「リック・ドムII」の版間の差分

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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[統合整備計画]]に準じて[[リック・ドム]]を再設計した機体。名称の「II」はドイツ語で「2」を意味する「ツヴァイ」と呼称される。
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[[一年戦争]]後期、[[ジオン軍]]において実施された[[統合整備計画]]に準じ、[[リック・ドム]]を再設計した機体。名称の「II」はドイツ語で「2」を意味する「ツヴァイ」と呼称される。
  
最初から宇宙用の機体として設計されているため、装甲形状やフォルムは空気抵抗を考慮しない平面的な物となっている。[[ゲルググ]]の技術も導入されており、ジェネレーターやスラスターの改良、姿勢制御用バーニアの追加など基本性能の向上と改善が行われている。また、他の機体と共通規格のパーツが使用されたことで生産性や整備性、互換性と操縦性の面も格段に向上している。
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リック・ドムは元来陸戦用[[モビルスーツ]]「[[ドム]]」として開発され、そこから多少の仕様変更を経て[[ザクIIF型|ザクII]]に代わる空間戦闘用MSとして運用された機体であり、リック・ドムIIは統合整備計画を経てより宇宙空間での運用に適した機能と形状を持つ機体として開発された。
  
他にはランドセルにはプロペラントタンクを2基装備することが可能となり、リック・ドムより200%以上の行動時間を獲得している。また、頭部のモノアイカバーが球面構成となり、視野の拡大も行われている。脚部の高出力スラスターを使用することで重力下でもホバー移動を可能としているが、本領を発揮できるのは宇宙空間である。
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この機体は試作段階から[[ゲルググ]]などの技術も導入されていると言われ、生産工程の簡略化と機体強度の増加、スラスター推力の向上など、各部の機能強化及び改善が図られている。特にパイロットの調達に問題を抱えていた軍の要請として操作性の改善及び統一が求められており、第2期生産型のコクピットが採用されている。
  
リック・ドムIIは本格的な量産体制が整い次第、各地に配備される予定であったが、その前段階で終戦を迎えることとなったため、戦時中に実戦配備された数は非常に少なく、一部の特務部隊などに配備されるに留まったとされている。
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ヘッドユニットは3次元的な走査が可能なようレールが配置されたドムタイプの特徴を踏襲しつつ、更に視野を拡大するためモノアイカバーを球面構成としている。また、リック・ドムIIはランドセルに専用のプロペラントタンクを装備する場合が多く、装備時にはいわゆるノーマルのリック・ドムと比べ宇宙空間における作戦行動時間は200%ほど延長される。
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リック・ドムIIは、本格的な量産体制が整い次第、各地に配備される予定であったが、その前段階で終戦を迎えたため、配備された機体数は決して多くはない。それでも、[[宇宙世紀]]0083年の[[デラーズ紛争]]時には相当数の機体が[[星の屑作戦]]に参画していたとも言われており、パーツ状態のものも含めた最終的な生産数は確認されていない。
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一説には、大気圏内や[[スペースコロニー]]、重力下での運用も可能なよう調整された機体<ref>たとえばゲルググは特に地上用の改装を受けていなくとも、地球上で戦後数年を経ても稼働可能な機体が複数存在しており、その技術や部材の一部を取り入れたリック・ドムIIが、ザクII並みの汎用性を獲得していたとしても不思議ではない。</ref>も存在し、それら機体の殆どがライトグリーンで塗装されていたと言われている。
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
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=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;ジャイアント・バズ(ジャイアント・バズII)
 
;ジャイアント・バズ(ジャイアント・バズII)
:従来のジャイアント・バズを改良した360mm大口径バズーカ。使用弾頭の変更で威力が向上しており、対艦攻撃にも有効となっている。また、照準用スコープや排ガス処理機構の改良により操作性が向上しており、[[ドム]]系列機以外でも運用が容易となっている。
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:一年戦争時に仕様されたMSの携行用としては最大級の実体弾武装。ドム及びリック・ドムの代名詞ともなった武装だが、大戦末期にはドム以外の機体にも多用された。
 
;拡散ビーム砲
 
;拡散ビーム砲
:胸部左側に内蔵されているビーム砲。出力向上により武装としての信頼性が向上しており、目眩しではなく近距離武装としての使用も可能となっている。
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:胸部左側に内蔵されているビーム砲。初期のドムタイプに搭載されたデバイスよりも高出力下されており、幻惑効果のみならず、近接戦闘時には短距離ビーム砲としても効果がある。
 
