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百式のヘッドユニットは[[Ζガンダム]]の設計に多大な影響を与え、いわゆる「Ζ系」の意匠の原型となっている。ガンダム系シルエットを持ちながら走査端末などに独自のデバイスが装備されており、特に目に相当するメインモニターにはイデシステムが装備され、精密照準時などにある種の走査パターンが現れる。他にもバルカン砲や各種センサー配置も高密度で可能であったが、各デバイスはかなりのコスト高騰を招いたとされる。 | 百式のヘッドユニットは[[Ζガンダム]]の設計に多大な影響を与え、いわゆる「Ζ系」の意匠の原型となっている。ガンダム系シルエットを持ちながら走査端末などに独自のデバイスが装備されており、特に目に相当するメインモニターにはイデシステムが装備され、精密照準時などにある種の走査パターンが現れる。他にもバルカン砲や各種センサー配置も高密度で可能であったが、各デバイスはかなりのコスト高騰を招いたとされる。 | ||
− | + | ボディユニットはリック・ディアスの基礎構造を踏襲しているが、内部構造を比較した場合、根本的な構造の違いがあり、また見た目の印象とは違いリック・ディアスのボディと重量差はほとんど存在していない。これは公国系MSの構造を持つリック・ディアスと、ムーバブルフレームを採用した百式の本質的な設計コンセプトの違いによるものである。ムーバブルフレームは武装と装甲、プロペラント以外にMSに必要な機構を全て内装しており、リック・ディアスが装甲の内側に詰め込んでいる機能のほとんどをフレーム内に圧縮して内装していた。これによってそれぞれの部位に発生するモーメントが極小化されるため、躯体そのもののレスポンスや消費エネルギーが改善されている。また、ムーバブルフレームの採用によって駆体駆動に要するエネルギー消費の効率化が可能となったため、メインジェネレーターの極端な出力向上がなくとも[[メガ・バズーカ・ランチャー]]のドライブを可能としている。 | |
腕部はリック・ディアスのマニピュレーターや装甲の構成をムーバブルフレームに移植する際のマッチングテストを兼ねた構造を持つ。これは計画進行の最中にあって多分にリスキーな側面を持っていたが、可変機としての欠陥が露呈したこともあり、ワンオフの試験機、あるいは実験機としてピーキーな仕様となったことが逆にこの機体のポテンシャルを押し上げたといえるものであった。 | 腕部はリック・ディアスのマニピュレーターや装甲の構成をムーバブルフレームに移植する際のマッチングテストを兼ねた構造を持つ。これは計画進行の最中にあって多分にリスキーな側面を持っていたが、可変機としての欠陥が露呈したこともあり、ワンオフの試験機、あるいは実験機としてピーキーな仕様となったことが逆にこの機体のポテンシャルを押し上げたといえるものであった。 | ||
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特徴的な金色の機体カラーは「エマルジョン塗装」と呼ばれる一種の耐ビーム機能を持つ合成樹脂である。金色という視認性の高いカラーリングは、一般的には敬遠されていたカラーであったものを、M・ナガノ博士の要望にメインパイロットである[[クワトロ・バジーナ]]が理解を示した事で採用された経緯があった。 | 特徴的な金色の機体カラーは「エマルジョン塗装」と呼ばれる一種の耐ビーム機能を持つ合成樹脂である。金色という視認性の高いカラーリングは、一般的には敬遠されていたカラーであったものを、M・ナガノ博士の要望にメインパイロットである[[クワトロ・バジーナ]]が理解を示した事で採用された経緯があった。 | ||
− | + | 各デバイスの信頼性の高さと内部へのアクセスへの容易さから開発中の各種装備の運用試験を行うテストベッドとしての役割も与えられているが、一方で非可変機への仕様変更を受けた事もあってアビオニクスは複雑化してしまった為、ワンオフモデルとして扱われている。 | |
== 登場作品と操縦者 == | == 登場作品と操縦者 == |
2024年11月3日 (日) 16:38時点における最新版
百式 | |
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外国語表記 | Hyaku Shiki/Type-100 |
登場作品 | |
デザイナー |
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スペック | |
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分類 | 攻撃型試作モビルスーツ |
