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== ガンダム開発計画(Gundam Development Project) ==
 
== ガンダム開発計画(Gundam Development Project) ==
  
[[一年戦争]]後、[[地球連邦軍]]が立ち上げた新規[[モビルスーツ]]開発計画。
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[[一年戦争]]後、[[地球連邦軍_(UC)|地球連邦軍]]の「連邦軍再建計画」の一環として立ち上げられた新規[[モビルスーツ]]開発計画。
  
[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY]]」の物語の発端である。
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一年戦争で[[ジオン公国]]に勝利し、その溜飲を仰ぐ[[地球連邦政府]]や地球連邦軍は復興と治安の維持に努めていた。そんな中、[[ジョン・コーウェン]]中将を中心とした派閥は連邦のモビルスーツ開発技術がジオンに比べて10年遅れている<ref>[[ガンダム]]はジオン系MSに対して優位を保っていたが、機動兵器の技術全体を俯瞰すれば部分的なアドバンテージに過ぎなかった。</ref>事、そして未だジオン残党軍が潜伏し、いつ蜂起してもおかしくない情勢を憂慮していた。この情勢の下、RX計画やV作戦で培った連邦系技術と新たに獲得したジオン系技術を融合した「最強のMS」を開発する新型モビルスーツ計画を立案。そのフラッグシップとして、地球連邦軍の最高級モビルスーツである[[ガンダムタイプ|ガンダム]]の発展型を打ち出した<ref>「ガンダム」の名称が用いられたのは、主に予算確保を容易にする政治的意図があったとされる。</ref>。
  
=== 開発の経緯 ===
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開発は戦後の一大吸収合併によってMS開発能力を獲得した[[アナハイム・エレクトロニクス社]]に委託<ref>開発体制は連邦とアナハイムとの共同開発だが、実際にはアナハイムへの「丸投げ」であり、連邦は機体のコンセプト提示のみにとどまっている。</ref>され、その開発を一手に担う事になった。開発は先進開発事業部(クラブ・ワークス)及び第二研究事業部が個別に試作機を開発する体制を採り、複数の試作機を開発。一年戦争後にアナハイム傘下になった諸企業も各事業部と連携・協力を取りつつ試作機用の機材を手掛けた。
一年戦争で[[ジオン公国]]に勝利した地球連邦軍。<br />勝利の溜飲を仰ぐ[[地球連邦政府]]や地球連邦軍は復興と治安の維持に努めていた。そんな中、一部地球連邦軍の間では危機感を募らせている勢力があった。彼らはジオンと連邦のモビルスーツ開発技術が、ジオンに比べて10年遅れていること。そして今だジオン残党軍が潜伏し、何時蜂起してもおかしくない情勢を考慮して、新型モビルスーツ計画を立案。地球連邦軍の最高級モビルスーツである[[ガンダムタイプ|ガンダム]]の発展型を打ち出した。計画の中心となったのは[[ジョン・コーウェン]]中将である。そして彼は計画を[[アナハイム・エレクトロニクス社]]に依頼して、計画を実行に移した。
 
  
=== 開発されたモビルスーツ(ガンダム) ===
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開発された機体は「GP(GUNDAM Project)シリーズ」と呼称され、技術的系譜に関係なく「RX-78」の型式番号が与えられ、花の名前に由来するコードネームが付けられている。GPシリーズは全5機が開発され、[[ガンダム試作0号機]]で得られたデータから各コンセプトに特化した4機のMSへと派生している<ref>これは試作0号機が単機での多機能化を突き詰めた結果、操作性を含めパイロットへの負担が大きかった事を反省しての措置でもあった。</ref>
計画では技術者達から様々なバリエーションが考案され、開発された。また、すべての機体に花の名前のコードネームがつけられている。<br />「[[ガンダム試作1号機|ガンダムGP01]]」は汎用性を追及し、地上用と宇宙用に換装する機体を開発(後に[[ガンダム試作1号機フルバーニアン|改装]]される事に)。<br />「[[ガンダム試作2号機|ガンダムGP02]]」は連邦軍の要請で、[[ジオン軍]]の核攻撃に対抗するため開発された戦略核搭載の機体。「核には核」という旧来西暦時代の政治様相を模範とした。<br />「[[ガンダム試作3号機|ガンダムGP03]]」は[[ガンダム試作3号機ステイメン|ガンダム・ステイメン]]をコアとし、ジオン軍が投入した[[モビルアーマー]]の攻撃力を武器とし、1機で戦況を変え得る「最強の機動兵器」目指した機体である。<br />「ガンダムGP04」は突撃・強襲用の機体として考案されたが、GP01とコンセプトが似通っていたために、連邦軍の素案から外れて計画は中断となった。しかし、GP04はアナハイムが独自に開発し、ジオン側へ引き渡されて「[[ガーベラ・テトラ]]」として生まれ変わった。
 
