「メッサーラ」の版間の差分

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| 主動力 = [[熱核融合炉]]
 
| 主動力 = [[熱核融合炉]]
 
| ジェネレーター出力 = 4,900kW
 
| ジェネレーター出力 = 4,900kW
| スラスター総推力 = 96,000kg
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| スラスター総推力 = 96,000kg<ref>背部連装スラスターのみから算出されたもの。脚部マニューバースラスターなど機体各部のスラスターと合わせた真の総推力は不明。</ref>
 
| 姿勢制御バーニア数 = 8
 
| 姿勢制御バーニア数 = 8
 
| 装甲材質 = [[ガンダリウム合金]]
 
| 装甲材質 = [[ガンダリウム合金]]
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== 概要 ==
 
== 概要 ==
超大型輸送艦[[ジュピトリス]]で[[パプテマス・シロッコ]]大尉が設計・開発したハンドメイドの試作型[[可変モビルアーマー]]。[[モビルスーツ]]形態に変形可能。
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超大型輸送艦[[ジュピトリス]]で[[パプテマス・シロッコ]]が設計・開発したハンドメイドの[[可変モビルアーマー]]。この機体はシロッコによってデザインされた完全なワンオフ機であり、コンセプトも通常の機体とは大きく異なる。
  
[[木星]]の高重力下での運用を前提に設計されており、地球圏で使用されている物よりも大型のスラスターが装備されており、その為、従来の[[モビルスーツ]]を遥かに凌駕する機動性を有している。反面燃費は悪く補給の際に大量の推進剤を補充する必要が有る。本機は[[ムーバブルフレーム]]そのものは採用していないがシロッコは独自に同等の機体構造を開発する事によって本機を開発した。そのフレームも強度の高いものが採用されている。
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元々[[木星圏]]においては、大重力の環境に対応する作業機器が開発・運用されており、これらは基本的に複雑に干渉し合う木星の重力を振り切り、母艦との往復を可能とするスペックを持っていた。ただし、プロペラントとペイロードの効率は決して良いとは言えず、バーニアスラスターの性能もほぼ限界に達していた。そこに[[モビルスーツ]]が登場した事によって状況が一変。MSは宇宙用の作業機器としての側面を有し、燃料を必要以上に消費しない姿勢制御技術が兵器として成功した理由の一つであった。その周辺技術は瞬く間に木星開発用の機器にも影響を及ぼし、[[AMBAC]]機動やスラスターユニットの可変機構を搭載した機器がMSに先行する形で実用化されていった。メッサーラもそのコンセプトに則って開発された機体であり、フレーム構成やデバイスの配置など、地球圏の機体とは異なっているものの、実際には他の可変MSや可変MAと同様の「可変機」であり、所謂収斂進化を果たした機体と言える。
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この機体は、木星圏から[[ティターンズ]]に召還されたシロッコ自身の手によって調整が続けられていたが、その途上での[[テンプテーション]]の襲撃や[[エゥーゴ]]の[[ジャブロー]]降下部隊との交戦が記録されている。その後、シロッコは[[ジ・O]]を乗機とした為、本人が搭乗するケースは殆ど無かったが、本機がグリプス戦役期における傑作機の一つである事は揺るぎない事実である。
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
;[[機動戦士Ζガンダム]]
 
;[[機動戦士Ζガンダム]]
:第10話で初登場。劇中で初めて登場した[[可変モビルアーマー]]である。劇中初期はシロッコが搭乗し、[[ブライト・ノア]]の乗るテンプテーションの襲撃を始めに、[[エゥーゴ]]のジャブロー降下作戦の阻止に現れ、[[クワトロ・バジーナ|クワトロ]]の乗る[[百式]]や[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]の乗る[[ガンダムMk-II]]を圧倒した。その後、サラやレコアが搭乗したが、それ以後の本機の行方は不明である。
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:初登場作品。第10話よりシロッコ初期の乗機として登場し、[[ブライト・ノア]]の乗るテンプテーションの襲撃を始めに、[[エゥーゴ]]のジャブロー降下作戦の阻止に現れ、[[クワトロ・バジーナ|クワトロ]]の乗る[[百式]]や[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]の乗る[[ガンダムMk-II]]を圧倒。その後、サラやレコアが搭乗した。劇中で初めて登場した[[可変モビルアーマー]]であるが、中盤以後は撃墜描写もないままフェードアウトする事になった。
 
