「カミーユ・ビダン」の版間の差分
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− | ガンダムMk-IIに搭乗し [[ジャブロー]]侵攻地球降下作戦をはじめ[[アーガマ]] | + | ガンダムMk-IIに搭乗し [[ジャブロー]]侵攻地球降下作戦をはじめ[[アーガマ]]の各作戦に参加し戦果を上げ続け、後に[[Ζガンダム]]に乗り換えると次第にエゥーゴに欠かせない存在となっていく。[[グリプス戦役]]の最終局面ではティターンズの実質的指導者となった[[パプテマス・シロッコ]]と交戦しこれを撃破している。 |
− | + | 優れた[[ニュータイプ]]の素養を持ちあわせ<ref>シリーズ最高のニュータイプ素養を持っており富野氏からも「史上最高のニュータイプ」と明言されている。</ref>、他者との思考共有はもとより、死者と思念の交信をする「共感する力」が鋭く、回避や先読みなどが戦闘で優位に働いていいる。Ζガンダムに搭乗した際には、それに搭載された[[バイオセンサー]]の働きによって死者の思念を集め、ビームをはじくフィールドやスペック以上の出力のビーム・サーベルを繰り出す超常現象を引き起こした。 | |
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+ | *放映当時は後に社会問題として取りざたされる事になる「キレやすい若者」という言葉すらもない時代で、カミーユのその言動は一種の病気ではないかとささやかれていた。ところが物語が進むにつれ強い感受性を持つナイーブな少年という初期の[[アムロ・レイ]]に似た部分を内包していることが徐々に理解され、しかしその感情がコントロールできず矛先が他者への八つ当たり的に発露していたということがわかってくると、「若さゆえのやり場のない情念」という切り口は視聴者の共感を生んだ。しかし、よほどしっかりと物語を追った視聴者でなければなかなか伝わらない部分であったため、声優を務めた飛田展男氏は「最初はカミーユが良くわからなかった」と話している。 | ||
+ | *カミーユを演じた飛田氏は『Zガンダム』のオーディションに参加した際「(前作のガンダムが)'''あんなにいい終わり方をしたのだから、続編なんて作らないほうがいいと思います'''」と放言したらしい。今からその続編を作るオーディションという場で、しかも主人公役に志願しながらよくも言ったものだが、富野由悠季監督はそんな「生意気」なところにカミーユのイメージを見たのか、見事合格した(そして飛田氏自身も耳を疑った)というエピソードが残されている。なお、この点に関して後年飛田氏自身が補足しており、この発言は自身が前作のファンであった事から咄嗟に出てしまった発言であり、オーディションの帰り道では「俺はなんてバカな事をしてしまったんだ」とガックリ肩を落としながら帰っていたとの事。また、実際に収録が始まるその日、富野監督がおもむろにスタッフやキャストを集め「何故続編を作るのか」という点について訥々と説明し、ひとしきり面々が納得した後でクルッと飛田氏に振り返り「そういう事です。」と付け加えたそうで、これを受け、飛田氏は平伏せんばかりの想いだったという。 | ||
== リンク == | == リンク == | ||
*[[登場人物]] | *[[登場人物]] |
2024年11月26日 (火) 12:25時点における最新版
カミーユ・ビダン | |
---|---|
外国語表記 | Kamille Bidan |
登場作品 | |
声優 | 飛田 展男 |
プロフィール | |
---|---|
種族 | 人間(スペースノイド) |
性別 | 男性 |
生年月日 | 宇宙世紀0070年11月11日または0069年11月11日 |
年齢 | 17歳 |
出身 | ニューシート |
身長 | 168.2cm |
体重 | 59.5kg |
髪色 | 青 |
瞳の色 | 青 |
血液型 | AB型 |
