クェス・パラヤ

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クェス・パラヤ
外国語表記 Quess Paraya
登場作品
声優 川村万梨阿
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プロフィール
偽名 クェス・エア
種族 人間 (アースノイド)
性別
年齢 13歳
没年月日 宇宙世紀0093年3月12日
髪色
瞳の色
職業 なし ⇒ MSパイロット
所属 民間人 ⇒ ネオ・ジオン
主な搭乗機
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概要

地球連邦政府の参謀次官アデナウアー・パラヤの娘。

アデナウアーの都合でチベットのラサに移り住んだが、父の連れていた継母・キャサリンとの仲は険悪で、アデナウアーとの親子関係も良好とは言えず、その家庭環境に辟易して一人インドへと家出を敢行[1]、トフラー・ランゲラージをリーダーとした一行に加わり、2ヶ月彼らと旅をした[2]。グループ内では当初は継母のことに触れると荒れ狂うほど心身的に不安定な状態であったが、トフラーやニュータイプを目指し修業を行うクリスチーナによって辛抱強く問答が行われ[3]、次第に落ち着きを取り戻していったが、第二次ネオ・ジオン抗争勃発の折、アデナウアーの命を受けたマン・ハンターによりクリスチーナ一行から引き離される事になった。

アデナウアーの下へ引き戻されたクェスは、香港でスペースシャトル「天鹿」に搭乗し、宇宙へ上がる事になったが、その途中、機内でハサウェイ・ノアと知り合い、交友を持った。

宇宙へ上がった後は、ニュータイプへの関心が強かったこともあり、初めての宇宙に惹かれていくものの、かつてニュータイプとして名を馳せたアムロ・レイシャア・アズナブルと関わった事でクェスの運命は激しく流転し、ロンデニオンでシャアの下に降ってしまう。ネオ・ジオンに身を移した後は、シャアの優しさに触れたクェスは無意識に「父親」を求めて彼のみを拠り所として慕う。そして、シャアの思想に染まってしまったクェスは、彼に言われるがまま戦場へと駆りだされ、自覚無しに父親を手にかけてしまい、その後もα・アジールで戦場を暴れる事になるが、最期は自らを説得する為に戦場に飛び込んできたハサウェイを庇い、チェーン・アギの攻撃で若い命を散らしてまう事となった[4]

登場作品と役柄

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
初登場作品。劇中で唯一、連邦、ネオ・ジオン双方を行き来するなどエキセントリックな言動でインパクトを残す。複雑な家庭環境を顧みても非常に我儘な性格で、流石のシャアもクェスがパイロットスーツも着ずに真空に飛び出した時には目を丸くする程であった。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン
概ね劇場版と同様の展開をなぞるが、ネオ・ジオンに渡った後の乗機は一貫してα・アジールとなっている。最期はハサウェイの放った一撃が元で命を落とし、それがハサウェイに消えない心の傷を遺した。一方で、ベルトーチカ・イルマがアムロの子を身籠っている事をニュータイプ能力で察知し、自分から身を引く潔さを見せた。
GUNDAM EVOLVE
ハサウェイの登場するジェガンを撃墜し、アムロのνガンダムと交戦。フィン・ファンネルによるビーム・バリアーで攻撃手段を封じられる。そしてハサウェイの思惟とアムロからの説得を受け和解。
小説機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
青年に成長したハサウェイの夢の中で残留思念として登場。本気で殺すならともかく、自分を誤って殺したというハサウェイの行動に未だに激怒しており、彼をいちばんきたない人殺しと非難した[5]

人間関係

家族

アデナウアー・パラヤ
父親。ルナツーにてクラップ級に乗艦していたが、クェスのヤクト・ドーガにブリッジを攻撃され、彼女に知られることなく死亡した。
母親。クェスがアデナウアーとラサに移り住んだ際、ナポリに残り、そのまま生き別れとなる。名前は不明。性格は遊び好き、社交好き[1]
キャサリン
継母。彼女との仲は険悪で、共に宇宙へ行くことになった際には「クェスとは一緒に行けない」として、シャアの隕石が迫る地球に自ら進んで残留している。

ネオ・ジオン

シャア・アズナブル
新生ネオ・ジオン総帥。好意を寄せていたが、そんなクェスを無意識に鬱陶しく思いマシーンのように扱った。クェス自身は父親やアムロにはない「大人の男としての頼りがい」をシャアに見ていたようである。
ギュネイ・ガス
ネオ・ジオンの強化人間パイロット。彼から好意を向けられているが、ギュネイは「ニュータイプとしてのクェス」しか見ておらず、彼女の内面について見ようとしていなかったため、クェスは彼に興味を抱かないばかりか、シャアへの侮辱や悪い噂を口にしては自分の優秀さをアピールする様子に煩わしさを感じていた。
ナナイ・ミゲル
ニュータイプ研究所の所長にしてネオ・ジオン軍の戦術士官。クェスに対して多少の強化を施すものの、クェスは自身が慕うシャアがナナイと親しくしている様子を見て敵愾心を向け、反発した。ナナイも作戦行動中に軍人としてクェスを律するものの、これがクェスの脱走騒ぎを引き起こす事になった。
レズン・シュナイダー
MSパイロットの一人。クェスがニュータイプであることから嫌っているが、クェスは特に関心を持たなかった。

