「サイコミュシステム」の版間の差分

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== サイコミュシステム(Psycommu System) ==
 
== サイコミュシステム(Psycommu System) ==
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[[宇宙世紀]]シリーズに登場する一種の思念操作システム。正式名称は「サイコ・コミュニケーターシステム」。
  
[[宇宙世紀]]シリーズに登場するシステム。<br />「サイコ・コミュニケーターシステム」の略称である。
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[[一年戦争]]時に[[フラナガン機関]]が研究・開発したマン・マシン・インタフェースの一種で、[[ニュータイプ]]が発する「感応波」と呼ばれる特殊な脳波<ref>この感応波はニュータイプのみが発する訳ではなく、所謂オールドタイプでも微弱ながら発する事ができる。</ref>を検出し、機械語に翻訳する。これによって、ペダルやレバーによる操作を必要としたマシンの操縦を「考える」だけで可能にした。サイコミュによる操縦は思考をダイレクトに機体動作に反映出来る為、機体のレスポンスを向上させやすいといった利点もあるが、一方でパイロット側へ負担がかかり、サイコミュの逆流や暴走の可能性も払拭出来ない為、扱える者はニュータイプや[[強化人間]]に限定される。
  
[[フラナガン機関]]が研究・開発したマン・マシン・インタフェースの一種で、[[ニュータイプ]]が発する感応波と呼ばれる脳波を検出し、機械語に翻訳するシステムである。<br />この感応波は[[ミノフスキー粒子]]の影響を受けない為、早期から研究を進めていた[[ジオン軍]]は機体の制御や[[ビット]]や[[ファンネル]]といった俗に言う「サイコミュ兵器」の制御に用いている。これを用いる事で、ニュータイプは巨大な[[モビルアーマー]]でも思考一つで制御する事が可能となる。開発当初の物は巨大だったが為に、兵器として運用するには[[MA]]クラスの大きさが必要だったが、後に[[アクシズ]]が小型化に成功、[[キュベレイ]]等の[[モビルスーツ]]への搭載が可能になった。<br />なお、[[サイコフレーム]]はサイコミュの基礎機能を持つコンピューター・チップを、金属粒子レベルでフレームに鋳込んだ物で、サイコフレームを使った場合でもコアとなる高出力のメイン・プロセッサは別途必要となる。
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当初は装置が大型であり、兵器として運用するには[[モビルアーマー]]クラスの巨体が必要であったが、後に[[アクシズ]]が小型化に成功し、[[キュベレイ]]等の[[モビルスーツ]]への搭載が可能となった。
  
本来であれば上記の説明だけで完結するのだが、このサイコミュ系のシステムが原因と思われる特殊な現象が、後の作品では数多くみられる。<br />主な現象としては
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サイコミュは様々な機能拡張が可能であり、中でもサイコミュを兵器の管制に利用する「サイコミュ兵装」の存在が大きい。これは、[[ミノフスキー粒子]]の立方格子振動を利用した「ミノフスキー通信」を感応波で安定化する事で実現した技術であり、ミノフスキー粒子散布下で無線誘導可能な[[ビット]]や[[ファンネル]]を遠隔操作する事が出来た。また、このシステムは機体の遠隔操作にも応用された他、敵機の攻撃端末をジャックする機体も登場していった。
*[[サイコフィールド]]の展開
 
*カタログスペックを超えた機体性能の発揮
 
が上げられ、サイコフィールドに至っては念力のような現象まで発現している。
 
  
但し、なんの代償やリスクも無しにこれらの現象を行使できる訳ではないらしく、[[カミーユ・ビダン]][[ジ・O]]撃破後には精神崩壊を起こし(TV版のみ)、[[アクシズ・ショック]]を起こした[[アムロ・レイ]]や[[シャア・アズナブル]]については機体ともども「行方不明」になっている。<br />[[ユニコーンガンダム]]のパイロットである[[バナージ・リンクス]]はその精神を死者の精神と融合し、ユニコーンを肉体とした新たな存在になっている(後に元に戻ったが)。
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高い能力を持つニュータイプとの組み合わせは時として不可解な現象を発生させる。特に[[グリプス戦役]]以降のサイコミュ搭載機に多く見受けられ、ジェネレーター出力など機体性能の一時的な向上や、[[サイコ・フィールド]]と呼ばれる特殊な力場の形成が確認されている。
  
