ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム

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ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム
外国語表記 DOUBLE FAKE UNDER THE GUNDAM
原案

矢立肇

富野由悠季
作画 うしだゆうじ
表紙カバー 亀口和明
装幀・デザイン 朝倉哲也
発行人 佐藤辰男
発行所
  • バンダイ
  • メディアワークス
レーベル 電撃コミックス
印刷・製本 共同印刷
発売元 角川書店
掲載誌
  • MJ(ダブルフェイク)
  • サイバーコミックスNo.17(アルマリア)
発売日 メディアワークス版:2002年12月15日(初版)
掲載期間
  • 1988年7月号~1989年4月号(ダブルフェイク)
  • 1990年3月(アルマリア)
価格 定価:本体600円(メディアワークス版)
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概要[編集 | ソースを編集]

模型情報誌『MJ』1988年7月号~1989年4月号に掲載されていたガンダム作品。連載時のタイトルは「ダブルフェイク」。時系列では『機動戦士ガンダムΖΖ』と『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の中間に位置し、『ΖΖ』からイリア・パゾムが、『逆シャア』からジェガンなどが登場している。

コロニー公社の下請け会社「モノトーン・マウス社」に所属する主人公ダリー・ニエル・ガンズを中心としたストーリーで、同社は地球連邦軍のアラハス隊とテロ組織カラード、さらにはネオ・ジオンが加わる戦いに巻き込まれていく事となる。

本作はバンダイとメディアワークスの2社で単行本化されており、バンダイ版で「アンダー・ザ・ガンダム」、その後出たメディアワークス版で「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」に変更されている。また、サイバーコミックスNo.17に収録されていた作品「アルマリヤ」を同時収録している他、バンダイ版とメディアワークス版で収録内容に若干の差異がある。

なお、メディアワークス版には後日談である描き下ろし作品『It's Wonderful World』が新たに収載されている。ただ『ダブルフェイク』本編の時点で宇宙世紀0090年だったのにも関わらず、登場するモビルスーツやノーマルスーツが全て一年戦争当時の物である等、一部不整合な部分が見られる[1]

ストーリー[編集 | ソースを編集]

ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム [編集 | ソースを編集]

宇宙世紀0090年。連邦の政策に反感を持つスペースノイド達は怒りのはけ口を反対運動からテロリズムへと拡大強化エスカレートしていった。そういった状況の中でコロニー公社を中心とした再建計画が開始される。だが、空コロニーはテロ組織のアジトに利用される事が多く、再建作業には連邦の護衛がついた。

モノトーン・マウス社の社員であり、熱血ガンダム野郎のダリー・ニエル・ガンズは仲間達と共にコロニー・テキサスの再建作業を行っていた。そんな中、護衛に訪れたサラミス改「アラハス」が突如としてテロ組織「カラード」の襲撃を受ける。愛機である作業機「Dガンダム」を駆り戦場に乱入したダリーはカラードを撃退するが、突然現れたガンダムに驚愕したカラードは、アラハスがガンダムを有する程の部隊と判断。ダリー達はアラハス共々、カラードに付け狙われてしまう。しかし、ダリーの熱血ぶりは双方はおろか、影でコロニー落としを目論むネオ・ジオンですら振り回される事になる。

It's Wonderful World[編集 | ソースを編集]

コロニー外壁の建造作業を終えたダリー達に、屋根にモビルスーツが落ちたという連絡が入った。墜落したのは地球連邦軍の実験機とそのパイロット。外壁が完全に抜けようとする中、気密の確保とパイロットの救助を急ぐダリー達だったが、そこへジオン公国軍の機体が現れ攻撃を開始する。

登場人物[編集 | ソースを編集]

モノトーン・マウス社[編集 | ソースを編集]

ダリー・ニエル・ガンズ
熱血キャラの主人公。「ガンダム・ダリー」の名で知られる程のガンダム好きで、ジャンクパーツで造ったDガンダムを愛機としている。作中では「ダリエル・ガンズ」と間違えられる事も。
チェリィ・チノ・ローゼス
ダリーの仕事仲間であり恋人。過去に両親をテロで亡くしている。親の形見であるSFS「モトリー」が愛機。
アイン・グレイフィールド
ダリーの仕事仲間。毎回ダリー達の暴れっぷりに振り回される苦労人。

地球連邦軍アラハス隊)[編集 | ソースを編集]

オッド・フェルド
アラハス艦長。マイペースな性格でクルーからは「おやかた」と呼ばれている。
タケシ・カザキ
アラハス隊のMSパイロット。ジェガン改に搭乗する。
ウィントン・マルサリス
アラハス隊のMSパイロット。ジムIIに搭乗する。冒頭のカラードとの戦闘で撃墜される。
アンティケ・ブリュワール
アラハス隊のMSパイロット。ドーシーとは恋人同士。ダリーへ武器を届けに行き、その窮地を救った事も。
ドーシー・ビワイド
アラハスのクルー兼パイロット。
スティア・フレドリアツキ
アラハスのブリッジクルー。艦長の補佐を務める。
マキ・イトウ
アラハスのオペレーター。CPUと会話ができる。
ミカヨ・ツギム
アラハスのオペレーター。イベラとは双子の間柄。サイド2で買い物しようとおめかししたが中止になり落ち込む場面も。
イベラ・ツギム
アラハスのオペレーター。
アルバ・ダグルト
アラハスの技師。
サイド・フューエル
アラハスのチーフメカニック。

