オデッサ作戦

提供: ガンダムWiki
2022年5月22日 (日) 16:42時点におけるTomo (トーク | 投稿記録)による版
ナビゲーションに移動 検索に移動

オデッサ作戦(The Odessa Campaign / Odessa day) 

宇宙世紀0079年11月7日から同月9日にかけて敢行された、地球連邦軍によるオデッサ奪還作戦。作戦指揮はレビル将軍。「オデッサ・デイ」とも呼称される。

ジオン公国軍が占拠していた欧州の資源・工業地帯を奪還し、ジオン公国の戦争継続能力を低下させるのが目的であり、攻撃目標は欧州随一の工業地帯を有するオデッサや、膨大な埋蔵量を誇る鉱山基地とされた。また、作戦の実施にあたって連邦軍は地上軍の3割に掃討する大戦力を投入している。

対するジオン公国軍は、欧州に侵攻する連邦軍を迎撃する方針を採り、マ・クベ大佐 (少佐)指揮の資源採掘部隊と鉱山防衛部隊、ユーリ・ケラーネ少将指揮の欧州方面軍、アフリカなどからの増援部隊が布陣を固めた。しかし、ガルマ・ザビ大佐の死後、地球のジオン公国軍は混乱状態にあった他、キシリア・ザビ少将直属であり地球方面軍とは命令系統が異なるマ・クベの思惑もあり、組織だった抵抗ができない状態にあった。

本作戦は連邦軍の勝利に終わり、オデッサの防衛にあたったジオン軍部隊はその後、宇宙や地球各地へと退却。この戦いの決着によって一年戦争の主戦場は宇宙へと移りゆく事になった。

登場作品 

機動戦士ガンダム
初出作品。モビルスーツ戦の描写はガンダムと黒い三連星の対決のみに留まっており、主戦場となったオデッサでは陸戦・航空戦力・陸上戦艦同士による激戦が繰り広げられた。
機動戦士ガンダムII 哀・戦士編
オデッサ関連のエピソードが大幅にカットされ、ハモン隊の攻撃が黒い三連星戦後に移動。黒い三連星は作戦開始後のホワイトベース隊との初戦で全滅した。作戦自体もホワイトベース隊の戦いの裏でダイジェスト形式に語られる程度に留まった。
機動戦士ガンダム 第08MS小隊
第7話にてユーリ・ケラーネがオデッサから脱出する件が描かれ、その際に核兵器[1]を使用し、追撃部隊を退けた。この際、連邦軍の追撃部隊は陸戦型ジムを運用している。その後の第8話~第9話でも敗残部隊としてトップ率いるザク部隊やボーン・アブストらのマゼラアタック隊が登場した。
機動戦士ガンダム ギレンの野望シリーズ
オデッサ作戦関連のムービーや挿絵にジムや陸戦型ジムが登場するなど、連邦軍側でMSが投入された様子が描かれている。
MS海洋戦記 眼下の宇宙
オデッサ作戦に投入予定のモビルスーツを輸送する連邦軍の輸送船団が登場。ジオン軍水中部隊の攻撃でMSを載せた輸送艦が撃沈されたという形で、『1st』に連邦軍のモビルスーツが登場しなかった理由付けが行われた。
機動戦士ガンダム 一年戦争
15ステージ目はガンダム作品でも珍しく、劇場版準拠のオデッサ作戦にホワイトベース隊が参戦し、ガンダムがビッグトレーを援護する展開となる。戦闘の間は敵味方双方の通信が絶え間なく流れており、戦いの激しさを物語っている。また、ビッグトレーのHPを一定以上残した状態で最終防衛ラインまで到達させると、マ・クベがミサイル攻撃を敢行するメモリアルアクションが発生。ミサイルを発射前に破壊できればクリアとなる。
機動戦士ガンダム MS IGLOO
『一年戦争秘録』第3話でオデッサから脱出した兵士達の乗るHLV救援の為、第603技術試験隊が派遣される。この際、脱出部隊の中には陸戦用のザクIIJ型等でHLVから直接迎撃に当たる部隊もあったが、宇宙戦用装備を廃した陸戦機であった為に、ボールにも一方的に撃破される姿が描かれている[2]
機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線
第3話で144高地での戦闘が描かれ、ヘビィ・フォーク級陸戦強襲型ガンタンク、陸戦型ジム等が戦線に投入されている。公式映像作品では初めてオデッサ戦に連邦軍のMSが投入される様子が描写された作品である。また冒頭(11月8日の戦闘)ではコア・ファイター2機がカメオ出演するなど、ホワイトベース隊が『1st』で描かれた戦闘シーン以外にも戦闘に参加していた事を仄めかす演出が見られる。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN
作戦の発動がジャブローの戦いの後に変更され、これによって地上での最後の決戦として描かれた。

