マスターガンダム

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マスターガンダム
外国語表記 Master Gundam
登場作品 機動武闘伝Gガンダム
デザイナー カトキハジメ
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スペック
分類 第13回ガンダムファイト大会用モビルファイター
型式番号 GF13-001NHII
全高 16.7m
本体重量 7.2t
装甲材質
開発組織 ネオホンコン
所属
主なパイロット マスターアジア
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概要[編集 | ソースを編集]

第13回ガンダムファイト決勝大会用の機体としてクーロンガンダムからマスターアジアが乗り換えたモビルファイター。その正体はデビルガンダム四天王のリーダー格であり、漆黒のボディと頭部の左右に伸びた巨大な角を持つ[1]

その開発経緯は謎に包まれており、事実上、ガンダムファイターであるマスターアジアとネオホンコン首相のウォン・ユンファ以外にその詳細を知る者はいない。一説にはクーロンガンダムがDG細胞で変異した機体とも、シャッフル・ハートを原型とした機体とも言われている。マスターがデビルガンダムと遭遇したのは第13回大会直前であり、ほぼ同時にシャッフル同盟からも離反しているため、シャッフルハート→クーロンガンダム→マスターガンダムに至る過程は判然としていない。少なくとも、マスターが新宿でドモンと再会するまでの間には完成しており、サバイバルイレブン期間中はクーロンガンダムに偽装していたのは確かであり、クーロンガンダムとシャッフルハートを融合させて作り上げられた機体ではないかと考える事もできる。また、そのデザインはネオホンコンが開発した機体である事を考えれば、配色や各部位の形状など、鬼門遁甲や風水が取り入れられているという説がまことしやかに囁かれている。

本機はクーロンガンダムを発展させた格闘専用機としての特性が強く、柔軟な関節構造とスラスターによって変幻自在の動きを実現し、マスターアジアの繰り出す流派東方不敗の技の数々を再現してみせている。

背部には2基のウイングシールドを有し、それを展開してボディ全体を覆うノーマルモードと、シールドを背部に折りたたみ全力戦闘を行うアタックモードへの変形が可能。また、機体を構成するDG細胞によって損傷した装甲や千切れた四肢を短時間で復元する事も可能であるが、マスターアジアは自身の強靭な精神力によってDG細胞を完全に制御している。完璧に管制されたDG細胞はモビルファイターにとって最強のマテリアルであり、ライゾウ・カッシュらが考えていたアルティメットガンダムの理想形でもあったため、その意味ではマスターガンダムは「最強のモビルファイター」であったと言える。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

機動武闘伝Gガンダム
初登場作品。第13話から新宿で謎のガンダムとしてドモン・カッシュの前に姿を現し、マスターアジアが正体を明かすと共にクーロンガンダムから変化し、ドモンの最強の敵として立ち塞がった。ギアナ高地での戦いではデスアーミーを使役して度々ドモン達シャッフル同盟に襲い掛かり、一度はドモンに敗れるものの、その後何事も無かったかのようにネオホンコンの決勝大会に出場。ランタオ島での最終決戦でドモンのゴッドガンダムと屈指の名勝負を演じ、最後は石破天驚拳の打ち合いの末に石破天驚ゴッドフィンガーを受け粉砕された。
超級!機動武闘伝Gガンダム
ギアナ高地からネオホンコンへの説明も無いワープに対して、ギアナ高地で戦ったマスターは遠隔コントロールシステムを使って操っていたコピーという形で説明がなされた。同様の設定は後述の『天地天愕』にもフィードバックされている。
機動武闘伝Gガンダム外伝 天地天愕

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊機能[編集 | ソースを編集]

