MSA-120

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MSA-120
登場作品
デザイン 藤田一巳
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スペック
別名 ドライグ
分類 試作型モビルスーツ
型式番号 MSA-120[1]
頭頂高 15.0m
本体重量 17.5t
全備重量 54.1t[2]
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 3,040kW(通常時)〜6,800kW(メガ・ブースト時)
スラスター総推力 180,000kg(通常時)〜230,000kg(メガ・ブースト時)
開発組織 アナハイム・エレクトロニクス社
所属 アナハイム・エレクトロニクス社
主なパイロット
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概要

アナハイム・エレクトロニクス社連邦軍から宇宙世紀0111年に提示された次世代MS規格の策定要求に対して、ヘビーガンの発展型として開発したモビルスーツサナリィのFシリーズに対する競合機としてグラナダ工場のジオン系開発チームに発注され、新時代のリック・ディアスを目指してアナハイム・ガンダムの技術を投入し開発された。機体名称は開発主任によって非公式的に「ドライグ」と名付けられた。これは、人型の至上であるガンダムを超えるものとして「龍」を意図している。

次期主力モビルスーツ選定においてガンダムF90とのコンペティションが行われ、コンピュータ・シミュレーションによる一次審査では最大出力・耐弾性に勝っていたものの、運用コスト及び機動戦力比で水を開けられ、続く実機を用いた模擬戦形式の二次審査でF90に敗退。これ以降、地球連邦軍は小型MSを主力とした方針転換を確定させ、次期主力機の開発はサナリィに一任される事になり、MSA-120の存在は闇に葬られた。

開発時に2機が生産され、試作1号機は試験中の事故により失われたため、2号機は1号機を基にしたアップデートを施されF90とのコンペに供された後、ハーディガン開発の為にグラナダに保管された。その後、シルエットフォーミュラプロジェクトの一環として3~8号機の6機が増産され、地球とフォン・ブラウンに各2機が納入されたが、7・8号機の2機はルナツーへの輸送中にテロリストの攻撃を受けて所在不明となった。

内部フレームはヘビーガンヘビーガンIIとも言われている)の物を流用し、その発展型として開発されているが、技術的な素体となったのは第5世代MSのRX-110とされる。F90がオプション搭載による汎用性でガンダムに迫ろうとしたのに対し、MSA-120は様々な新技術を盛り込み、全領域性能を機体内部で完結させる事を目的としている。外見はベース機とはかけ離れたものになっているが、これはペーネロペーの設計を小型化する過程で空力性能と避弾経始を重視した装甲形状が選択された結果であるという。また、ガンダムタイプとして開発されていない理由として、エゥーゴの活躍とマフティー動乱によって「ガンダムは反体制の象徴」という印象が大衆に浸透していた事が大きいと言われている。

登場作品と操縦者

機動戦士ガンダムF90
出典元。F90の機体設定文章に名称のみ登場。F90の1/100キット説明書に「カタログスペックはF90以上だが、模擬戦ではわずか1分で敗北」との記載[3]がある。
機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91 (小説版)
模型情報誌MJ(1992年7月号 Vol.156)掲載の第2話「陽動」に登場。アイリス・オーランドの父ウィリアムがテストパイロットを務めていたが、宇宙世紀0111年6月20日に発生した試験中の事故により大破し、ウィリアムも死亡した。『F90FF』では、この事故を起こした機体を1号機としている[4]
サイバーコミックス
No.024で登場。機体設定及び設定画が公表された。
スーパーMJ・機動戦士ガンダム・最新MS造型資料集
へビーガンの発展機という設定が追加された。
ガンダムMSヒストリカ
Vol.6掲載の「ガンダムの世紀」第6回『内なる「ガンダム」、内なる「神話」』にて、F90との対峙について述べられている他、模擬戦の様子を描いた挿絵も掲載されている。
GUNDAM EXA
クロスボーン・ガンダムの世界で一コマのみ登場。連邦軍のモビルスーツ部隊の中に紛れている。
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
第27話のブラックロー運送がデブリを回収するシーンに紛れている。
HJメカニクス02 (ホビージャパンMOOK 895)
「ラプラス事変やマフティーの反乱を経験したアナハイム・エレクトロニクス社が技術を総動員して作った大型MSの末裔」というリファイン設定で、ガブスレイをベースにヴェイガン機やギラ・ドーガ等のキットとミキシングした作例が登場。アップリケアーマーを外した中身も製作している気合の入れよう。
機動戦士ガンダムF90FF
実機が本格的に登場。パイロットをはじめ全8機生産された事や、開発系譜、ハイインパクトガンの概要等々、設定面でかなりの掘り下げが行われた。機体名称についても開発主任が「ドライグ」と呼んでいた事が明かされた。
第1話でF90との模擬戦について言及され、その後、第19話でその模擬戦時のパイロットがヴェロニカ・ヴァーノンであった事が本人の口から語られた。19話ではレガシィによって強奪されたサイファー機がネモ3機と共にファステスト・フォーミュラと交戦。メガ・ブーストの機動力でキャノンガンダムの懐に一瞬で飛び込み、ビーム・サーベルの一刺しで瞬時に撃墜し、F90をも圧倒。その後もFF隊の前に幾度となく立ちはだかった。また33話よりツインアイタイプに改装されたドライグ・アクティブも登場している。