;ヒート・サーベル
 
;ヒート・サーベル
:棒状の加熱式実体剣。非使用時にはランドセル側面にマウントされる。
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:刀身部を白熱化し、敵の期待を溶断する実体剣。一年戦争時、[[サイド6]]に派遣された機体には装備されていなかったが、戦後[[ジオン残党]]などが仕様していた機体による装備が確認されている。
 
;シュツルム・ファウスト
 
;シュツルム・ファウスト
:使い捨て式の携行ロケットランチャー。命中率は悪いが、高い威力を有する。
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:一年戦争後期に多用された使い捨て式の携行ロケットランチャー。自動追尾装置などはなく、移動する標的に名中させるのは非常に難しいが、携帯用の武装としては強力な部類に入る。
 
;[[MMP-80]]マシンガン
 
;[[MMP-80]]マシンガン
:取り回しの良い射撃兵装。『0080』に登場したモデルは前期型で、『0083』に登場したモデルは後期型に分類される。
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:ジオン軍の一般的なMS用火器。グレネードランチャーを装備可能な後期型も存在し、そちらは主にデラーズ紛争で使用された。
;ジャイアント・バズ
 
:従来のジャイアント・バズ。[[アクシズ]]の[[ラカン・ダカラン|ラカン]]機が使用した。
 
 
 
 
=== その他 ===
 
=== その他 ===
 
;超大型ヒート剣(超大型ヒート・サーベル)
 
;超大型ヒート剣(超大型ヒート・サーベル)
 
:[[マルコシアス隊]]の[[ギー・ヘルムート]]機が装備している試作武装。空間戦における艦船の破壊を目的に開発された武装で、機体の全長を大きく上回るサイズで出力も段違いである。なお形状は異なるが、[[ドム・グロウスバイル]]にも同様の武装が装備されている。
 
:[[マルコシアス隊]]の[[ギー・ヘルムート]]機が装備している試作武装。空間戦における艦船の破壊を目的に開発された武装で、機体の全長を大きく上回るサイズで出力も段違いである。なお形状は異なるが、[[ドム・グロウスバイル]]にも同様の武装が装備されている。
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;ジャイアント・バズ
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:従来のジャイアント・バズ。[[アクシズ]]の[[ラカン・ダカラン|ラカン]]機が使用した。
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;ビーム・バズーカ
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:主に[[リック・ドム]]が使用している機体の全長を上回る長さの銃身を持つ大出力のビーム兵装。『ガンオン』で装備されていた。
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
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*[[登場メカ]]
 
*[[登場メカ]]
  
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2024年8月2日 (金) 21:19時点における版

リック・ドムII
読み リック・ドム ツヴァイ
外国語表記 Rick Dom II
登場作品
デザイナー 出渕裕
テンプレートを表示
スペック
分類 宇宙戦用量産型モビルスーツ
生産形態 量産機
型式番号 MS-09R-2
頭頂高 18.6m
本体重量 45.6t
全備重量 79.9t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 1,219kW
スラスター総推力 110,000kg
姿勢制御バーニア数 9基
装甲材質 チタン・セラミック複合材
センサー有効半径 5,400m
開発組織 ジオン公国軍
所属組織
所属部隊
  • マルコシアス隊
  • 主なパイロット カリウス・オットー
    ギー・ヘルムート
    リリア・フローベル
    テンプレートを表示

    概要

    一年戦争後期、ジオン軍において実施された統合整備計画に準じ、リック・ドムを再設計した機体。名称の「II」はドイツ語で「2」を意味する「ツヴァイ」と呼称される。

    リック・ドムは元来陸戦用モビルスーツドム」として開発され、そこから多少の仕様変更を経てザクIIに代わる空間戦闘用MSとして運用された機体であり、リック・ドムIIは統合整備計画を経てより宇宙空間での運用に適した機能と形状を持つ機体として開発された。

    この機体は試作段階からゲルググなどの技術も導入されていると言われ、生産工程の簡略化と機体強度の増加、スラスター推力の向上など、各部の機能強化及び改善が図られている。特にパイロットの調達に問題を抱えていた軍の要請として操作性の改善及び統一が求められており、第2期生産型のコクピットが採用されている。