カラード[編集 | ソースを編集]

アルヴェニシカ・キースト(アニー)
カラードの女性パイロット。愛称は「アニー」。破天荒な性格の持ち主で、自身を打ち負かしたDガンダムとそのパイロットであるダリーを付け狙う。
エルデスコ・バイエ
カラードのリーダーで厳格な性格の持ち主。親を亡くしたアニーを親同然で育ててきたようだ。
ディーマッド
カラードのガザWパイロット。主戦派であり、後に穏健派であるエルデスコと袂を分かち対決した。
ナック・ラジャン
カラードの参謀。頭にカフィーヤを被っている。
フォニオ・ラジャン・アシーク
カラードの女性メンバー。アラビア系の服を着ている。
フォムン・ロフト
カラードのオペレーター。
ヤン・クリーク
カラードのオペレーター。
エルザ・フォスタ
カラードの女性メンバー。連載時の扉絵にのみ登場。

ネオ・ジオン[編集 | ソースを編集]

イリア・パゾム
ΖΖ』に登場していた軍人。今作ではレウルーラの艦長を務める。
ジェダ・ジェスカリオト
イリアの部下。専用のヤクト・ドーガを駆る。
シン・ワタナベ
ワタナベ研究所のニュータイプ。同じくニュータイプであるタウとは双子の間柄。
タウ・ワタナベ
ワタナベ研究所のニュータイプ。犬の様に吠えながら戦闘を行う。
シンシア・ハース
ワタナベ研究所の女性職員。シン達のデータ収集を行う。

It's Wonderful Worldの登場人物 [編集 | ソースを編集]

フジ・ミカ(藤 美華)
地球連邦軍 第123小隊のMSパイロット。コロニー内での飛行中、河に墜落してしまったため、ダリー達が救助へと向かう。

登場メカ[編集 | ソースを編集]

モノトーン・マウス社[編集 | ソースを編集]

地球連邦軍[編集 | ソースを編集]

カラード[編集 | ソースを編集]

ネオ・ジオン[編集 | ソースを編集]

設定のみの機体 [編集 | ソースを編集]

It's Wonderful Worldの登場メカ [編集 | ソースを編集]

用語[編集 | ソースを編集]

NSP(New Summer Project)
カラードなどの私設軍隊養成組織の事。宇宙世紀0090年代に同組織の俗称として用いられるようになった。旧世紀(現実世界)で1960年代に起きた公民権運動(黒人と白人の若者同士が一緒に夏を過ごし、社会的に注目を集めようとした)にちなんで付けられた。アニーの両親も一年戦争以前に参加していた。
三次元酔い
無重力下で思いがけない方向に引力が生じた場合、一時的に方向感覚を失ったようになる事。宇宙酔いとは異なるようだが、原因の1つである可能性もなくはない様子。作中ではモトリーがコロニー外壁にアンカーを打ち込む際に、ダリーが「三次元酔いおぼれんなよー」と注意を促している。

各話リスト (連載版)[編集 | ソースを編集]

話数 サブタイトル 掲載誌  備考
ACT.1 熱血野郎  MJ 1988年7月号
ACT.2 変則攻撃  MJ 1988年8月号
ACT.3 本領発揮  MJ 1988年9月号
ACT.4 奇襲攻撃  MJ 1988年10月号
ACT.5 宇宙英雄  MJ 1988年11月号
ACT.6 強敵参上  MJ 1988年12月号
ACT.7 爆発寸前  MJ 1989年1月号
ACT.8 戦闘開始!!  MJ 1989年2月号
ACT.9 主役交代!?  MJ 1989年3月号
LAST ACT 友情次第  MJ 1989年4月号

関連作品[編集 | ソースを編集]

アルマリア
サイバーコミックスNo.17に掲載されていた作品で、本作の続編的作品。宇宙世紀179年を舞台にしているが、ジオン公国軍や連邦軍・ジオン軍双方のMSを模した戦艦、果ては銀河英雄伝説のパロディ戦艦が登場するなど不整合な部分が多く見られる。本作が単行本化した際に同時収録された。バンダイ版には本作との繋がりを描いた部分があるが、メディアコミックス版にはそれが収録されていないため注意。

商品情報[編集 | ソースを編集]

漫画 [編集 | ソースを編集]

【メディアワークス版】

書籍[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 一年戦争以降の前日談として見る手もあるが、その場合も「ダリーの口から『RX-178』の名前が出る」「ダリーが昔からガンダム好き」といった不整合な部分が出てしまう。