シャア・アズナブル

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シャア・アズナブル(Char Aznable)

機動戦士ガンダム』のみならず、ガンダムシリーズ全体を通してみても、一番有名な登場人物。 アニメ界のみならず、その後のありとあらゆるジャンルでも彼の影響と思われる描写・表現は用いられており、「仮面の美男子」「赤くて3倍」は、もはや出典の説明を要さないほど。 その多様性は社会現象を通り越し、もはや一つの共通概念として認識されているといっても過言ではないだろう。

機動戦士ガンダム」、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」では主人公アムロ・レイに立ちはだかる敵として、「機動戦士Ζガンダム」では主人公カミーユ・ビダンを導く大人の一人として登場する。 本名はキャスバル・レム・ダイクンで、ジオン・ズム・ダイクンの長男。

父が謀殺された後は、ザビ家による迫害を受け地球に逃れる。マス家の養子「エドワゥ・マス」として育つが、ザビ家への復讐を誓って家出。ザビ家に近づく為にジオン軍に入隊する。士官学校ではザビ家四男のガルマと同期だった。また、士官学校は次席で卒業。

MS操縦技術に優れ、通常のザクの3割増の出力しかない指揮官用ザクを乗りこなし、「通常の3倍の速度」と恐れられる高速戦闘を展開する。ルウム戦役で五隻もの戦艦を沈めた事で有名になり、赤い彗星の異名をとるようになる。「通常の3倍の速度」とパーソナルカラーの「赤」から、「赤い物は通常の物の3倍の性能」とされる。

機動戦士ガンダム THE ORIGINのシャア・アズナブル

実は(我々が認識するところの)シャア・アズナブルは完全な別人として登場している。彼はエドワゥ・マスが地球から逃れてテキサスコロニーに移住した際にかかわりを持ったアズナブル家の長男。他人の空似だがエドワゥ・マスとうり二つの容姿をしており、瞳が赤い以外は妹のセイラ・マスも一瞬間違えてしまうほどよく似ている。性格は明るく人懐っこいが、良くも悪くも普通の青年。コロニーやスペースノイドの現状を憂い、父親に黙って勝手に高校を中退。ジオンの士官学校へ願書を出してしまうなど情熱的だが向こう見ずなところがあったり、不意のトラブルにはパニック状態を起こしてしまうなど、ごくごく一般的な人物であった。
シャア・アズナブルが士官学校への入学・入寮に合わせて一緒にテキサスコロニーを出奔したエドワウ・マスは、自分がザビ家からの監視を受けていることを知り、一計を案じてシャアを陥れる。身に覚えのない禁製品を理由に出国できないシャアとエドワゥが入れ替わることを提案するが、これにまんまと乗せられてしまったシャアはエドワゥとしてスペースシャトルに搭乗し、結果、他の乗客ごと爆破テロによって命を落としてしまう。
ここでシャアと入れ替わっていたエドワゥは、以降はシャア・アズナブルという戸籍を乗っ取ってなりすまし、後に赤い彗星として大成することは承知の通り。作中では連邦の弾圧から高まっていた不満を士官候補生たちを扇動して「暁の蜂起」を起こし、のちの一年戦争の引き金となった。一年戦争中は友人であったガルマ・ザビを陥れてザビ家、ひいてはジオン公国崩壊のきっかけを作り、一年戦争末期には死に体となっていたジオン軍総帥となったキシリア・ザビを暗殺するなど人類史上類を見ない悲惨な戦争と言われた一年戦争において大きな役割を果たしていたことが語られている。
入れ替わったシャア・アズナブル、すなわちエドワゥ・マスは少年期に両親の死、父親代わりだったジンバ・ラルの暗殺、次々に住むところを追われるという混乱の中で育ったためか心に深い闇を抱えて育っていたようで、学校では何でもできる優等生だったが、札付きのワルたちはおろか教師たちすら彼の底知れなさを「怖い」と形容するほどに周囲から浮いていた。翻って、これはニュータイプが持つ「周囲への精神的圧迫感」、すなわちプレッシャーの発露ではないかと思われる。それが家族以外の多くの人に与えられていたというのであれば、このころの彼にとって周囲はすべて敵であるという認識で合ったということになる。
士官学校に入学してからは「シャア・アズナブル」として周囲に溶け込むよう心掛けていたためかあまり目立った攻撃性が現れることは少なかったが、本物のシャアと同級生であったリノ・フェルナンデスに正体を見抜かれてしまい、これを謀殺。目的達成のために当然のように口封じをしていく冷徹な姿が伺えた。これはのちにガルマも似たような末路をたどっているが、そのカリスマで信頼を得てから確実に葬り去るという悪辣な面が伺える。

