シーブック・アノー
シーブック・アノー | |
---|---|
外国語表記 | Seabook Arno |
登場作品 | |
声優 |
|
デザイナー | 安彦良和 |
プロフィール | |
---|---|
偽名 | キンケドゥ・ナウ (CV所属時) |
種族 | 人間 |
性別 | 男 |
生年月日 | 宇宙世紀106年 |
年齢 | 17歳 (F91) ⇒ 48歳 (ゴースト) |
髪色 | 青 |
瞳の色 | 青 |
職業 | 高校2年生 ⇒ MSパイロット ⇒ パン屋 (木星戦役以降) |
所属 | 民間人 ⇒ レジスタンス (F91) ⇒ 宇宙海賊クロスボーン・バンガード (キンケドゥ時) ⇒ 民間人 (ゴースト) |
主な搭乗機 |
ガンダムF91 ガンタンクR-44 |
概要[編集 | ソースを編集]
『機動戦士ガンダムF91』の主人公で、スペースコロニー・フロンティアIVの総合高校の工業科に通う17歳の高校生。
父レズリー・アノーと妹リィズ・アノーとの3人暮らしで、ガンダムF91の開発に関わり別居状態のモニカ・アノーを母に持つ。機械いじりが好きで、グライダーを自作してジュニア大会で優勝した経歴の持ち主である。
ハイスクールの学園祭に参加中、地球連邦軍とクロスボーン・バンガードの戦争に巻き込まれ、ハイスクールの友人と共に連邦軍の練習艦スペース・アークへ逃げ込むものの、そこで人員不足を補う目的で強制的にガンダムF91のパイロットに抜擢されてしまう。フロンティアを襲うクロスボーン軍とそれに対抗しようと横暴を働くコズモらの板挟みに嫌悪感を抱きながらも、それらの理不尽から生き延びようとする反発心と仲間達を守ろうとする意欲を糧に戦いに身を投じた。その中でニュータイプの素質を開化させていった。
同学年のセシリー・フェアチャイルドとは当初は知り合い程度の関係であり、淡い感情を抱く程度だった。フロンティアIVを脱出する最中にクロスボーン軍によって目の前で攫われてからはその安否を確かめるべく単身フロンティアIVを潜入し、そこでベラ・ロナへと名を変えた彼女と再会。それを受け女王になるために自分達と決別したと半ば無理矢理自分を納得させるものの後に戦場でも再会。彼女が流されるままにベラ・ロナの立場になってしまった事を知り、説得によって再びセシリーとして生きる道を選ばせる。
その後、バグが出現した際にはセシリーと共に無差別殺戮を阻止しようと奮戦し、その中でラフレシア・プロジェクトの首魁である真の敵、鉄仮面を討とうと決意。彼の駆るラフレシアを撃破し、その戦いの最中に宇宙空間へと投げ出されたセシリーを母とバイオ・コンピューターの助力を得て発見する事に成功。その後も続くコスモ・バビロニア建国戦争における1つの戦いに一応の終焉を迎えた。
その後の建国戦争にも参戦し、F91のパイロットとしてその名を馳せた。セシリーが反貴族主義を掲げ再びベラ・ロナとして立ち上がった際にもその傍らに就き、戦後にはバビロニア・バンガードの処女航海に参加。その際、木星帝国のテロ攻撃によって同艦が撃沈された事で公式記録上では死亡扱いとなるものの、実際は木星帝国を欺くための偽装工作であり、ベラが宇宙海賊クロスボーン・バンガードを結成した際には「ベラ」としての彼女と共に戦うための意思表示として「キンケドゥ・ナウ」を名乗って参加した。
木星戦役の後、キンケドゥの名を捨てたシーブックは、同じくベラの名を捨てたセシリーと共に戦いから身を引いて地球へと移住。そこでパン屋「DONKEY'S BAKERY」を経営し、子供を授かっている。宇宙海賊のメンバーとも交流は続いており、時折近況報告を行っていた。「鋼鉄の7人」作戦の際にはかつて共に戦った仲間のトビアが作戦への参加を呼びかけるべく店前を訪れているものの、既にパン屋と家庭を持ち平和に過ごすシーブック達のために断念し、顔を合わせる事無く去っている。
ザンスカール戦争時に戦乱で街が荒廃した状況でも、セシリーと共に食糧難に陥った避難者のために引き続きパン作りを継続しており、成長した子供たちも既に自立し家を離れている。
登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]
- 機動戦士ガンダムF91
- 初登場作品。物語の主人公としてF91を駆ってクロスボーン・バンガードとの戦いに身を投じた。
- 機動戦士ガンダムF91 (コミックボンボン版)
- ストーリー自体は概ね映画と同じなのだが、シーブックが異様なまでのギャグキャラとして描かれており、終始滅茶苦茶な戦法や大迷言を連発している。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム
