ガンダム試作1号機

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ガンダム試作1号機
外国語表記 GUNDAM GP01
登場作品
デザイナー 河森正治
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スペック
コードネーム ゼフィランサス
分類 汎用試作型モビルスーツ
型式番号 RX-78-GP01
頭頂高 18.0m
本体重量 39.7t
全備重量 65.0t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 1,790kw
スラスター総推力 108,000kg (42,000 kg×2 12,000 kg×2)
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
開発組織 アナハイム・エレクトロニクス社
所属組織 地球連邦軍
所属部隊 アルビオン隊
母艦 アルビオン
主なパイロット コウ・ウラキ
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概要 [編集 | ソースを編集]

ガンダム開発計画によって製造された3機のガンダムのうちの1機。RX-78ガンダムのさらなる高性能化を目指し、次期主力モビルスーツを開発するためのテストヘッドとして試作されたガンダムタイプの内、「汎用型MS」の重力下仕様機となっている。開発はアナハイムの先進開発事業部「クラブ・ワークス」が担当。ガンダム開発計画で開発されたガンダム各機には花の名前のコードネームが付けられており、1号機は「ゼフィランサス」のコードネームで呼ばれる。花言葉は「清き愛情」。

ガンダムは汎用多目的MSとして開発されたため、RX計画によって提出された案件のほとんどすべてを盛り込んだ機体群の一つとして設計された、単純に言えば「万能型MS」と呼べる機体であった。それに対し、ガンダム試作1号機は一年戦争における多様なMSの実働データをもとにMSの「万能性」という概念の再検討を行った結果得られた「汎用多用途」性を主眼に置いて設計されている[1]

実験機という性質上、センサー類などが増設されており、ガンダムに搭載されていたバランサーやセンサーは更にブラッシュアップ、あるいは設計変更され、むき出しで仮設されている部分もある。また、汎用人型兵器としての思想を更に追求した結果、より人間に近い運動・可動が可能なよう設計されており、この設計思想はのちのムーバブルフレームへと昇華される事になる。

パイロットおよび戦闘データのサバイバビリティを確保するため、ガンダムから引き続きコアブロックシステムを採用している他、ガンダムで問題となっていた腹部の構造的な脆弱さを補う為に従来のバーティカル・イン・ザ・ボディではなく、コア・ブロックを水平に格納するホリゾンタル・イン・ザ・ボディ方式が試験的に採用されている。コクピットブロックの移動方式などはガンダムとほぼ同一だが、コア・ブロックとしての機能自体が見直され、変形やボディ内でのレイアウトが変更されている。この機体は、メイン・ジェネレーター及びメイン・スラスター、各種の操縦、管制機器のほとんどがコア・ファイターに搭載されているため、主機であるコア・ファイターを換装するだけで、空間戦闘から重力下まで適応可能となるよう配慮されている[2]

ガンダム試作1号機の頭部は、ガンダムと同様に頭頂部のメインカメラと一対のデュアルカメラ、そして2門の60mmバルカンなどが内装されている。この外観はガンダムタイプMSの特徴ともなっているが、試験機である試作1号機にはさらにモニタリング用の装備が多数増設されており、デュアルカメラは視差による計測が可能なモードも有していた。メインコンピュータは基本的にコア・ファイターに搭載されているが、頭部ユニットを副次的なコ・プロセッサーフレームとするシステムも継承され、コア・ファイター側のコンピュータの負担やコストを減らす事を可能とする。一方で、機体各所に分散配置された各種センサーを統合制御する機能を機体自体に盛り込む事で、MSのさらなる擬人化を達成するコンセプトを有している。

四肢にはジオン・連邦系の技術融合によって実用化した新型の駆動方式を試験的に採用しており、肩部構造はその可動部品やアクチュエータのほとんどを腕部に集中して格納している。これは、コアブロックを内装する必要から生じた構造であるが、逆に関節構造自体の画期的な改善を可能とし、可動部品の体積あたりのトルクを向上させ、アクチュエータの小型化をも実現させた。股関節も肩関節と同様の高トルクアクチュエータが脚部に集中して内装されているため、構造が複雑で頻繁なメンテナンスが必要だった股関節自体の設計が変更されている[3]

