「ガンキャノン」の版間の差分

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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[V作戦]]」で開発された、中距離支援用の[[MS]][[ガンタンク]]で実現できなかった二足歩行システムを導入し、連邦軍初となる本格的なMSである。[[ガンダム]]と同じ[[コアブロックシステム]]が採用されている。装甲が厚く機体強度が高いのでシールドを必要としないが、装甲の質量の分だけ運動性が犠牲になっている。[[カイ・シデン]]が愛用していた。素手でザクを殴ったり足払いしたり、[[ガウ]]とガウの間を飛び跳ねたりと、意外と行動派な一面を見せる。[[サイド]]7脱出から[[ア・バオア・クー]]戦まで[[ホワイトベース隊]]の主力として戦い抜くが、[[ザクII]]のザク・バズーカの砲撃により膝関節を破壊されて、操縦不能となり機体は放棄。その後、爆発する[[ホワイトベース]]と運命を共にするかの様に遺棄された本機体も爆発の光の中へと消えていった。ホワイトベース隊の他にも少数が配備されている。不要部を大幅に廃した[[ジム]]や機体の目的仕様が異なる派生型しか生産されなかったガンダムと異なり、本機は原型機ほぼそのままの量産型が少数とは言え生産されている為「量産機原型」としての完成度はこちらの方が高かったものと思われる。
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[[地球連邦軍_(UC)|地球連邦軍]][[V作戦]]で開発した試作型[[モビルスーツ]]。主に両肩の240mm低反動キャノン砲による中距離支援を目的としているが、その一方でMSとしては不完全だった[[ガンタンク]]の問題点を解決するべく開発されたという経緯を持ち、人間同様の四肢を持つ機体として完成した。開発に際して連邦軍初の二足歩行機「RXM-1」のデータがフィードバックされたと言われている。
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ガンキャノンは中距離帯での砲撃戦を想定して機動性よりも耐弾性を重視しており、その装甲強度は[[リック・ドム]]のジャイアント・バズの直撃に耐えるレベルであった。[[コアブロックシステム]]の採用によって胴体部の装甲が脆弱になる欠点を有していたが、積層装甲の採用によってこれを補っている。
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頭部はバイザーで覆われたモノ・センサー方式のメイン・カメラを採用。[[ガンダム]]のデュアル・センサーよりも生産工程が簡略化出来るという利点があり、[[ジム]]にもその機構が受け継がれている。ただし、ガンキャノンのセンサーは砲撃支援の為にガンダムよりも複雑化しているとも言われている。
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支援砲撃という役割からガンタンクとの戦術用途の重複が指摘されるが、ガンキャノンは人型をしたMSとしての機能性の面でより高度な運用柔軟性<ref>脚部を用いた運動性、腕部による携行火器の使用など。そもそもV作戦は設計思想が異なる複数機種を並行開発する事でMSの運用形態を模索する事も目的の一つであった。</ref>を発揮。その有用性から固定火器を搭載した「支援用MS」というジャンルを確立し、連邦・ジオン双方でそのコンセプトに倣った機体が複数開発されており、MS開発史のターニングポイントの一つとなっている。しかし、ガンキャノンはコアブロックシステムの搭載によって生産性は低下し、[[ザクII]]の4倍という膨大な生産コストを要する事になり、本格的な戦力化には設計の簡易化が必要となった。
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
;[[機動戦士ガンダム]]
 
;[[機動戦士ガンダム]]
:主にカイが乗った他、ハヤトやアムロも搭乗。
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:主に[[カイ・シデン]]が搭乗。ジオンの新型MSに苦戦を強いられる場面も見られたが、ア・バオア・クー戦で戦闘不能になるまで一年戦争を戦い抜いた。[[セイラ・マス|セイラ]]が[[ガンダム]]で無断出撃した際はアムロが代替機として使用し、ザクを格闘戦で戦闘不能に追い込み鹵獲するという戦果を上げた。
 
;[[機動戦士ガンダム (小説版)]]
 
;[[機動戦士ガンダム (小説版)]]
 
:頭頂高が約16mに変更され、ガンダムと同様のシールドを装備している。また、胸部左と左頸部に機体識別用には「108」(カイ機)、「109」(ハヤト機)のマーキングが施されている。マーキングの設定は後に劇場版に引き継がれている。
 
:頭頂高が約16mに変更され、ガンダムと同様のシールドを装備している。また、胸部左と左頸部に機体識別用には「108」(カイ機)、「109」(ハヤト機)のマーキングが施されている。マーキングの設定は後に劇場版に引き継がれている。
 
;[[機動戦士ガンダム|劇場版 機動戦士ガンダム]]
 
;[[機動戦士ガンダム|劇場版 機動戦士ガンダム]]
:ジャブローでガンタンクと入れ換える形でもう1機がホワイトベース隊に配備、ハヤトが専属パイロットとなる。既述の通り、小説版の設定を輸入しているため、機体に識別番号のマーキングが施されている。また、[[ア・バオア・クー]]攻防戦ではこれらとは別の203号機が登場している。
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:ジャブローでガンタンクと入れ換える形でもう1機がホワイトベース隊に配備され、ハヤトが専属パイロットとなる。前述の通り小説版の設定を輸入しているため、機体に識別番号のマーキングが施されている。また、[[ア・バオア・クー]]攻防戦ではこれらとは別の203号機が登場している。
 