;[[機動戦士Ζガンダム Define]]
 
;[[機動戦士Ζガンダム Define]]
 
:瀧川虚至氏によりデザインが一新。細身になり、メガ粒子砲とメインスラスターが大型化している。
 
:瀧川虚至氏によりデザインが一新。細身になり、メガ粒子砲とメインスラスターが大型化している。
 
;[[機動戦士ガンダム ヴァルプルギス]]
 
;[[機動戦士ガンダム ヴァルプルギス]]
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:[[トニオ・オークス|トニオ・マンハイム]]がジュピトリスからの脱走時に使用していた事が明かされている。その後、コンテナに封印された状態の機体を[[ユーロン]]が回収。長らくコンテナを開封出来ずにいたが、[[コンチェッタ・フィリー]]が[[フィオリーナ・フィリー]]と協力してその封印を解き、運用した。
  
 
== 装備・機能 ==
 
== 装備・機能 ==
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=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
;9連装ミサイル・ポッド
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;ミサイル・ポッド
:両肩に内蔵されたミサイル・ランチャー。発射されるミサイルは先端部のシーカーと側面のバーニアによって、ある程度の追尾が可能。
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:両肩に内蔵されたミサイル・ランチャー。9発のマイクロミサイルを内蔵し、MS形態ではショルダーユニットに相当するが、構造的にはMA形態でも使用可能。発射されるミサイルは先端部のシーカーと側面のバーニアによって、ある程度の追尾が可能。
;クローアーム
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;腕部クロー
:両腕の可動式ポッドに設置された上2本下1本の折り畳み式クロー。通常はグレネード・ランチャーの発射口を塞ぐ形で畳まれている。
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:両腕部に装備された収納式クロー。クローの内側にグレネード・ランチャーを、サブアームの側面にはバルカン砲をそれぞれ有する。
 
:;バルカン
 
:;バルカン
::クローアームポッド側面に1門ずつ計2門を備えポッド自体は左右一対の為計四門備えられている。劇中での発砲描写は無い。
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::腕部クローの左右に備えたバルカン砲。両腕で計4門装備。クローで敵機を掴んだまま発砲する事も可能。
 
:;グレネード・ランチャー
 
:;グレネード・ランチャー
::クローアームポッド中心部に内蔵。グレネードは2発ずつ装填されている。
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::腕部クローの中心部に内蔵。グレネードは3発ずつ装填されている。
;;[[ビーム・サーベル]]
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;[[ビーム・サーベル]]
;:前腕とクローアームポッドの間に1基収容(両腕装備の為計二基)。使用時にグリップが伸長する独自仕様である。取り出す際は手首を180度回転させ、グリップを握らせる。本機は一撃離脱戦法が主なので、使う局面が少ない。出力0.5MW。
+
:出力0.5MWの近接格闘兵装。大型のビーム発信デバイスを内蔵し、使用時にグリップを伸縮する独自の機構を備えたカスタム仕様。非使用時は前腕部と腕部クローの間に格納される。
 
;[[メガ粒子砲]]
 
;[[メガ粒子砲]]
:背部推進機ポッドと直結一体化した左右一対二基のスラスター内蔵型ビーム砲。パワーソースとして推進機ポッドと直結する構造を採っている為高出力であり当時の標準的なMSなら一撃で破壊できる。出力11.3MW。
+
:背部スラスターの先端部に装備されたビーム砲。ジェネレーター直結型で戦艦並みの破壊力を発揮する。連装スラスター群と一体化したAMBACユニットでもあり、1基辺りで機体質量の30%を担っている。出力11.3MW。
 
;脚部クロー
 
;脚部クロー
:MS形態の足の部分に併設されているクローで、可動肢として機能する。設置箇所からして戦闘に使用したとは考えにくく、隕石などの浮遊物への機体の固定などに用いるジャッキやアウトリガーの類似物と思われる。
+
:脚部はMA形態時に可動肢として機能する。公国系の初期のMAと同様、敵機の捕縛や圧壊が可能なトルクを持つ。
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
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== 余談 ==
 