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
初登場作品。前半の主役機を務める。アナベル・ガトーに強奪されたガンダム試作2号機を追うため、その場に居合わせたコウ・ウラキが乗り込み、以降彼の乗機となった。パイロットのコウは新米とはいえ、回を追う毎に乗りこなしていくようになり、次第にパイロットとしての頭角を現すことになる。宇宙に上がった際の戦闘で宇宙用装備に換装しないまま出撃し、シーマ・ガラハウとの交戦するも大破。その後ガンダム試作1号機フルバーニアンへと改修された。
機動戦士ガンダム0083 REBELLION
ストーリーの変更に伴い、チョバムアーマーや水中用ユニット等の新装備が追加され、換装型ガンダムとしての性格を強めている。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊機能[編集 | ソースを編集]

コアブロックシステム
コア・ファイターIIがボディユニットと合体し、コックピット兼脱出ポッド及びバックパックとして機能する。また、コアブロックシステム自体も換装システムの一部も兼ねている。
換装
装備を換装して様々な戦場に対応可能。主なバリエーションとして重力下仕様と宇宙仕様が存在し、コア・ファイターの換装と追加装備によってそれぞれの環境に適応する。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

60mmバルカン砲
頭部に2門内蔵。主に牽制や迎撃に用いられるが、至近距離であれば敵機に致命的なダメージを与える事も可能とされる。バルカン砲は頭部に埋没しておらず、側頭部に半楕円状に盛り上がった形になっている。
ビーム・ライフル
最新技術であるEパック方式を採用した試作ビーム・ライフル。一年戦争時からビーム兵器の開発に携わっていたブラッシュ社(AEブラッシュ社)のもので、威力と精度に定評がある。型式番号BOWA・XBR-M-82H[4]。出力1.5MW。この時点では共通の規格品とはなっていないが、Eパック方式を採用し、これを交換する事で内蔵型エネルギーCAP方式と比較してトータルの射撃可能回数が向上した。予備のEパックはシールド裏に二基マウントする。
ビーム・ジュッテ
銃身部に備えられた緊急防御用の小型ビーム・サーベル。古代日本の道具「十手」に由来する防御兵装であり、敵の近接攻撃を受け止める際に使用される。後にバンシィ・ノルンが同様の兵装を装備している。
ブルパップ・マシンガン
ジム改などの主兵装である90mm口径のプルバップ式マシンガン。試作2号機の追撃戦以降の地上戦で使用している。第3話の模擬戦ではペイント弾を使用。
ビーム・サーベル
バックパック上部に2基装備する。コア・ファイター時のビーム・ガンと兼用装備になっている。
ビーム・ガン
バックパックにマウントしたビーム・サーベルはビーム砲として使用可能。主にコア・ファイター時に使用されるが、火力は低く威嚇に使える程度。火器としての性能向上はフルバーニアンへの改修を待つ事になった。
シールド
対ビームコーティングが施されたシールド。2~3度までならビーム砲の直撃も防御する事ができるという。携行・移送時の取り回しを考慮し伸縮機構を採用しており、非使用時の慣性モーメントを軽減できた。シールド裏にはEパックを2つ携帯する事が可能。後のガンダムMk-IIネモのシールドにも同様の伸縮機構が取り入れられている。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY[編集 | ソースを編集]

ガンダム試作2号機
第1話~第2話より、同作の目玉であるガンダム対ガンダムの幕開けとなった3度に渡る対決シーン。強奪された2号機を止めるべく1号機に乗り込み2号機の前に立ち塞がるコウだったが、相手は一年戦争でその名を知らしめたエースパイロット「ソロモンの悪夢」。新米パイロットのコウとの力量の差は歴然で、牽制のバルカンに怯み、切り結びでは相手に容易く押し返されてしまった。相手が離脱を優先したため事なきを得たものの、相手が歴戦のエースという事実に動揺を隠しきれないコウ達だった。
続く追撃戦ではコムサイIIで離脱しようとする2号機を阻止するも相手は別の回収ポイントへ向けて脱出。その後、濃霧の中で再び2号機と対峙する。視界不良と入り組んだ地形によって両者の力量差は縮まり、コウは2号機に果敢に接近戦を挑むが、切り結びを繰り返す中、次第に追い詰められ、再び2号機の目の前で転倒してしまい絶体絶命の危機に陥る。2号機が止めを刺そうとするが、その時ニナから2号機の冷却装置を攻撃するよう通信が入る。MSについて熟知しているコウはすかさずサーベルを逆手に持ち2号機のシールドのラジエーターをピンポイントで突き刺した。弱点を突かれた2号機はやむなくその場を離脱し、回収艇で脱出。2号機の奪還に失敗しただけでなく力量の差を見せ付けられ苦汁を飲まされるコウだった。
ジム・カスタムモンシア機)
第3話より、ガンダムパイロットの座を賭けた、独断による模擬戦。勝負は演習場であるコロニーの落着跡で行われた。ベテランのモンシア相手に防戦一方のコウだったが、前回の戦闘から機体に慣れ始めていたため、粘り強く耐えてみせる。業を煮やしたモンシアはコロニーの残骸内にコウを誘い込み、頭上から不意打ちを仕掛けようとするが、足元が崩落し失敗。後退しつつ迎撃するコウだったが、背後の残骸に衝突。崩落した残骸で身動きが取れなくなってしまう。止めを刺そうと接近するモンシアだったが、コウは機転を利かせ、逆噴射で粉塵を発生。モンシアは視界を封じられる。そこへコウは真正面から体当たりし、2機はもつれ合ったまま残骸の外へと飛び出る。衝撃から立ち直るモンシアだったが、その眼前にあったのはガンダムから向けられた銃口だった。こうして模擬戦はコウの勝利で終わった。
結局、直後に駆けつけたバニングによって、勝負は2人揃って1週間の独房入りを食らうオチで終わることになる。
ザクIIF2型 (ビッター機)
第4話より。アルビオンに止めを刺そうとしたビッターを間一髪、遠方からの狙撃で撃墜。大金星をあげる。
シーマ専用ゲルググM

