故か拒絶してしまうが、最後は彼を庇うようにして命を落とす事になった。<br />「閃光のハサウェイ」では彼の夢の中に現れ、彼女がシャアの所に行った事に対して怒りをぶつけられる。
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:クェスを本当の意味で必要としてくれていた存在。彼がまだ子供だった故か拒絶してしまうが、最後は彼を庇い命を落とす事になった。<br />小説『閃光のハサウェイ」』では彼の夢の中に残留思念として現れるが、ハサウェイはクェスに対し、シャアの所に行った事に対して怒りをぶつける。
  
 
== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==

2024年4月15日 (月) 23:46時点における版

クェス・パラヤ
外国語表記 Quess Paraya
登場作品
声優 川村万梨阿
テンプレートを表示
プロフィール
偽名 クェス・エア
種族 人間 (アースノイド)
性別
年齢 13歳
没年月日 宇宙世紀0093年3月12日
髪色
瞳の色
職業 なし ⇒ MSパイロット
所属 民間人 ⇒ ネオ・ジオン
主な搭乗機
テンプレートを表示

概要

地球連邦政府の参謀次官アデナウアー・パラヤの娘。実母はナポリに残ったまま[1]、以降生き別れとなる。父の連れている継母・キャサリンとは険悪な仲である。

アデナウアーの都合でチベットのラサに移り住んでいた頃、親子関係が険悪なままだったクェスは、インドへと家出を敢行[2]、トフラー・ランゲラージをリーダーとした一行に加わり、2ヶ月彼らと旅をした[3]。グループ内では当初は継母のことに触れると荒れ狂うほど心身的に不安定な状態であったが、トフラーやニュータイプを目指し修業を行うクリスチーナに辛抱強く問答を行われ[4]、次第に落ち着きを取り戻していった。

父親の依頼したマン・ハンターによりクリスチーナ一行から引き離れ、チベットのラサでアデナウアーと共にスペースシャトル「天鹿」に搭乗、宇宙に上がる最中に機内でハサウェイ・ノアと知り合い、友人関係となった。 インドでの経験もあり、ニュータイプへの関心が強いクェスは初めての宇宙に惹かれ、かつてニュータイプとして名を馳せたアムロ・レイシャア・アズナブルと関わった事でクェスの運命は変わってしまう。

ネオ・ジオンに移動後、シャアの優しさに触れたクェスは無意識に「父親」を求めて彼のみを拠り所として慕う。そして、シャアの思想に染まってしまったクェスは、彼に言われるがまま戦場へと駆りだされ、自覚無しに父親を手にかけてしまい、その後もα・アジールで戦場を暴れる事になるが、最期は自らを説得する為に戦場に飛び込んできたハサウェイを庇い、チェーン・アギの攻撃で若い命を散らしてまう事となった。

家庭環境の悪さから親元を一人離れ、インドでクリスチーナ一行と悩みを打ち明け本来の性格に戻っていた最中であったにも関わらず、シャアの隕石落としによる世情の変化に翻弄され、ネオ・ジオンに利用され連邦軍のモビルスーツ部隊を蹴散らした。しかし、最期には今まで疎ましく思っていたハサウェイを守り散った。 映画の初期稿である小説『機動戦士ガンダム ベルトーチカ・チルドレン』ではアムロの子供を身籠もったベルトーチカ・イルマをニュータイプ能力で察知し自分から身を引く潔さを見せた。アムロの子供が登場しない劇場版ではチェーン・アギに嫉妬、同様にシャアに寄り添うナナイ・ミゲルに敵意をむき出しにしていた。

ニュータイプが深い優しさを持ち洞察力の高い人間であるとジオン・ズム・ダイクンが最初に定義したように[5]、クェスも洞察力に秀でていて、恋敵であるチェーンが好意を寄せているアムロに対してはしおらしく振る舞って彼に追従したり献身的に接する反面、本人が側にいない所では容赦の無い物言いをしてしまう等、人によって態度が大きく変化してしまう「調子の良い」部分を察知し嫌悪していたようである。(劇中冒頭におけるνガンダムの組み立て作業時においてもその姿が描かれていた。)この好きな男の前とそれ以外で180度態度を変える性格は、父親を奪った愛人のキャサリンと似通っており(キャサリンはクェスに苛烈な態度を見せるのに対し、彼女の父・アデナウアーに対しては甘える態度に出ている)、クェスはチェーンからキャサリンと似た空気を感じた結果、激しく毛嫌いする事になったのだと思われる。

