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+ | | 読み = しんきどうせんきガンダムウイング | ||
+ | | 外国語表記 = | ||
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+ | | 原作 = 矢立肇<br/>富野由悠季 | ||
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− | + | 平成の単発シリーズの第2作目。前作『[[機動武闘伝Gガンダム]]』の視聴率はそれなりだったものの、歴代のガンダムシリーズとしては異色作であったため、多くのファンを獲得したものの、既存のファンからは酷評を受けるなど賛否両論だった。そのため再び大規模な戦争を題材とした「リアル系」に戻りつつ、ヒーロー性を出す事を主眼において製作されている。登場人物の名前の由来が数字からきていたり、[[MS]]の名前の由来が黄道十二星座からきていたり、風神雷神など、分かり易いモチーフのものが多い。 | |
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主人公をそれぞれ特徴的な5人の美少年にしたことで、放映当時女子人気が高かった作品と言われている。これは製作側が新規ファン層獲得のために、どちらかと言うと女性向きのキャラクターを多く採用したためである。そのため、少年達には踏み込んだ男女の恋愛描写はあまりない。しかし、個性的なキャラクターが多い為、決して男子に人気が無い訳ではない。思春期の複雑な少年の内面はそれぞれに異なっており、共感を呼んだ。また、派手でキャラクター性の強いガンダムは好評を得ている。 | 主人公をそれぞれ特徴的な5人の美少年にしたことで、放映当時女子人気が高かった作品と言われている。これは製作側が新規ファン層獲得のために、どちらかと言うと女性向きのキャラクターを多く採用したためである。そのため、少年達には踏み込んだ男女の恋愛描写はあまりない。しかし、個性的なキャラクターが多い為、決して男子に人気が無い訳ではない。思春期の複雑な少年の内面はそれぞれに異なっており、共感を呼んだ。また、派手でキャラクター性の強いガンダムは好評を得ている。 | ||
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これまでのシリーズとは異なるアプローチとして「世界を統治している組織が悪(または敵)」として描かれている点からスタートしている。これは[[機動戦士ガンダム]]の頃から「統治側が必ずしも善ではない」という視点とは一致しているものの、主人公たちはそれらに敵対する、ありていに言えばテロリストとしての立場として登場することが大いに異なっている。 | これまでのシリーズとは異なるアプローチとして「世界を統治している組織が悪(または敵)」として描かれている点からスタートしている。これは[[機動戦士ガンダム]]の頃から「統治側が必ずしも善ではない」という視点とは一致しているものの、主人公たちはそれらに敵対する、ありていに言えばテロリストとしての立場として登場することが大いに異なっている。 | ||
− | 様々に新しく意欲的な要素を大いに取り入れた本作だが勢力ごとの関係が非常に複雑になっており、敵対関係や協力関係が絡み合った「敵対しながらも協力関係」であったり「同一組織の味方なのに敵対」というわかりにくい構図を産んだことがやや不評だった。これはガンダムの「戦争」というコンセプトに原点回帰したことによる一種の弊害であり、勧善懲悪ではない物語を描こうとした結果と思われるが、最大の理由はバンダイから''' | + | 様々に新しく意欲的な要素を大いに取り入れた本作だが勢力ごとの関係が非常に複雑になっており、敵対関係や協力関係が絡み合った「敵対しながらも協力関係」であったり「同一組織の味方なのに敵対」というわかりにくい構図を産んだことがやや不評だった。これはガンダムの「戦争」というコンセプトに原点回帰したことによる一種の弊害であり、勧善懲悪ではない物語を描こうとした結果と思われるが、最大の理由はバンダイから'''毎週MSの戦闘シーンを必ず描写すること'''を要求されたためである。これにより常にどこかの陣営同士の対立を維持し、一方を殲滅したら即座に次の対立陣営を立てることとなる。地球圏統一連合内ではOZとの確執があり、コロニー群もオペレーション・メテオを否定する声が挙がり、お互いが内部に対立の火種を抱えたまま、地球とコロニーとが対立しているという「対立と対立の物語」となってしまっていた。果ては、ヒイロ達の戦いが一段落し次の戦いに赴くまでの幕間の息抜きエピソードにさえ戦闘シーンを必要となり、増長して虐殺に走る味方機をゼクスが誅罰として撃破する、という無茶なエピソードも存在する。結果として利害関係が一致し、敵対するもの同士が本来味方勢力と戦うという一見して大変わかりにくい展開が多く占めてしまった。これは戦争という泥沼の混乱を如実に示した非常に秀逸な表現(または一種のアイロニー)だったのだが、この分りにくい面白さは、若年層には単に分りにくいだけに取られてしまった。 |
