「新機動戦記ガンダムW」の版間の差分
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これはガンダムの持つ「戦争」というコンセプトに原点回帰したことによる一種の弊害であり、単なる勧善懲悪ではない物語を描こうとしてしまった結果と思われる。地球圏統一連合内ではOZとの確執があり、コロニー群もオペレーション・メテオを否とする声もある。お互いが内部に対立の火種を抱えたまま、地球とコロニーとが対立しているという「対立と対立の物語」となってしまっていた。結果として利害関係が一致し、敵対するもの同士が本来味方勢力と戦うという一見して大変わかりにくい展開が多く占めてしまった。これは戦争という泥沼の混乱を如実に示した非常に秀逸な表現(または一種のアイロニー)だったのだが、この分りにくい面白さは、若年層には単に分りにくいだけに取られてしまった。 | これはガンダムの持つ「戦争」というコンセプトに原点回帰したことによる一種の弊害であり、単なる勧善懲悪ではない物語を描こうとしてしまった結果と思われる。地球圏統一連合内ではOZとの確執があり、コロニー群もオペレーション・メテオを否とする声もある。お互いが内部に対立の火種を抱えたまま、地球とコロニーとが対立しているという「対立と対立の物語」となってしまっていた。結果として利害関係が一致し、敵対するもの同士が本来味方勢力と戦うという一見して大変わかりにくい展開が多く占めてしまった。これは戦争という泥沼の混乱を如実に示した非常に秀逸な表現(または一種のアイロニー)だったのだが、この分りにくい面白さは、若年層には単に分りにくいだけに取られてしまった。 | ||
− | + | また、ロボットアニメとしては珍しいほど「機体の乗り換え」が多く、主人公が量産機や敵勢力の機体に乗り込んだり、乗機を交換するなど、パイロットのとロボットとの結びつきをあまり強くしなかったことも特徴である。これはストーリー展開上の理由もあるのだが、パイロット=ロボットの印象付けをあえてつけなかったことで、「○○のパイロット」ではなく、いち個人としてのキャラクター性を前面に押し出したことでもある。これも新しい試みではあったが、当時(現在においても)、ロボットアニメとしては搭乗者と機体がセットにして印象付ける手法が根強いため、逆に分りにくくなってしまった、という声もあった。ロボットとのつながりが弱まってしまった一方、放映終了後もスピンオフを通じて敵味方のキャラクターを魅力的に描かれていることを鑑みれば、この点に関しては成功と言っても差し支えないのではないだろうか。 | |
新機動戦記ガンダムWでは「アナザーガンダム」の例にもれず[[ニュータイプ]]=人の革新を扱わず、またガンダムも(基本的には)ただの兵器としてしか扱われておらず、あくまでも世界と人間が向き合う物語として描かれている。 | 新機動戦記ガンダムWでは「アナザーガンダム」の例にもれず[[ニュータイプ]]=人の革新を扱わず、またガンダムも(基本的には)ただの兵器としてしか扱われておらず、あくまでも世界と人間が向き合う物語として描かれている。 | ||
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後日談として、OVA及び劇場作品の[[新機動戦記ガンダムW Endless Waltz]]が存在する。 | 後日談として、OVA及び劇場作品の[[新機動戦記ガンダムW Endless Waltz]]が存在する。 | ||
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2017年3月3日 (金) 17:51時点における版
新機動戦記ガンダムW(New Mobile War Chronicle Gundam W)
あらすじ
アフターコロニー195年、地球圏統一連合に抑圧されていたコロニー群は、5機のガンダムを地球に送り込んだ。 オペレーション・メテオと呼ばれるこの作戦は、地球圏統一連合に対するコロニー群からの返答であった。 それぞれのガンダムに乗り込んだ少年たちは、地球で、宇宙で、人類最期の「戦争」の災禍へと身を投じていく。
概要
平成の単発シリーズの第2作目。前作機動武闘伝Gガンダムの視聴率はそれなりだったものの、歴代のガンダムシリーズとしては異色作であったため、多くのファンを獲得したものの、既存のファンからは酷評を受けるなど賛否両論だった。そのため再び大規模な戦争を題材とした「リアル系」に戻りつつ、ヒーロー性を出す事を主眼において製作されている。
登場人物の名前の由来が数字からきていたり、MSの名前の由来が黄道十二星座からきていたり、風神雷神など、分かり易いモチーフのものが多い。