劇中では唯一、連邦軍、ネオ・ジオン双方を行き来するエキセントリックな言動、複雑な家庭環境を顧みても非常に我儘な性格で、流石のシャアもクェスがパイロットスーツも着ずに真空に飛び出した時には目を丸くする程であった。しかし、父親が離婚し子供に直接的な愛情を示さない家族環境、戦場で死んでいった思惟を体に取り込むなどの高いニュータイプ能力、自分勝手で自己を顧みない性格等は、TV版初期のアムロの姿とオーバーラップする。アムロは多くの出会いと別離を経てダイクンの定義した深い優しさと高い洞察力を持ったニュータイプへ変革したのに対し、クェスは高い洞察力は持っていたものの優しさを見せたのがハサウェイを庇った死の直前の行動しかなかった。逆襲のシャア劇中でナナイからアムロは「優しさがニュータイプの武器だと勘違いしている男」と批判的に言われるものの、他者に優しさをほぼ示さず悲劇的な運命を辿ったクェスは、アムロのアンチテーゼ的な存在と言っても過言ではないだろう。つまるところ、高い洞察力やサイコミュを動かす高い感応波出力を持っていたとしても、真のニュータイプとは優しさが伴わなければならないのだ。

スペースシャトル「天鹿」でのファーストコンタクトから、スペース・コロニー「ロンデニオン」では雑談をするなど、急速に距離を縮め友人となっていたハサウェイ。彼は、最もクェスと真剣に向き合おうとする様子が描かれている。「天鹿」で怯えていた父親への態度等から彼女の中の鬱屈や孤独に気付いたのか、ハサウェイはクェスから何度拒絶されても彼女を見捨てようとはせず、遂には彼女を助けたいが為にラー・カイラムの図面を暗記してプチモビで密航。修理中であったジェガンに乗り込んで危険な戦場に身を投じる程の行動力まで見せていた。しかし、戦場で再会した彼女からは拒絶され、そこに居合わせたチェーンからも離れるよう言われるが、それでもハサウェイは考えを変えようとはせず、チェーンのリ・ガズィの攻撃を、α・アジールの砲塔を操ることで撃ち落とし、クェスを庇う行動にまで出る。チェーンにより再び行われた攻撃が遂にハサウェイへ直撃する事に気付いてしまったクェスは、この時になってようやくクェスはハサウェイを想った行動に出たのだが、その先に待っていたのは自分自身の死であった。この結末について、月刊ニュータイプに掲載された富野由悠季氏のインタビューでは「クェスのように最後の3秒間だけ人の気持を考えても遅いんです」というコメントが掲載されている。後に、クェスの魂はハサウェイの夢に意識体となって姿をあらわすが、これもアムロ・レイとララァ・スンの関係に酷似している。また、一方では、ネオ・ジオンのギュネイ・ガスからも好意を抱かれていたが、彼はニュータイプとしてのクェスにしか惹かれておらず、彼女個人の内面については見ようとしなかった。加えて、クェスの憧れの存在であったシャアへの侮蔑や悪い噂をするばかりか、自分が優秀である事をアピールをする等、口説き方としては最悪なやり方だった為、クェスはギュネイに対して煩わしいという感情しか持たなかった。


登場作品と役柄

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
GUNDAM EVOLVE
ハサウェイの登場するジェガンを撃墜し、アムロのνガンダムと交戦。フィン・ファンネルによるビーム・バリアーで攻撃手段を封じられる。そしてハサウェイの思惟とアムロからの説得を受け和解。
小説機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
青年に成長したハサウェイの夢の中で残留思念として登場。本気で殺すならともかく、自分を誤って殺したというハサウェイの行動に未だに激怒しており、彼をいちばんきたない人殺しと非難した[6]

人間関係

家族

アデナウアー・パラヤ
父親。ルナツーにてクラップ級に乗艦していたが、クェスのヤクト・ドーガにブリッジを攻撃され、彼女に知られることなく死亡した。
母親。名前は不明。性格は遊び好き、社交好き[7]

