ヨーツンヘイム

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ヨーツンヘイム
外国語表記 Jotunheim
登場作品 機動戦士ガンダム MS IGLOO
デザイナー 荒牧伸志
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スペック
分類 試験支援艦
全長 292.6m
全高 97.0m
全幅 170.5m
乾燥重量 13,700t
全備重量 22,000t
推進機関 熱核ロケットエンジン ×5
所属 ジオン公国軍
主な艦長 マルティン・プロホノウ
主な搭乗員
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概要[編集 | ソースを編集]

第603技術試験隊の母艦となった試験支援艦。当初より軍用に開発された艦艇ではなく、民間貨客船を徴用・改修した艦であり、クルーもそれに伴って軍属として艦を運用している。艦名は北欧神話における巨人の国「ヨトゥンヘイム」に由来する。

元々、サイド3の民間貨客船は宇宙世紀0059年に連邦政府が実施した経済制裁後、その輸送能力を以って国力増大の一翼を担っていた。ジオン共和国からジオン公国へと国号が移行した後も、これら貨客船はと密接な関係を保ちつつ交易に従事していたが、独立戦争の開戦が近づくと、これら民間船の大規模徴用と後方任務用の艦艇への改修が行われるようになった。ヨーツンヘイムもそれら軍事徴用された艦艇の一隻であり、宇宙世紀0078年10月に徴用され、試験支援艦として運用される事になった。

ヨーツンヘイムは元々が民間貨客船であった事もあり、そのペイロードは極めて大きく、艦体の左右に接続された大型コンテナは全長300mにも及び、その最大積載量は8,300tと、パプア級を大きく上回る。

様々な試作兵器の試験運用を行うという関係上、モビルスーツの搭載・運用能力の追加といった改修が随時行われており、一年戦争末期には艦体をダークグリーンをベースとする迷彩塗装に改められた他、大型の追加ブースターの増設も行われた。

登場作品[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダム MS IGLOO
初登場作品。第1話より主人公オリヴァー・マイらの母艦として登場し、全編に渡って様々な試作兵器群を運用し、その最期を見届けてきた。一年戦争末期にカスペン戦闘大隊に組み込まれ、なし崩し的に実戦部隊として投入されるが、艦は一年戦争を終戦まで生き延びた。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊機能[編集 | ソースを編集]

コンテナ投下フレーム
大量の降下カプセルを宇宙から地球へ投下する為の装備。一年戦争前期、地球への補給任務で使用。パプア級では24個の連続投下が限界であったが、ヨーツンヘイムはこの装備を使用する事で500個以上のカプセルを同時に投下出来た。
追加ブースター
コンテナ後部のアーチ状フレームに搭載された全長約40mの大型ブースター。ノズル内には更にサブノズルが5基搭載されている。戦線の後退に伴い、連邦軍との遭遇率が高くなった事で、艦を急速退避させる目的で追加された。使用時にはコンテナを90度回転させ、追加ブースターの推力中心と艦の中心線を一致させる。
オッゴフレーム
正式名称は「オッゴ全力散布フレーム」。その名の通り多数のオッゴを搭載し、母艦から射出後に本フレームが回転、四方にオッゴを射出することで迅速な戦線構築を可能とする兵器。カタパルトから1機ずつ射出する場合より展開能力に優れるが、実態はただオッゴをバラ撒いているだけと言える。これ自体が立派な補助兵器で、オッゴ本体と並んで評価試験を受ける試作兵器。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

単装メガ粒子砲
艦の上部に1基のみ搭載されているメガ粒子砲。ヨーツンヘイムは艦隊戦における戦闘能力を期待されていないがために、個艦防衛レベルの武装しか搭載されておらず、敵の攻撃に晒された場合は退避を最優先していた為、この装備自体も運用された事例は少ない。運用のため砲術科の軍人が増員されているものの、砲術長のアレクサンドロ・ヘンメからは「豆鉄砲」と揶揄されている。
4連装対空機銃
艦前方と艦尾にそれぞれ2基ずつ搭載されている近接防衛用の連装機関砲。上記のメガ粒子砲も含め、それぞれ1人の砲術員が担当している。

艦体・艦内設備[編集 | ソースを編集]

ブリッジ
艦首に設けられているブリッジ。中央には艦長席が置かれてあり、艦長席の前方には操舵手用コンソール、艦長席の脇には管理官の座席がある。また、操舵席近くには試作兵器のモニターを行う観測指揮所が備えられており、それ故に通常の艦船に比べ、多数の人員が配置されている。
観測指揮所
ブリッジの一角に設けられている、試験兵器のデータの観測および収集の指揮を執る場所。数名の観測員が常駐している。大型スクリーンが設置されており、試験兵器の性能、試験方法についてのブリーフィングなどもここで行われる。ブリッジの右脇の一段低い場所に設置されているため、梯子などを利用して行き来する。
格納庫
艦の両舷大型コンテナ内に設けられた格納庫。最長部で横幅45m、高さ33mの格納庫で、受領した試作兵器の収納・整備を行う他、補給物資もここに収容される。天井には作業用のクレーンアームが移動するレールが設置され、大型機器の整備にも対応した設備が施されている。元々貨物船であったためペイロードに優れており、試作兵器の性質や任務に応じて艦載機発進用のカタパルトなど試験運用に必要な設備がその都度増設されていった。
格納庫回転用レール
格納庫と艦本体を繋げている円形のレール。このレールに沿って両舷の格納庫が90度まで回転する。
メイン・エンジン / サブ・エンジン
熱核ロケットのメイン・エンジンが艦尾に5基、サブ・エンジンがブリッジ後方に左右それぞれ2基ずつ設置されている。