関連機体[編集 | ソースを編集]

別仕様・装備バリエーション [編集 | ソースを編集]

ガンダム試作1号機フルバーニアン
シーマ・ガラハウとの戦闘で大破した試作1号機を、宇宙用に大幅に改修した機体[5]
ガンダム試作1号機 (チョバム・アーマー装備)
『REBELLION』に登場。試作2号機の護衛用に対核処理を施された増加装甲(チョバムアーマー)を装着した形態。
ガンダム試作1号機 (アクア装備)
『REBELLION』に登場。アクアジムの装備を流用した水中戦装備。
GアーマーII
『REBELLION』に登場。重戦闘機GファイターIIが本機を収納した形態。作中では上記のアクア形態を収容した。
フルアーマー・ゼフィランサス
書籍『マスターアーカイブ モビルスーツ RX-78GP01ゼフィランサス』に掲載されているオリジナル形態。FSWS構想の進化型ともいえる機体になっている。

系列機・派生機 [編集 | ソースを編集]

ガンダム試作0号機 / ガンダム試作2号機
ガンダム試作3号機 (デンドロビウム / ステイメン) / ガンダム試作4号機
同じくGPシリーズに属する機体。それぞれ試作0号機からコンセプトを分割する形で開発されている。
ガンダム
コンセプトの大本となった機体。MSとしての性能を追求する為に万能性を捨て、換装によって運用環境に適応するのが試作1号機のコンセプトとなっている。

その他 [編集 | ソースを編集]

ガンダムMk-II試作0号機
機体の一部形状(V字アンテナなど)や武装に共通点が見られる事から何らかの関わりがあると思われる。
ガンダムアルビオン
ガンダムビルドファイターズトライ』第25話 (最終回)に登場する改造ガンプラ。公募企画「オリジナルモビルスーツ選手権」のガンプラコース優勝作品であり、本機とステイメンのHGUC、アルビオンのEXモデルのミキシングとなっている。

余談[編集 | ソースを編集]

  • 本機のフロントアーマーは設定画では太腿部とパイプで繋がった珍しい形状に描かれている。しかしガンプラや可動フィギュアとして立体化する際、これを忠実に再現すると可動の邪魔になるため、2019年7月に発売されたROBOT魂が登場するまで再現されなかった。

商品情報[編集 | ソースを編集]

ガンプラ[編集 | ソースを編集]

フィギュア [編集 | ソースを編集]

書籍 [編集 | ソースを編集]

資料リンク [編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 「多目的」と「多用途」の違いは、当初からあらゆる機能を一つの機体に盛り込む事はせず、オプションによって機体の機能を特化させ、万能に近い多目的性を確保するという考え方である。
  2. 無論、機体の各種アライメント調整やメンテナンス等は必要で、諸領域に特化された専用機にはかなわないが、空間用装備も同時期に開発されていた。
  3. 試作1号機の関節部分の構造が露出している部位が多いのは、この検証と構造検査やメンテナンスを容易にする側面があった。
  4. 重力下仕様はBOWA・XBR-M-82-05H、宇宙用をBOWA・XBR-M-82-06Aとする資料もある。
  5. 本来はコア・ファイターの換装と多少のパーツ換装によって宇宙/地上双方に対応する予定であった