ネオ・ジオン

シャア・アズナブル
新生ネオ・ジオン総帥。好意を寄せていたが、そんなクェスを無意識に鬱陶しく思いマシーンのように扱った。クェス自身は父親やアムロにはない「大人の男としての頼りがい」をシャアに見ていたようである。
ギュネイ・ガス
強化人間パイロット。彼から好意を向けられているが、クェスは気にも留めていない。
ナナイ・ミゲル
ニュータイプ研究所の所長にしてネオ・ジオン軍の戦術士官。シャアと親しかったことから反発している。
レズン・シュナイダー
MSパイロットの一人。クェスがニュータイプであることから嫌っているが、クェスは特に関心を持たなかった。

ロンド・ベル

アムロ・レイ
ニュータイプとして有名な彼に興味を持っていたものの、常に傍にいるチェーン・アギのせいで距離を置く事となる。最終盤ではシャアとの問答中に「俺はクェスの父親じゃない!」と声を荒げるなど、独身の身であるからかクェスの父親代わりをする気は毛頭なかったようである。アムロは父親のテム・レイが階段から落ちて死ぬ原因となった酸素欠乏症の原因をそうと知らず間接的に生み出しており、クェスはそうと知らず直接的に父親のアデナウアーを殺害している。アムロと同じ条件を持ちながらも全くの正反対の選択をし続けていた裏付けかもしれない。
チェーン・アギ
装備していたサイコ・フレーム試料により幻覚を生み出すなど、クェスとの戦闘では有利に立ち回っていたが、肝心のクェスが敵意を向けていた理由までは洞察出来ていなかった。最期は彼女の手によりクェスは殺害される。

民間人

ハサウェイ・ノア
クェスを本当の意味で必要としてくれていた存在。彼がまだ子供だった故か拒絶してしまうが、最後は彼を庇い命を落とす事になった。
小説『閃光のハサウェイ」』では彼の夢の中に残留思念として現れるが、ハサウェイはクェスに対し、シャアの所に行った事に対して怒りをぶつける。

名台詞

逆襲のシャア

「先に行っててよ!……何も判ってないんだから!」
アデナウアー・パラヤは父親としての立場から単に心配を口にしているだけなのだが、「軍事機密だから人に言っちゃいかんぞ」「邪魔になるからこっちにきなさい」という自分の体裁ばかりを優先していると彼女は解釈してしまう。彼女は「すごいね」という素直な感想に同意(または共感)してほしかった、あるいは褒めて欲しかっただけである。このことからも、彼女が愛情に飢えており、自分を受け入れてくれる人を探していたことがわかる。
「あれがアムロ・レイか……『こっちで~す!』、だって」
宇宙に上がって初めてアムロ(とチェーン)に会った時の台詞。
「アムロ、あんた、ちょっとセコイよっ!」
クェスがシャアの側についた時の台詞。
「ああ…!なんか、あたしの中に人がいっぱい入ってくる…。こ、怖い…気持ちが悪い…」
感受性が強い為戦場での様々な波を受けてしまった時の台詞。
「大佐!あたし、ララァの身代わりなんですか!?」
周囲に人があり、しかも作戦中に地雷中の地雷を平然と。
彼女の才能だけを欲しているシャアにとって、こうしたプライベートな部分に踏み込まれるのは非常に疎ましかったのだろう。
その後笑顔で抱きつくクェスと対照的に、シャアの険しい表情からも伺える。
「子供は嫌いだ!図々しいから!!」
クェスの未熟さを如実に物語る一言。彼女のこれまでの言動が慎ましやかであると感じる人は少ないだろう。
図々しいから嫌いだ、という自分自身が図々しいことに気づいていない「子供」なのだ。

閃光のハサウェイ

「あんたは、あたしと一諸に行くんじゃなかったの……」
「ハハハハ…ひがんでる!」
青年へと成長したハサウェイの夢の中で彼女が言い放った台詞。

その他の媒体

「ハサウェイ、ゴメン…。今は会えない…」
『SUNRISE WORLD WAR Fromサンライズ英雄譚』にて。

搭乗機体・関連機体

ヤクト・ドーガ
前半の搭乗機。
α・アジール
後半の搭乗機。
ジェガン
ラー・カイラム乗艦時に乗り込み、戦闘シミュレーションを体験させてもらっている。
ホビー・ハイザック
ギュネイと共に搭乗。

リンク

  1. 小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(前篇)」 191頁より
  2. 小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(前篇)」 191頁より
  3. 小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(中篇)」 30頁より
  4. 小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(前篇)」 190頁より
  5. 小説「機動戦士ガンダムⅢ」 28頁より
  6. 小説「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈下〉」 36-37頁より
  7. 小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(前篇)」 191頁より