「量産型ガンキャノン」の版間の差分

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== 概要 ==
 
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[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]が[[ガンキャノン]]の量産化を目的に開発した機体。[[型式番号]]から量産検討機や量産先行試作機ともされる。
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[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]が[[ガンキャノン]]の量産化を目的に開発した機体。[[一年戦争]]末期に中距離支援用MSの量産検討モデルとして配備された。3型<ref>型式番号から[[ガンキャノン重装型]]を指すと考えられる。</ref>を原型にコストダウンと生産性の向上を主観に置いた仕様変更と改良が施されており、[[コアブロックシステム]]のオミットや装甲材質の変更などが行われた。
  
生産性の向上を目的に様々な点が変更されており、[[コアブロックシステム]]のオミットや装甲材質の変更などが行われ、各部パーツも[[ジムシリーズ]]と共有できる物に変更されている。これによりコストダウンが行われているが、装甲自体は非常に厚く、スペック上ではガンキャノンを上回る強度を有している。
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ガンキャノンの量産型とされる機体は、この機体の他に[[ジム・キャノン]]などが存在する<ref>ジム・キャノンは[[ジム]]のバリエーションと思われがちだが、ジムが[[ガンダム]]の簡易量産型であるように、ジム・キャノンはガンキャノンの簡易量産型である。</ref>。ジム・キャノンには前期型ジムのパーツが大量に流用されているため、比較的早い時期に設計出来たものの、ガンキャノンほどの性能を発揮する事は出来なかった。
  
ガンキャノンの運用データを元に改良も行われており、姿勢制御スラスターが増設されたことで宇宙空間における機動性や運動性が強化されている。また、臀部にはジャッキが追加されており、砲撃時の射撃精度を向上させることが可能である。
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一方、本機は[[ジム・コマンド]]のパーツを各所に使用しており、実戦配備されたのは一年戦争の末期であったため実戦投入された機体は少なかったものの、ガンキャノンに匹敵するスペックを達成していた。これは、いわゆる「量産効果」により産業全体<ref>この場合は連邦軍のMS生産に携わる企業各社が相当する。</ref>の技術レベルが底上げされたためだと考える事が出来る。連邦軍はMSの開発当初より実験機の余剰パーツや試作部品を流用して先行量産されたMSなどを実戦投入し、そのフィードバックを積極的に設計開発工程へと反映させる手法を採っており、ほんの数ヶ月で世代が変わったと言っても過言ではないほどの高性能機を開発している。
  
本機の性能は高かったが、コスト面で優れる[[ジム・キャノン]]の生産が優先されたために少数生産に留まっている。
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本機も、そうした次世代機へと向かうベクトルとポテンシャルを持った機体の一つであったと言え、スペック上はガンキャノンを超える数値を誇っていた。しかし、コストパフォーマンスに優れるジム・キャノンの生産が優先された結果、本機は少数生産に留まった<ref>一説には、[[スカーレット隊]]の戦果を受けて軍部が少数の上位機種による編成計画を破棄し、ジム・キャノン系列機への注力に方針を転換したとも言われている。</ref>。
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頭部から胸部にかけてのネックラインなどを保護するため、頬部にはロールバー状のヘッドギアが設けられている。また、キャノン砲への給弾機構は、機構を簡略化された上でランドセルに移設されており、そのためランドセルは大型化しているが、生産性や整備性は改善されている。
  
 
== パーソナルカスタム機 / カラーバリエーション ==
 
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;[[機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ]]
 
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:シュテンドウジ所属機が登場。
 
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== 装備・機能 ==
 
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=== 特殊機能 ===
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;スタビライズド・ギア
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:射撃時に接地させる事で機体の安定性を向上させ、より精密な砲撃を可能とするための装備。股関節下部に採用され、アウトリガー・ジャッキなどと同じ機能をもたらす。
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
;60mmバルカン砲
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;頭部バルカン砲
:頭部に左右一対2門内蔵されている機関砲。
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:60mm口径の実体弾を射出する近接戦闘用の固定武装。ガンキャノンと同様の近接迎撃用装備。
 
