ガンダム試作2号機
ガンダム試作2号機 | |
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外国語表記 | GUNDAM GP02A |
登場作品 | |
デザイナー | 河森正治 |
スペック | |
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コードネーム | サイサリス |
分類 | 試作型強襲用モビルスーツ |
型式番号 | RX-78 GP02 |
頭頂高 | 18.5m |
全高 | 19.5m |
本体重量 | 54.5t |
全備重量 | 80.3t |
主動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 1,860kW |
スラスター総推力 | 155,200kg |
装甲材質 | ルナ・チタニウム合金 |
開発組織 | アナハイム・エレクトロニクス社 |
所属 | 地球連邦軍 ⇒ デラーズ・フリート (強奪) |
主なパイロット | アナベル・ガトー |
概要[編集 | ソースを編集]
ガンダム開発計画によって製造された3機のうちの1機。コードネームは「サイサリス」。開発はアナハイム・エレクトロニクス社の第2研究事業部が担当。同部署はジオニック社スタッフが中心となって立ち上げられた部署であり、そのためガンダム試作2号機はガンダムタイプでありながら特にジオン系の技術が色濃く取り入れられている。
ガンダム開発計画は、アナハイムが提出した数種の設計案をそのまま継承されており、その骨子は一年戦争中に開発された機体の系統を割り出し、その機能と運用目的を再検討した上で進化、あるいは刷新された機体を新たに開発するというものであった。このプロセスによってMSの運用を根底から見直した結果、不可避的に「戦略核」の概念が提示され、その概念に則って開発された。核の使用は人類全体に対する重大な背任行為であるが、連邦軍首脳は、一年戦争でジオン軍が南極条約締結後も核兵器を使用しようとした背景を理由に、確信犯的に、必要悪としてこの機体を認可している[1]。
ミノフスキー粒子によって核ミサイルのような精密誘導機器を運用できなくなった情勢下において、抑止力、ことに自動報復装置としての戦略核は、すでに実効性を喪失しており、軍事的な側面に限って言えば、核兵器に残されたものはその圧倒的な破壊力のみである。しかし、前線で消耗戦を展開するよりも、敵の拠点を一挙に壊滅出来たほうが効率的であるのは言うまでもなく、戦略核を恫喝や牽制の手段として用い、反抗勢力を封殺するというのは旧世紀以来の伝統的な戦略でもある[2]。何より、単純に「敵性勢力の殲滅を企図する」ことが軍事行動の要諦であれば、圧倒的な破壊力を機動兵器に附帯しようという発想はごく自然なものであり、こういった背景から、ガンダム試作2号機は「最強の攻撃力を持つMS」のコンセプトを元に、条約で禁止された戦略核の使用を前提に「誘導式の飛翔体に頼らずに核兵器を確実に運用可能な機動兵器」として開発され、いかなる環境・状況であっても敵およびその拠点を撃滅する事を目的とした強襲用モビルスーツとして完成した。
単体のモビルスーツとしての性能にも優れており、フレキシブル・スラスター・バインダーと呼ばれる大型バインダーを肩部に有し、これによって重モビルスーツでありながら高い機動性を発揮する。ジェネレーターも高出力である為、通常のMSを遥かに超える過剰な装甲を持ちながら、既存の重MSとは比較にならない程の運動性も獲得している。また、この機体性能に着目し核武装以外での運用を想定した武装プランも複数用意されていた。
本機は、アトミック・バズーカによる核弾頭の使用を前提としているが、弾頭の到達半径が短いため、核弾頭使用時に自機も爆心地に居る事になる。そのため、核爆時の熱や放射線の影響を踏まえ、厳重な耐熱・対放射線対策が施されており、大型のラジエーター・シールドや頭部センサー及びインテークの遮断シャッターなどにその一端を見る事ができる他、フレキシブル・スラスター・バインダーも、爆心地からの速やかな離脱を目的とした装備という側面もあった。また、コクピットは耐衝撃性を重視しコアブロックシステムではなく球殻状のコクピット・ブロックを採用。このコクピットにメイン・コンピュータ[3]が収められ、充填された減速材と胴体部の複合装甲と緩衝材によって機体中枢とパイロットを保護する。
登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]
- 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