職業 | 学生 ⇒ MSパイロット ⇒ 医者(ムーンクライシス) |
所属組織 | 民間人 ⇒ エゥーゴ ⇒ 民間人 |
所属部隊 | アーガマ隊 (エゥーゴ所属時) |
称号 | MSパイロット |
階級 | なし(中尉待遇) |
主な搭乗機 |
概要[編集 | ソースを編集]
グリーン・オアシスに住む少年。両親ともに連邦軍の技術士官で家庭を顧みない両親によって孤独な子供時代を過ごした。女性的な「カミーユ」という名前にコンプレックスを持っている[1]。
偶然居合わせた軍施設で ガンダムMk-II強奪作戦に巻き込まれた際、ニュータイプの感受性によりエゥーゴに共感しガンダムMk-IIの3号機を強奪、そのままエゥーゴに参加する。エゥーゴ参加は思想や主義に共感したわけではなく、自分の拠り所がエゥーゴだと感覚的に判断にした結果である。このため当初は自分が「民間人の子供」という意識でおり、厳しい軍規律や子供扱いが許されない環境に戸惑うことも多かったが、やがて クワトロ・バジーナ、エマ・シーン、ウォン・リーらの指導により軍人としての意識を身に着けていった。
ガンダムMk-IIに搭乗し ジャブロー侵攻地球降下作戦をはじめアーガマの各作戦に参加し戦果を上げ続け、後にΖガンダムに乗り換えると次第にエゥーゴに欠かせない存在となっていく。グリプス戦役の最終局面ではティターンズの実質的指導者となったパプテマス・シロッコと交戦しこれを撃破している。
優れたニュータイプの素養を持ちあわせ[2]、他者との思考共有はもとより、死者と思念の交信をする「共感する力」が鋭く、回避や先読みなどが戦闘で優位に働いていいる。Ζガンダムに搭乗した際には、それに搭載されたバイオセンサーの働きによって死者の思念を集め、ビームをはじくフィールドやスペック以上の出力のビーム・サーベルを繰り出す超常現象を引き起こした。
だが、その感受性故に多数の戦死者が出た戦役終盤では死者の思念を許容しきれず、宇宙空間でノーマルスーツのバイザーを開けるなど行動に異変が見られ、最終的にシロッコを倒した際に、シロッコ自身が意識的に強い思念をカミーユに送ったことで遂に限界を迎えカミーユは精神崩壊を起こし、その後サイド1で艦から降ろされ、療養することになったが、そのニュータイプ能力は健在であり、第一次ネオ・ジオン抗争ではジュドー・アーシタやエルピー・プルと交信を行っている。
登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]
- 機動戦士Ζガンダム
- 初登場作品。同作の主人公を務める。エゥーゴの「ガンダムMk-II強奪事件」に巻き込まれ、どさくさにまぎれてエゥーゴに参加。以降エゥーゴのニュータイプとして活躍する。原作者であり総監督の富野氏曰くニュータイプ能力は最も高いがその力故に最終決戦で精神崩壊、以降戦いから身を引く。
- 機動戦士Ζガンダム A New Translation
- 人の痛みを理解しない人間に対して怒りをあらわにし、これを否定していったTVと比べ、暴力的でヒステリーな面はややなりを潜めている。エゴで人を傷つける人間を否定したTV、視野の狭い人間を否定した新訳の差だと言える。最後はシロッコの怨念を防ぎ、無事に生還した。
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 前作の『Ζ』から続投。サイド1・シャングリラでアーガマを降りた後、地球のダブリンでファの介護を受ける生活をしている。精神崩壊により会話がままならない状態に陥っている身であるものの、神懸かり的なニュータイプ能力は健在で幾度もジュドー達をその力で導いた。最終回のアクシズ抗争後、精神面でも回復していることが描写されているが、その後の消息は定かではない。
- 機動戦士ガンダム ムーンクライシス
- 医者となり、月面のグラナダ市でファと共に生活している。
人間関係[編集 | ソースを編集]
家族 [編集 | ソースを編集]
- フランクリン・ビダン
