ウルフ・エニアクル

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ウルフ・エニアクル(Woolf Enneacle)

地球連邦軍に所属するモビルスーツパイロット。「白い狼」の異名を持つエースで、その名が示す通り、彼の乗機はすべて白一色のカラーリングに染め上げている。
元々はモビルスポーツのレーサーであったが、自分と渡り合えるライバルレーサーがいなくなった為、さらなる刺激を求めて軍に入隊した。
理屈よりも動物的勘を頼りに行動する天才肌だが、レーサー時代にライバルの有効なテクニックは貪欲に盗み取るなど、才能に溺れない努力家でもある側面が見て取れる。
自信家でナルシスト、美女にはすぐに手を出すなど型破りな性格ではあるが、仲間を守る想いは強く、第一部ではフリットを、第二部ではアセムを(当人には面と向かって言わないが)気にかけ心配するなど、まさしく「狼の群れのリーダー」と言える人物である。

パイロットとしての能力は一流で1部では性能で劣るジェノアスカスタムでフリットのガンダムAGE-1をフリットの実戦経験が少なかったとは言え模擬戦で圧倒する程で、Gエグゼスに乗り換えた後もフリットと共にディーヴァのエースパイロットとして戦果を挙げている。

第二部では白い狼と呼ばれていたと過去形でアリーサ達からは実力を疑問視されていたが、ウルフ隊の初陣でアリーサのアデルの背中に取りついたドラドの頭部を正確に撃ち抜いたり、ゼダスMを単機で撃墜するなど、年を感じさせないどころか年を重ねた事で技量がより洗練されている。その上、ソロンシティでは単独でテクノソロン社に潜入した時に高い身体能力も見せている。

登場作品と役柄

機動戦士ガンダムAGE(第一部)
第一部では登場したキャラでは唯一のディーヴァの正規クルー。スペースコロニー・ノーラ脱出後、ディーヴァ内のヒーリングスリープから目覚める。
グルーデック・エイノアに掛け合ってMS隊の隊長に任命された際、カラーリングが白を基調としていた事やその性能からガンダムを気に入り、正式なパイロットの座を賭けてフリットと模擬戦を行ったりもした。
結果としてフリットの才能を認め、ガンダムのパイロットの座も諦めるが、レーサー時代からの馴染みであるマッドーナ工房に自分専用のスーパーモビルスーツ「Gエグゼス」を発注し、受領後は更なる戦果を挙げて最後まで戦い抜いた。アンバット攻防戦ではフリットと共にギーラ・ゾイの駆るデファースを相手取る。尚、この戦いの直後に瀕死のヴェイガン兵を看取り、彼の遺品を密かに持ち帰っている。
機動戦士ガンダムAGE(第二部)
コウモリ退治戦役以降、少佐に昇進しており、フリットの息子であるアセム・アスノ達の上官として就任。それまでは特殊部隊など所属を転々としていたが、死ぬならMSの中で死にたいという信念からパイロットとして現場にとどまり、ディーヴァMS隊の隊長に落ち着く。
若い頃の子供っぽさはなりを潜め、父やゼハートと違いXラウンダーの素質が無い事に劣等感を感じて苦しむアセムを励ましたり、普通の人間でもXラウンダーに勝てる事を実戦で示す等、MS部隊のメンバーにとって戦力的にも精神的にも大きな支えとなっている。
ノートラム攻防戦にて、デシルの攻撃からアセムを庇い、「スーパーパイロットになれ」と告げて戦死した。
機動戦士ガンダムAGE(第四部)
ユリンやグルーデックなどと共にフリットを憎しみと自責の念から解放する。
機動戦士ガンダムAGE(小説版)
UEの出現により銀の杯条約が有名無実化した地球圏で各地の紛争の武力制圧を行い、その際の戦果でエースパイロットの称号を得ている。その際に少年兵との戦闘も幾度となく経験しており、その経験で「子供を戦場に出す」事を表に出さないながらも嫌悪している。
3巻ではディーヴァMS隊の隊長を務める。階級は少佐。普通、彼の年齢と戦果を考えると前線にいる事を疑問視する人も居るだろうが、昇格しそうになると気に喰わない上官を殴ってわざと激戦区に転属されるようにし続けてきた。この事については自分を「殺し合いが好きでたまらない」と言っているが、若者を戦線に立たせたくないという想いが見え隠れしている。アセムアリーサマックスの3人を圧倒し、自分を落とすまで長時間のシミュレーションを続けさせる等の鬼教官としての一面も見せるが、これも彼らに生き残れるだけの実力を付けさせる事と3人の結束力を高めるのが狙いであったと言える(といっても内容は恐ろしく過酷だったらしい)。
機動戦士ガンダムAGE トレジャースター