    ヘッドユニットは3次元的な走査が可能なようレールが配置されたドムタイプの特徴を踏襲しつつ、更に視野を拡大するためモノアイカバーを球面構成としている。また、リック・ドムIIはランドセルに専用のプロペラントタンクを装備する場合が多く、装備時にはいわゆるノーマルのリック・ドムと比べ宇宙空間における作戦行動時間は200%ほど延長される。

    リック・ドムIIは、本格的な量産体制が整い次第、各地に配備される予定であったが、その前段階で終戦を迎えたため、配備された機体数は決して多くはない。それでも、宇宙世紀0083年のデラーズ紛争時には相当数の機体が星の屑作戦に参画していたとも言われており、パーツ状態のものも含めた最終的な生産数は確認されていない。

    一説には、大気圏内やスペースコロニー、重力下での運用も可能なよう調整された機体[1]も存在し、それら機体の殆どがライトグリーンで塗装されていたと言われている。

    登場作品と操縦者

    機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
    初出作品。第1話のリボー内部における戦闘で緑色の機体が登場し、第2話では通常カラーの機体が陽動作戦やガンダムNT-1のシミュレーター中に登場した。
    機動戦士SDガンダム MARKーIV
    同作に収録されている『夢のマロン社・宇宙の旅』に登場。『0080』以前の設定を用いているため、ドム及びリック・ドムのリデザイン機としての登場となる。リアルガンダム世界に迷い込んだアッガイ一行に対し、宇宙では彼らの乗るガブスレイ号に集中攻撃を仕掛けたり、ジャブローでは陸に上がったアッガイを2度も撥ね飛ばしている。
    機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
    宇宙での戦闘においてデラーズ・フリート所属機が多数登場する。特にカリウス・オットー機は単機でガンダム試作2号機を迎撃するジム改複数機を相手取るなど活躍し、デラーズ紛争終結まで残存している。
    機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク
    本編後半、グラナダマルコシアス隊が受領し、ギー・ヘルムートの乗機となった。同時に受領した超大型ヒート剣で戦果を上げるものの、ア・バオア・クー攻防戦でペイルライダーの動きを封じた際に撃墜された。

    装備・機能

    武装・必殺攻撃

    ジャイアント・バズ(ジャイアント・バズII)
    一年戦争時に仕様されたMSの携行用としては最大級の実体弾武装。ドム及びリック・ドムの代名詞ともなった武装だが、大戦末期にはドム以外の機体にも多用された。
    拡散ビーム砲
    胸部左側に内蔵されているビーム砲。初期のドムタイプに搭載されたデバイスよりも高出力下されており、幻惑効果のみならず、近接戦闘時には短距離ビーム砲としても効果がある。
    ヒート・サーベル
    刀身部を白熱化し、敵の期待を溶断する実体剣。一年戦争時、サイド6に派遣された機体には装備されていなかったが、戦後ジオン残党などが仕様していた機体による装備が確認されている。
    シュツルム・ファウスト
    一年戦争後期に多用された使い捨て式の携行ロケットランチャー。自動追尾装置などはなく、移動する標的に名中させるのは非常に難しいが、携帯用の武装としては強力な部類に入る。
    MMP-80マシンガン
    ジオン軍の一般的なMS用火器。グレネードランチャーを装備可能な後期型も存在し、そちらは主にデラーズ紛争で使用された。

    その他

    超大型ヒート剣(超大型ヒート・サーベル)
    マルコシアス隊ギー・ヘルムート機が装備している試作武装。空間戦における艦船の破壊を目的に開発された武装で、機体の全長を大きく上回るサイズで出力も段違いである。なお形状は異なるが、ドム・グロウスバイルにも同様の武装が装備されている。
    ジャイアント・バズ
    従来のジャイアント・バズ。アクシズラカン機が使用した。
    ビーム・バズーカ
    主にリック・ドムが使用している機体の全長を上回る長さの銃身を持つ大出力のビーム兵装。『ガンオン』で装備されていた。

    対決・名場面

    関連機体

    リック・ドム
    ベース機。
    プロトタイプ・リック・ドムII
    本機の試作型。外見がドム・トローペンに似通っている。
    ドライセン
    本機を元にネオ・ジオン軍が開発した機体。

    商品情報

    ガンプラ

    資料リンク

    リンク

    脚注

    1. たとえばゲルググは特に地上用の改装を受けていなくとも、地球上で戦後数年を経ても稼働可能な機体が複数存在しており、その技術や部材の一部を取り入れたリック・ドムIIが、ザクII並みの汎用性を獲得していたとしても不思議ではない。