- 初登場作品。宇宙世紀0083年10月13日、ガンダム試作1号機と共にペガサス級巡洋艦アルビオンによってトリントン基地に運び込まれ、核運用テストを行う予定であったが、アナベル・ガトーの手により強奪され、連邦の追撃を躱して宇宙に運びこまれた。その後、コンペイトウで観艦式中の連邦軍艦隊に核を使用。その際の反動で左腕など一部が故障するも、その状態でコウのガンダムGP01フルバーニアンと対峙し、相討ちになって大破した。
- 機動戦士ガンダム0083 ジオンの残光
- 概ねOVA版と同様の展開をなぞる。
- 機動武闘伝Gガンダム
- 第49話でマンダラガンダムの合体技「曼陀羅円陣・極楽往生」に参加するなど、ガンダム連合の中に紛れて各作品のガンダムと共にカメオ出演している。
- ハーモニー・オブ・ガンダム
- 新たにMLRS仕様およびビーム・バズーカ装備が設定され、『戦場の絆』などのゲーム作品に実装された。
- 機動戦士ガンダム0083 REBELLION
- ストーリーの変更に伴い、MLRS装備やラング装備などの装備バリエーションが登場した。
- 宇宙の蜉蝣2
- キンバライド基地からHLVで打ち上げられた後の友軍と合流する間に発生した戦闘が描かれた。
装備・機能[編集 | ソースを編集]
特殊機能[編集 | ソースを編集]
- フレキシブル・スラスター・バインダー
- 両肩に装備された、複数の作用点を持つもう一対の腕(あるいは脚)とも言える装備。MSに装備されているバーニアやスラスターは、基本的に機体の範囲外に作用点を持たないが、FTBは機体外に複数の作用点を持つ為、急激なベクター移動に応じた機動を行う事ができる。
行動に制限される事なく機体を可動させる事ができ、装備されているロケット・モーターは1基でも標準的なMS1機を充分に機動させるだけの膨大な出力を有し、地上ではホバー走行も可能としている。
武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]
- AE/ZIM.G-BAZ-0186-A アトミック・バズーカ
- 核弾頭ロケット弾「Mk-82」を発射する為の大型バズーカ。核弾頭は機体背部、砲身前半部はシールド裏に格納され、使用時に両者を接続して発射する。
基本的には実体弾を正確に射出する為の装備であり、弾頭の推進そのものは、弾体に装備されているロケットモーターで行われる。搭載されている核弾頭の初期加速と照準に用いられる以外にもセーフティとしての役割を担っており、このバズーカの射出システムでなければ安全装置の最終解除は不可能。また、砲口のセーフティキャップも射出寸前まで排除できない構造となっている。- Mk-82核弾頭ロケット
- アトミック・バズーカに装填されているレーザー核弾頭。書類上は「戦術核」に分類されているが、実際には戦略核クラスの破壊力を有しており、試算では連邦宇宙軍の3~4割を壊滅出来たとされる。弾頭部と推進部が分離された状態で格納されており、使用時にこれらが結合され、発射される。
「自己拘束型熱核爆弾」と呼ばれるタイプの核弾頭であり、内包したミノフスキー粒子の縮退層が保持されたまま炸裂し、超高温と膨大な中性子線を発生させる火球を数秒間に渡って維持する。
使用するまで絶対に弾頭の機能が損なわれてはならないよう、バックパックに貯蔵・輸送される。弾体は分割状態で格納されており、起爆にも何重ものプロテクトが施されている。本来ならば、正規の手続きを経なければ射出状態にする事さえ不可能。
- NR-Sh-02-RX/S-00013 ラジエーター・シールド
- 専用の大型シールド。液体水素などの冷媒を充填した冷却システムを内蔵しており、核弾頭使用時の熱と衝撃から機体とパイロットを保護する。冷却システムは脆く、核弾頭使用時にはこれが必須なため、シールドと銘打っているが戦略的弱点となり得る。また、シールドの防御範囲が脚部にまで及ばない為、脚部にはこれと同等の装甲と冷却機能が備わっている。
裏面にアトミック・バズーカのバレルを収納し、その運搬にも必要欠くべからざるべき装備である。 - 60mmバルカン砲
- 頭部に左右1対2門設置内蔵している。連邦系MSの標準装備でもあり、対空迎撃やドッグファイト時の牽制、対人掃討などに使用される。
- A.E.blashAEXB-909L ビーム・サーベル
- 腰部に左右1対2基装備している。重MS用の標準装備として開発されていたものの改良型。ビーム刃を形成する磁場が既製品よりも細く絞り込まれており、出力や磁界強度をマニュアルで変更できる機能が追加されている。アトミック・バズーカ使用後は、攻撃手段はビーム・サーベルと頭部バルカン砲のみとなる。
