バイアラン・カスタム
バイアラン・カスタム | |
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外国語表記 | Byarlant Custom |
登場作品 | |
デザイナー | カトキハジメ |
スペック | |
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分類 | 空戦用試作型モビルスーツ |
生産形態 | 現地改修機 / 技術試験機 |
型式番号 | RX-160S |
頭頂高 | 20.6m |
本体重量 | 38.9t |
全備重量 | 60.3t |
主動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 1,840kw |
スラスター総推力 | 98,300kg |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
センサー有効半径 | 11,200m |
原型機 | バイアラン |
改修 | トリントン湾岸基地 |
所属組織 | 地球連邦軍 |
所属拠点 | トリントン湾岸基地 |
主なパイロット |
概要 [編集 | ソースを編集]
宇宙世紀0095年にトリントン湾岸基地で立案された技術試験計画によって、廃棄予定だったバイアランを改修した技術試験機。宇宙世紀0090年代の既存技術のみで滞空能力を向上させる方向で改修されており、最新技術は一切使用されていない。
熱核ジェットエンジンの強化と姿勢制御プログラムも調整が行われており、背部には航続距離の増加を目的にプロペラントタンクに接続された増加スラスター、原型機の肩部スラスターにはパドル付き追加ユニットが増設され、空中機動の統合的な向上を果たしている。この増加スラスターはサブスラスター的な役割として取り付けられてはいるものの、その推力は既存のMS1機分に相当するとされる。
武装面においても、強力な打突質量兵器となるガブスレイの大型クロー・アームユニットに照射率調整による多彩な射撃モードを追加したメガ粒子砲兼用のビーム・サーベルが併設されており、迅速な攻撃行動を可能とするメインウェポンの単独化が図られている。
頭部センサーユニットはモノアイからバイザータイプの複合式に変更されているが、これは連邦本部が計画を承認する際唯一提示してきた条件であった。
特筆すべきは、バイアラン・カスタムの技術試験計画の発案・進行がトリントン基地の限られた人員によって行われている点であり、開発機関からもたらされた最新技術ではなく、様々なルートを駆使して余剰、あるいは廃棄寸前のパーツを調達している。一見すると時間の無駄に思えるこの機体の改修計画が進められたのは、トリントン基地が戦略的価値の低下によって連邦軍からも「忘れ去られた」と形容されているような状況に置かれていた事も関係している。加えて多くの基地スタッフがこの計画に参加しているが、これは計画を立案したディエス・ロビンの熱意にスタッフらが感化された以外にもそれ以外に特にやる事も無かったという理由もあった。
1号機と2号機が建造され、1号機はパーツマッチングを始めとした検証用の機体、2号機は1号機のデータをフィードバックして改修を加えた完成形となる。1号機が宇宙世紀0096年のジオン残党軍襲撃の際に運用された。
登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]
- 機動戦士ガンダムUC(OVA版)
- 初登場作品。episode 4にて1号機のみ登場[1]。下記のディエスについてはパイロットスーツ姿のみ登場した。ジオン残党軍のMSを相手に一騎当千の活躍を見せ、ズゴックやデザートゲルググ等の旧式機は勿論、バイアランの後に開発されたカプールや最新鋭機であるゼー・ズールをも沈黙させている。最終的にはマラサイの海ヘビに気を取られている隙をヨンム・カークスのザクI・スナイパータイプの狙撃でスラスターを破壊されつつも斬りかかって来たマラサイを逆に撃破している。
- 機動戦士ガンダムUC 星月の欠片
- 上記episode 4の公開と共に連載された第3話にて登場。1号機にディエス・ロビン、2号機にビア・キャトリエムが搭乗した。1号機の起動試験を行っていたが、ジオン残党軍の攻撃に際して2号機も起動。1号機の出撃を援護する為、無人のバーザム改を囮にして格納庫前にいたザク・マリナーを攻撃して撃破するが、直後にエラーで機能を停止させた。
- 機動戦士ガンダムUC『袖付き』の機付長は詩謳う
- 「星月と『袖付き』と」及び「『星月』と袖付きと」に1号機と完成後の2号機が登場。ディエスの乗る1号機が2号機の試験飛行の補佐を行っていたが、その途中でジオン残党軍の連邦コードを使った救援要請を受けた為、相手が敵だと知りつつも援護。イフリート・シュナイドを始めとする海賊の部隊と交戦した。シュナイドがリーダーと側近であるザクIIIとグフフライトタイプを倒し戦闘終了後は潜水艦で離脱するジオン残党軍を倒せるチャンスだったのにも関わらず彼らを「無害な海上浮遊物」として見逃している。