装備・機能

特殊機能

メガ・ブースト
エネルギーCAPの技術を応用し、縮退寸前のミノフスキー粒子熱核融合炉に注入する事で瞬間的に出力を上げ、機動性を高める新技術。この際の機動力はサナリィのF90すらも凌駕するが、使用時のジェネレーターはオーバーロード寸前の状態となり、爆発の危険性と隣り合わせになる。
蒸発式アップリケ・アーマー
新素材を用いた複合耐ビーム装甲材。機体表面に施され、被弾時に装甲を蒸発させダメージを最小限に止める。
ミノフスキー・フライト
ミノフスキー粒子を利用した飛行技術。背部シュツルム・ブースターと共に長距離侵攻を想定した装備であり、長距離飛行用の推進剤を搭載するため全備重量には余裕を持たせている。

武装・必殺攻撃

ハイインパクトガン
ミノフスキークラフトの性質を応用した疑似重力兵器。ミノフスキー・リパルサー・フィールドの反発力で弾体を加速させる[5]疑似重力レールガンであり、ローレンツ力で弾体を加速させる従来型のレールキャノン以上の破壊力を誇り、一撃でMSよりも巨大な岩塊を粉砕する。また、弾速をコントロールする事でコロニーへのコラテラル・ダメージの最小限化が期待された。欠点としてMSからの電力供給とミノフスキー・コントロールに困難が多く、MSA-120以外への採用例は確認されていない。
ミノフスキークラフトで発生した疑似重力を敵機に衝突させる兵器とも言われているが、SF的な誇張であり、MSがブラックホールを武器にするためには少なくともマイクロブラックホール縮退炉くらいは搭載しなければならないとの主張もある。
ハイパーメガランチャー
武装欄に表記あり。詳細不明。
ビーム・サーベル
近接白兵戦用の装備。『F90FF』に登場した機体が装備。

対決・名場面

関連機体

ヘビーガン / ヘビーガンII
ベース機。フレームを流用しているものの、外見や体格は大きく異なる。
Gカスタム
本機の装備が転用されたハーディガンの先行試作タイプ。
ゾーリン・ソール
技術的な素体となった第5世代機。
ドライグ・アクティブ
ツインアイとブレードアンテナを装備した1号機。

余談

  • 『スーパーMJ』の設定では、ヘビーガンの内部フレームが本機に流用されているとの事だが、機体デザインが根本的に違う。この辺りはヘビーガンの方が制作時系列的には後発である事や初出の『機動戦士ガンダムF90』時の諸設定の変更が行き届いていないのが原因なのだろう。
  • 機動戦士ガンダムF90』の記事で記している通り本機の型番はU.C.120年にF90がロールアウトした設定に由来する為、現行の設定ではF90のロールアウトがU.C.111年に繰り上がった関係上本機の型式番号は繰り上げが行われるべきであるが機体名未設定などの事情の為か現状変更される兆しはない。
  • 本機の版権はサンライズではなく『F90』の企画や「サイバーコミックス」の編集などに関わったスタッフの1人が持っているとされる。そのため、『F90FF』での登場に対し苦言を呈している[6]
  • 同氏によると版権問題の他にも「ガンプラF90の説明書に機体解説が掲載される予定だったがバンダイの指示により削除された」という裏話も存在する様子。加えてハイインパクトガンについても、「サイバーコミックス」での設定とは異なり、対ニュータイプ用の量子兵器と主張しており、ミノフスキー粒子の影響を受けず、ある一定距離の空間に瞬時にエネルギー(量子波)を移送できる無敵の兵装とされる。

関連商品

書籍 

リンク

脚注

  1. 資料によっては「MSA-0120」とも
  2. ミノフスキー・フライトによる長距離侵攻を想定し30tの推進剤を搭載可能という意味であり、通常戦闘では4t程度の積載で済む。
  3. ただし後述の版権所持者の明かした内容では「F90に持久戦に持ち込まれ観察されてハイインパクトガンの充填の隙を衝かれて負けた」という矛盾した内容が語られている。
  4. ただ、漫画版『SF91』におけるウィリアムの搭乗機であるジェガン (ファイアボール)について言及・描写はされておらず、どのように整合性を取るかは現段階では不明。
  5. 原理としてはミノフスキードライブに近い。
  6. ただし、『F90FF』で大々的に登場したもののそれ以前の漫画作品でも度々登場している為、この主張にはやや疑問が残る。