  
=== 開発後の経緯 ===
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[[ガンダム試作1号機]]と[[ガンダム試作2号機]]は、地球連邦軍の最新鋭戦艦「[[アルビオン]]」に搭載され、地球における重力化試験と2号機の核弾頭装填のため「[[トリントン基地]]」に移送された。しかし、計画の情報はジオン残党軍「[[デラーズ・フリート]]」に漏洩しており、試作2号機が彼らの反抗計画「[[星の屑作戦]]」の第一歩として強奪され、[[デラーズ紛争]]の火種となった。2号機は[[コンペイトウ]]で行われた観艦式で核弾頭を使用し、その後試作1号機との戦闘で相打ちという形で喪失。その後、デラーズ・フリートの星の屑作戦の最終段階である「[[コロニー落とし]]」を阻止すべく軍規に反する方法で[[ガンダム試作3号機]]がアルビオン隊で運用された。
「ガンダムGP01」と「ガンダムGP02」は地球連邦軍の最新鋭戦艦「[[アルビオン]]」で運用され、地球における重力化試験と、GP02の核弾頭装填のため「[[トリントン基地]]」に移送された。しかし、計画はジオン残党軍「[[デラーズ・フリート]]」に漏れ出し、彼らの反抗計画「[[星の屑作戦]]」に利用される。その第一歩として核弾頭を装填したGP02を奪取する。連邦軍側は奪取されたGP02を破壊すべく、アルビオンとGP01で追撃するが、GP02は「[[ソロモン|コンペイトウ]]」で行われた連邦軍の観艦式を襲撃、核を用いて観艦式に参加した艦船を攻撃し、連邦軍は軍事・政治面で大きな痛手を受けた。その直後にGP01とGP02は敵味方で相打ちとなり失われる。
 
  
デラーズ・フリートの星の屑作戦の最終段階の「[[コロニー落とし]]」を阻止すべく、コーウェン中将はGP03を投入してまで事態の収拾に務めたが、星の屑作戦を政治宣伝に利用するべく地球連邦軍提督[[ジーン・コリニー]]大将と、[[ジャミトフ・ハイマン]]大佐により事態の収拾を遅らせた。その結果、星の屑作戦の一連の責任によりコーウェン中将は排除され、軍の意向に反抗したアルビオン艦長[[エイパー・シナプス]]大佐は銃殺刑。そしてガンダム開発計画は一連の地球連邦軍の不祥事に関わることとして、計画自体が抹消され、開発されたガンダムらは技術と共に歴史の闇に封印された。
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デラーズ紛争後、星の屑作戦を阻止出来なかった一連の責任によりコーウェン中将は失脚し、軍の意向に反抗したアルビオン艦長[[エイパー・シナプス]]大佐は銃殺刑。GPシリーズに搭乗した[[コウ・ウラキ]]少尉は懲役刑とされた。その後、ガンダム開発計画は一連の地球連邦軍の不祥事に関わることとしてデラーズ紛争での一連の事象と共に公的記録から抹消。開発されたガンダムらは技術と共に歴史の闇に封印<ref>これに伴いコウの罪状も消滅・釈放となった。</ref>され、[[一年戦争]]から[[グリプス戦役]]までのMS開発史に空白を生む事になった。
  
=== その後 ===
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開発技術は封印されたが、計画の余剰予算と技術データは[[ティターンズ]]によって接収されており、[[ガンダムMk-II]]や[[TR計画]]にその一部が反映されている。その後、計画の詳細は宇宙世紀099年に公表され、開発史のミッシングリンクを埋める存在として専門家からの注目を浴びた。
計画に関わったアナハイム重役[[オサリバン]]が謎の自殺。軍の意向に反抗し、GP01とGP03に搭乗した[[コウ・ウラキ]]少尉は懲役刑とされた。しかし、後に計画の存在自体が抹消され、同時に彼も釈放となった。
 
  
開発技術は封印されたが、形を変えて先々の[[モビルスーツ]]開発計画に生かされている。<br />計画で開発されたガンダム達は、後の[[グリプス戦役]]で開発されたモビルスーツ群にも勝るとも劣らないポテンシャルがあり、仮に計画が更なる形で存続されればグリプス戦役におけるエゥーゴのモビルスーツ開発計画「[[Ζプロジェクト]]」などに代表されるように可変モビルアーマーをも凌駕するモビルスーツが開発された可能性は高い。
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GPシリーズは後の[[グリプス戦役]]で開発されたモビルスーツ群にも勝るとも劣らないポテンシャルを有し、仮に計画が更なる形で存続されていれば[[エゥーゴ]]の「[[Ζ計画]]」で開発された機体も凌駕するモビルスーツが開発された可能性は高い。
  
 
== 登場作品 ==
 
== 登場作品 ==
 
;[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY]]
 
;[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY]]
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:初出作品。物語の中心として試作1~3号機までが登場。1、2号機はコンペイトウでの戦闘で喪失、3号機はデラーズ紛争集結まで残存したが、その後の処遇は不明。
  
 
== 計画で開発された機体 ==
 
== 計画で開発された機体 ==
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*[[ジム・カスタム高機動型|RGM-79N-Fb ジム・カスタム高機動型]]
 
*[[ジム・カスタム高機動型|RGM-79N-Fb ジム・カスタム高機動型]]
  