主人公をそれぞれ特徴的な5人の美少年にしたことで、放映当時女子人気が高かった作品と言われている。これは製作側が新規ファン層獲得のために、どちらかと言うと女性向きのキャラクターを多く採用したためである。そのため、少年達には踏み込んだ男女の恋愛描写はあまりない。しかし、個性的なキャラクターが多い為、決して男子に人気が無い訳ではない。思春期の複雑な少年の内面はそれぞれに異なっており、共感を呼んだ。また、派手でキャラクター性の強いガンダムは好評を得ている。 これまでのシリーズとは異なるアプローチとして「世界を統治している組織が悪(または敵)」として描かれている点からスタートしている。これは機動戦士ガンダムの頃から「統治側が必ずしも善ではない」という視点とは一致しているものの、主人公たちはそれらに敵対する、ありていに言えばテロリストとしての立場として登場することが大いに異なっている。
様々に新しく意欲的な要素を大いに取り入れた本作だが勢力ごとの関係が非常に複雑になっており、敵対関係や協力関係が絡み合った「敵対しながらも協力関係」であったり「同一組織の味方なのに敵対」というわかりにくい構図を産んだことがやや不評だった。 これはガンダムの持つ「戦争」というコンセプトに原点回帰したことによる一種の弊害であり、単なる勧善懲悪ではない物語を描こうとしてしまった結果と思われる。地球圏統一連合内ではOZとの確執があり、コロニー群もオペレーション・メテオを否とする声もある。お互いが内部に対立の火種を抱えたまま、地球とコロニーとが対立しているという「対立と対立の物語」となってしまっていた。結果として利害関係が一致し、敵対するもの同士が本来味方勢力と戦うという一見して大変わかりにくい展開が多く占めてしまった。これは戦争という泥沼の混乱を如実に示した非常に秀逸な表現(または一種のアイロニー)だったのだが、この分りにくい面白さは、若年層には単に分りにくいだけに取られてしまった。
また、ロボットアニメとしては珍しいほど「機体の乗り換え」が多く、主人公が量産機や敵勢力の機体に乗り込んだり、乗機を交換するなど、パイロットのとロボットとの結びつきをあまり強くしなかったことも特徴である。これはストーリー展開上の理由もあるのだが、パイロット=ロボットの印象付けをあえてつけなかったことで、「○○のパイロット」ではなく、いち個人としてのキャラクター性を前面に押し出したことでもある。これも新しい試みではあったが、当時(現在においても)、ロボットアニメとしては搭乗者と機体がセットにして印象付ける手法が根強いため、逆に分りにくくなってしまった、という声もあった。ロボットとのつながりが弱まってしまった一方、放映終了後もスピンオフを通じて敵味方のキャラクターを魅力的に描かれていることを鑑みれば、この点に関しては成功と言っても差し支えないのではないだろうか。
新機動戦記ガンダムWでは「アナザーガンダム」の例にもれずニュータイプ=人の革新を扱わず、またガンダムも(基本的には)ただの兵器としてしか扱われておらず、あくまでも世界と人間が向き合う物語として描かれている。 しかし一方で、闘争や戦闘を美化、神聖視しているとも取られる描写が非常に多い。これまでのガンダムは「戦いは人の本質であるから、人が本質的に変わってしまえば戦いはなくなる」という、未来に対する回答としてニュータイプの存在とその変革を描いていたが、本作では「戦いは人の本質であるから戦うべき」という、現在の肯定になっている。これは「戦争はいいことだからもっと戦おう!」という意味ではまったくないのだが、こうした重要なメッセージが伝わりづらかったことは否めない。 (この点に関しては後日談の新機動戦記ガンダムW Endless Waltzほかスピンオフ作品でしっかりとフォローアップされている)。この点は反省点として機動新世紀ガンダムXで戦闘より勢力ごとの立場や世界の趨勢、物語の目的などのストーリー描写を厚くすることで活かされている。
後日談として、OVA及び劇場作品の新機動戦記ガンダムW Endless Waltzが存在する。
登場人物
メインキャラクター
- ヒイロ・ユイ
- 主人公。
- デュオ・マックスウェル
- トロワ・バートン
- カトル・ラバーバ・ウィナー
- 張五飛(チャン・ウーフェイ)
- ゼクス・マーキス/ミリアルド・ピースクラフト
- トレーズ・クシュリナーダ
- リリーナ・ドーリアン/リリーナ・ピースクラフト
- ヒロイン。
- ルクレツィア・ノイン
- ドロシー・カタロニア
- レディ・アン
- サリィ・ポォ
- ヒルデ・シュバイカー
- キャスリン・ブルーム