ストライクガンダムI.W.S.P.
GAT-X105+AQM/E-M1 ストライクガンダムI.W.S.P. (Strike Gundam I.W.S.P.)[編集 | ソースを編集]
- 登場作品:機動戦士ガンダムSEED MSV
- デザイナー:大河原邦男
- 分類:試作型モビルスーツ
- 装甲材質:フェイズシフト装甲(本体)、不明(I.W.S.P.)
- 全高:17.72m
- 重量:不明
- 主動力:バッテリー
- 開発組織:P.M.P社(I.W.S.P.)
- 主なパイロット:無し
地球連合軍の試作型モビルスーツ。ストライクガンダムが「I.W.S.P.」と呼ばれるストライカーパックを装備した姿である。パックの名称は「Integrated Weapon Striker Pack(統合兵装ストライカーパック)」の略称。
I.W.S.P.はP.M.P社が構想した万能型ストライカーパックであり、ニュートロンジャマーの影響下にある戦場でMSの生存性やスタンドアローン性を高める事を目的とする「ブロック5」と呼ばれる規格に準じたストライクのSEPプログラム要求に応えるべく考案された。オーブ連合首長国のモルゲンレーテ社が提唱する単機能型ストライカーパックの競合案でもあり、「統合兵装」の名が示す通りエール、ソード、ランチャーの各ストライカーパックの機能を一つに集約している。これによって、目まぐるしく変化する戦況に合わせて戦闘中にパックを換装し機体特性をその都度変える必要が無くなった。
高性能センサー付きのレールガンや単装砲、対艦刀に攻防一体型のシールドと重武装化されており、過剰な程の攻撃力を持つ。また火器管制の為にストライクのFCSサポート用のコプロセッサーも搭載された。後部には2基のスラスターと3対の空力翼を設置する事で、重量増加と後方に偏った重心モーメントの影響によって低下した運動性を補うよう設計されている。軍が要求していた「近・中距離での高機動総合戦闘力」「対艦・対MS接近戦能力」「射程外からの超長射程火器による砲撃能力」を単体で実現し、「究極の装備」という開発目標に相応しい万能性を獲得するに至った。だが問題もあり、未だに機体の重心バランスが取りづらく、翼やレールガン等が外側に突き出たデザインとなっている事も手伝って宇宙や低重力下の環境でのAMBAC制御が難化してしまう。パックの構造も複雑化し、それによる整備性や信頼性の低下とコストの高騰化、武装や電装系の重装化に伴う消費電力量の増大を招いてしまっている。消費電力量の問題については、P.M.P社としてはフェイズシフト装甲の実効性を軽視すると共に高性能な小型パワーパックを開発・搭載すれば問題ないと考えており、問題解決を前提として消費電力を甘く見積もっていたが、同社の技術力では上手くいかずパワーパックの開発作業は遅延。結局、解決策のないまま試作を開始する事になり、最終的に採用は見送りになってしまった。
ちなみに軍は当初このパックに対して強い期待を抱いており、それは型式番号に試作機を示す「X」が無く、尚且つ数字が「1」である事からも窺い知れる。
登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]
- 機動戦士ガンダムSEED MSV
- 超高精細VR戦場用シミュレーション・モデルの1号機と実寸大モックアップの2号機が製造されたのみで、C.E.71年頃の地球軍内においてはパックの実機は存在しないとされる。実験試作機の3号機は電力消費の問題を解決できなかった為に開発が中断され、モルゲンレーテ社に引き渡された後に完成している(設計データのみを入手したという説もある)。
戦後、I.W.S.P.はアクタイオン・プロジェクトにおいて再製造が行われ、フジヤマ社でも製造された。
装備・機能[編集 | ソースを編集]
特殊機能[編集 | ソースを編集]
- フェイズシフト装甲
- 一定の電圧を持つ電流を流して相転移させる特殊装甲。その際、装甲には色がつく。物理的な衝撃を無効化でき、単独での大気圏突入も可能だが、高出力のビーム兵器の前には無力である。
非展開時は「ディアクティブモード」と呼ばれ、色がグレーのみとなっている。 - 分離
- I.W.S.P.を分離する。
- 換装
- ストライカーパックを換装する。
武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]