生産形態 | 試作機 |
型式番号 | MSN-00100 |
頭頂高 | 18.5m |
全高 | 19.2m |
本体重量 | 31.5t |
全備重量 | 54.5t |
主動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 1,850kw |
スラスター総推力 | 74,800kg |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
センサー有効半径 | 11,200m |
開発組織 | アナハイム・エレクトロニクス社 |
所属 | エゥーゴ |
母艦 | |
主なパイロット |
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概要[編集 | ソースを編集]
「Ζ計画」の一環でアナハイム・エレクトロニクス社が開発したエゥーゴの攻撃型モビルスーツ。「百式」の名称は開発主任であるM・ナガノ博士[1]が「百年保つMS」という願いを込めて付けたもので、それを体現するかのように全身が金色でコーティングされている。
当初は可変モビルスーツとして「デルタガンダム」のコードネームと共に開発が進められていたが、バインダーの耐久性やムーバブルフレームの強度などの問題が解決出来ず、開発は一旦中止された。しかし、機体自体のポテンシャルが高かったため、その後ガンダムMk-IIからもたらされたムーバブルフレームのデータを転用した事で事態は好転。Ζ計画が進展し、それに伴いデルタガンダムは非変形型MSとして再設計され、完成に至った。開発母体となったのはリック・ディアス以降の開発計画における近接・格闘戦用MSの基礎フレームで、それにムーバブルフレームのコンセプトを導入するという手法が採用されている。
高速機動と耐ビームコーティングによって被弾率を低下させる事をコンセプトの一つにしており、バックパックのフレキシブル・バインダーはAMBAC肢と大気圏内での整流板として機能し、機体の機動性・運動性を支えている。また、バックパックはリック・ディアスの動力デバイスとバインダー基部を圧縮した構造に一般的なスラスターユニットを組み込んだもので、フレキシブル・バインダーの流用自体を主目的として構成されている。
百式のヘッドユニットはΖガンダムの設計に多大な影響を与え、いわゆる「Ζ系」の意匠の原型となっている。ガンダム系シルエットを持ちながら走査端末などに独自のデバイスが装備されており、特に目に相当するメインモニターにはイデシステムが装備され、精密照準時などにある種の走査パターンが現れる。他にもバルカン砲や各種センサー配置も高密度で可能であったが、各デバイスはかなりのコスト高騰を招いたとされる。
ボディユニットはリック・ディアスの基礎構造を踏襲しているが、内部構造を比較した場合、根本的な構造の違いがあり、また見た目の印象とは違いリック・ディアスのボディと重量差はほとんど存在していない。これは公国系MSの構造を持つリック・ディアスと、ムーバブルフレームを採用した百式の本質的な設計コンセプトの違いによるものである。ムーバブルフレームは武装と装甲、プロペラント以外にMSに必要な機構を全て内装しており、リック・ディアスが装甲の内側に詰め込んでいる機能のほとんどをフレーム内に圧縮して内装していた。これによってそれぞれの部位に発生するモーメントが極小化されるため、躯体そのもののレスポンスや消費エネルギーが改善されている。また、ムーバブルフレームの採用によって駆体駆動に要するエネルギー消費の効率化が可能となったため、メインジェネレーターの極端な出力向上がなくともメガ・バズーカ・ランチャーのドライブを可能としている。
腕部はリック・ディアスのマニピュレーターや装甲の構成をムーバブルフレームに移植する際のマッチングテストを兼ねた構造を持つ。これは計画進行の最中にあって多分にリスキーな側面を持っていたが、可変機としての欠陥が露呈したこともあり、ワンオフの試験機、あるいは実験機としてピーキーな仕様となったことが逆にこの機体のポテンシャルを押し上げたといえるものであった。
レッグユニットはムーバブルフレームを導入しながら、ほぼデルタガンダムの設計案通りの構造を持ち、意図的かと思えるほど内部フレームが露出しているが、これは可変機というコンセプトを放棄したための欠陥ではなく、むしろ運動性の向上と機体軽量化の徹底を指標とし、更に後の可変MS開発のための基礎研究を行うのに有用だった。MSは一年戦争の期間中に擬人化をほぼ達成し、ムーバブルフレーム構造もそれを更に推し進めたものだったが、MSは兵器であるがゆえに装甲を必要とし、装甲がMSの擬人化や運動性向上の一つの障害でもあった。それに対し、百式はフレームから最終装甲を浮かせることで四肢の運動性を飛躍的に向上させることに成功。百式の装甲は自機の可動や被弾状況などに応じてアクティブに移動し、これは実戦投入によって稼働ソフトの開発にも貢献している。