- F91本編終了後の建国戦争での動向について語られている。作中ではキンケドゥ・ナウとして登場しているが、木星帝国との戦いが終結した後、シーブックへと戻り、セシリーと共に戦いから身を引いて地球での生活を始めた。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート
- 「海賊の宝」ラストで海賊宛の写真が登場。子供を1人授かっている。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
- 第36話ラスト~第38話で登場。木星戦役から20年程経過している事もあり、貫禄のある見た目となっている。運搬中の小麦粉を狙う盗賊に襲われていたところを林檎の花から脱走中のフォントに助けられ、行き場所のない彼とベルを居候させると共に、ベルの希望で彼女にパンの作り方を教えた。避難民をザンスカール軍が襲撃した際には戦えないフォントに変わってX-0に搭乗。持ち前の技量で上手く立ち回りつつ、吹っ切れたフォントの援護を受けてこれらを撃破した。戦いの後、カーティス宛のパンをキンケドゥ名義でフォント達に託して彼らを見送った。
- 機動戦士ガンダムF91プリクエル
- F91本編以前の、セシリーと知り合ったばかりの頃が描かれている。
- 機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE
- 声優の辻谷氏が鬼籍に入っているため、ユウキ・タツヤ役などを務める佐藤拓也氏が代役を務めている。架空戦記であるストーリーイベント「クロスオーバーUCE」ではバナージやセシリー達と共にリガ・ミリティア所属になっており、ガンダムF91 ツイン・ヴェスバー装着型が搭乗機となっている。
人間関係[編集 | ソースを編集]
家族[編集 | ソースを編集]
- レズリー・アノー
- 父。コロニー公社で働いている。妻とは別居状態。妻の研究に対する情熱を理解し、サナリィに行くことを許していた。
セシリーを連れ戻そうと単身敵地に乗り込んだシーブックを逃がす為、凶弾に倒れる。死の間際、シーブックへ語った妻への想いが彼に母に対する認識を改めさせる切欠を作った。 - モニカ・アノー
- 母親。サナリィ所属のコンピューター技師でF91の開発に関わる。家庭よりも仕事に専念していたためシーブックから嫌悪されていたものの、父親の死後、F91のパイロットとなった彼と再会し、それを契機に和解。F91に乗るシーブックのサポートに務めた。
- リィズ・アノー
- 妹。小学4年生。ガンダムF91のバイオコンピューターの配線の秘密を解く。
- 息子たち
- 『ゴースト』ではフォントと同じ位の年の息子が数人いる事がシーブックの口から明かされている。リガ・ミリティアへの入隊を志願し、シーブックの反対を押し切って家から出て行ったとの事だが、その後の動向は不明。
親友[編集 | ソースを編集]
- セシリー・フェアチャイルド (ベラ・ロナ)
- ガールフレンド。同じ高校の普通科の生徒で学園のマドンナ。CV軍の襲撃時に共に脱出を試みるものの、その途中、目の前でドレル・ロナによって連れ去られてしまう。その後、戦場で再会し説得に成功。鉄仮面の暴挙を阻止するべく共に戦い、最後はバイオコンピューターの助力を受けて宇宙空間に漂流していた彼女を救出した。
その後の建国戦争や木星戦役でも共に戦い、戦いから身を引いてからは地球でパン屋を経営。子供も授かった。 - アーサー・ユング / サム・エルグ / ジョージ・アズマ / ドロシー・ムーア / ドワイト・カムリ
- 友人たち。シーブックと共にフロンティアIVから避難する。
地球連邦軍 / レジスタンス[編集 | ソースを編集]
- ビルギット・ピリヨ
- 連邦軍パイロット。皮肉屋ではあるが、シーブックの良き兄貴分。
- コズモ・エーゲス
- レジスタンスの中心人物。スペース・アークに避難してきたシーブックに戦いを強要し、こき使った。漫画版では避難してきたシーブックを気遣うなど、映画版とは対照的な性格になっている。
- グルス・エラス
- スペース・アークのメカニック。レズリーの仕事風景のVTRをシーブックの言葉を無視してリィズに勝手に見せるなど無責任な部分もあるが、シーブックが父を死なせてしまった際には彼を叱責するなど、大人としての責任感も持ち合わせている。
- バルド
- 連邦軍仕官。ガンタンクR-44で避難中のシーブック達に対し、戦列に加わるよう脅迫する。
クロスボーン・バンガード / 宇宙海賊クロスボーン・バンガード[編集 | ソースを編集]
- ザビーネ・シャル
