ザフト軍

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ザフト軍(Z.A.F.T)

機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場するプラントの政治結社及びそこに属する事実上の国軍。「ザフト」とは「Z.A.F.T.(Zodiac Alliance of Freedom Treaty=自由条約黄道同盟)」の略称である。

政党としてのザフトは、パトリック・ザラシーゲル・クラインなどのL5コロニー建設の従事者が中心となり結成した政治結社「黄道同盟」を前身とし、当初はコーディネイター及びプラントの諸権利獲得を目的に活動していたが、C.E.65年に党勢拡大に伴って「自由条約黄道同盟(ザフト)」へと改称。その後C.E.68年にはプラント内の警察組織を吸収し、軍備を保有する組織へと再編された。

ザフト軍は国家の正規軍ではなく義勇軍であり、所属する人員は職業軍人ではなく最高評議会議員を含めて平時はそれぞれの本職に就いており、入隊も志願制となる。そのため、階級制度が存在せず、肩書きは配属された兵科や職種、責任者や管理職名[1]で呼ばれる。

第一次連合・プラント大戦ではモビルスーツの投入やニュートロンジャマーの使用で地球連合軍に対して優位に立つが、やがてシーゲル・クラインに賛同する非戦派やラクス・クラインが率いる「クライン派」、パトリック・ザラの思想に傾倒した「ザラ派」に分裂。ザフトの全権はパトリックの最高評議会議長就任と共にザラ派によって掌握された為、ラクス率いるクライン派はプラントを脱走、アークエンジェルクサナギと合流し三隻同盟を結成して独自の行動を展開した。一方のザラ派は連合との徹底抗戦を唱えたものの、パトリックの死によって瓦解。戦後のギルバート・デュランダル政権下では一部が脱走兵となり、ブレイク・ザ・ワールド事件を引き起こしている。

モビルスーツをはじめとするザフトで開発された平気は党行政機関の一部である設計局で開発される。当初は複数の局に分かれて開発が行われていたが、パトリック・ザラ政権時に統合設計局へと統一された。また、MS用装備はラテン語のペットネームを命名する慣習が存在するが、これはプラントが(地球から)多国籍のコーディネイターが集った宇宙国家であるために、近代言語の基となった、特定国家のものではない同言語を使用したため[2]。MSの額等に彫り込む言語もラテン語の影響が強いイタリア語に因むが、これはMSを実用化した技師がジャン・カルロ・マニアーニというイタリア系であったことに由来している。

一方、民兵上がりの義勇軍故なのか、戦時中における敵兵に対する人権意識がかなり低く、劇中においても抵抗力を持たない敵兵士に対し一方的な虐殺を平然と行う展開が何度も描かれている。第二次ビクトリア攻防戦では、捕らえた連合兵の捕虜達を機関銃で虐殺する私刑が行われており、パナマ攻防戦でも敵を無力化する為の電子戦装備である「グングニール」を使用したにもかかわらず、オペレーション・スピットブレイクの失敗の鬱憤を晴らすかの様に、抵抗力を失った敵兵士達をモビルスーツの機関銃や集団リンチで殺戮するという残虐極まりない行為に出ている。この結果、敵対する地球連合側でも抵抗力を失った兵士達の殺害が黙認される事態を招き、第三次ビクトリア攻防戦後は、連合軍に制圧されたビクトリア基地周辺で、抵抗力を失ったザフト兵が射殺されるシーンが描かれている。ユニウス戦役時も、この問題が殆ど改善されていないと言え、ザフト軍によるがるな反基地攻略後、地元民間人に抵抗力を失った連合兵達が一方的に虐殺されるのを平然と放置している。

また、ザフト軍はMSの存在もあって国力で上回る連合に善戦したものの、その一方で偵察機や威力偵察車両、通信車両等といったMSでは不向きかつ無駄にコストの掛かってしまう役割までもMSに担わせようとする「モビルスーツ偏重主義」が根強い。

制服

上述のようにザフトには階級は存在しないのだが、武官や文官との分別や、士官学校の卒業成績等で制服の色が分けられており、その能力差によって現場では事実上の上下関係が発生する傾向にある。なお、ザフト創設前の「黄道同盟」時代とは制服のデザインが異なる。