搭乗員[編集 | ソースを編集]

船員[編集 | ソースを編集]

ヨーツンヘイムは徴用船であるため艦長以下、クルーは軍属として民間時の立場や地位に準じた階級を相当官として与えられる。

マルティン・プロホノウ
艦長。本艦の運行についての全責任を負う。試作兵器の運搬についても艦長の任務となるが、運用については技術士官が担当する。
エーリッヒ・クリューガー
副長。艦長の補佐と艦内の管理全般を任務とする。
ジーン・ザビエル
航海士。航海士は艦の操作および航路の確認、航行に必要な情報の収集を行い、交代制で当直にあたる。また周囲の状況確認、他艦との通信なども行う。直接操艦する場合は艦長の指示の下においてのみ行われる。
ドメニコ・マルケス
航海士。
アレクサンドロ・ヘンメ
砲術長。他にも十数人の砲術員が乗艦しており、砲術長は砲術員の監督、戦闘中の指揮、並びに兵装全般の管理が主任務となる。ルウム戦役においてはヨルムンガンドの射手を担当。
ゼン・ワーテルロー
砲術士。
ユルゲン・ヘプナー
甲板長。甲板員は格納庫において試作兵器やそれに付随する物資の搬入・搬出を行う。また、本艦はその任務の性格上、通常の貨物に比べサイズの大きな物を取り扱うため、甲板員はクレーンやその他の機器の扱いにも習熟している。甲板長はカーゴ・スペースの維持・管理および搬出入される貨物についても責任を持つ。
キム・ハラミ
甲板士。

第603技術試験隊[編集 | ソースを編集]

モニク・キャディラック
総統府の管理官。ヅダ予備機のパイロットも兼任。
オリヴァー・マイ
技術試験科の技術士官。技術士官は試作兵器の試験監督、データ観測および分析、試験結果の報告などを任務とする。また、オリヴァー・マイは技術本部へ赴き、技術本部長アルベルト・シャハト少将より試験品目と運用計画を受領する。通常は観測指揮所において試験の監督を行うが、場合によっては試験地まで随伴し、現地でのデータ収集を行う。ア・バオア・クー戦においてはビグ・ラングのパイロットを担当。
ヒデト・ワシヤ
技術試験科のパイロット。主にヅダ2番機のパイロットを担当。

試験担当官(テストパイロット)[編集 | ソースを編集]

パイロットは試作兵器や観測機などの操作が任務となる。観測機やランチなどは艦所属のパイロットが担当するが、試作兵器に関してはその受領と共に技術本部より専属のパイロットが派遣される事となる。高度な操縦技術と兵器に対する知識を持つパイロットが派遣される事により高い運用データの収集が可能となる。

デメジエール・ソンネン
ヒルドルブパイロット。
ジャン・リュック・デュバル
ヅダ1番機パイロット。
オッチナン・シェル
ヅダ3番機パイロット。
ヴェルナー・ホルバイン
ゼーゴッグパイロット。
エンマ・ライヒ (エンマ・ライチェ)
ゲム・カモフパイロット。
リヒャルト・ヴィーゼ
技術大学教授。観測ポッド、バロールの試験に同行。

カスペン戦闘大隊[編集 | ソースを編集]

ヘルベルト・フォン・カスペン
カスペン戦闘大隊の大隊長。
エルヴィン・キャディラック / フリードリッヒ・カッテル / フランツ・プラント
オッゴに乗る年少兵達。

艦載機[編集 | ソースを編集]

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

関連艦[編集 | ソースを編集]

同型艦 [編集 | ソースを編集]

ムスペルヘイム
第604技術試験隊の母艦。艦長はプロホノウの旧友であるルデル。ヨーツンヘイムと同様の任務を遂行しており、ゼーゴックの第1回運用試験を行っていたが、ゼーゴッグの射出直後にサラミス級の攻撃により撃沈。
ウドガルド
機動戦士ガンダム0083 REBELLION』に登場。ブリティッシュ作戦において毒ガスの輸送任務を担っていた事から戦犯認定され、戦後グラナダに潜伏していた艦。デラーズ紛争の際にシーマ・ガラハウの要請を受け、アイランド・イーズの防衛を担った。
メーインヘイム
Gジェネシリーズ』に登場するゲームオリジナルの同型艦。カラーはオレンジと白のツートン。初出の「魂」からプレイヤーの初期配備艦として実装されており、新設部隊用の練習艦という設定となっている。
コリエンテス
Z Define』に登場するエゥーゴ所属艦。普段は民間船籍に偽装しており、ティターンズの作戦情報を中継基地に伝えている。
名称不明艦
F90FF』第16話に宙賊『黄金の鷲』の母艦として登場。サブエンジンやコンテナの配置位置など、他の同型艦とは異なった形状となっている。MS部隊を囮にしてファステスト・フォーミュラによる掃討作戦から密かに逃れようとしたものの、ウジャトアイズのMS部隊による待ち伏せを食らい撃沈された。

その他 [編集 | ソースを編集]

ヤップ
OVA版『THE ORIGIN』に登場する大型輸送艦。艦のレイアウトが本艦に類似している。

商品情報[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]