「バウ」の版間の差分
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開発中のコードネームは「飛龍」。その名残で左側のフロントスカートに縦に「龍飛」と書かれている<ref>これで一文字の漢字「𪚢」であり、「バウ」と読む(現在では「ボウ」と読むとされる)。なお、この文字は[[富野由悠季]]監督が書き加えたものである。</ref> | 開発中のコードネームは「飛龍」。その名残で左側のフロントスカートに縦に「龍飛」と書かれている<ref>これで一文字の漢字「𪚢」であり、「バウ」と読む(現在では「ボウ」と読むとされる)。なお、この文字は[[富野由悠季]]監督が書き加えたものである。</ref> | ||
− | [[U.C.]]0080年代後期のMS運用は可変機が主流となっており、アクシズでも既に[[ガザC]]等のガザ・シリーズを実用化していたが、その性能は[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]や[[エゥーゴ]]、[[ティターンズ]] | + | [[U.C.]]0080年代後期のMS運用は可変機が主流となっており、アクシズでも既に[[ガザC]]等のガザ・シリーズを実用化していたが、その性能は[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]や[[エゥーゴ]]、[[ティターンズ]]の可変機に大きく劣っていた。可変機の開発の遅れを挽回し、尚且つその新たな可能性を検証するという目的の下に生み出されたのが本機である<ref>開発当時は可変MSの全盛期とも呼べる状況にあり、各勢力の可変機がその有効性を存分に発揮していた。すべからく、MS開発において遅れを取る訳にはいかないアクシズの技術者達はこの開発に関しても貪欲に取り組んでいた。</ref>。 |
− | + | バウの開発には、政治的な取引で入手した連邦・ティターンズの技術が使用されたと言われており、アクシズの地球圏帰還による「ジオン復興」に賛同する勢力も少なくはなく、ネオ・ジオンに参加あるいは復帰するスタッフも相当数にのぼったと言われている。事実上、バウはそういった諸事情によって完成した機体であり、[[ムーバブルフレーム]]の採用に留まらず、[[Ζ計画]]を参考にしている部分も多く<ref>デザインを担当した出淵は「Ζガンダムを単眼にしたイメージ」でデザインを描いたという。</ref>、[[Ζガンダム]]、あるいはΖ計画による他の機体のデッドコピーとして見る事も出来た。 | |
コクピットはバウ・アタッカー側に設置されているが、当初は分離・合体機構の採用に伴ってバウ・ナッター側にも設置する予定であった。しかし「MS一機に対してパイロットが二人必要になるのは非効率的」という理由で開発は一時棚上げとなる。その代わりとして無線誘導の案が出されたものの[[ミノフスキー粒子]]散布下では制御不能に陥る可能性が高い為、これも却下されてしまう。その後、性能の高さから分離・合体機構をオミットした非可変機として仕様変更した上で士官専用機として採用されるはずであったが、本機のパイロットになる予定だった[[グレミー・トト]]がバウ・アタッカーの運動性に着目し、バウ・ナッターを「大型ミサイル」として運用する事で機体の特性を有効活用しようと考えて一度却下されたはずの無線誘導システムに加え慣性誘導装置を搭載させ、強力な弾頭を積ませる為のペイロードも確保させた。これによって本機はMSとしてのみならず攻撃戦闘機としても優れた性能を持ち、また他に類を見ない戦術展開を可能とする特殊な機体として完成している。 | コクピットはバウ・アタッカー側に設置されているが、当初は分離・合体機構の採用に伴ってバウ・ナッター側にも設置する予定であった。しかし「MS一機に対してパイロットが二人必要になるのは非効率的」という理由で開発は一時棚上げとなる。その代わりとして無線誘導の案が出されたものの[[ミノフスキー粒子]]散布下では制御不能に陥る可能性が高い為、これも却下されてしまう。その後、性能の高さから分離・合体機構をオミットした非可変機として仕様変更した上で士官専用機として採用されるはずであったが、本機のパイロットになる予定だった[[グレミー・トト]]がバウ・アタッカーの運動性に着目し、バウ・ナッターを「大型ミサイル」として運用する事で機体の特性を有効活用しようと考えて一度却下されたはずの無線誘導システムに加え慣性誘導装置を搭載させ、強力な弾頭を積ませる為のペイロードも確保させた。これによって本機はMSとしてのみならず攻撃戦闘機としても優れた性能を持ち、また他に類を見ない戦術展開を可能とする特殊な機体として完成している。 | ||
=== バウ・アタッカー === | === バウ・アタッカー === | ||