白服
艦長、軍基地指令、部隊司令官、特別部隊指揮官が該当する。
赤服
士官アカデミーを10位以内で合格した者に与えられる軍服。緑服との立場的な差は士官学校の卒業時の順位だけだが、士官学校を優秀な成績で卒業しているため、エースパイロットなども多い。
黒服
軍内部での副官クラス。
緑服
士官学校を11位以下。主に一般兵が該当する。
紫服
国防委員会に属している武官。軍全体の直接指揮権を有する。
青服
文官議員。軍への指揮権は持たない。


登場作品

機動戦士ガンダムSEED
機動戦士ガンダムSEED ASTRAY
機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R
機動戦士ガンダムSEED ASTRAY B
機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 ΔASTRAY
機動戦士ガンダムSEED FRAME ASTRAYS
機動戦士ガンダムSEED VS ASTRAY

構成員

C.E.70年代 

ラウ・ル・クルーゼ
白服を纏うクルーゼ隊の指揮官。目元を常に仮面で覆っているため、その素顔は不明。
アスラン・ザラ
赤服を纏うクルーゼ隊エースパイロットの1人。ヘリオポリスで奪取したイージスガンダムのパイロットであるが、幼馴染であるキラ・ヤマトと敵対した事で数奇な運命に翻弄されていく。
イザーク・ジュール
アスランと同じく赤服を纏うエースパイロットの1人。ヘリオポリスで奪取したデュエルガンダムのパイロットとなり、後に自らが率いるジュール隊指揮官となる。
ディアッカ・エルスマン
赤服を纏うエースパイロットの1人。アスラン、イザークと同じくクルーゼ隊の一員で、ヘリオポリスから奪取したバスターガンダムのパイロットとなる。戦役中盤以降は成り行きでアークエンジェルと行動を共にしつつ戦いを生き延びており、2年後にはジュール隊の副官として復帰している。
ニコル・アマルフィ
赤服を纏うエースパイロットの1人。クルーゼ隊の一員で、ヘリオポリスから奪取したブリッツガンダムのパイロットとなる。戦争中盤、オーブ沖のアークエンジェル迎撃戦の際、ソードストライクの攻撃からアスランを庇って落命する。
ミゲル・アイマン
アンドリュー・バルトフェルド
『砂漠の虎』の異名を取る、ザフト軍北アフリカ駐屯部隊の指揮官。当初はキラ、カガリと敵対していたが、後に新造艦エターナルの艦長として彼等と行動を共にする。
マーチン・ダコスタ
マルコ・モラシム
フレドリック・アデス
グゥド・ヴェイア
アッシュ・グレイ
ザフト軍特殊防衛部隊の一員で、ジェネシスαの防衛隊隊長。リジェネレイトガンダムのパイロット。
シホ・ハーネンフース
アイザック・マウ
ミハイル・コースト
アレック・ラッド
ルドルフ・ヴィトゲンシュタイン

C.E.73年代

シン・アスカ
C.E.73年、新造された新型艦ミネルバに配属された赤服のパイロット。同じく最新鋭モビルスーツであるインパルスを操る。
レイ・ザ・バレル
タリア・グラディス
ルナマリア・ホーク
メイリン・ホーク
ハイネ・ヴェステンフルス
コートニー・ヒエロニムス
マーレ・ストロード
リーカ・シェーダー

拠点 

ヤキン・ドゥーエ
ボアズ
メサイア
カーペンタリア基地
ジブラルタル基地

関連用語

プラント
コーディネイター
FAITH
クライン派
ザラ派

リンク

余談 

  • モデルは旧ソビエト、中東戦争時のイスラエル等。また、名前に「黄道」と冠しているのもバビロニアやユダヤの占星術や学問で多用された十二宮の所在する黄道や、軍事兵器の設計開発を国営局で行う等、各所にそれらの影響が垣間見える。

脚注

  1. 隊長、艦長、基地司令など。
  2. 逆に地球連合なら大西洋連邦製は英語やドイツ語、ユーラシア連邦系ならフランス語やロシア語を使う傾向がある