また、ロボットアニメとしては珍しいほど「機体の乗り換え」が多く、主人公が量産機や敵勢力の機体に乗り込んだり、乗機を交換するなど、パイロットのとロボットとの結びつきをあまり強くしなかったことも特徴である。これはストーリー展開上の理由もあるのだが、パイロット=ロボットの印象付けをあえてつけなかったことで、「○○のパイロット」ではなく、いち個人としてのキャラクター性を前面に押し出したことでもある。これも新しい試みではあったが、当時(現在においても)、ロボットアニメとしては搭乗者と機体がセットにして印象付ける手法が根強いため、逆に分りにくくなってしまった、という声もあった。ロボットとのつながりが弱まってしまった一方、放映終了後もスピンオフを通じて敵味方のキャラクターを魅力的に描かれていることを鑑みれば、この点に関しては成功と言っても差し支えないのではないだろうか。 | また、ロボットアニメとしては珍しいほど「機体の乗り換え」が多く、主人公が量産機や敵勢力の機体に乗り込んだり、乗機を交換するなど、パイロットのとロボットとの結びつきをあまり強くしなかったことも特徴である。これはストーリー展開上の理由もあるのだが、パイロット=ロボットの印象付けをあえてつけなかったことで、「○○のパイロット」ではなく、いち個人としてのキャラクター性を前面に押し出したことでもある。これも新しい試みではあったが、当時(現在においても)、ロボットアニメとしては搭乗者と機体がセットにして印象付ける手法が根強いため、逆に分りにくくなってしまった、という声もあった。ロボットとのつながりが弱まってしまった一方、放映終了後もスピンオフを通じて敵味方のキャラクターを魅力的に描かれていることを鑑みれば、この点に関しては成功と言っても差し支えないのではないだろうか。 | ||
− | 新機動戦記ガンダムWでは「アナザーガンダム」の例にもれず[[ニュータイプ]] | + | 新機動戦記ガンダムWでは「アナザーガンダム」の例にもれず[[ニュータイプ]]=人の革新を扱わず、またガンダムも(基本的には)ただの兵器としてしか扱われておらず、あくまでも世界と人間が向き合う物語として描かれている。しかし一方で、闘争や戦闘を美化、神聖視しているとも取られる描写が非常に多い。これまでのガンダムは「戦いは人の本質であるから、人が本質的に変わってしまえば戦いはなくなる」という、未来に対する回答としてニュータイプの存在とその変革を描いていたが、本作では「戦いは人の本質であるから戦うべき」という、現在の肯定になっている。これは「戦争はいいことだからもっと戦おう!」という意味ではまったくないのだが、こうした重要なメッセージが伝わりづらかったことは否めない(この点に関しては後日談の『Endless Waltz』ほかスピンオフ作品でしっかりとフォローアップされている)。この点は反省点として次作『[[機動新世紀ガンダムX]]』で戦闘より勢力ごとの立場や世界の趨勢、物語の目的などのストーリー描写を厚くすることで活かされている。 |
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− | + | 放送終了後の翌年には後日談として、OVA(1997年)及び劇場作品(1998年)の『[[新機動戦記ガンダムW Endless Waltz]]』が製作された。 | |
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+ | [[アフターコロニー]]195年。[[地球圏統一連合]]に抑圧されていたコロニー群は、5機のガンダムを地球に送り込んだ。 | ||
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== 登場人物 == | == 登場人物 == | ||
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== 資料リンク == | == 資料リンク == | ||
− | + | *[http://www.gundam-w.jp/ 『新機動戦記ガンダムW』公式サイト] | |
== リンク == | == リンク == | ||