ユニコーンガンダムで確認された現象から、カミーユの精神崩壊については「[[バイオセンサー]]の酷使による精神の過剰な損耗・疲弊」と解釈し、アムロとシャアについては「サイコフレームの共振によってアクシズ程の巨大質量を動かすという代償として精神力を使い果たし、カミーユ同様の廃人状態か、もしくは植物人間状態になった(真実は市民の混乱を防ぐ為に軍や政府が隠蔽し、表向きは行方不明とした)」と仮定すれば、多くの面で一貫性が取れるようになる(アムロ達もバナージ同様に、「νガンダムを器とした新たな存在となり、宇宙の何処かに逃亡した」と解釈すれば、「行方不明」として扱えるが……)。
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なお、非ニュータイプパイロットによるサイコミュの使用を可能にする技術や、擬似的にサイコミュの効果を再現するシステムも研究・開発されており、それらをして「[[準サイコミュシステム]]」と総称される。
 
 
もしかすると、サイコミュシステムの「脳波を検出し、機械語に翻訳する」という機能は実は副産物であり、「'''人の意識や無意識を物理的エネルギーに転化する'''」というシステムを開発者達は無自覚のままに作ってしまったのかも知れない。<br />但し、この解釈(推測)にしても人の意識や精神力を物理的エネルギーへと転化する為の原理や理論は曖昧であり、何よりも、全てのガンダム作品のルーツである「[[機動戦士ガンダム]]」の原作者である富野氏は、同作品をリアルなSF作品ではなく、スペースファンタジー作品と認識している事等も考慮すると、全てを理論的に解釈をしようとする事自体が無意味であるのかもしれない。
 
  
 
== 登場作品 ==
 
== 登場作品 ==
 
;[[機動戦士ガンダム]]
 
;[[機動戦士ガンダム]]
:ジオン軍の[[NT]]専用機([[ブラウ・ブロ]]、[[エルメス]]、[[ジオング]])等に搭載されている。<br />この頃はまだ特殊な現象は確認されていなかった。
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:初出作品。ジオン軍の[[ニュータイプ]]専用機([[ブラウ・ブロ]]、[[エルメス]]、[[ジオング]])等に搭載されている。この頃はまだ特殊な現象は確認されていなかった。
 
;[[機動戦士Ζガンダム]]
 
;[[機動戦士Ζガンダム]]
:主に[[ジ・O]]や[[キュベレイ]]等が搭載。<br />ジ・Oとキュベレイが交戦した際、機体からオーラを発している。このオーラは「[[サイコフレーム]]の発光現象と同じものであり、サイコフィールドも展開している」と解釈が可能。<br />また、簡易サイコミュである[[バイオセンサー]]を搭載した[[Ζガンダム]]はビームバリアの展開、本来のスペック以上の性能の発揮、死者との交信など、超常現象とも言える効果を出している。
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:主に[[ジ・O]]や[[キュベレイ]]等が搭載。ジ・Oとキュベレイが交戦した際、機体からオーラを発している。また、簡易サイコミュである[[バイオセンサー]]を搭載した[[Ζガンダム]]はビームバリアの展開、本来のスペック以上の性能の発揮、死者との交信など、超常現象とも言える効果を出している。
 
;[[機動戦士ガンダムΖΖ]]
 