− | + | バウの上半身が変形する攻撃機。バックパックのフレキシブル・ウィング・バインダーが主翼となり、MS形態時の頭部も外装が空力特性を配慮したものとなっている<ref>基本構造は[[ザクシリーズ|ザク系]]のデバイスで構成されている</ref>ため、空力的にも安定した飛行が可能。 | |
バウの武装はこちらに集約されており、[[ビーム・ライフル]]、ミサイル、グレネードランチャーを装備する。また、シールドは機体下部にマウントされ、フェアリングユニットとして機能する。 | バウの武装はこちらに集約されており、[[ビーム・ライフル]]、ミサイル、グレネードランチャーを装備する。また、シールドは機体下部にマウントされ、フェアリングユニットとして機能する。 |
2023年11月17日 (金) 01:37時点における版
バウ | |
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外国語表記 | Bawoo |
登場作品 | 機動戦士ガンダムΖΖ |
デザイナー | 出渕裕[1] |
スペック | |
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分類 | 攻撃用試作型可変モビルスーツ |
型式番号 | AMX-107 |
頭頂高 | 18.5m |
全高 | 22.05m |
本体重量 | 34.7t |
全備重量 | 67.5t |
主動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 2,410kW |
スラスター総推力 | 75,040kg |
姿勢制御バーニア数 | 16基 |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
センサー有効半径 | 12,200m |
開発組織 | ネオ・ジオン軍 |
所属 | ネオ・ジオン軍 |
主なパイロット |
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バウ・アタッカー | |
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外国語表記 | Bawoo Attacker |
全長 | 26.6m |
全幅 | 24.26m |
全備重量 | 46.3t |
スラスター総推力 | 82,500kg |
バウ・ナッター | |
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外国語表記 | Bawoo Nutter |
全長 | 12.34m |
全幅 | 13.0m |
全備重量 | 21.2t |
スラスター総推力 | 12,600kg |
概要
アクシズ(ネオ・ジオン軍)の試作型モビルスーツ。士官専用機として開発された可変機であり、上・下半身が分離してそれぞれ「バウ・アタッカー」と「バウ・ナッター」と呼ばれる戦闘機に変形する。 開発中のコードネームは「飛龍」。その名残で左側のフロントスカートに縦に「龍飛」と書かれている[2]
U.C.0080年代後期のMS運用は可変機が主流となっており、アクシズでも既にガザC等のガザ・シリーズを実用化していたが、その性能は地球連邦軍やエゥーゴ、ティターンズの可変機に大きく劣っていた。可変機の開発の遅れを挽回し、尚且つその新たな可能性を検証するという目的の下に生み出されたのが本機である[3]。
バウの開発には、政治的な取引で入手した連邦・ティターンズの技術が使用されたと言われており、アクシズの地球圏帰還による「ジオン復興」に賛同する勢力も少なくはなく、ネオ・ジオンに参加あるいは復帰するスタッフも相当数にのぼったと言われている。事実上、バウはそういった諸事情によって完成した機体であり、ムーバブルフレームの採用に留まらず、Ζ計画を参考にしている部分も多く[4]、Ζガンダム、あるいはΖ計画による他の機体のデッドコピーとして見る事も出来た。
コクピットはバウ・アタッカー側に設置されているが、当初は分離・合体機構の採用に伴ってバウ・ナッター側にも設置する予定であった。しかし「MS一機に対してパイロットが二人必要になるのは非効率的」という理由で開発は一時棚上げとなる。その代わりとして無線誘導の案が出されたもののミノフスキー粒子散布下では制御不能に陥る可能性が高い為、これも却下されてしまう。その後、性能の高さから分離・合体機構をオミットした非可変機として仕様変更した上で士官専用機として採用されるはずであったが、本機のパイロットになる予定だったグレミー・トトがバウ・アタッカーの運動性に着目し、バウ・ナッターを「大型ミサイル」として運用する事で機体の特性を有効活用しようと考えて一度却下されたはずの無線誘導システムに加え慣性誘導装置を搭載させ、強力な弾頭を積ませる為のペイロードも確保させた。これによって本機はMSとしてのみならず攻撃戦闘機としても優れた性能を持ち、また他に類を見ない戦術展開を可能とする特殊な機体として完成している。