*[[シリーズ一覧]] | *[[シリーズ一覧]] | ||
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2020年1月11日 (土) 23:07時点における最新版
新機動戦記ガンダムW | |
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読み | しんきどうせんきガンダムウイング |
外国語表記 |
|
原作 |
矢立肇 富野由悠季 |
監督 |
池田成 高松信司(代行) |
シリーズ構成 | 隅沢克之 |
キャラクターデザイン | 村瀬修功 |
メカニックデザイン |
大河原邦男 カトキハジメ 石垣純哉 |
美術 | 佐藤勝(美術監督) |
音楽 |
大谷幸 浦上靖夫(音楽監督) |
撮影 | 大神洋一(撮影監督) |
制作 |
テレビ朝日 サンライズ |
企画 | サンライズ |
協力 |
電通(製作) 創通(製作) |
プロデューサー |
小泉美明(テレビ朝日) 植田益朗(サンライズ) 富岡秀行(サンライズ) |
放送局 | テレビ朝日他 |
放送期間 | 1995年4月7日~1996年3月29日 |
話数 | 全49話 |
概要[編集 | ソースを編集]
平成の単発シリーズの第2作目。前作『機動武闘伝Gガンダム』の視聴率はそれなりだったものの、歴代のガンダムシリーズとしては異色作であったため、多くのファンを獲得したものの、既存のファンからは酷評を受けるなど賛否両論だった。そのため再び大規模な戦争を題材とした「リアル系」に戻りつつ、ヒーロー性を出す事を主眼において製作されている。登場人物の名前の由来が数字からきていたり、MSの名前の由来が黄道十二星座からきていたり、風神雷神など、分かり易いモチーフのものが多い。
主人公をそれぞれ特徴的な5人の美少年にしたことで、放映当時女子人気が高かった作品と言われている。これは製作側が新規ファン層獲得のために、どちらかと言うと女性向きのキャラクターを多く採用したためである。そのため、少年達には踏み込んだ男女の恋愛描写はあまりない。しかし、個性的なキャラクターが多い為、決して男子に人気が無い訳ではない。思春期の複雑な少年の内面はそれぞれに異なっており、共感を呼んだ。また、派手でキャラクター性の強いガンダムは好評を得ている。
これまでのシリーズとは異なるアプローチとして「世界を統治している組織が悪(または敵)」として描かれている点からスタートしている。これは機動戦士ガンダムの頃から「統治側が必ずしも善ではない」という視点とは一致しているものの、主人公たちはそれらに敵対する、ありていに言えばテロリストとしての立場として登場することが大いに異なっている。
様々に新しく意欲的な要素を大いに取り入れた本作だが勢力ごとの関係が非常に複雑になっており、敵対関係や協力関係が絡み合った「敵対しながらも協力関係」であったり「同一組織の味方なのに敵対」というわかりにくい構図を産んだことがやや不評だった。これはガンダムの「戦争」というコンセプトに原点回帰したことによる一種の弊害であり、勧善懲悪ではない物語を描こうとした結果と思われるが、最大の理由はバンダイから毎週MSの戦闘シーンを必ず描写することを要求されたためである。これにより常にどこかの陣営同士の対立を維持し、一方を殲滅したら即座に次の対立陣営を立てることとなる。地球圏統一連合内ではOZとの確執があり、コロニー群もオペレーション・メテオを否定する声が挙がり、お互いが内部に対立の火種を抱えたまま、地球とコロニーとが対立しているという「対立と対立の物語」となってしまっていた。果ては、ヒイロ達の戦いが一段落し次の戦いに赴くまでの幕間の息抜きエピソードにさえ戦闘シーンを必要となり、増長して虐殺に走る味方機をゼクスが誅罰として撃破する、という無茶なエピソードも存在する。結果として利害関係が一致し、敵対するもの同士が本来味方勢力と戦うという一見して大変わかりにくい展開が多く占めてしまった。これは戦争という泥沼の混乱を如実に示した非常に秀逸な表現(または一種のアイロニー)だったのだが、この分りにくい面白さは、若年層には単に分りにくいだけに取られてしまった。
また、ロボットアニメとしては珍しいほど「機体の乗り換え」が多く、主人公が量産機や敵勢力の機体に乗り込んだり、乗機を交換するなど、パイロットのとロボットとの結びつきをあまり強くしなかったことも特徴である。これはストーリー展開上の理由もあるのだが、パイロット=ロボットの印象付けをあえてつけなかったことで、「○○のパイロット」ではなく、いち個人としてのキャラクター性を前面に押し出したことでもある。これも新しい試みではあったが、当時(現在においても)、ロボットアニメとしては搭乗者と機体がセットにして印象付ける手法が根強いため、逆に分りにくくなってしまった、という声もあった。ロボットとのつながりが弱まってしまった一方、放映終了後もスピンオフを通じて敵味方のキャラクターを魅力的に描かれていることを鑑みれば、この点に関しては成功と言っても差し支えないのではないだろうか。