;[[機動戦士ガンダムΖΖ]]
:キュベレイの他に、[[ネオ・ジオン]]軍のMSの何機かに搭載されている。<br />ちなみにバイオセンサー搭載機である[[ΖΖガンダム]]にはΖガンダムと同様の現象が見られ、最終決戦でコアファイター単機という劣勢に陥った状況の中で、放棄したコアトップとコアベースを強制的に再起動・操作してΖΖガンダムへと再合体させている。また、キュベレイも機体からオーラを発し発し、ZZガンダムのハイメガキャノンを防御している(このハイメガキャノンもバイオセンサーの影響と思われる出力向上が見受けられる)。
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:キュベレイの他に、[[ネオ・ジオン]]軍のMSの何機かに搭載されている。[[ハンマ・ハンマ]]など一般用サイコミュの研究もこの頃から活発化していった。
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:なお、バイオセンサー搭載機である[[ΖΖガンダム]]にはΖガンダムと同様の現象が見られ、最終決戦でコアファイター単機という劣勢に陥った状況の中で、放棄したコアトップとコアベースを強制的に再起動・操作してΖΖガンダムへと再合体させている。また、キュベレイも機体からオーラを発し発し、ZZガンダムのハイメガキャノンを防御している<ref>このハイメガキャノンもバイオセンサーの影響と思われる出力向上が見受けられる</ref>。
 
;[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア]]
 
;[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア]]
:[[νガンダム]]や[[サザビー]]等に搭載。サイコミュの発展型といえる[[サイコフレーム]]も登場している。<br />このサイコフレームにも特殊な現象が見られ、地球に落下しかけたアクシズをνガンダムが単機で押し上げている。
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:[[νガンダム]]や[[サザビー]]等に搭載。サイコミュの発展型といえる[[サイコフレーム]]も登場している。このサイコフレームにも特殊な現象が見られ、地球に落下しかけたアクシズをνガンダムが単機で押し上げている。
 
;[[機動戦士ガンダムUC]]
 
;[[機動戦士ガンダムUC]]
:[[ユニコーンガンダム]]等が該当する。<br />サイコミュを使用したMSの最終形とも言えるフル・サイコフレームMSである[[ユニコーンガンダム]]に至っては「ビームを弾くバリアの発生」「カタログスペック以上の性能の発揮」「他者や死者との交信」など、Ζガンダムで見られた現象が数多く再現されている。
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:[[ユニコーンガンダム]]、[[シナンジュ]]等に搭載された。サイコミュを使用したMSの最終形とも言えるフル・サイコフレームMSである[[ユニコーンガンダム]]に至っては「ビームを弾くバリアの発生」「カタログスペック以上の性能の発揮」「他者や死者との交信」など、Ζガンダムで見られた現象が数多く再現されている。
 
;[[機動戦士ガンダムF91]]
 
;[[機動戦士ガンダムF91]]
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:[[ラフレシア]]に[[カロッゾ・ロナ]]が開発したネオサイコミュが搭載された。
 
;[[機動戦士Vガンダム]]
 
;[[機動戦士Vガンダム]]
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:モビルスーツへの搭載は行われず、[[エンジェル・ハイロゥ]]に巨大化したシステムが搭載された。
  
 
== 関連用語 ==
 
== 関連用語 ==
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;[[ファンネル]]/[[ビット]]
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;[[バイオセンサー]]
 
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;[[ニュータイプ研究所]]
 
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;[[準サイコミュシステム]]
  
== 関連商品 ==
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== リンク ==
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*[[技術]]
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*[[小事典]]
  
== 話題まとめ ==
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== 脚注 ==
<!-- *[[namazu:サイコミュシステム]] (全文検索結果) -->
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<references />
<!-- *[[namazu:サイコミュ]] (全文検索結果) -->
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== 資料リンク ==
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*[[小道具]]
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[[Category:技術さ行]]
*[[小事典]]
+
[[Category:機動戦士ガンダム]]

2023年11月16日 (木) 19:13時点における最新版

サイコミュシステム(Psycommu System)[編集 | ソースを編集]

宇宙世紀シリーズに登場する一種の思念操作システム。正式名称は「サイコ・コミュニケーターシステム」。

一年戦争時にフラナガン機関が研究・開発したマン・マシン・インタフェースの一種で、ニュータイプが発する「感応波」と呼ばれる特殊な脳波[1]を検出し、機械語に翻訳する。これによって、ペダルやレバーによる操作を必要としたマシンの操縦を「考える」だけで可能にした。サイコミュによる操縦は思考をダイレクトに機体動作に反映出来る為、機体のレスポンスを向上させやすいといった利点もあるが、一方でパイロット側へ負担がかかり、サイコミュの逆流や暴走の可能性も払拭出来ない為、扱える者はニュータイプや強化人間に限定される。

