ガンダム開発計画

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ガンダム開発計画(Gundam Development Project)

一年戦争後、地球連邦軍の「連邦軍再建計画」の一環として立ち上げられた新規モビルスーツ開発計画。

一年戦争でジオン公国に勝利し、その溜飲を仰ぐ地球連邦政府や地球連邦軍は復興と治安の維持に努めていた。そんな中、ジョン・コーウェン中将を中心とした派閥は連邦のモビルスーツ開発技術がジオンに比べて10年遅れている[1]事、そして未だジオン残党軍が潜伏し、いつ蜂起してもおかしくない情勢を憂慮していた。この情勢の下、RX計画やV作戦で培った連邦系技術と新たに獲得したジオン系技術を融合した「最強のMS」を開発する新型モビルスーツ計画を立案。そのフラッグシップとして、地球連邦軍の最高級モビルスーツであるガンダムの発展型を打ち出した[2]

開発は戦後の一大吸収合併によってMS開発能力を獲得したアナハイム・エレクトロニクス社に委託[3]され、その開発を一手に担う事になった。開発は先進開発事業部(クラブ・ワークス)及び第二研究事業部が個別に試作機を開発する体制を採り、複数の試作機を開発。一年戦争後にアナハイム傘下になった諸企業も各事業部と連携・協力を取りつつ試作機用の機材を手掛けた。

開発された機体は「GP(GUNDAM Project)シリーズ」と呼称され、技術的系譜に関係なく「RX-78」の型式番号が与えられ、花の名前に由来するコードネームが付けられている。GPシリーズは全5機が開発され、ガンダム試作0号機で得られたデータから各コンセプトに特化した4機のMSへと派生している[4]

ガンダム試作1号機ガンダム試作2号機は、地球連邦軍の最新鋭戦艦「アルビオン」に搭載され、地球における重力下試験と2号機の核弾頭装填及び試射実験のため「トリントン基地」に移送された。しかし、計画の情報はジオン残党軍「デラーズ・フリート」に漏洩しており、試作2号機が彼らの反抗計画「星の屑作戦」の第一歩として強奪され、デラーズ紛争の火種となった。2号機はコンペイトウで行われた観艦式で核弾頭を使用し、その後試作1号機との戦闘で相打ちという形で喪失。その後、デラーズ・フリートの星の屑作戦の最終段階である「コロニー落とし」を阻止すべく軍規に反する方法でガンダム試作3号機がアルビオン隊で運用された。

デラーズ紛争後、星の屑作戦を阻止出来なかった一連の責任によりコーウェン中将は失脚し、軍の意向に反抗したアルビオン艦長エイパー・シナプス大佐は銃殺刑。GPシリーズに搭乗したコウ・ウラキ少尉は懲役刑とされた。その後、ガンダム開発計画は一連の地球連邦軍の不祥事に関わる内容としてデラーズ紛争での一連の事象と共に公的記録から抹消。開発されたガンダムらは技術と共に歴史の闇に封印[5]され、一年戦争からグリプス戦役までのMS開発史に空白を生む事になった[6]

開発技術は封印されたが、計画の余剰予算と技術データはティターンズによって接収されており、ガンダムMk-IITR計画にその一部が反映されている。一方のアナハイム側は、計画凍結の煽りを受け一時期はMS事業からの撤退も検討される程の危機に立たされた。連邦側からも厄介者扱いされるという憂き目を見ることになり、MSメーカーとしての再起は、ハイザックの開発参入を経てリック・ディアス開発まで待たなければならなかった。

その後、計画の詳細は宇宙世紀0099年に公表され、開発史のミッシングリンクを埋める存在として専門家からの注目を浴びた。

GPシリーズは後のグリプス戦役で開発されたモビルスーツ群にも勝るとも劣らないポテンシャルを有し、仮に計画が更なる形で存続されていればエゥーゴの「Ζ計画」で開発された機体も凌駕するモビルスーツが開発された可能性は高い。

登場作品

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
初出作品。物語の中心として試作1~3号機までが登場。1、2号機はコンペイトウでの戦闘で喪失、3号機はデラーズ紛争集結まで残存したが、計画凍結後の処遇は不明。
機動戦士ガンダム ファントム・ブレット
0号機ブロッサムの初出作品。
機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE
ガンダム開発計画の補助のために追加プランが用意されたというIF設定が設けられている。同プランの開発機体としてガンダム開発試験0番機およびエンゲージガンダムが登場。

計画で開発された機体

ガンダムタイプ

実証試験機

その他 

関連用語 

デラーズ紛争
星の屑作戦
TR計画

リンク

脚注

  1. ガンダムはジオン系MSに対して優位を保っていたが、機動兵器の技術全体を俯瞰すれば部分的なアドバンテージに過ぎなかった。
  2. 「ガンダム」の名称が用いられたのは、主に予算確保を容易にする政治的意図があったとされる。
  3. 開発体制は連邦とアナハイムとの共同開発だが、実際にはアナハイムへの「丸投げ」であり、連邦は機体のコンセプト提示のみにとどまっている。
  4. これは試作0号機が単機での多機能化を突き詰めた結果、操作性を含めパイロットへの負担が大きかった事を反省しての措置でもあった。
  5. これに伴いコウの罪状も消滅・釈放となった。
  6. 開発データに関して、関係者であってもアナハイム上層部の承認が降りなければデータにアクセスできない状態であった。