;[[ブルパップ・マシンガン]]
 
;[[ブルパップ・マシンガン]]
:90mmの実弾を装填したブルパップ式マシンガン。
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:一年戦争末期に一部の量産機に配備された武装。当時の標準的な戦闘車両などに採用されていた機銃などと同規格の90mm実体弾を射出する。<br/>[[ジム・コマンド]]などが用いる物と同型。
 
;100mmマシンガン
 
;100mmマシンガン
:ヤシマ重工製のマシンガン。[[陸戦型ジム]]等が装備している物と同じ武装。
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:ヤシマ重工製のマシンガン。[[陸戦型ジム]]等が装備している物と同様の武装。
 
;240mmキャノン砲
 
;240mmキャノン砲
:バックパックに2門装備されている大口径キャノン砲。接近戦の際にはバックパックに砲身を収納することが可能となっている。
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:炸薬によって実体弾を射出する半格納式の低反動砲。半格納式とする事で移動及び近接戦闘時の死角や慣性モーメントを減少させており、使用時には砲身が伸び、より精密な砲撃が可能。精密射撃時には臀部のスタビライズド・ギアを接地させてより安定した砲撃を行う。
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
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== 関連機体 ==
 
== 関連機体 ==
 
;[[ガンキャノン]]
 
;[[ガンキャノン]]
:ベース機。
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:ベース機。直接的には3型を原型としているとされる。
 
;[[ジム・キャノンII]]
 
;[[ジム・キャノンII]]
 
:本機と[[ジム・キャノン]]のデータを元に開発された発展機。
 
:本機と[[ジム・キャノン]]のデータを元に開発された発展機。
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2024年4月1日 (月) 20:59時点における最新版

量産型ガンキャノン
外国語表記 Guncannon Mass Production Type
登場作品
デザイナー 出渕裕
テンプレートを表示
スペック
分類 支援用量産試作型モビルスーツ
型式番号 RX-77D
頭頂高 17.5m
全高 18.1m
本体重量 51.0t
全備重量 70.2t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 1,410kW
スラスター総推力 93,500kg
姿勢制御バーニア数 8基
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
センサー有効半径 7,300m
開発組織 地球連邦軍
所属組織 地球連邦軍
所属部隊
主なパイロット マスター・P・レイヤー
リド・ウォルフ
テンプレートを表示

概要[編集 | ソースを編集]

地球連邦軍ガンキャノンの量産化を目的に開発した機体。一年戦争末期に中距離支援用MSの量産検討モデルとして配備された。3型[1]を原型にコストダウンと生産性の向上を主観に置いた仕様変更と改良が施されており、コアブロックシステムのオミットや装甲材質の変更などが行われた。

ガンキャノンの量産型とされる機体は、この機体の他にジム・キャノンなどが存在する[2]。ジム・キャノンには前期型ジムのパーツが大量に流用されているため、比較的早い時期に設計出来たものの、ガンキャノンほどの性能を発揮する事は出来なかった。

一方、本機はジム・コマンドのパーツを各所に使用しており、実戦配備されたのは一年戦争の末期であったため実戦投入された機体は少なかったものの、ガンキャノンに匹敵するスペックを達成していた。これは、いわゆる「量産効果」により産業全体[3]の技術レベルが底上げされたためだと考える事が出来る。連邦軍はMSの開発当初より実験機の余剰パーツや試作部品を流用して先行量産されたMSなどを実戦投入し、そのフィードバックを積極的に設計開発工程へと反映させる手法を採っており、ほんの数ヶ月で世代が変わったと言っても過言ではないほどの高性能機を開発している。

本機も、そうした次世代機へと向かうベクトルとポテンシャルを持った機体の一つであったと言え、スペック上はガンキャノンを超える数値を誇っていた。しかし、コストパフォーマンスに優れるジム・キャノンの生産が優先された結果、本機は少数生産に留まった[4]

頭部から胸部にかけてのネックラインなどを保護するため、頬部にはロールバー状のヘッドギアが設けられている。また、キャノン砲への給弾機構は、機構を簡略化された上でランドセルに移設されており、そのためランドセルは大型化しているが、生産性や整備性は改善されている。