ロンド・ベル

アムロ・レイ
ロンド・ベルのエースパイロット。ニュータイプとして有名な彼に興味を持っていたものの、常に傍にいるチェーン・アギのせいで距離を置く事となる。最終盤ではシャアとの問答中に「俺はクェスの父親じゃない!」と声を荒げるなど、独身の身であるからかクェスの父親代わりをする気は毛頭なかったようであり、戦場で交戦した際も、はしゃいでいる様子を「邪気」と一蹴されている。
チェーン・アギ
ラー・カイラムで彼女と口論になったことが、結果としてクェスがネオ・ジオンへ降る結果を生む。その後、アクシズで交戦するが、装備していたサイコ・フレーム試料により幻覚を生み出すなど、クェスとの戦闘では有利に立ち回っていたが、肝心のクェスが敵意を向けていた理由までは洞察出来ていなかった。最期は彼女の手によりクェスは殺害される。
なお、好きな男の前とそれ以外で180度態度を変える性格がキャサリンと似通っており[6]、クェスはチェーンからキャサリンと似た空気を感じた結果、激しく毛嫌いする事になったのだと思われる。

民間人

ハサウェイ・ノア
スペースシャトル「天鹿」で出逢った少年。ファーストコンタクトから急速に距離を縮め友人となるなど、クェスを本当の意味で必要としてくれていた存在だが、彼がまだ子供だった故か拒絶してしまう。ハサウェイはそれでもクェスを取り戻そうと必死で行動するも、クェスは彼を庇い命を落とす事になり、それがハサウェイにトラウマを残す。
小説『閃光のハサウェイ」』では彼の夢の中に残留思念として現れるが、ハサウェイはクェスに対し、シャアの所に行った事に対して怒りをぶつけている。

名台詞

逆襲のシャア

「先に行っててよ!……何も判ってないんだから!」
アデナウアー・パラヤは父親としての立場から単に心配を口にしているだけなのだが、「軍事機密だから人に言っちゃいかんぞ」「邪魔になるからこっちにきなさい」という自分の体裁ばかりを優先していると彼女は解釈してしまう。彼女は「すごいね」という素直な感想に同意(または共感)してほしかった、あるいは褒めて欲しかっただけである。このことからも、彼女が愛情に飢えており、自分を受け入れてくれる人を探していたことがわかる。
「あれがアムロ・レイか……『こっちで~す!』、だって」
宇宙に上がって初めてアムロ(とチェーン)に会った時の台詞。
「アムロ、あんた、ちょっとセコイよっ!」
クェスがシャアの側についた時の台詞。
「ああ…!なんか、あたしの中に人がいっぱい入ってくる…。こ、怖い…気持ちが悪い…」
感受性が強い為戦場での様々な波を受けてしまった時の台詞。
「大佐!あたし、ララァの身代わりなんですか!?」
周囲に人があり、しかも作戦中に地雷中の地雷を平然と。
彼女の才能だけを欲しているシャアにとって、こうしたプライベートな部分に踏み込まれるのは非常に疎ましかったのだろう。
その後笑顔で抱きつくクェスと対照的に、シャアの険しい表情からも伺える。
「子供は嫌いだ!図々しいから!!」
クェスの未熟さを如実に物語る一言。彼女のこれまでの言動が慎ましやかであると感じる人は少ないだろう。
図々しいから嫌いだ、という自分自身が図々しいことに気づいていない「子供」なのだ。

閃光のハサウェイ

「あんたは、あたしと一諸に行くんじゃなかったの……」
「ハハハハ…ひがんでる!」
青年へと成長したハサウェイの夢の中で彼女が言い放った台詞。

その他の媒体

「ハサウェイ、ゴメン…。今は会えない…」
『SUNRISE WORLD WAR Fromサンライズ英雄譚』にて。

搭乗機体・関連機体

ヤクト・ドーガ
前半の搭乗機。
α・アジール
後半の搭乗機。『ベルトーチカ・チルドレン』では一貫してこちらに搭乗。
ジェガン
ラー・カイラム乗艦時に乗り込み、戦闘シミュレーションを体験させてもらっている。
ホビー・ハイザック
ギュネイと共に搭乗。

リンク

脚注

  1. 1.0 1.1 小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(前篇)」 191頁より
  2. 小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(中篇)」 30頁より
  3. 小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(前篇)」 190頁より
  4. この結末について、月刊ニュータイプに掲載された富野由悠季氏のインタビューでは「クェスのように最後の3秒間だけ人の気持を考えても遅いんです」というコメントが掲載されている。
  5. 小説「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ〈下〉」 36-37頁より
  6. キャサリンはクェスに苛烈な態度を見せるのに対し、彼女の父・アデナウアーに対しては甘える態度に出ている