バウ・アタッカー
バウの上半身が変形する攻撃機。バックパックのフレキシブル・ウィング・バインダーが主翼となり、MS形態時の頭部も外装が空力特性を配慮したものとなっている[5]ため、空力的にも安定した飛行が可能。
バウの武装はこちらに集約されており、ビーム・ライフル、ミサイル、グレネードランチャーを装備する。また、シールドは機体下部にマウントされ、フェアリングユニットとして機能する。
コクピットもこちらに搭載されており、万が一の場合はバウ・アタッカー自体をコア・ファイターのような脱出装置とする事も想定されていた。
バウ・ナッター
バウの下半身を構成する無人機。最大で1800kgのペイロードを持つ大型ミサイルとしても機能し、核弾頭の搭載も可能。
バウ・アタッカーとの通信が途絶した場合、搭載コンピュータの自己判断で航行する。一説にはインコムレベルのインターフェイスが搭載されていたとも言われているが、定かではない。
登場作品と操縦者
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 初出作品。第15話で初登場。パイロットはグレミー・トト。クレイユ・オーイやゴットン・ゴーが搭乗した事もある。
- ムーン・ムーンでの戦闘で出撃し、エンドラにいたリィナを連れ去っている。拿捕したエゥーゴのランチを利用した作戦ではゴットンらがグレミーに無断で持ち出し、アーガマ制圧に利用しようとしたが失敗した。その後もグレミーの機体として運用されたが、エルゴレア攻撃時にルーのコア・ファイターを盾にしてきたビーチャの百式によって撃破された。
- ビーチャとモンドがリィナを連れてアクシズから脱走する際に一度奪取された事もあり、この時は自分達をこき使っていたゴットンらに仕返しとして踏みつぶそうとしたが調子に乗りすぎて途中で操縦桿を壊してしまい、コントロール不能となって脱走は失敗している。
装備・機能
特殊機能
- 分離/合体
- バウ・アタッカーとバウ・ナッターに可逆分離・合体が可能。また、バックパックも状況に応じて分離射出が可能であった。
武装・必殺攻撃
- バルカン砲
- 両肩部に2門内蔵されている機関砲。
- ビーム・ライフル
- 専用に開発された携行式のビーム砲。変形時の空力特性や取り回しを機体特性に併せて設計されている。アサルト(突撃)型として開発されており、セレクター操作によって狙撃モードと速射モードを選択可能。出力3.6MW。
- ビーム・サーベル
- 両前腕部の内側に1基ずつ、計2基格納されている。所謂"騎士"用規格のデバイスが採用されたモデルを使用。使用時はオートでマニピュレータに収まるよう設定されている。出力0.88MW。
収納状態でビーム・ガンとして機能するかどうかは不明。 - グレネード・ランチャー
- Zガンダムを参考に両前腕部の外側に内蔵された4連装接近戦用榴弾砲。主に威嚇や牽制に用いられるが、狙い所が的確であれば部位破壊や携行兵器の無力化に威力を発揮する。弾頭部に誘導用オプティカルシーカーを装備する。
- ミサイル
- 背部左右のフレキシブル・ウイング・バインダーのパイロンに3基ワンセットずつ、計6基をマウントしている。弾種は誘導ミサイルAMM-06H。
- シールド
- 実体式の盾。ネオ・ジオン軍の紋章のレリーフが存在する。
- バウ・アタッカー時には機体の下部に装着され、空力特性を向上させるフェアリングユニットとして機能する。
- メガ粒子砲
- シールドに5門内蔵されている。砲門はある程度可動でき、中央部の3門はビームを収束して発射可能。出力0.77MW。
- バウ・ナッター特攻
- バウ・ナッターを大型ミサイルとして撃ち出す。ペイロードは最大で1,800kgとされ、通常弾頭だけでなく核弾頭も搭載できる。これによりバウは他の機体とは比べものにならない程の戦略的価値を得るに至っている。
対決・名場面
関連機体
- 量産型バウ
- グレミー機の運用データから量産化されたバウ。
- バウ (袖付き仕様)
- バウの「袖付き」仕様。当初のコンセプト通り、バウ・ナッターが複座式となっている。
- リバウ
- フル・フロンタル専用機として改造されたバウ。サイコフレームを搭載する事で当初のコンセプトを実現させている。
- サイコバウ
- G-ドアーズのデータを反映したサイコプレート・システムの実証機。
- Ζガンダム
- 開発時の参考にされており、機体形状や武装レイアウトに共通点が多い。
- シータプラス
- Θプロジェクトの集大成として開発された機体。本機の無線誘導システムを流用している。
- Vガンダム / ゾロ
- U.C.0153年にリガ・ミリティア及びベスパが開発した機体。直接的な関連性は無いが、機体の構成パーツを無線誘導し、(想定外の使用法とはいえ)パーツの一部を質量弾として転用できる点がバウと酷似している。
- ガンダムリントヴルム
- バウをベースにZガンダム風に改造したガンプラ。
商品情報
ガンプラ