== 余談 ==
*重力の大きい木星圏での使用を想定している本機だが、どういう訳かスラスター推力が96,000kgと、同時代の可変機<ref>[[アッシマー]](68,200kg)、[[Ζガンダム]](112,600kg)、[[ギャプラン]](183,000kg)</ref>の中では特に優れた数値ではない。これは一年戦争時の[[ガンダムNT-1]](174,000kg)などにすら劣っている。これはスペック表の記載漏れが原因と見られており、96,000kgという数値はスラスターユニットの熱核ロケット6基(各16,000kg)の合計に過ぎず、胴体や脚部のスラスターを含める事で本来の総推力が求め出されるとされている。
 
 
*[[ガンプラ]]「HGUC 1/144 メッサーラ」のバーニア部分には[[GNドライヴ]]を無加工でハメ込む事ができ(接続ピンは無いため接着必須)、6基のGNドライヴを搭載した[[ダブルオーガンダム|ツインドライヴ]]ならぬセクスタプレットドライヴにする事が可能。『[[ガンダムビルドダイバーズRe:RISE|GBD:R]]』第26話には同様の改造が施された機体が一瞬登場している(直後に砲撃によって撃墜)。
 
*[[ガンプラ]]「HGUC 1/144 メッサーラ」のバーニア部分には[[GNドライヴ]]を無加工でハメ込む事ができ(接続ピンは無いため接着必須)、6基のGNドライヴを搭載した[[ダブルオーガンダム|ツインドライヴ]]ならぬセクスタプレットドライヴにする事が可能。『[[ガンダムビルドダイバーズRe:RISE|GBD:R]]』第26話には同様の改造が施された機体が一瞬登場している(直後に砲撃によって撃墜)。
  

2022年2月27日 (日) 00:57時点における版

メッサーラ
外国語表記 Messala
登場作品
デザイナー
  • 永野護(Ζ)
  • 瀧川虚至(Ζ Define)
  • テンプレートを表示
    スペック
    分類 宇宙用試作型可変モビルアーマー
    生産形態 試作機
    型式番号 PMX-000
    頭頂高 23.0m
    全高 30.3m
    本体重量 37.3t
    全備重量 89.1t
    主動力 熱核融合炉
    ジェネレーター出力 4,900kW
    スラスター総推力 96,000kg[1]
    姿勢制御バーニア数 8
    装甲材質 ガンダリウム合金
    センサー有効半径 11,300m
    開発拠点 ジュピトリス
    開発者 パプテマス・シロッコ
    所属 木星船団ティターンズ
    母艦 ジュピトリス
    主なパイロット
    テンプレートを表示

    概要 

    超大型輸送艦ジュピトリスパプテマス・シロッコが設計・開発したハンドメイドの可変モビルアーマー。この機体はシロッコによってデザインされた完全なワンオフ機であり、コンセプトも通常の機体とは大きく異なる。

    元々木星圏においては、大重力の環境に対応する作業機器が開発・運用されており、これらは基本的に複雑に干渉し合う木星の重力を振り切り、母艦との往復を可能とするスペックを持っていた。ただし、プロペラントとペイロードの効率は決して良いとは言えず、バーニアスラスターの性能もほぼ限界に達していた。そこにモビルスーツが登場した事によって状況が一変。MSは宇宙用の作業機器としての側面を有し、燃料を必要以上に消費しない姿勢制御技術が兵器として成功した理由の一つであった。その周辺技術は瞬く間に木星開発用の機器にも影響を及ぼし、AMBAC機動やスラスターユニットの可変機構を搭載した機器がMSに先行する形で実用化されていった。メッサーラもそのコンセプトに則って開発された機体であり、フレーム構成やデバイスの配置など、地球圏の機体とは異なっているものの、実際には他の可変MSや可変MAと同様の「可変機」であり、所謂収斂進化を果たした機体と言える。

    この機体は、木星圏からティターンズに召還されたシロッコ自身の手によって調整が続けられていたが、その途上でのテンプテーションの襲撃やエゥーゴジャブロー降下部隊との交戦が記録されている。その後、シロッコはジ・Oを乗機とした為、本人が搭乗するケースは殆ど無かったが、本機がグリプス戦役期における傑作機の一つである事は揺るぎない事実である。

