ヴェスバー
ヴェスバー (V.S.B.R.)
サナリィが開発した可変速型ビーム・ライフル(Variable Speed Beam Rifle)。その名の通り、ビームの発射速度と収束率を無段階連続帯域レベルで調節する機能が盛り込まれ、低速だが破壊力に優れるビームから高速で貫通力の高いビームまでその性質を変更し必要に応じて撃ち分ける事ができる。
可変速機能を実現する為には従来型のビーム・ライフルとは異なり、エネルギーCAPを介さずにジェネレーターから直接エネルギー供給を受ける必要がある。取り回しの面でビーム・ライフルに劣るものの、最適な調整を行えればU.C.120年代の戦艦主砲クラスの威力を効率よく発揮できる。
ガンダムF89で理論検証段階の物が開発され[1]、その後ガンダムF90-Vタイプで実用段階の物が「V.S.B.R.」と改称されて運用試験された。F90の後継機であるガンダムF91には更にその改良型が標準装備されている。F91の物は大容量メガコンデンサ[2]を内蔵し、本体から外した状態でも数発なら発射可能であったが、接続コネクタによる脱着可能な仕様が逆に装備のウィークポイントとなる場面も見られた。
F91の開発に前後し、アナハイム・エレクトロニクス社やブッホ・エアロダイナミクス社も技術盗用や裏取引によってヴェスバーの技術を入手しているが、大容量メガコンデンサの再現には至っておらず、いずれもジェネレーター直結型を採用している[3]。
宇宙世紀0153年にはリガ・ミリティアや木星共和国にも技術が拡散しており、V2ガンダムのオプションやバイラリナの主兵装として採用されている。
搭載部位は機体によって異なるが、宇宙世紀120年代の機体は概ねバックパックの左右にアームを介して接続され、発射時にはアームを稼動させ脇下を通して抱える様な発射形態を取る。この装着方式は、非使用時にはヴェスバーをAMBAC作動肢としても使用する事ができるなどの利点があった。
登場作品
- 機動戦士ガンダムF90
- ガンダムF90-Vタイプに装備され、テストが行われている。
- 機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91
- アナハイム・エレクトロニクス社がサナリィから入手したデータを基にヴェスバーの再現を試み、シルエットガンダムに搭載された。また、アナハイムを通じてブッホ側もこの技術を入手しているものの、両者ともにF91の大容量メガコンデンサの再現にまでは至っていない。
- アナハイム側は更に入手した技術を基にハーディガンやGキャノン・マグナで廉価版ヴェスバーとも呼べるビーム射撃兵装類を実装。更にヴェスバーを独自発展させた「G-B.R.D」を独自開発している。
- 機動戦士ガンダムF91
- ガンダムF91に搭載されている。ジェガンやヘビーガンのライフルではCVのMSのビーム・シールドを貫通できなかったが、F91のヴェスバーはこれを可能としていた。また背面待機時に発射し後方に迫るバグを撃破する場面も見られた。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム
- 量産型ガンダムF91はヴェスバーを装備。開発から10年以上経ってもなお、その威力は高く後発機であるクロスボーン・ガンダムX1改ですら、ビーム・シールドを二枚重ね、更にビーム・ザンバーをシールド代わりにしなければそのメガ粒子ビームを防ぎ切る事はできず、更にそれでも完全にダメージを防ぐ事ができずセンサーに損傷を負っている。
- 機動戦士Vガンダム
- V2アサルトガンダム用のオプション兵装として登場。従来のヴェスバーとは異なりバックパックに搭載されたモジュール武装ではなくサイドスカートにハードポイントを介して接続され、解放バレル式が採用されている。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
- バイラリナの脚部にメガ粒子ビームの収束率を上げ絞り込む事で出力面の負荷を軽減しつつ高貫通力・高連射性・長射程を実現した「ニードル・ヴェスバー」が採用されている。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST
- バイラリナの量産モデルであるバイラリナ・マスが木星で生産ラインに乗せられている。地球圏でのビーム兵器技術の大幅な衰退に伴い、ヴェスバーの優位性を優先している事が伺える。