- 75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」
- 頭部に2門内蔵されている。主に牽制や迎撃等に使用されるが、戦闘ヘリ程度ならこれだけでも十分破壊できる。
- コンバットナイフ「アーマーシュナイダー」
- 両腰部に1本ずつ、計2本マウントしている。刀身部は超硬度金属で出来ており、内蔵された超振動モーターで高周波振動させる事で様々な物質を切り裂ける(パイロットの技量によってはPS装甲にも深刻なダメージを与えられるという)。モーター用のバッテリーも内蔵しているので、本体のエネルギー残量に関係なく使用可能。
- 57mm高エネルギービームライフル
- 本機の主兵装。とあるロビー団体の協力によって得たザフト軍側のビーム兵器の最新研究情報と最先端技術を持っていた民間企業の研究スタッフを徴用しており、ザフト軍が当時開発していた「M69 バルルス改 特化重粒子砲」よりも遥かに小型・軽量なビーム兵器として完成した。威力もザフト軍艦艇の装甲を一発で撃ち抜ける程に高いが、MS本体からエネルギー供給を受けるシステムである為、使いすぎると稼働限界が早まってしまう。
I.W.S.P.にはビーム砲が装備されていない為、必要に応じて装備される事がある。 - 115mmレールガン
- I.W.S.P.の上部に2門装備されている。発射時、ローレンツ力で砲弾の弾速を秒速5kmにまで加速させる。高い破壊力を持ち、特に対艦・対要塞攻撃に威力を発揮する。砲身の上側には強化型高指向性索敵照準センサーが設置され、超長距離砲撃時の命中精度を高めている。Nジャマーの影響下でも熱センサーや映像分析等による複合的解析が可能。
- 105mm単装砲
- I.W.S.P.の上部に2門内蔵されている。近・中距離戦用の武器。
- 9.1m対艦刀
- I.W.S.P.の下部に2本マウントされている接近戦用の格闘兵装。刀身部は特殊合金で出来ている。対艦用ながら対MS用の武器としても有効。
ビームの刃に次いで切断力が高く、実体剣なので電力消費を抑えつつ振るう事が可能と汎用性に優れている。 - コンバインドシールド
- 左腕部に装備される実体盾。対ビームシールドとしてだけでなく、攻撃にも使用可能な攻防一体の武器である。だが装備すると重心モーメントが左側へ移動してしまう為、実際に使用したパイロットからの評価は低い。
- 30mm6銃身ガトリング機関砲
- コンバインドシールドの先端部に内蔵されている実弾兵器。1分間に6000発の砲弾を発射可能とされる。弾芯は強化チタンカーバイト鋼が使われており、高い貫徹力を持つ。
- ビームブーメラン
- コンバインドシールドにマウントされている遠隔操作式の投擲武器で、Nジャマーの影響を受けずに使用可能。ソードストライカーに装備されているマイダスメッサーと同型と思われる。I.W.S.P.の武装の中では唯一のビーム兵器であり、実体剣の通用しない相手と格闘戦を行う際はこちらを使用する。
ビーム刃を発振後、対象に投げつけて切断する。仮に回避されても「ブーメラン」の名に違わず戻ってくる為、相手の不意をつく事も可能。大容量のパワーコンデンサーが内蔵されているので、ある程度はビーム刃を維持できる。
ビーム刃に対する干渉反応を利用して飛ぶようになっているので、宇宙でも問題なく使用可能。
対決・名場面[編集 | ソースを編集]
関連機体[編集 | ソースを編集]
- ストライクガンダムI.W.S.P. (再製造機)
- アクタイオン・プロジェクトで再度製造されたスウェン・カル・バヤン用の機体。
- ストライクルージュI.W.S.P.、ストライクルージュ (オオトリ装備)
- モルゲンレーテ社が完成させたI.W.S.P.の3号機やその発展型を装備したストライクルージュ。
- ストライクガンダム
- 素体。
- エールストライクガンダム
- エールストライカーを装備した形態。
- ソードストライクガンダム
- ソードストライカーを装備した形態。
- ランチャーストライクガンダム
- ランチャーストライカーを装備した形態。
- パーフェクトストライクガンダム
- マルチプルアサルトストライカーを装備した形態。「ガンダムSEED HDリマスター」で登場。
- ライトニングストライクガンダム
- ライトニングストライカーを装備した形態。
- ガンバレルストライクガンダム
- ガンバレルストライカーを装備した形態。