    登場作品と操縦者

    機動戦士Ζガンダム
    初登場作品。第10話よりシロッコ初期の乗機として登場し、ブライト・ノアの乗るテンプテーションの襲撃を始めに、エゥーゴのジャブロー降下作戦の阻止に現れ、クワトロの乗る百式カミーユの乗るガンダムMk-IIを圧倒。その後、サラやレコアが搭乗した。劇中で初めて登場した可変モビルアーマーであるが、中盤以後は撃墜描写もないままフェードアウトする事になった。
    機動戦士Ζガンダム Define
    瀧川虚至氏によりデザインが一新。細身になり、メガ粒子砲とメインスラスターが大型化している。
    機動戦士ガンダム ヴァルプルギス
    トニオ・マンハイムがジュピトリスからの脱走時に使用していた事が明かされている。その後、コンテナに封印された状態の機体をユーロンが回収。長らくコンテナを開封出来ずにいたが、コンチェッタ・フィリーフィオリーナ・フィリーと協力してその封印を解き、運用した。

    装備・機能

    特殊機能

    変形
    MS形態に変形可能。変形所要時間は約0.5秒。

    武装・必殺攻撃

    ミサイル・ポッド
    両肩に内蔵されたミサイル・ランチャー。9発のマイクロミサイルを内蔵し、MS形態ではショルダーユニットに相当するが、構造的にはMA形態でも使用可能。発射されるミサイルは先端部のシーカーと側面のバーニアによって、ある程度の追尾が可能。
    腕部クロー
    両腕部に装備された収納式クロー。クローの内側にグレネード・ランチャーを、サブアームの側面にはバルカン砲をそれぞれ有する。
    バルカン
    腕部クローの左右に備えたバルカン砲。両腕で計4門装備。クローで敵機を掴んだまま発砲する事も可能。
    グレネード・ランチャー
    腕部クローの中心部に内蔵。グレネードは3発ずつ装填されている。
    ビーム・サーベル
    出力0.5MWの近接格闘兵装。大型のビーム発信デバイスを内蔵し、使用時にグリップを伸縮する独自の機構を備えたカスタム仕様。非使用時は前腕部と腕部クローの間に格納される。
    メガ粒子砲
    背部スラスターの先端部に装備されたビーム砲。ジェネレーター直結型で戦艦並みの破壊力を発揮する。連装スラスター群と一体化したAMBACユニットでもあり、1基辺りで機体質量の30%を担っている。出力11.3MW。
    脚部クロー
    脚部はMA形態時に可動肢として機能する。公国系の初期のMAと同様、敵機の捕縛や圧壊が可能なトルクを持つ。

    対決・名場面

    機動戦士Ζガンダム 

    百式ガンダムMk-II
    第10話より、シロッコとメッサーラの初登場シーン。メッサーラの機能テストを兼ねてテンプテーションを襲撃し、救助に訪れたクワトロとカミーユを高い機動性で翻弄。特にクワトロに対しては、高いニュータイプ能力でプレッシャーを与えた。テンプテーションにしか危害を加えず、終始無言だったものの、突如現れた謎のニュータイプとして強い印象を残した。
    可変モビルアーマー
    第11話より。エゥーゴのジャブロー降下作戦の開始に合わせて艦隊を襲撃。現れるや否やシチリアを轟沈せしめ、ジムII複数機をまとめて撃墜した。そして迎撃に現れたエマとカミーユの目の前でMS形態へ変形。ガンダムシリーズ初の可変機としての姿を、カミーユ達だけでなく視聴者に対しても見せ付けた。

    関連機体

    パラス・アテネ / ボリノーク・サマーン / ジ・O / タイタニア
    本機以降のPMXナンバー。
    メッサーラ・グラシュティン
    本機の設計を改修し開発されたオーヴェロンの支援機。
    メッサーラ・ディノファウスト・ジュピター
    雑誌企画『TYRANT SWORD of NEOFALIA』に登場する木星師団専用機。
    メッサーラ・ディノファウスト・アルファ
    上記ジュピターの量産型。
    ガンダムTR-6[ファイバーII]
    機種統合計画におけるガンダムTR-6のメッサーラ代替形態。

    余談

    • ガンプラ「HGUC 1/144 メッサーラ」のバーニア部分にはGNドライヴを無加工でハメ込む事ができ(接続ピンは無いため接着必須)、6基のGNドライヴを搭載したツインドライヴならぬセクスタプレットドライヴにする事が可能。『GBD:R』第26話には同様の改造が施された機体が一瞬登場している(直後に砲撃によって撃墜)。

    商品情報

    ガンプラ 

    リンク

    脚注

    1. 背部連装スラスターのみから算出されたもの。脚部マニューバースラスターなど機体各部のスラスターと合わせた真の総推力は不明。