特徴的な金色の機体カラーは「エマルジョン塗装」と呼ばれる一種の耐ビーム機能を持つ合成樹脂である。金色という視認性の高いカラーリングは、一般的には敬遠されていたカラーであったものを、M・ナガノ博士の要望にメインパイロットであるクワトロ・バジーナが理解を示した事で採用された経緯があった。
各デバイスの信頼性の高さと内部へのアクセスへの容易さから開発中の各種装備の運用試験を行うテストベッドとしての役割も与えられているが、一方で非可変機への仕様変更を受けた事もあってアビオニクスは複雑化してしまった為、ワンオフモデルとして扱われている。
登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]
- 機動戦士Ζガンダム
- 初登場作品。第9話でリック・ディアスに代わるクワトロ・バジーナの乗機としてアンマンでアーガマに配備され、以降、最終回に至るまでティターンズのMSを多数撃破する活躍を見せた。しかし、終盤になると徐々に後発の高性能機に押され始め、最後はハマーン・カーンのキュベレイとの戦闘で大破。四肢を失った機体は放棄された。
- 機動戦士Ζガンダム(小説版)
- アポリー・ベイが一度だけ搭乗している。
- 機動戦士Ζガンダム A New Translation
- TV版と概ね同様の活躍をしている。場面によってはハイザックのシールドや戦艦の装甲を盾として活用する場面もある。
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 主なパイロットはビーチャ・オーレグ。他にもジュドー・アーシタやモンド・アガケが搭乗している。ネオ・ジオン軍の地球降下作戦阻止の為にアーガマに配備され、以降はガンダム・チームの1機として終戦まで戦い抜いた。ちなみにこの時配備されたのは性能をデチューンした2号機とも、クワトロ機を修復したとも言われるが真偽は不明。
- 機動戦士ガンダムUC テスタメント
- 人間ではなく本機が主人公となっており、一人称は“わたし”。“わたし”はフレキシブルバインダーを、「失った翼の名残」と呟いている。その後、秘めたる思いは少しづつ受け継がれ、“わたし”はデルタプラスとして蘇った。
装備・機能[編集 | ソースを編集]
特殊機能[編集 | ソースを編集]
- イデシステム
- 頭部のバイザー型センサーの事で、「Image Directive Encode System(画像管理型符号化装置)」の略称。その奥にはデュアルセンサーも搭載されている。
- いくつかのモードが存在し、それらを切り替える際に様々な走査パターンがバイザーに表示される。
- 耐ビームコーティング
- 全身に渡って施されている金色の耐ビームコーティング。重合素材の薄膜ラミネート層をして「超強化プラスチック装甲」と定義される場合もある。
- 資源衛星で発見された特殊な材料をベースに調合された皮膜材を使用しているが、耐弾性については当時のレベルを大幅に超えるものではなく、視認性も非常に高いので本機やその系列機以外に採用される事はなかった。
- また、オリジナルレシピによるコーディングはロールアウト直後のみで、以後完璧に再現する事は不可能だったと言われている。
- マルチプル・ディスチャージャー
- 指の付け根に内蔵されている装備。トリモチランチャーや消火剤、ワイヤーなどを発射可能。リック・ディアスと同規格の物。
- フレキシブル・バインダー
- バックパックの左右に装備された可動式のバインダー。ランダム・バインダーとも言われている。スラスターを内蔵するほか、AMBAC肢と大気圏内での整流板としての機能を有する。また、任意での切り離しが可能となっており、状況によってはバックパックごと切り離す事もあった。
武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]
- 60mmバルカン砲
- 頭部に左右一対2門内蔵。主に牽制などに使用されたが、至近距離であればMSに対しても有効であった。
- BR-M-87 ビーム・ライフル
- 本機の主兵装であるEパック方式のライフル。ジム・スナイパーIIのビーム・ライフルを改造した物。アビオニクスの流用や出力の強化といった改修により、威力が向上しているが、反面連射性能に若干の難が有った模様。非使用時には背部にマウント可能。Eパックはリック・ディアスと同じスネイルタイプを使用する。
- 第一次ネオ・ジオン抗争時に運用されたマイナーチェンジ品(型式番号BR-M-87BB)はΖガンダムと同じくロング・ビームサーベル機能を有する。