オプション装備 [編集 | ソースを編集]
- MLRS
- 背部に設置される6連装の多連装ロケットシステム (Multiple Lunch Rocket System、MLRS)。中距離から敵部隊や拠点を面制圧する事を目的とした装備であるが、トリントン基地での地上試験までに完成が間に合わなかった為、実際に運用される事はなかった。
- ビーム・バズーカ
- デラーズ・フリートがコンペイトウ襲撃後の2号機の再利用案として検討していた装備。アトミック・バズーカと同じ様に右肩の基部にシールド内に収納された砲身を接続して使用する。ビグロのメガ粒子砲を携行式に再設計したもので、スキウレの砲身を流用している。
その他 [編集 | ソースを編集]
- MS用対艦ライフル
- MS用の大型携行兵装。ピクチャードラマ『宇宙の蜉蝣2』で使用。デザインは『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でシャア専用ザクIIが携行した物と同一。本来、アナザー宇宙世紀に存在する武装なのだが、史実での扱いについては特に明言されていない。
- ビーム・ジャベリン
- ビーム・サーベルのモードの1つで、グリップを延長し先端に高出力のビーム刃を形成した槍。『REBELLION』でトリントン基地から逃走する際に追撃してきたジム・ナイトシーカーから奪って使用している。
対決・名場面[編集 | ソースを編集]
関連機体[編集 | ソースを編集]
別仕様・装備バリエーション [編集 | ソースを編集]
- ガンダム試作2号機 (MLRS仕様)
- 幻となったMLRS装備プラン。後に反連邦派閥『シン・フェデラル』によってコピー機が誕生し、総帥カネサダ・ツルギ専用機として使用された。
- ガンダム試作2号機 (ビーム・バズーカ仕様)
- 幻となったビーム・バズーカ装備プラン。デラーズ・フリートがアトミック・バズーカ使用後の再利用案として検討していた仕様であり、アトミック・バズーカに代わってスキウレのビーム砲を改造したビーム・バズーカを装備している。
- ガンダム試作2号機 (デラーズ・フリート仕様)
- 『ガンダムトライエイジ』に登場するカラーバリエーション機。ガンダムの象徴であるトリコロールカラーから、ガトーのパーソナルカラーである青と緑に再塗装されている。
- ガンダム試作2号機 (重装備型)
- 『REBELLION』に登場した装備バリエーション。MLRSに加え、旧ジオン軍が運用していた武装を全身に装備し、背部にもプロペラントタンクを追加している。
系列機 [編集 | ソースを編集]
技術的関与のある機体・関与が疑われる機体 [編集 | ソースを編集]
- リック・ディアス
- バインダーなどに本機で培った一部の技術が流用されている。エゥーゴという運用組織の性質上、敢えて抹消された技術体型を用いるのは都合が良かったとされるが、一方でGP02の直系という訳ではないとする言説も存在する。
- ソロモンエクスプレス
- ガンダムの核装備仕様。MIRVに使用されている核弾頭が本機に流用されたとされている。
- AHAジム-C
- ジム・カスタムをベースにアトミック・バズーカの運用目的で最初に開発された機体。
- ガンダム[スコル]
- 本機とフェイス部形状が酷似している。
- ギガンティック
- ネオ・ジオンが後に開発した戦略級核弾頭搭載モビルスーツ。本機と同様にアトミック・バズーカを使用する。
その他 [編集 | ソースを編集]
- ヴェルダン
- 宇宙戦国時代のミキシングビルドモビルスーツの1機。本機のラジエーター・シールドが使用されているが、レプリカであることが示唆されている。
- ガンダム試作2号機サイサリスセンチュリオン
- 『ガンダムビルドファイターズA』に登場する本機をベースとしたガンプラ。TRシリーズのパーツが多く組み込まれている。
- ガンダムGP-羅刹 / ガンダムGP-羅刹天
- 『ガンダムビルドダイバーズ』に登場する本機をベースとしたガンプラ。太陽炉が組み込まれており、独自のトランザムシステムが使用可能である。
余談[編集 | ソースを編集]
- ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズでは、本機の基本兵装の少なさからか作品によってはオリジナルの武装が追加されており、独自形状のビーム・ライフルやプラズマ・リーダー、リミッターを解除したビーム・サーベル(ハイパー・ビーム・サーベル)などを使用していることがある。
商品情報[編集 | ソースを編集]
ガンプラ[編集 | ソースを編集]
フィギュア [編集 | ソースを編集]