装備・機能[編集 | ソースを編集]
武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]
- メガ粒子砲
- 両腕部に装備されているメガ粒子砲。出力・収束率の切り替えによる多彩な射撃モードにより、全ての間合いにおいて死角のないマルチウェポンとして機能する。『UC』作中では細かなビームをマシンガンのように連射している。
- ビーム・サーベル
- メガ粒子砲の砲口からビーム・サーベルを発振可能。
- クロー・アーム
- 肘関節部分から新たに生えるように増設された鉤爪状のクロー・アーム。ガブスレイの脚部クロー・アームを一部流用している。対象を挟むだけでなく、高空から地上の敵に対しての打突攻撃にも効果を発揮する。
- 脚部クロー
- かかとにあたる部分に増設された大型クロー。バウンド・ドックのそれと似た形状になっている。3次元的機動を行う空中での格闘戦能力の強化が図られており、この増設に伴い、原型機から全高が2m増加している。
対決・名場面[編集 | ソースを編集]
機動戦士ガンダムUC (OVA版) [編集 | ソースを編集]
- 対ジオン残党軍
- episode 4より。ゼー・ズール、カプール等のジオン残党軍の水陸両用MSの猛攻を受け湾岸基地のMS隊が壊滅しつつある中、突如その姿を現したバイアラン・カスタムは基地の人々が見守る中飛翔。連邦MS隊を圧倒していたズゴック、ザク・マリナー、カプールを瞬く間に撃破。更にゾゴックや最新鋭機のゼー・ズールですら本機には敵わず無力化された。その後ザクキャノンに狙われるも攻撃を全て回避、デザート・ゲルググとガルスJを相手に本機の飛行性能を活かした空中戦を行い、反撃の間も与えない獅子奮迅の活躍を見せた。しかし、敵のマラサイに接近戦を挑もうとした瞬間、マラサイの海ヘビに気を取られ、空中からザクI・スナイパータイプのビームスナイパーライフルの一撃を受けバックパックを小破。その隙を衝こうとしたマラサイが斬りかかって来るものの、直撃を回避しビームサーベルで返り討ちにした。
関連機体[編集 | ソースを編集]
強化型・改修機 [編集 | ソースを編集]
- バイアラン・カスタム2号機
- 2号機。当初は1号機と同じ姿だったが、後に改修が加えられている。
系列機・派生機 [編集 | ソースを編集]
- バイアラン
- 人型のまま空を制しようとしたティターンズ製MS。本機のベースになった。
技術的関与がある・疑われる機体 [編集 | ソースを編集]
- ガブスレイ
- この機体の脚部クローアームが本機の腕に転用されている。
- ギャプラン
- 2号機の改修用としてこの機体のパーツが用意された。
- バウンド・ドック
- 設定資料などで明記されてはいないものの、この機体と同型の踵パーツが本機に使用されている。
- バイアラン・イゾルデ
- バーナムが運用するバイアランの改修機。肩のスラスターやプロペラントタンクの形状に共通点が見られる。
余談[編集 | ソースを編集]
- 連邦軍(トリントン基地&ラー・カイラム)が残党軍に一方的にやられる原作小説版UCの展開をOVA版でそのまま再現するのは難があったため、連邦MSを圧倒していたジオンに一矢報いる唯一の存在として本機が設定される事となった。出番は約1分程度と短いながらも、物語の核に全く関わらない非ガンダムタイプの機体が最新の機体であるゼー・ズールを始めこれまで連邦を圧倒していたズゴック、ゾゴック、カプール、ザク・マリナー、デザート・ゲルググ、ガルスJ、マラサイ等の多数のMSを撃破もしくは戦闘不能にするここまでの活躍ぶりはファンにとっても非常に衝撃的であり、強烈な印象を視聴者に残す事となった。そのためUCのMSとなると必ず名前が挙がる程の人気機体となった。
- ムック「グレートメカニックDX19」23ページでの関西リョウジ氏のコメントによると、デザイナーの玄馬宣彦氏としては素のバイアランを出したかったものの、その場合だと全高でゼー・ズール (20.3m。バイアラン:18.6m)などの20m級の機体と組み合った時に迫力が出ないため、「カスタム化」という流れになったとの事。
- ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズでは、『UC』のアニメ上ではパイロットのディエスの描写がされなかった影響からか、既存の宇宙世紀系ネームドキャラの初期登場機とされていることがあり、『第3次スパロボZ』ではフォウ・ムラサメ、『スパロボV』ではジェリド・メサが使用している。
商品情報[編集 | ソースを編集]
ガンプラ[編集 | ソースを編集]
フィギュア [編集 | ソースを編集]
資料リンク [編集 | ソースを編集]
リンク[編集 | ソースを編集]
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ 2号機は姿こそ登場していないものの、ザク・マリナーを撃墜するシーン自体は描かれている。