- 父親。63歳。地球連邦軍の技術士官で、モビルスーツ工学のスペシャリスト。
- ヒルダ・ビダン
- 母親。51歳。父親と同じく地球連邦軍の技術士官で、材料工学の研究者。
エゥーゴ / カラバ[編集 | ソースを編集]
- ファ・ユイリィ
- 幼馴染。カミーユはいろいろな女に惚れたり影響を受けたりしたが、最終的には彼女のところに落ち着いたようだ。
- クワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)
- エマ・シーン
- レコア・ロンド
- アムロ・レイ
- ブライト・ノア
- ハヤト・コバヤシ
- アストナージ・メドッソ
- トーレス
- シンタ / クム
- カイ・シデン
- ジュドー・アーシタ
ティターンズ / 地球連邦軍[編集 | ソースを編集]
- ジェリド・メサ
- 名前を馬鹿にされて殴り、ティターンズ様の顔に傷つけたと捕らえられたのがそもそものきっかけ。互いに相手の大事な人を殺し、殺される関係。『機動戦士ガンダム』のアムロとシャアみたいな関係になると思われたが、それにしてはジェリドの能力、キャラクター性が足りずにヤザンやシロッコにいいところを奪われてしまった。
- フォウ・ムラサメ
- 「名前コンプレックス」が共通しているからか、それとも強化人間とニュータイプという似たような状態だからか、恋に落ちる。が、ララァを思わせる悲劇的な結末に。
劇場版では二人の関係性は大きく変わっている。 - ロザミア・バダム
- カミーユを兄とする偽の記憶を植えつけられ、慕う。戦場で再会したときはそのときの彼女ではなくなっており、カミーユは自らの手で撃破する。実際はロザミアの方が年上なのだが…。
劇場版では記憶云々からのカミーユとの絡みは省略され、ただギャプランでブラン・ブルタークとともに強襲を仕掛けただけのただの名有りの1パイロットになり下がってしまった。そのため、原作でロザミアが乗っていたバウンド・ドックはジェリド機のみ登場、サイコガンダムMk-IIは登場シーンそのものがカットされた。死んだ描写もないが、なぜか最終決戦の死者の魂が登場するシーンに現れ、ちゃっかりフォウ・ムラサメばりのヒロイン的ポジションを頂いている。 - サラ・ザビアロフ
- パプテマス・シロッコ
アクシズ[編集 | ソースを編集]
名台詞[編集 | ソースを編集]
機動戦士Ζガンダム[編集 | ソースを編集]
- 「カミーユが男の名前で何で悪いんだ!俺は男だよ!」
- 第1話より。ジェリドに軽口を叩かれ激怒しながら鉄拳一発!この行動がお互いを不幸一直線に呼び込む。アニメ史における初の「キレる若者」が主人公になった瞬間か。
- 「そこのMP!一方的に殴られる痛さと怖さを教えてやろうか!」
「ははははは!ざまあないぜ!」 - 第1話で自分をボコボコにしたMPを第2話で奪ったMk-IIで仕返ししようとした時の台詞。流石に殺すまでには至らなかったが、生身の人間に対してバルカンを乱射したり踏み潰そうとして、この台詞をのたまっている。
なお、彼のエキセントリックな面が抑えられている劇場版においても、このシーンはカットされていない。 - 「一人で組織に対抗しようとして敗れた、馬鹿な人です」
- クワトロ・バジーナの偽名を使っていたシャア・アズナブル本人に、シャアを知っているかと問われた時の返答。
しかし後にカミーユ自身も、一人で戦争を続ける世界に対抗しようとして敗れ去るのだった。 - 「自分だけが特別だと思うな!あの人が喜ぶものかよ、生き返るのかよ!」
- ライラを殺されたジェリドに対しての台詞。
- 「歯ぁ食いしばれぇ!そんな大人、修正してやる!」
- 第13話、あからさまにバレてるのに、気取ったはぐらかしを繰り返して自分をシャアだとはっきり認めないクワトロを殴った時の台詞。
- 「好きさ!自分の名前だもの!」
- フォウに「今でも自分の名前が嫌いか」と問われて。カミーユのコンプレックスがフォウによって救われた瞬間である。
