サイコミュシステム
サイコミュシステム(Psycommu System)
宇宙世紀シリーズに登場するシステム。
「サイコ・コミュニケーターシステム」の略称である。
フラナガン機関が研究・開発したマン・マシン・インタフェースの一種で、ニュータイプが発する感応波と呼ばれる脳波を検出し、機械語に翻訳するシステムである。
この感応波はミノフスキー粒子の影響を受けない為、早期から研究を進めていたジオン軍は機体の制御やビットやファンネルといった俗に言う「サイコミュ兵器」の制御に用いている。これを用いる事で、ニュータイプは巨大なモビルアーマーでも思考一つで制御する事が可能となる。開発当初の物は巨大だったが為に、兵器として運用するにはMAクラスの大きさが必要だったが、後にアクシズが小型化に成功、キュベレイ等のモビルスーツへの搭載が可能になった。
なお、サイコフレームはサイコミュの基礎機能を持つコンピューター・チップを、金属粒子レベルでフレームに鋳込んだ物で、サイコフレームを使った場合でもコアとなる高出力のメイン・プロセッサは別途必要となる。
本来であれば上記の説明だけで完結するのだが、このサイコミュ系のシステムが原因と思われる特殊な現象が、後の作品では数多くみられる。
主な現象としては
- サイコフィールドの展開
- カタログスペックを超えた機体性能の発揮
が上げられ、サイコフィールドに至っては念力のような現象まで発現している。
但し、なんの代償やリスクも無しにこれらの現象を行使できる訳ではないらしく、カミーユ・ビダンはジ・O撃破後には精神崩壊を起こし(TV版のみ)、アクシズ・ショックを起こしたアムロ・レイやシャア・アズナブルについては機体ともども「行方不明」になっている。
ユニコーンガンダムのパイロットであるバナージ・リンクスはその精神を死者の精神と融合し、ユニコーンを肉体とした新たな存在になっている(後に元に戻ったが)。
ユニコーンガンダムで確認された現象から、カミーユの精神崩壊については「バイオセンサーの酷使による精神の過剰な損耗・疲弊」と解釈し、アムロとシャアについては「サイコフレームの共振によってアクシズ程の巨大質量を動かすという代償として精神力を使い果たし、カミーユ同様の廃人状態か、もしくは植物人間状態になった(真実は市民の混乱を防ぐ為に軍や政府が隠蔽し、表向きは行方不明とした)」と仮定すれば、多くの面で一貫性が取れるようになる(アムロ達もバナージ同様に、「νガンダムを器とした新たな存在となり、宇宙の何処かに逃亡した」と解釈すれば、「行方不明」として扱えるが……)。
もしかすると、サイコミュシステムの「脳波を検出し、機械語に翻訳する」という機能は実は副産物であり、「人の意識や無意識を物理的エネルギーに転化する」というシステムを開発者達は無自覚のままに作ってしまったのかも知れない。
但し、この解釈(推測)にしても人の意識や精神力を物理的エネルギーへと転化する為の原理や理論は曖昧であり、何よりも、全てのガンダム作品のルーツである「機動戦士ガンダム」の原作者である富野氏は、同作品をリアルなSF作品ではなく、スペースファンタジー作品と認識している事等も考慮すると、全てを理論的に解釈をしようとする事自体が無意味であるのかもしれない。
登場作品
- 機動戦士ガンダム
- ジオン軍のNT専用機(ブラウ・ブロ、エルメス、ジオング)等に搭載されている。
この頃はまだ特殊な現象は確認されていなかった。 - 機動戦士Ζガンダム
- 主にジ・Oやキュベレイ等が搭載。
ジ・Oとキュベレイが交戦した際、機体からオーラを発している。このオーラは「サイコフレームの発光現象と同じものであり、サイコフィールドも展開している」と解釈が可能。
また、簡易サイコミュであるバイオセンサーを搭載したΖガンダムはビームバリアの展開、本来のスペック以上の性能の発揮、死者との交信など、超常現象とも言える効果を出している。 - 機動戦士ガンダムΖΖ
- キュベレイの他に、ネオ・ジオン軍のMSの何機かに搭載されている。
ちなみにバイオセンサー搭載機であるΖΖガンダムにはΖガンダムと同様の現象が見られ、最終決戦でコアファイター単機という劣勢に陥った状況の中で、放棄したコアトップとコアベースを強制的に再起動・操作してΖΖガンダムへと再合体させている。また、キュベレイも機体からオーラを発し発し、ZZガンダムのハイメガキャノンを防御している(このハイメガキャノンもバイオセンサーの影響と思われる出力向上が見受けられる)。 - 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- νガンダムやサザビー等に搭載。サイコミュの発展型といえるサイコフレームも登場している。
このサイコフレームにも特殊な現象が見られ、地球に落下しかけたアクシズをνガンダムが単機で押し上げている。 - 機動戦士ガンダムUC
- ユニコーンガンダム等が該当する。
サイコミュを使用したMSの最終形とも言えるフル・サイコフレームMSであるユニコーンガンダムに至っては「ビームを弾くバリアの発生」「カタログスペック以上の性能の発揮」「他者や死者との交信」など、Ζガンダムで見られた現象が数多く再現されている。 - 機動戦士ガンダムF91
- 機動戦士Vガンダム