パーソナルカスタム機 / カラーバリエーション [編集 | ソースを編集]

ホワイト・ディンゴ所属機
ホワイト・ディンゴが運用するライトグレーに塗装された機体。主に両手に100mmマシンガンを携行している。
リド・ウォルフ専用機
「踊る黒い死神」の異名を持つリド・ウォルフの専用機。彼のパーソナルカラーである黒に塗装されており、それまで元戦闘機乗り故にMSの操縦に不慣れだった彼は、ある一件とこの機体への搭乗を機にMSパイロットとしての頭角を現すようになる。
ネメシス所属機
ネメシスが運用する機体。ガンキャノン重装型に似通った青を基調とするカラーリングとなっており、部隊員のダグ・キーソンジャン・ディベビエが搭乗する。
シュテンドウジ所属機
シュテンドウジにおいてフェルナンド・ペレスが搭乗する機体。他の所属機と同様、紫と白のツートンカラーとなっている。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
初出作品。第4話でスカーレット隊の所属機が2機登場するも、降下中の1機がキャノン砲を展開した瞬間、ケンプファーにショットガンで狙い撃たれ撃墜。炎上した機体は市街地に落下した上、落下した拍子にキャノン砲が暴発した事で市街地への被害を拡大させてしまった。
機動戦士SDガンダム MARKーIV
同作に収録されている『夢のマロン社・宇宙の旅』に登場。『0080』以前の設定を用いているため、ガンキャノンのリデザイン機としての登場となる。リアルガンダム世界のジャブローで登場し、SDガンダムの世界から迷い込んだアッガイ一行をキャノン砲で遠く彼方まで吹き飛ばした。また、何気に左脛に「108」の機番が描かれている。
機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…
ホワイト・ディンゴ所属機が登場。4ステージ目で味方のコンテナ車の防衛に成功する事で次のステージから使用可能になる。
機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊
ネメシス所属機が登場。
GUNDAM LEGACY
episode 10 (単行本record 13)にてリド・ウォルフ専用機が登場。
機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ
シュテンドウジ所属機が登場。
機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う
7話で海賊側のMSとして1コマのみ登場。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊機能 [編集 | ソースを編集]

スタビライズド・ギア
射撃時に接地させる事で機体の安定性を向上させ、より精密な砲撃を可能とするための装備。股関節下部に採用され、アウトリガー・ジャッキなどと同じ機能をもたらす。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

頭部バルカン砲
60mm口径の実体弾を射出する近接戦闘用の固定武装。ガンキャノンと同様の近接迎撃用装備。
ブルパップ・マシンガン
一年戦争末期に一部の量産機に配備された武装。当時の標準的な戦闘車両などに採用されていた機銃などと同規格の90mm実体弾を射出する。
ジム・コマンドなどが用いる物と同型。
100mmマシンガン
ヤシマ重工製のマシンガン。陸戦型ジム等が装備している物と同様の武装。
240mmキャノン砲
炸薬によって実体弾を射出する半格納式の低反動砲。半格納式とする事で移動及び近接戦闘時の死角や慣性モーメントを減少させており、使用時には砲身が伸び、より精密な砲撃が可能。精密射撃時には臀部のスタビライズド・ギアを接地させてより安定した砲撃を行う。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

関連機体[編集 | ソースを編集]

ガンキャノン
ベース機。直接的には3型を原型としているとされる。
ジム・キャノンII
本機とジム・キャノンのデータを元に開発された発展機。

商品情報[編集 | ソースを編集]

ガンプラ[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 型式番号からガンキャノン重装型を指すと考えられる。
  2. ジム・キャノンはジムのバリエーションと思われがちだが、ジムがガンダムの簡易量産型であるように、ジム・キャノンはガンキャノンの簡易量産型である。
  3. この場合は連邦軍のMS生産に携わる企業各社が相当する。
  4. 一説には、スカーレット隊の戦果を受けて軍部が少数の上位機種による編成計画を破棄し、ジム・キャノン系列機への注力に方針を転換したとも言われている。