モビルトレースシステム
モビルファイターを制御する為のマスタースレーブ方式の操縦システム。
通常はファイティングスーツと呼ばれるナノマシンが織り込まれたパイロットスーツを装着するが、マスターアジアは自身の嗜好により、通常の服にファイテングスーツの機能が組み込まれた物を着用している。これは初期のガンダムファイトで使用された技術であり、初期の技術とはいえマスターの動きを完全にトレースしている[2]。異説としてホロコクピットが非常に高性能でファイティングスーツが必要ない、あるいはアラストル体で人機一体を達成しているとする説もある。
ウイングシールド
背部に装備された防御用装備。内蔵したスラスターによってノーマルモード、アタックモード双方での飛行が可能。マント状に展開し全体を覆った防御主体の形態をノーマルモード、背部に折りたたんで翼とした機動力主体の形態をアタックモードと呼ぶ。
シールドは複数のユニットで構成され、右翼は「破」と呼ばれ、左翼は「覇」と呼ばれる。「破」の翼は前面の分割部分から時計回りに戒、倫、約、棄、掟の名を持ち、「覇」の翼も同じく分割部分から反時計回りに気、業、道、争、王とそれぞれ銘打たれている。
DG細胞
機体を構成する金属細胞。自己再生、自己進化、自己増殖の三大理論を備え、感染したものを生物・機械の垣根なくデビルガンダムの尖兵とするが、マスターアジアは持ち前の精神力によってDG細胞を制御しており、自己再生能力以外の機能は封印されているため、意識的にDG細胞を使役しない限り、DG細胞として機能する可能性は皆無となっている。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

武装[編集 | ソースを編集]

ダークネスショット
左右の掌底部に5門ずつ内蔵されている小型ビーム砲。ダークネスフィンガーのエネルギーを気弾として放つ。
マスタークロス
ビームで生成された布状の武器。モビルトレースシステムによってコクピット内のマスターアジアの腰布と連動して生成される。ビームサーベルのように対象を切断する他、敵機を絡め取る事も可能。『天地天愕』では「ビームクロス」の名称で用いられている。
ニアクラッシャー
伸縮機構を備えた肘から先を瞬間的に伸縮させ貫手を叩き込む。マスターガンダムのマニピュレータは打突に適した鋭い形状を持ち、敵の装甲を容易く貫通する程の威力を持つ。
ディスタントクラッシャー
射出した肘から先をビームワイヤーで制御し、遠距離の敵に貫手を叩き込む。射出後はビームワイヤーを引き戻す事で回収・再接続が可能。

技・必殺技[編集 | ソースを編集]

ダークネスフィンガー
シャイニングガンダムのシャイニングフィンガーやゴッドガンダムのゴッドフィンガーにも匹敵する威力を持つ必殺技。禍々しいエネルギーを放つ掌を相手に叩き込む。流派東方不敗特有の技の一つであり、液体金属による物理的なコーティングのみでは発動しない。ウイングシールドの一部を展開すれば、ノーマルモードでも使用可能。
ダークネスフィンガーショット
ダークネスフィンガーで練った気を相手に放つ応用技。
十二王方牌大車併(じゅうにおうほうぱいだいしゃへい)
手で円を描き、気によって12文字の梵字(または「十二王方牌大車」の7文字)が浮かぶ陣を生成。それぞれの文字を使用者の小型の分身へと変え、突撃させる技。攻撃後は「帰山笑紅塵(きざんしょうこうじん)」の掛け声と共に分身を帰還させることで気の消費を抑えることができる。
技名の元ネタは台湾の12人の歌手によるベストCD「滾石第一流台灣歌12王牌大車拼」で、強そうな名前というシンプルな理由から技名に採用された[3]。「笑紅塵」とは香港映画『東方不敗 風雲再起』の主題歌が由来であり、「帰山」は単に「帰れ」というニュアンスで用いられている。加えて「笑紅塵」の前に付ける事でリズム感を出す目的も兼ねている[4]
酔舞・再現江湖デッドリーウェイブ(すいぶ・さいげんこうこデッドリーウェイブ)
酔拳をベースとした演舞を行った後、気の波動を載せた膝蹴りを打ち込み対象を粉砕する技。対象を貫いた後、超級覇王電影弾と同様「爆発!」の掛け声と共に見得を切り、対象を爆破する。
元々はSFCソフト『機動武闘伝Gガンダム』でのマスターガンダムのゲームオリジナル技「デッドリーウェイブ」であり、今川監督の「そのゲームで遊んでいる人たちが本編の中でもその技が出て来たらうれしいんじゃないか。それを見た人がもう一度プレイしたときに、その時の気分で出来るんじゃないか」という思いからTV本編でも採用された。「酔舞」「再現江湖」についてはどちらも香港映画『東方不敗 風雲再起』の挿入曲の曲名が由来となっており、マスターアジアにカタカナの技名は合わせづらいという理由から付けられている。「酔舞」は「純粋に内心を表すという意味で酔って舞うという字を使った」、「再現江湖」については「漢字のとおりで自然を再現する=『G』第45話で明かされるマスターアジアの目的」「江湖というのは武術者が行き着く先という意味。日本語にもある現世の自然、一番最初の美しい自然を表す言葉」といった意味が込められている[5]
超級覇王電影弾(ちょうきゅうはおうでんえいだん)
機体を高速回転させ、渦巻くエネルギーを身にまといその勢いのまま突撃する技。
石破天驚拳(せきはてんきょうけん)
流派東方不敗の最終奥義。天然自然の力を借り、それを拳の形に練り上げて気功弾として打ち出す。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