- 黒の部隊指揮官。ラフレシア撃破後のF91をカロッゾ暗殺の手間が省けたため見逃した。結局、映画本編で対峙する事はなかったが、本編後のコスモ・バビロニア建国戦争では何度も対峙しライバル関係になっていた事が、続編の『クロスボーン・ガンダム』の中で語られている。なお、コミックボンボン版ではF91と直に対決。その性能に圧倒された上、随伴していたベラが離反したため撤退した。
- トビア・アロナクス
- キンケドゥを名乗っていた頃に共に戦った戦友。『ゴースト』でフォントから関係を聞かれた際には「弟分みたいなもんだった」「ヴぁカ」「猪突猛進」と評した上で彼の直感性や人柄について語った。
- フォント・ボー
- 林檎の花から脱走した彼をベルと共にパン屋へ居候させた。理性の暴走を避けようと戦いを恐れる彼に対し、ただベルのパンを食べる事だけを薦め、結果として彼に「心で理性の暴走を乗り越える」という結論に至らせ、吹っ切れさせた。
- ベルナデット・ドゥガチ
- フォントにパンを食べさせて元通りになってもらうため、シーブックを師匠と呼び弟子入りした。失敗に失敗を重ねたものの、その甲斐もあってフォントの復帰を成功させている。
その他 [編集 | ソースを編集]
- ハロ (オウム)
- ベラ (セシリー)のペットであるオウム。『ゴースト』ではボンボン版F91でのシーブックの迷言を口にする場面がある。
名台詞[編集 | ソースを編集]
機動戦士ガンダムF91[編集 | ソースを編集]
- 「親が子供に銃を向けるのか!」
- 銃を突き付けてでもセシリーを連れていこうとした義父シオ・フェアチャイルドに向かって放った言葉。「親に銃を向けるのか!」と言いつつ自身は息子に向かって発砲していたフランクリン・ビダンとは対照的である。
- 「F91ガンダムは、シーブック・アノーで行きます!」
- 初出撃時の富野節溢れる台詞。後に小説版『機動戦士ガンダムAGE』で、主人公のキオ・アスノがこの台詞をオマージュした発言をしている。
- 「パ、パイロットは死んだ…死んだか…!うぅ…っ」
- 初戦闘時、敵機を2機同時に仕留めた際の台詞。これまでの主人公は初撃破でも比較的落ち着いている事が多かったが、本来であれば人を撃った事に動揺するのが自然と言える。
- 「ビーム・ライフルでは、駄目か…!」
- ビルギットに肉薄する敵機を攻撃する際に。直後、脳裏にヴェスバーのイメージが浮き上がるという、バイオコンピューターの作用と思われる描写が描かれている。
- (こいつは…強力すぎる…)
- 上記の直後にヴェスバーを初使用するが、敵機をビーム・シールドごと撃ち貫くその威力に驚愕する。
- 「抵抗するんじゃない!行っちゃえよ!」
- 同じく戦闘時の台詞。この後、ビーム・シールドの発生装置をビーム・ライフルで狙い撃ち、シーブックのパイロットスキルの高さを証明させた。
- 「もっとだ、もっと、もっと来い!」
- ビーム・サーベルを両腕で回転させながらバグを引きつける時の台詞。回転するビーム・サーベルの範囲外(後方)のバグはヴェスバーで対応した。
- 「なんとぉ!」
- シーブックがラフレシア戦で最後の攻撃を仕掛ける時の台詞。語源、意味は不明、掛け声という説もある。
『Vガンダム』の主人公ウッソ・エヴィンなど、後の作品に登場する人物もこの台詞を口にしている。
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト[編集 | ソースを編集]
迷台詞[編集 | ソースを編集]
- 「ゲームオーバーだ!ド外道~~~~!!」
- コミックボンボン版でヴェスパーを撃った時のセリフ。原作アニメでの迷いはどこに行ったのやら....
搭乗機体・関連機体[編集 | ソースを編集]
※キンケドゥ・ナウとしての搭乗・関連機体は当該項目を参照。
- ガンダムF91
- 主役機。搭載されているバイオコンピューターによって、次第にニュータイプ能力を開花させていった。
- ガンダムF91 ツイン・ヴェスバー装着型
- 『ガンダムUCE』でのクロスオーバーUCEにおける搭乗機。
- ガンタンクR-44
- フロンティアIVからの脱出時に搭乗。
- クロスボーン・ガンダムX-0
- 『ゴースト』で一時的に搭乗。機体を持ち出したフォントに代わり、ザンスカール帝国のモビルスーツ部隊と戦闘した。本来のパイロットであるカーティスが、機体のナビにシーブックの住む街の座標の登録・削除を度々行っており、メモリに残された僅かな情報を基にオート操縦した結果、フォントはシーブックと出会う事となった。
- ジェガン
- 『プリクエル』のシミュレーター上で搭乗。シールドはJ型の物を使用している。
余談[編集 | ソースを編集]
- 名前の「シーブック」は「See (見る)」と「Book (本)」の組み合わせ、つまり主人公の「見本」となるキャラクターとして命名されたものとなっている。