劇場版では「自分の名前は今でも好きか」と問われ、「とっくに好きさ!自分の名前になっているもの!」と答えている。やや冗長な上に日本語として会話が成立していないような…。 - 「僕はもう貴方の事をクワトロ大尉とは呼びませんよ。貴方はシャア・アズナブルに戻らなくてはいけないんです!」
- キリマンジャロにて息絶えたフォウを横抱きに抱えながら。結論から言えばダカール演説編の伏線なのだが、お話の流れ的には唐突であり、生き返ったフォウがまた劇作的に安易な方法で殺される等視聴者が振り回されているときにでてくるセリフなので取ってつけた感が強く、BGMや雰囲気はカッコイイものの意味不明である。しかも、結局物語終了までカミーユは「クワトロ大尉」と呼び続ける。(実際にクワトロを「シャア」と呼ぼうとしたが妙に違和感のある表情を見せ、それに対してシャアも「クワトロでいい」と返している)
- 「何故そうも簡単に人を殺すんだよ!死んでしまえ!」
- 原作未視聴者からしばしば迷言と誤解されている台詞。原作を見れば普通にこの発言の真意が読み取れるが、敢えて注釈をつけるとしたら「何故そうも簡単に(無抵抗の一般市民の)人を殺すんだよ!(同じMSに乗っている俺と戦って)死んでしまえ!」となり、富野節の被害者とも言える
- 「ニュータイプも、強化人間も、結局何もできないのさ」
「できることといったら、人殺しだけみたいだな」
「気にしてなんていませんよ。気にしてたら、ニュータイプなんてやってられないでしょ?」 - 原作48話、精神崩壊し暴走するロザミアのサイコガンダムMk-IIをやむなく撃墜した後、自虐を連発した。崩壊の予兆が見て取れ、労ろうとしたクワトロも言葉を失ってしまった。
- 「遊びでやってんじゃないんだよー!」
- 第49話より。戦闘を狩猟のように楽しむヤザンを断罪する叫び。同時にカミーユとΖガンダムがピンク色に光り出してハイパー化を始め、例のハイパー・ビーム・サーベルでヤザンのハンブラビを両断する。
- 「本当に排除しなければならないのは、地球の重力に魂を引かれた人間達だろう!?けど、そのために大勢の人間が死ななければならないのは、間違っている!!」
- シロッコ、ハマーンと対峙して。フォローしているとは言え、何気なくとんでもない事を言っている。
- 「この戦いで死んだ人は、それで世界が救われると思ったから死んだんです!僕もあなたを信じますから!」
- 最終決戦にて、クワトロに対して「こんなところで何をやっているんだ」と一喝して。皮肉にも、カミーユが信じたシャアはこの数年後に地球潰しを行うのだが……。
- 「わかるまい!戦争を遊びにしているシロッコには、この俺の身体を通してでる力が!」
- シロッコとの最終決戦時の台詞。
- 「ここからいなくなれー!」
- ウェイブライダーによる突撃をシロッコに仕掛けた時の台詞。
- 「あ…大きな星がついたり消えたりしている…。あはは。あぁ、大きい!彗星かな?いや違う、違うな。彗星はもっとこう、バーッて動くもんな!」
「暑苦しいなぁ、ここ。うーん…出られないのかなぁ?…おーい、出してくださいよ。ねぇ!」 - 正に全身全霊をかけてシロッコを打倒したカミーユであったが、これまでの精神的な疲弊の為に遂に精神崩壊をしてしまった際の台詞。
劇場版ではシロッコに完全勝利し、精神崩壊しないためこのセリフはない。
機動戦士Ζガンダム A New Translation[編集 | ソースを編集]
- 「戦争に女性を利用するなんて、まともじゃないよ!」
- 劇場版でサラをシロッコから離そうと必死に説得する。まったくの正論だが、クワトロ……シャアが女性を戦争に利用し続けた事は皮肉としか言いようがない。
- 「本当に排除しなければならないのは、地球の重さと大きさを想像できないあなたたちです!」
- シロッコ、ハマーンと対峙して。目的のための犠牲を省みないエゴを否定している、といったニュアンスをより強調している。
- 「女たちの所へ戻るんだ!」
- ウェイブライダーによる突撃をシロッコに仕掛けた時の台詞。
迷台詞[編集 | ソースを編集]