登場作品と役柄

機動戦士ガンダム
赤い彗星の二つ名で知られるエースとして、アムロ達の前に立ち塞がる。パーソナルカラーは赤だが、胴部分のみが赤で他はピンクに近いという機体が多い。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN
「本物のシャア・アズナブル」が登場。キャスバルと瞳の色以外の容姿がそっくり。「エドワゥ・マス」として事故死(実際はザビ家による謀殺)し、キャスバルは「シャア・アズナブル」になりすましてジオン士官学校に入学する。
機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像
一年戦争の終結後、小惑星アクシズに逃れる。そこでハマーン・カーンと出会うが…。
機動戦士Ζガンダム
一年戦争の後、戦後の混乱に紛れ、クワトロ・バジーナの偽名を使って地球連邦軍の軍籍を得る。後にエゥーゴへ。初期の頃からほとんどのキャラにシャアだとバレてはいたものの、その事を表立って口にする者は多くなかった。後にダカール演説を行う際に、自らが「シャア・アズナブル」であった事を明かす。
機動戦士Ζガンダム A New Translation
機動戦士ガンダムハイ・ストリーマー
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
ネオ・ジオンの総帥となった。依然として地球にしがみつく人々の存在に絶望し、地球に住む人類の粛正を目論む。更に対等の条件でアムロとの因縁に決着をつける為、わざとサイコフレームの情報をリークする。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
名前のみ登場。

人間関係

クワトロ・バジーナ」を名乗っていた頃の人間関係は当該項目を参照。

アムロ・レイ
誰もが知る永遠のライバル。
ララァ・スン
母親になってくれたかもしれない女性(ひと)。アムロとララァが意識の共鳴を起こしてしまった際に嫉妬から二人の間に割って入るが、逆に危機に陥った挙句、アムロの攻撃からシャアを庇って死亡してしまう。
明らかにシャアを狂わせた人物でもある。
セイラ・マス
実妹。公費流用して金塊を送り、ホワイトベースから降りるよう手紙を書くが、無視されたあげく鬼子呼ばわりされ、金塊だけはがめられる。
ソロモン付近の宙域の戦闘でアムロと共に迎撃に出た際、シャアにコクピットを破壊されそうになるが、ララァの制止により一命を取り留める。
ガルマ・ザビ
士官学校の同期。彼から親友だと思われているのを利用して謀殺。
ドズル・ザビ
当初は彼の部下だったが、ガルマを守れなかったとして左遷される。
キシリア・ザビ
左遷されていたところを拾われ、重用された。それでもザビ家憎しの感情は棄てられず、また、ザビ家が内輪もめに近い形で組織を混乱させ、悪戯に戦線を拡大、犠牲を増やしてしまったことから、ザビ家を放置しても置けず、彼女が戦場から脱出しようとしたところをバズーカで射殺。しかしザビ家そのものが全て憎いというわけではなく、後にミネバ・ラオ・ザビを保護し、健常に養育している。
ミネバ・ラオ・ザビ
ザビ家の忘れ形見。長らく地球圏を離れ、アクシズで育てられるが、養育係であったハマーン・カーンによって「ジオンの旗頭」として大変に偏った教育を施される。第二・第三のジオン公国、そして一年戦争を繰り返す原因になると危惧したシャアによって匿われ、おそらくは健常に育てられた。どのように育てられたかは機動戦士ガンダムUCの彼女の姿を見れば明らかだろう。
パオロ・カシアス
連邦軍の将校。「3倍のスピード」という報告から「赤い彗星のシャアだ」と説明してくれた人。
ハマーン・カーン
元恋人。ミネバへの教育方針等で考え方の対立があったとはいえ、シャアがハマーンを棄てたのは事実。