- ビーム・サーベル
- 腰部に2基マウントされている。リック・ディアスやネモの物と同型だが、本体同様にエマルジョン塗装が施されている。
- AE/ZIM.C-BAZ-531 クレイ・バズーカ
- エゥーゴの汎用バズーカ。これもリック・ディアスの物と同型で、敵機そのものの破壊ではなく内部メカの破損等を目的としており、エゥーゴの初期戦術ではその種の弾頭が多用されていたため、本武装もそう呼ばれているが、実際には様々な弾頭を発射でき、通常弾も発射可能。非使用時にはフックを用いてバックパックに懸架される。マガジンはダブルカーラムで、装弾数は7(+1)発。
- FHA-02MI メガ・バズーカ・ランチャー
- 移動砲台式の大型ビーム砲。巡航形態から射撃形態へ変形でき、高出力ビームを発射可能。その威力は戦艦を一撃で撃沈できる程だが、それに比例してチャージ時間が長く、エネルギー消費量も多い。
- 本機のみでは1発しか撃てないが、随伴させた別のモビルスーツ(TV版ではゲルググ、劇場版ではメタス)によるエネルギー供給を行う事で複数回発射できる。
- グリプス戦役で喪失し、運用実績から鑑みた使い勝手があまり良くなかった事もあり、第一次ネオ・ジオン抗争時に再生産はされず、SFSと機能を統合したメガライダーが代わって配備された。
その他[編集 | ソースを編集]
- シールド
- 劇場版にて、ハイザックのシールドの鹵獲品と思われる物を装備。その後、戦艦の甲板に持ち替えられた。
- ちなみに本機は敵機の攻撃を防御ではなく回避する事で対応するというコンセプトの為、専用のシールド等は用意されていない。
対決・名場面[編集 | ソースを編集]
機動戦士Ζガンダム[編集 | ソースを編集]
機動戦士ガンダムΖΖ[編集 | ソースを編集]
- 対ドライセン(オウギュスト・ギダン機)
関連機体[編集 | ソースを編集]
系列機・派生機 [編集 | ソースを編集]
- デルタガンダム
- 原型機。開発当初は可変機として開発されていたが、可変機構の欠陥から非変形機に再設計された。
- 百式改
- 本機の改良機。統合性能の向上を図った機体であり、同機をベースにしたバリエーションも多数存在する。
- デルタプラス
- Ζ系統のモビルスーツの技術を反映させて再設計した機体。
- 零式 (ぜろしき)
- 本機の前段階にあたる機体。『Define』における本機に相当する。
- 零式弐型
- スラスターの追加や一部装甲形状の変更等の改修が施された零式。
- 九十九式 (つくもしき)
- コスモ・バビロニア建国戦争後、百式のコンセプトをアップデートして開発された機体。
- 強襲用九十九式
- 九十九式にブースター・ユニットや追加武装を装備させた換装形態。
技術的関与のある機体 [編集 | ソースを編集]
その他 [編集 | ソースを編集]
- 白式 (びゃくしき)
- 『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』に登場する百式ベースのガンプラ。名称の通り、機体カラーが白となっている。
- 百万式 (メガシキ)
- 『ガンダムビルドファイターズトライ』に登場するガンプラ。ベースはデルタガンダムだが、非可変機であるなど百式に近い改造がされている。
- ルナゲイザーガンダム
- 『ガンダムビルドファイターズA-R』に登場する百式ベースのガンプラ。スターゲイザーの機能が盛り込まれている。
- 百式J
- 『ガンダムブレイカー3』に登場する百式ベースのガンプラ。バックパックが改良されている。
- 百式壊 (ひゃくしきクラッシュ)
- 『ガンダムビルドダイバーズ GIMM&BALL’S WORLD CHALLENGE』に登場するガンプラ。武装に様々な可変機構が追加されている。
- テラフォーマーズU-NASA特注 百式
- ジャンプフェスタ2020で公開された『ヤングジャンプ×ガンダム40周年スペシャルムービー』で登場した機体。デザインはテラフォーマーゴッグ、テラフォーマーアプサラスと同じく橘賢一氏による書き下ろし。
- ザク・マシーナリー (エルナルド・バト機)
- エルナルド・バト専用にカスタマイズされたザク・マシーナリー。本機のものに類似した耐ビームコーティングとフレキシブル・バインダーが導入されている。
商品情報[編集 | ソースを編集]
フィギュア[編集 | ソースを編集]
リンク[編集 | ソースを編集]
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ ナガノ博士の下りから永野デザインの機体と思われがちだが永野氏自身は「あれはもう藤田君の機体」とコメントしており自身のデザインした機体ではない認識である模様。