新機動戦記ガンダムWでは「アナザーガンダム」の例にもれずニュータイプ=人の革新を扱わず、またガンダムも(基本的には)ただの兵器としてしか扱われておらず、あくまでも世界と人間が向き合う物語として描かれている。しかし一方で、闘争や戦闘を美化、神聖視しているとも取られる描写が非常に多い。これまでのガンダムは「戦いは人の本質であるから、人が本質的に変わってしまえば戦いはなくなる」という、未来に対する回答としてニュータイプの存在とその変革を描いていたが、本作では「戦いは人の本質であるから戦うべき」という、現在の肯定になっている。これは「戦争はいいことだからもっと戦おう!」という意味ではまったくないのだが、こうした重要なメッセージが伝わりづらかったことは否めない(この点に関しては後日談の『Endless Waltz』ほかスピンオフ作品でしっかりとフォローアップされている)。この点は反省点として次作『機動新世紀ガンダムX』で戦闘より勢力ごとの立場や世界の趨勢、物語の目的などのストーリー描写を厚くすることで活かされている。
放送終了後の翌年には後日談として、OVA(1997年)及び劇場作品(1998年)の『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』が製作された。
ストーリー[編集 | ソースを編集]
アフターコロニー195年。地球圏統一連合に抑圧されていたコロニー群は、5機のガンダムを地球に送り込んだ。 オペレーション・メテオと呼ばれるこの作戦は、地球圏統一連合に対するコロニー群からの返答であった。 それぞれのガンダムに乗り込んだ少年たちは、地球で、宇宙で、人類最後の「戦争」の災禍へと身を投じていく。
登場人物[編集 | ソースを編集]
メインキャラクター[編集 | ソースを編集]
- ヒイロ・ユイ
- 主人公。
- デュオ・マックスウェル
- トロワ・バートン
- カトル・ラバーバ・ウィナー
- 張五飛(チャン・ウーフェイ)
- ゼクス・マーキス/ミリアルド・ピースクラフト
- トレーズ・クシュリナーダ
- リリーナ・ドーリアン/リリーナ・ピースクラフト
- ヒロイン。
- ルクレツィア・ノイン
- ドロシー・カタロニア
- レディ・アン
- サリィ・ポォ
- ヒルデ・シュバイカー
- キャスリン・ブルーム
ガンダム開発者[編集 | ソースを編集]
マグアナック隊[編集 | ソースを編集]
OZ[編集 | ソースを編集]
ロームフェラ財団[編集 | ソースを編集]
地球圏統一連合[編集 | ソースを編集]
ホワイトファング[編集 | ソースを編集]
登場メカ[編集 | ソースを編集]
ガンダムタイプ[編集 | ソースを編集]
モビルスーツ/モビルドール[編集 | ソースを編集]
艦船・その他[編集 | ソースを編集]
組織[編集 | ソースを編集]
関連作品 [編集 | ソースを編集]
- 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
- 本作の続編および完結編にあたる作品。
- 新機動戦記ガンダムW BATTLEFIELD OF PACIFIST
新機動戦記ガンダムW BLIND TARGET
新機動戦記ガンダムW グランドゼロ - 本作と『エンドレスワルツ』の中間期を描いた作品群。
- ティエルの衝動
- 本作のサイドストーリー。本作と『エンドレスワルツ』の中間期を描いているが、登場人物・兵器は全てオリジナル。
- 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光
- 本作のストーリーを『エンドレスワルツ』の前日談として再構成した作品。
- 新機動戦記ガンダムW EPISODE ZERO
- 本作の前日談。本作に登場するキャラクターの前史が描かれる。
- 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT
新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト - 本作と同時系列の外伝作品。
商品情報[編集 | ソースを編集]
Blu-ray BOX[編集 | ソースを編集]
DVD[編集 | ソースを編集]
DVD-BOX[編集 | ソースを編集]
書籍 [編集 | ソースを編集]