最終的にシャアがハマーンと同じ道を辿ったのは皮肉というべきか。
一方、「若き彗星の肖像」では恋人でもなんでもなく、ただハマーンから憧れられているという設定になっている(秘密裏にサイド3を視察する為に一度だけ新婚夫婦の振りをした事はあるが)。

ナタリー・ビアンキ
「若き彗星の肖像」におけるシャアの恋人。彼の子供まで身篭るが…。
ナナイ・ミゲル
「CCA」でのシャアの恋人であり、ネオ・ジオンの作戦仕官でもある。
ウッソ・エヴィンの母親であるミューラ・ミゲルと同姓である事から「ウッソはシャアの子孫にあたるのではないか?」という説が持ち上がった事もあるが、これは富野監督によって否定されている。設定上でも「ミゲル」のアルファベットの綴り字が違う。

名台詞

クワトロ・バジーナとしての名台詞は当該項目を参照。

一年戦争

「認めたくないものだな…自分自身の、若さ故の過ちというものを」
部下が先走って、結果的に二人のパイロットと2機のザクを失った時の言葉。本人が若造だということは言うまでもない。
今でこそシャアの名台詞として認知されているものの、富野監督によれば当時、大手雑誌の編集者から「これでは当たるわけがないよなぁ」とこき下ろされた事を今でも覚えているという。
「当たらなければどうということはない」
シャアの代表的なセリフ。言葉だけを見れば当たり前なのだが、彼の乗るザクIIシャア専用ザクII)は極端なカスタマイズを施されており、高い推進力と広い可動域によって異常な機動性を誇る反面、関節部の耐久性に難があったり、燃費の問題、そして軽量化のために武装や装甲を犠牲にしている。さらに彼の操縦は、四肢で機体バランスを取っていたり、障害物を蹴ることで加速・方向転換など想定外の使い方をしている。そのためちょっとした被害でも文字通り命取りになり、「当たらなければ…」と簡単に言ってのけるあたりに彼の自信と優れた操縦技術を感じさせる。後に機動戦士ガンダムUCフル・フロンタルも用いていた。
「…坊やだからさ」
ガルマ・ザビを見殺しにした(実際は率先して戦死するよう仕向けた)為に左遷された後、場末の酒場でギレン・ザビの「ガルマは死んだ。何故だ!」のガルマ追悼演説を聴いた時に受け答える形で呟いた言葉。
「ヘルメットがなければ即死だった」
アムロとの生身での一騎打ちの末、アムロは左腕を、シャアはヘルメットを貫かれて引き分け。その傷をセイラに尋ねられて。
これはアムロの技量がシャアを上回っていた証拠とも、シャアがヘルメットの強度を視野に入れてあえてヘルメットで受けたとも解釈されている。
余談だが、一時バイク業界などでヘルメット着用の重要性からこのフレーズを用いたり、赤くペイントした「シャア専用ヘルメット」が販売されたり、ノーヘル撲滅のために一役買った名言らしい。

第二次ネオ・ジオン抗争

「私、シャア・アズナブルが粛清しようというのだ、アムロ!」
「それでこそ私のライバルだ!」
「結局…遅かれ早かれ、こんな悲しみだけが広がって地球を押しつぶすのだ…。ならば人類は自分の手で自分を裁いて、自然に対し、地球に対して贖罪しなければならん!アムロ…なんでこれが解らん…!?」
「ララァ・スンは、私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!そのララァを殺したお前に言えた事か!?」

搭乗機体・関連機体

クワトロ・バジーナとしての搭乗・関連機体は当該項目を参照。

機動戦士ガンダム

シャア専用ザクII
シャア専用ズゴック
シャア専用ゲルググ
ジオング
シャア専用リック・ドム
小説版での搭乗機で、ビーム・バズーカを装備している。小説版ではリック・ドムがジオン軍最後のMSとなっているため、ゲルググとジオングは登場しない。

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

サザビー
ナイチンゲール
小説『ベルトーチカ・チルドレン』での搭乗機。

その他

キャスバル専用ガンダム
ノイエ・ジールII

商品情報

話題まとめ

チャットログ

http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write-ex1/2007/11/20071127.html#090000
ロリコンの根拠とその薄弱さ。幼少期に、本当の名前であったキャスバルを失ったために、シャアはひたすら演じることで人生を歩んできた。

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