== 話題まとめ ==
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== 関連用語 ==
<!-- *[[namazu:ガンダム開発計画]] (全文検索結果) -->
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;[[デラーズ紛争]]
 
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;[[星の屑作戦]]
== 資料リンク ==
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;[[TR計画]]
<!-- *[[一覧:ガンダム開発計画]] -->
 
  
 
== リンク ==
 
== リンク ==
 
*[[小辞典]]
 
*[[小辞典]]
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== 脚注 ==
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2019年9月4日 (水) 16:29時点における版

ガンダム開発計画(Gundam Development Project)

一年戦争後、地球連邦軍の「連邦軍再建計画」の一環として立ち上げられた新規モビルスーツ開発計画。

一年戦争でジオン公国に勝利し、その溜飲を仰ぐ地球連邦政府や地球連邦軍は復興と治安の維持に努めていた。そんな中、ジョン・コーウェン中将を中心とした派閥は連邦のモビルスーツ開発技術がジオンに比べて10年遅れている[1]事、そして未だジオン残党軍が潜伏し、いつ蜂起してもおかしくない情勢を憂慮していた。この情勢の下、RX計画やV作戦で培った連邦系技術と新たに獲得したジオン系技術を融合した「最強のMS」を開発する新型モビルスーツ計画を立案。そのフラッグシップとして、地球連邦軍の最高級モビルスーツであるガンダムの発展型を打ち出した[2]

開発は戦後の一大吸収合併によってMS開発能力を獲得したアナハイム・エレクトロニクス社に委託[3]され、その開発を一手に担う事になった。開発は先進開発事業部(クラブ・ワークス)及び第二研究事業部が個別に試作機を開発する体制を採り、複数の試作機を開発。一年戦争後にアナハイム傘下になった諸企業も各事業部と連携・協力を取りつつ試作機用の機材を手掛けた。

開発された機体は「GP(GUNDAM Project)シリーズ」と呼称され、技術的系譜に関係なく「RX-78」の型式番号が与えられ、花の名前に由来するコードネームが付けられている。GPシリーズは全5機が開発され、ガンダム試作0号機で得られたデータから各コンセプトに特化した4機のMSへと派生している[4]

ガンダム試作1号機ガンダム試作2号機は、地球連邦軍の最新鋭戦艦「アルビオン」に搭載され、地球における重力化試験と2号機の核弾頭装填のため「トリントン基地」に移送された。しかし、計画の情報はジオン残党軍「デラーズ・フリート」に漏洩しており、試作2号機が彼らの反抗計画「星の屑作戦」の第一歩として強奪され、デラーズ紛争の火種となった。2号機はコンペイトウで行われた観艦式で核弾頭を使用し、その後試作1号機との戦闘で相打ちという形で喪失。その後、デラーズ・フリートの星の屑作戦の最終段階である「コロニー落とし」を阻止すべく軍規に反する方法でガンダム試作3号機がアルビオン隊で運用された。

デラーズ紛争後、星の屑作戦を阻止出来なかった一連の責任によりコーウェン中将は失脚し、軍の意向に反抗したアルビオン艦長エイパー・シナプス大佐は銃殺刑。GPシリーズに搭乗したコウ・ウラキ少尉は懲役刑とされた。その後、ガンダム開発計画は一連の地球連邦軍の不祥事に関わることとしてデラーズ紛争での一連の事象と共に公的記録から抹消。開発されたガンダムらは技術と共に歴史の闇に封印[5]され、一年戦争からグリプス戦役までのMS開発史に空白を生む事になった。

開発技術は封印されたが、計画の余剰予算と技術データはティターンズによって接収されており、ガンダムMk-IITR計画にその一部が反映されている。その後、計画の詳細は宇宙世紀099年に公表され、開発史のミッシングリンクを埋める存在として専門家からの注目を浴びた。

GPシリーズは後のグリプス戦役で開発されたモビルスーツ群にも勝るとも劣らないポテンシャルを有し、仮に計画が更なる形で存続されていればエゥーゴの「Ζ計画」で開発された機体も凌駕するモビルスーツが開発された可能性は高い。

登場作品

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
初出作品。物語の中心として試作1~3号機までが登場。1、2号機はコンペイトウでの戦闘で喪失、3号機はデラーズ紛争集結まで残存したが、その後の処遇は不明。

計画で開発された機体

ガンダムタイプ

実証試験機

関連用語 

デラーズ紛争
星の屑作戦
TR計画

リンク

脚注

  1. ガンダムはジオン系MSに対して優位を保っていたが、機動兵器の技術全体を俯瞰すれば部分的なアドバンテージに過ぎなかった。
  2. 「ガンダム」の名称が用いられたのは、主に予算確保を容易にする政治的意図があったとされる。
  3. 開発体制は連邦とアナハイムとの共同開発だが、実際にはアナハイムへの「丸投げ」であり、連邦は機体のコンセプト提示のみにとどまっている。
  4. これは試作0号機が単機での多機能化を突き詰めた結果、操作性を含めパイロットへの負担が大きかった事を反省しての措置でもあった。
  5. これに伴いコウの罪状も消滅・釈放となった。