ドーベン・ウルフ

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AMX-014 ドーベン・ウルフ (Dooben Wolf)

概要

ネオ・ジオン軍が開発した量産型モビルスーツ。第4世代に分類される機体で、地球連邦軍の試作機であるガンダムMk-Vをベースとしており、鹵獲したサイコガンダムMk-IIの機体データも反映されている。その為か、一部では「サイコガンダムMk-IIの小型化を目指した機体」と言われる事もある。
「恐竜的進化を遂げている」と言われる第4世代MSの特徴に違わず、本機もメガ・ランチャーやメガ粒子砲を始めとした多数のビーム兵器を備え、これらを稼働させる為にジェネレーターも大型・高出力な物を採用している。またミサイルやグレネード・ランチャーといった実弾兵器も装備し、「要塞級」とも言える程の(22mという大型機ではあるが)MSとしては非常に高い火力を獲得した。ちなみに、内蔵武装の数が非常に多いのはサイコガンダムMk-IIから影響を受けている為である。一方でその多すぎる武装数から連携しての運用にはあまり向かない機体となっており、どちらかと言うと単機運用、あるいは基本的な連携さえ取れれば特に問題の無い他機種との小隊運用でこそ全性能を惜しみなく引き出せるとされる。
最大の特徴はニュータイプではない一般兵でも使用可能な準サイコミュシステム及び有線式誘導兵器「インコム」を搭載している点で、連邦側とネオ・ジオン側の準サイコミュ技術が一つになった事で完成度が高まり、更に本機の全武装の火器管制もオールドタイプのパイロット一人で行えるようになった。

主に一般機と指揮官機の2種が存在するが、違いは両腕のビーム・ハンドが前者は有線式、後者は無線式となっているのみであり、性能はどちらも同じである。

ザクIIIと次期主力量産機の座を争い、優秀な性能が評価されて勝利。高級量産機として採用され、第一次ネオ・ジオン抗争時には精鋭部隊に優先して配備が行われている。
ネオ・ジオン軍の内紛ではグレミー軍側の戦力となっている。当初はグレーに再塗装される予定だったが、それを知ったラカンがグレミーに掛け合って取り止めさせている。

登場作品と操縦者

機動戦士ガンダムΖΖ
主なパイロットはラカン・ダカラン
グレミー軍のスペース・ウルフ隊にて6機が配備・運用され、マシュマー・セロザクIII改を撃破する等の高い戦果を挙げた。しかしラカン機はジュドー・アーシタフルアーマーΖΖガンダムとの戦闘で撃破され、部下達の機体も全機撃破されている。
機動戦士ガンダムΖΖ(小説版)
ΖΖガンダムのハイ・メガ・キャノンによって全機まとめて撃破されている。
機動戦士ガンダムUC 星月の欠片
宙賊が運用しており、ドゥーエ・イスナーンダニー・セケンドジムIIIと民間シャトルを襲ったが、そこに現れたスタークジェガンによって撃破されている。

装備・機能

特殊機能

隠し腕
指揮官機のみ装備。ビーム・サーベルやメガ・ランチャーを携行する事が出来るが、あくまでも補助的な物でしかないとされる。

武装・必殺攻撃

30mmバルカン砲
頭部に2門内蔵されており、装弾数は300発。本機の武装の中では地味だが、有効射程内における集弾性や弾速は目を見張るものがある。
グレネード・ランチャー
脇下に2基内蔵している隠し武装。攻撃用というより逃走用としての意味合いが強いとされる。グレネード弾以外にスモーク弾等といった各種弾頭の発射も可能。
「ロケット・ランチャー」と呼ばれる事もある。
対艦用ミサイルAMS-09R型
背部に2基装着可能。その名の通り、対艦用の大型実弾兵器。
12連装ミサイルランチャー
背部バインダーに1基ずつ、計2基内蔵されている。弾種は対MS用の「AMS-01H型」。
ビーム・サーベル
両腰部に1本ずつ、計2本マウントしている。マウントしたままでもビーム砲として機能する。
ビーム・キャノン
背部バインダーの先端部に1門ずつ、計2門内蔵されている。ジェネレーターと直結しており、前方に向けての発射も可能。
ビーム・ライフル
携行式のビーム砲。威力が高く、標準的な物を超えているとされる。
メガ粒子砲
胸部に2門内蔵されている。拡散・収束のモード変更が可能。
メガ・ランチャー
ビーム・ライフルをメガ粒子砲口に接続し、先端の粒子制御リフレクターを展開する事で、通常の3倍以上という高い出力を持ったメガ・ランチャーとして使用出来る。この時、ビーム・ライフルは砲身を伸ばしてメガ粒子の加速装置とするようになっている。
有線式ビーム・ハンド
前腕部は分離する事で武装として使用可能。掌底部にはビーム砲が各1門内蔵され、捕らえた敵機に零距離からビームを発射して破壊する。また高圧電流を流す事も出来る。有線式であり、コントロールは準サイコミュによって行われる。
一般機用の装備で、分離中は携行武装が使用できない。
指揮官用ビーム・ハンド
こちらは指揮官用で、有線式からレーザー通信を使用した無線式に変更された事以外に違いは無い。ただし操作性は低下しており、準サイコミュによるコントロールをもってしても非常に扱いにくい。
ヒート・ロッド
当初検討されていた武装。腕部に1基を内蔵する(右腕部の画稿のみが存在し、左腕部にも内蔵されているかは不明)。
準サイコミュが導入された事でビーム・ハンドに変更され、こちらは採用されなかった。
インコム
背部に2基搭載されている有線式の準サイコミュ兵器。コントロールワイヤーを延ばしながら敵機に向かって飛んでいき、ビームを発射して攻撃する。一定の長さまで到達した場合はインコム本体から「リレー・インコム」と呼ばれる中継器が射出され、距離を延長できるようになっている。ちなみに、このリレー・インコムには威嚇射撃を行う為のマイクロ・レーザーが各1門内蔵されている。
本機ではガンダムMk-Vのそれよりも洗練された物となり、(2次元的な軌道しか描けない為に簡易的ではあるものの)オールドタイプの一般兵でもオールレンジ攻撃を行う事が可能となった。

対決・名場面

ザクIII改
戦場を移動中のスペース・ウルフ隊は、マシュマー・セロの駆るザクIII改を捕捉。正面から接近する機体で敵の気を惹き、一機がカメラアイの眼前に上から割り込むと言う不意打ちで、瞬く間に4機がビーム・ハンドでザクIII改を絡め取る。続けてウルフ隊はビーム・ハンドによる電撃攻撃を行った上でメガ・ランチャーの一斉射を行うが、強化された過ぎたマシュマーの思念がバリアとなり、ビームを跳ね返されてしまう。ザクIII改はビーム・ハンドを手繰り寄せ、引き寄せられたドーベン・ウルフの頭部を破砕。ザクIII改はそのままマシュマーの絶叫と共に、激しい閃光を放って自爆する。ウルフ隊はゲーマルクの急行に不利を悟り、ラカンの指示のもと後退した。

関連機体

ドーベン・ウルフ (袖付き仕様)
袖付きで運用されているドーベン・ウルフ。
シルヴァ・バレト
アナハイム・エレクトロニクス社がドーベン・ウルフをベースに改装した機体。
リーベン・ヴォルフ
火星独立ジオン軍が再設計した機体。
ガンダムMk-V
ベース機。
サイコガンダムMk-II
開発時に機体のデータを使用している。
ザクIII
競合機。
ゲーマルク
同時期に開発されていた機体。

商品情報

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