人間関係

第一部

フリット・アスノ
共にディーヴァの一員となり、行動する。最初は反りが合わなかったが、幾度もの戦いを経て彼を戦士として認めていく。第二部では彼の意志で再びディーヴァに戻る事になる。
コウモリ退治戦役後にフリットが軍に入隊した際にはコンビを組んでおり、「二筋の流星」と呼ばれていたという。
グルーデック・エイノア
ラーガン・ドレイス
戦友。
ミレース・アロイ
初対面の時から「ミーちゃん」の愛称を付けてたりして、馴れ馴れしさから当初は鬱陶しがられていたが、後に好意を持たれているような描写がある。第二部までの25年間に関係が進展したのかは不明だが、ともに独身のためマックスから仲を疑われている。
ムクレド・マッドーナ
レーサー時代から懇意にしている技術者。愛機であるGエグゼスを作った張本人。2部以降も付き合いはあった。
ララパーリー・マッドーナ
ディケ・ガンヘイル
1部ではウルフの事を一方的に知っているだけだったが、2部ではアセムを連れてマッドーナ工房に行く際にAGE-2のデータを無断で渡している。

第二部

アセム・アスノ
ディーヴァ配属時の部下。不器用ながらも強さを求め続ける彼を、時には叱咤しつつも見守り続ける。悩み自信を失ったアセムにXラウンダーに代わる目標としてスーパーパイロットの言葉を授ける。
アリーサ・ガンヘイル
部下。
マックス・ハートウェイ
部下。小説版では弱音を吐く彼に対してアセム共々苛烈(?)な叱責を言っている。
オブライト・ローレイン
部下。ディーヴァに配属以前にも部下だった時があるため、彼はウルフの事を「模範的な軍人ではないが、最高の隊長」と高く評価している。
レッシー・アドネル
マジシャンズ8の一員。「地球種」と侮ってかかるが、ウルフの技量の前に完敗して戦死。
デシル・ガレット
ヴェイガンのXラウンダー。友軍を捨て駒にしてアセムを討とうとしたところをウルフが庇ったためにウルフを殺した。
BDの特典イラストでは人気投票の結果を反映してウルフとのツーショットになっており、MSでなくレースで決着を付ける様子が描かれている。

名台詞

第一部

「戦いの匂いがする…」
「最高が似合う、最高の俺!」
「つまり、白いモビルスーツは俺の物。すなわち、そこにあるガンダムとやらも俺の物だ!」
出会って間もないフリット、そしてガンダムに対して言ったセリフ。この後、ガンダムとジェノアスカスタムとで模擬戦をする事になり、以降は次第にフリットの事を認めていく。

第二部

「いよいよウルフ隊の初陣だ。その前に一言言っておく、せっかくイジメ甲斐のある部下ができて、楽しみが増えたところなんだ。良いか、全員生きて帰って来い!操縦桿にかじりついてもな!」
「全員集まったか。聞け!俺たちは生き延びる。全員そろってだ!しかし!そのためには覚悟が必要だ。戦い抜くという覚悟がな!例え相手が誰であろうと戦い抜く!良いな!」
「戦うのは辛いが、仲間が死ぬのはもっと辛い。良いか皆、生き延びるぜ!」
戦いを前にしてウルフ隊の部下に対しての生き残るように言っていた時の台詞。しかし、ノートラム防衛までウルフ隊は全員生き延びる事が出来たが当のウルフだけはディーヴァに戻る事はなかった。
「赤とか黒とか…イケてねぇんだよぉ!!」
ビッグリング攻防戦でゼイドラクロノスの2機と交戦した際の台詞。彼の感性ではこの2機のカラーリングは気に入らないらしい。
「先読み能力だかなんだか知らねぇがぁ!!」
「…これが俺様の『技量』って奴だ」
レッシー・アドネルゼダスMを撃破した際の台詞。
「…いいじゃねぇか。Xラウンダーになれないなら、お前はスーパーパイロット、アセム・アスノになればいいんだよ――――Xラウンダーじゃないけど、凄ぇパイロットって意味さ。この俺様の様にな」
Xラウンダーでない自分に対して葛藤するアセムに対して言ったセリフ。父やゼハートに対する劣等感で苦しんでいたアセムにとって、後にこれは天啓となる。
「アセム…スーパーパイロットになれ………誰よりも…この俺よりもすげぇ、宇宙一のパイロットにな――――期待…してる…ぜ…」
ノートラム攻防戦で深手を負ったとき、アセムに言い残した名言。この言葉はアセムの心に残り、後にウルフ以上のスーパーパイロットとなる。
「フリット……今までお前のおかげでたっぷりと楽しませてもらった。救世主になるってアレ、最後まで貫けよ」
ウルフの戦死後のフリットの回想でのセリフ。ウルフの戦死がフリットがヴェイガンへの憎しみを募らせる一つとなった。

第四部

「お前はマジでスゲェ奴だ。もういいんじゃねぇか?」
フリットを憎しみから解放した時の台詞。

搭乗機体・関連機体

シャルドールG
レーサー時代の搭乗機。
ジェノアスカスタム
第一部当初の乗機。ガンダムと模擬戦しただけで出番終了となってしまう…。
漫画版では多少なりとも活躍している。
Gエグゼス
ジェノアスカスタムから乗換え。
シャルドール
マッドーナ・ファクトリーシップでの戦闘で、ゼダスに対抗すべく艦内にあった本機を借り受けている。
Gバウンサー
第二部での乗機。

話題まとめ

資料リンク

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