衝撃!シャイニングフィンガー敗れたり
決勝開幕!ガンダムファイター大集合
さらば師匠!東方不敗、暁に死す

関連機体[編集 | ソースを編集]

系列機など [編集 | ソースを編集]

クーロンガンダム
マスターアジアの前搭乗機。第13回大会では当初この機体に擬態していた。
グランドマスターガンダム
四天王合体MF。本機の上半身のコピーが使われている。
シャッフル・ハート
マスターアジアがクーロンガンダム以前に搭乗していたとされる機体。頭部装飾やバインダーなどの意匠が類似している。一説には本機がマスターガンダムのベースとなったとされているが、詳細は不明。
ガンダム・マスター独孤
『天地天愕』に登場する白いマスターガンダム。マスターアジアの姉弟子独孤求敗が搭乗し、9枚のファンネルプレートを装備する。

サポートメカ [編集 | ソースを編集]

風雲再起
本機をサポートするモビルホース。マスターアジアの愛馬、風雲再起が搭乗する。

デビルガンダム関連 [編集 | ソースを編集]

デスマスター
本機に擬態したデスアーミー。全四機が生み出され、マスターアジアの仕掛けた八卦の陣に用いられた。
ガンダムヘッド
デビルガンダムの触手が変貌した攻撃端末。左右に伸びた角は無いが、頭部デザインの意匠が共通している。

その他 [編集 | ソースを編集]

ダークチャンプ
『機動武闘伝外伝II』に登場する白いマスターガンダム。ウイングシールドを装備しない高機動型で、シャイニングニンジャ・ホワイトがDG細胞で擬態した姿。
神バーニングガンダム
ガンダムビルドメタバース』に登場するガンプラ。本機のウイングシールドから着想を得たであろうウイングバーニングを装備している。

余談 [編集 | ソースを編集]

  • ギアナ高地でのゴッドガンダムとの戦いの末に破壊されたのにも関わらず、遠く離れたネオホンコンに東方不敗と共に平然と現れたため、視聴者の間でもGガンダムの謎の1つとして扱われてきた。これについては『G』のレーザーディスクに収録されている今川監督のロングインタビュー(第4回)で監督が「(第24話でゴッドガンダムに体当たりした風雲再起の上に)乗ってます。作画にもあるはず」「DG細胞での再生中だって(笑)」「マスターガンダムと風雲再起は併せてひとつっていう考え方」と語っている。
    • ただ、その後の『超級!』では上述通り「ギアナで破壊されたのはマスターガンダムのコピー」と設定され、公式外伝の『天地天愕』でも採用されたため、ロングインタビューにおける監督の説明は設定に反映されなかった模様である。

商品情報[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. このデザインは『鉄人28号』に登場した「ブラックオックス」がモチーフになっている。
  2. 作中でもファイティングスーツを着用したガンダムファイターを幾度も圧倒して見せている。
  3. 『Gガンダム』レーザーディスク Vol.2付属の今川監督のロングインタビュー(第2回)より。
  4. 『Gガンダム』レーザーディスク Vol.6付属の今川監督のロングインタビュー(第6回)より。
  5. 『Gガンダム』レーザーディスク Vol.5付属の今川監督のロングインタビュー(第5回)より。