関連人物 

地球連邦軍 

レビル
エルラン
ジュダック
ミケーレ・コレマッタ
ブライト・ノア
アムロ・レイ
セイラ・マス
アリーヌ・ネイズン
ミロス・カルッピ
ドロバ・クズワヨ

ジオン公国軍 

マ・クベ
ユーリ・ケラーネ
クライド・ベタニー
ガイア
オルテガ

交戦戦力 

地球連邦軍 / ホワイトベース隊 

ジオン公国軍 

作戦の推移 

10月10日 18:00
イギリス(グレートブリテン島)のサウスサンプトン基地より、レビル将軍率いる連邦軍第3軍が出撃。ヨーロッパ、中東、アフリカ方面の地上・航空戦力をワルシャワに集結させ、10月15日の作戦開始を目指す。
10月11日 02:50
第3軍、ドーバー海峡を横断。他部隊も7方面からオデッサに向けて出撃。
10月12日
連邦軍、ジオン公国軍潜水艦隊に対する牽制のため、オスロより艦艇を南下させる。
10月15日
オデッサ作戦開始予定日。連邦軍、各部隊が集結地点のワルシャワに到着できず作戦開始が遅延。
10月20日
連邦軍、集結地点のワルシャワに到着。野戦本部を設置。
10月25日
作戦の最終確認後、陽動部隊を各地に派遣。
11月2日
航空部隊を中心とした増援部隊が到着。
11月6日
公国軍、鉱山基地防衛隊に黒い三連星が合流。
11月7日
公国軍、牽制のため2個潜水艦隊を北上させる。
11月7日 06:00
オデッサ作戦開始。ワルシャワから進撃した連邦軍第3軍や地中海経由戦力の本隊がオデッサ西部から、第2・第7軍が北西部から、第4軍が北部から、東南アジア方面からの派遣部隊が西部から侵攻し公国軍欧州方面軍と交戦。黒海東岸・西岸から北岸へと進撃した連邦軍が鉱山基地防衛隊と交戦。ジオン軍の数倍に相当する戦力を以って、オデッサへの侵攻を開始する。
ホワイトベースは所定の位置に就き、前線支援任務を開始。作戦開始に前後してミデア隊と接触し、コア・ブースターを技術士官も引き渡されるが、直後にジオン軍の黒い三連星が襲撃。ガンダムの活躍により撃破に成功するものの、この戦闘においてミデア隊のマチルダ・アジャンが戦死する。
11月7日 13:40
連邦軍第3軍、ジオン軍第1陣の防衛網を突破。公国軍は守備範囲を狭める。
11月7日 20:00
突出した連邦軍第3軍、公国軍の反撃を受ける。
11月8日
地形や防衛陣地を利用した公国軍の包囲戦術や、諜報網による連邦軍の作戦情報の把握により、終日、膠着状態が続く。
11月9日 03:35
連邦軍、膠着状態を打開すべく総攻撃を開始。独立混成第44旅団、陸上艦隊を中心に144高地陸戦型ジム陸戦強襲型ガンタンクなどを投入し、最終防衛ラインを突破。北方より攻撃を行う連邦軍第4軍、包囲網を突破。膠着状態の打破に成功する。
11月9日 05:00
膠着状態の打破を受け、連邦軍が攻勢を強める。
11月9日 06:30
ホワイトベース隊、鉱山基地後方から突入。
11月9日 11:00
公国軍、防衛網を縮小。連邦軍第3軍、カルパティア山脈東のキシニョフに到達。
作戦が終盤に近づいた頃にランバ・ラル隊の残党がクラウレ・ハモンに率いられ、ホワイトベース隊を襲撃。錐の戦法による一点突破で撃沈しようとするも作戦は失敗し残党部隊は全滅。この戦闘でリュウ・ホセイが戦死する。
11月9日 17:00
オデッサ陥落。基地司令官のマ・クベ、オデッサを放棄し、陥落直前に宇宙へと脱出。
11月10日 14:00
連邦軍、臨戦態勢から警戒態勢へ移行。残敵の掃討を実施。

異説について 

上記の作戦の推移は劇場版『1st』及び後出の作品におけるものであり、初出であるTV版『1st』とは展開が異なる。特に目立っているのはホワイトベース隊の動向に関する物であり、オデッサ作戦への参加時期やランバ・ラル隊、ハモン隊、黒い三連星と交戦した時日、投入兵器などで大きな差異がある。そのため「ガンダムファクトファイル(ガンダムパーフェクトファイル)」などの媒体においては、TV版の展開が激戦により戦況や投入戦力に関する記録が明確さを欠いた結果できた異説の1つとして取り扱われている。同展開における作戦の推移は以下の通り。

連邦軍が連邦軍がヨーロッパ、中東、アフリカ方面の地上・航空戦力を集結。同作戦へ参加する為にオデッサへ移動中だったホワイトベース黒い三連星を退けたとの報告を受け、これを切っ掛けとしてレビルは11月7日に作戦開始を命じた。対するジオン軍は連邦軍中将エルランを内通させ、彼の連邦軍離反を計算に入れた上で部隊を展開しており、同部隊に対して兵力を割いていなかった。しかし、アムロ・レイによってエルランの内通が発覚。エルラン逮捕に伴い、連邦軍は戦力の薄いこのポイントを基点として一気に戦線の突破を図った。

追い詰められたオデッサ基地司令マ・クベは連邦軍への恫喝を目的に南極条約で使用が禁止されている水爆ミサイルの使用を示唆。だが、レビルはそれに臆する事なく攻撃を指示。これを受けマ・クベはミサイルの発射を強行するも、黒い三連星の残る2機を撃破したガンダムGスカイ・イージーSFSとして活用し、空中で弾頭部を切り落とす離れ業を成功させた事で不発に終わった。この一件が決定打となり、11月9日にオデッサは陥落。マ・クベは宇宙へと脱出した。

リンク

脚注

  1. 部下には「気化爆弾」と説明している。
  2. その姿は作中でも「溺れている」と表現された。