当初は装置が大型であり、兵器として運用するにはモビルアーマークラスの巨体が必要であったが、後にアクシズが小型化に成功し、キュベレイ等のモビルスーツへの搭載が可能となった。

サイコミュは様々な機能拡張が可能であり、中でもサイコミュを兵器の管制に利用する「サイコミュ兵装」の存在が大きい。これは、ミノフスキー粒子の立方格子振動を利用した「ミノフスキー通信」を感応波で安定化する事で実現した技術であり、ミノフスキー粒子散布下で無線誘導可能なビットファンネルを遠隔操作する事が出来た。また、このシステムは機体の遠隔操作にも応用された他、敵機の攻撃端末をジャックする機体も登場していった。

高い能力を持つニュータイプとの組み合わせは時として不可解な現象を発生させる。特にグリプス戦役以降のサイコミュ搭載機に多く見受けられ、ジェネレーター出力など機体性能の一時的な向上や、サイコ・フィールドと呼ばれる特殊な力場の形成が確認されている。

なお、非ニュータイプパイロットによるサイコミュの使用を可能にする技術や、擬似的にサイコミュの効果を再現するシステムも研究・開発されており、それらをして「準サイコミュシステム」と総称される。

登場作品[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダム
初出作品。ジオン軍のニュータイプ専用機(ブラウ・ブロエルメスジオング)等に搭載されている。この頃はまだ特殊な現象は確認されていなかった。
機動戦士Ζガンダム
主にジ・Oキュベレイ等が搭載。ジ・Oとキュベレイが交戦した際、機体からオーラを発している。また、簡易サイコミュであるバイオセンサーを搭載したΖガンダムはビームバリアの展開、本来のスペック以上の性能の発揮、死者との交信など、超常現象とも言える効果を出している。
機動戦士ガンダムΖΖ
キュベレイの他に、ネオ・ジオン軍のMSの何機かに搭載されている。ハンマ・ハンマなど一般用サイコミュの研究もこの頃から活発化していった。
なお、バイオセンサー搭載機であるΖΖガンダムにはΖガンダムと同様の現象が見られ、最終決戦でコアファイター単機という劣勢に陥った状況の中で、放棄したコアトップとコアベースを強制的に再起動・操作してΖΖガンダムへと再合体させている。また、キュベレイも機体からオーラを発し発し、ZZガンダムのハイメガキャノンを防御している[2]
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
νガンダムサザビー等に搭載。サイコミュの発展型といえるサイコフレームも登場している。このサイコフレームにも特殊な現象が見られ、地球に落下しかけたアクシズをνガンダムが単機で押し上げている。
機動戦士ガンダムUC
ユニコーンガンダムシナンジュ等に搭載された。サイコミュを使用したMSの最終形とも言えるフル・サイコフレームMSであるユニコーンガンダムに至っては「ビームを弾くバリアの発生」「カタログスペック以上の性能の発揮」「他者や死者との交信」など、Ζガンダムで見られた現象が数多く再現されている。
機動戦士ガンダムF91
ラフレシアカロッゾ・ロナが開発したネオサイコミュが搭載された。
機動戦士Vガンダム
モビルスーツへの搭載は行われず、エンジェル・ハイロゥに巨大化したシステムが搭載された。

関連用語[編集 | ソースを編集]

ファンネル/ビット
バイオセンサー
サイコフレーム
バイオコンピューター
ネオサイコミュシステム
エンジェル・ハイロゥ
フラナガン機関
ニュータイプ研究所
準サイコミュシステム

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. この感応波はニュータイプのみが発する訳ではなく、所謂オールドタイプでも微弱ながら発する事ができる。
  2. このハイメガキャノンもバイオセンサーの影響と思われる出力向上が見受けられる