機動戦士Ζガンダム [編集 | ソースを編集]
- 「ぼ、暴力はいけない…」
- 正式にエゥーゴのパイロットになってまだ日が浅い第9話にて。ミーティングに遅刻して言い訳しまくった為、幹部のウォン・リーに気絶するまでカンフーでボコボコにされ、ノックアウト寸前での一言。他人の事言えないと思うのだが…(気がついた後もエマやクワトロに愚痴を垂れた為『自分の都合で大人と子供を使い分けないで!』と当然のように説教を食らう。正しく真剣に怒ってくれる大人に囲まれて幸せな事である)。
その他 [編集 | ソースを編集]
- 東方不敗「うむ……なかなか良い筋をしておる」
ドモン「最後に拳を合わせるのがポイントだ。忘れるんじゃないぞ」
カミーユ「………………」
(流派東方不敗……何て恐ろしい拳法だ……) - ゲームボーイアドバンス用ソフト『Gジェネレーションアドバンス』のEXミッション4のクリア時。旧式のザクでニムバスを撃退したドアンが、ドモンと東方不敗と「魂の乗った拳はどんなMSにも勝る」という会話で分かり合っているのを理解出来ず、東方不敗に一喝されてドモンと共に流派の名乗りをやらされるハメに。その〆の会話がこれである。
- 「大尉、まだそんなことやってんですか」
- ゲーム『真・ガンダム無双』で女達に追われているシャアに対しての皮肉。だが、伝わらずに腕を褒めているために沈黙することになる。
- 「パーツを大切にしないガンプラを作って、何になるんだ!」
「お前はガンプラを作ってはいけない人間なんだ! ガンプラの箱へ帰れーっ!!」 - PS3用ソフト『ガンダムブレイカー』のPVにて、ハマーンとの対決の〆に叫んだ。名台詞のパロディなのだが、色々な意味で突っ込みどころが満載である。
搭乗機体・関連機体[編集 | ソースを編集]
- ガンダムMk-II
- 『Ζ』前半での搭乗機。ティターンズカラーとエゥーゴカラーの双方に搭乗している。
- Ζガンダム
- 『Ζ』後半での搭乗機。
- リック・ディアス
- 『Ζ』第15話で搭乗。Mk-IIで無断出撃したカツを止めるべく搭乗した。
- ホモアビス / Jr.モビルスーツ
- ハイスクール時代に搭乗経験のある機体。
余談[編集 | ソースを編集]
- 放映当時は後に社会問題として取りざたされる事になる「キレやすい若者」という言葉すらもない時代で、カミーユのその言動は一種の病気ではないかとささやかれていた。ところが物語が進むにつれ強い感受性を持つナイーブな少年という初期のアムロ・レイに似た部分を内包していることが徐々に理解され、しかしその感情がコントロールできず矛先が他者への八つ当たり的に発露していたということがわかってくると、「若さゆえのやり場のない情念」という切り口は視聴者の共感を生んだ。しかし、よほどしっかりと物語を追った視聴者でなければなかなか伝わらない部分であったため、声優を務めた飛田展男氏は「最初はカミーユが良くわからなかった」と話している。
- カミーユを演じた飛田氏は『Zガンダム』のオーディションに参加した際「(前作のガンダムが)あんなにいい終わり方をしたのだから、続編なんて作らないほうがいいと思います」と放言したらしい。今からその続編を作るオーディションという場で、しかも主人公役に志願しながらよくも言ったものだが、富野由悠季監督はそんな「生意気」なところにカミーユのイメージを見たのか、見事合格した(そして飛田氏自身も耳を疑った)というエピソードが残されている。なお、この点に関して後年飛田氏自身が補足しており、この発言は自身が前作のファンであった事から咄嗟に出てしまった発言であり、オーディションの帰り道では「俺はなんてバカな事をしてしまったんだ」とガックリ肩を落としながら帰っていたとの事。また、実際に収録が始まるその日、富野監督がおもむろにスタッフやキャストを集め「何故続編を作るのか」という点について訥々と説明し、ひとしきり面々が納得した後でクルッと飛田氏に振り返り「そういう事です。」と付け加えたそうで、これを受け、飛田氏は平伏せんばかりの想いだったという。