;[[機動戦士ガンダム戦記]] アバンタイトル
 
;[[機動戦士ガンダム戦記]] アバンタイトル
 
:203号機が登場。[[エリク・ブランケ]]の[[ゲルググ]]と相対するが相手にはせず、シールドごと踏み台にしている。
 
:203号機が登場。[[エリク・ブランケ]]の[[ゲルググ]]と相対するが相手にはせず、シールドごと踏み台にしている。
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:[[サラブレッド隊]]に3機配備されている。
 
:[[サラブレッド隊]]に3機配備されている。
 
;[[機動戦士Ζガンダム]]
 
;[[機動戦士Ζガンダム]]
:第13話、戦争博物館内部に108号機が展示されているのが確認できる。
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:第13話、戦争博物館内部に一部カラーパターンの異なる108号機のレプリカが展示されているのが確認できる。
 
;[[機動戦士ガンダムUC 星月の欠片]]
 
;[[機動戦士ガンダムUC 星月の欠片]]
:第2話でバーブレス所属機として登場。キャノン砲は撤去されていて、ザク・バズーカを2丁装備している。[[プロト・スタークジェガン]]のミサイルで最初に撃破された。
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:第2話でバーブレス所属機として登場。キャノン砲は撤去され、代わりにザク・バズーカを2丁装備している。[[プロト・スタークジェガン]]のミサイルで最初に撃破された。
  
 
== 装備・機能 ==
 
== 装備・機能 ==
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=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;60mmバルカン砲
 
;60mmバルカン砲
:頭部に2門内蔵されている近接防御用の機関砲。『1st』劇中では有効に活用された描写はないが、『ガンダム戦記 アバンタイトル』ではエリクのゲルググに対して使用して次の攻撃に繋げている。
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:頭部に2門内蔵されている近接防御用の機関砲。格闘兵装を持たないガンキャノンにとっては唯一の近接戦闘兵装でもある。MSに対してはほとんど効果はないが、対空迎撃や牽制で威力を発揮する。
;240mmキャノン砲
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:『1st』劇中では有効に活用された描写はないが、『ガンダム戦記 アバンタイトル』ではエリクのゲルググに対して使用して次の攻撃に繋げている。
:本機のメインウェポン。砲身が短いため、[[ガンタンク]]に比べて最大射程や射角は短くなったものの、[[ザクII]]の装甲を貫通する威力を持つ。実体弾兵器の常として他のジオン軍MSに致命打を与えるほどの威力はない。劇中ではもっぱら支援砲撃が中心であった。
+
;240mm低反動キャノン砲
;スプレーミサイルランチャー
+
:両肩に搭載されたキャノン砲。[[ガンタンク]]の120mmキャノン砲より大口径・単砲身な為、有効射程はミッジかかったとされる。それでも[[ザクII]]の装甲を貫通する威力を持ち、更に砲身に強制水冷ジャケットを装備した事でザク・マシンガンに匹敵する発射速度を実現した。装弾数は左右合わせて40発。
:240mmキャノン砲を換装する形で装備する。近接戦闘用に開発されたがミノフスキー粒子散布下では命中率が悪かったため実戦ではほとんど使用されなかった。
+
:発射には薬莢ではなく液体火薬を採用し、弾頭をAパーツ、液体火薬をBパーツにそれぞれ搭載する構成を採っていたとされる。
;ビーム・ライフル
+
;スプレー・ミサイル・ランチャー
:[[ガンタンク]]と違ってジェネレーターの出力に余裕があり、連邦軍として初めてビーム兵器を採用した。当初はビーム・ライフルの生産が安定しておらず、[[ガンダム]]とは別に遠距離用のセンサーデバイスを搭載したタイプが使用され、遠距離の精密射撃用として使われるもあった。
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:240mmキャノン砲を換装する形で装備する12連装の小型ミサイルランチャー。近接戦闘用に開発されたが、[[ミノフスキー粒子]]散布下で実用的な命中精度を期待できなかった為、弾幕の展開を想定した近接戦闘用の装備として設計されていた。ただし、実戦ではほとんど使用されておらず、ホワイトベース隊での使用記録もない。
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;[[ビーム・ライフル]]
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:ボウワ製の専用ビーム・ライフル。型式番号XBR-M-79a。当初はジェネレーター出力の問題から搭載は見合わされていたが、[[ルナツー]]での改修により使用可能となった。射程距離は30km。
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:ガンダム用の物と比較すると取り回しは悪いが、照準精度や射程に優れ、遠距離からの精密射撃に用いられたが、戦闘によっては装備しない場合もあった。
 
;ハンドグレネイド
 
;ハンドグレネイド
:膝部に格納されているMSサイズ手榴弾。劇場版でア・バオア・クー内部に侵入する際に使用している。
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:膝部に格納されているMSサイズ手榴弾。マニピュレータで投擲した後、弾体に備えられたバーニアで軌道を修正しながら目標に向かっていく。劇場版でア・バオア・クー内部に侵入する際に使用している。
 
;ザク・バズーカ
 
;ザク・バズーカ
 
:[[ザクⅡ]]が使用しているバズーカ。バーブレス所属機が装備。
 
:[[ザクⅡ]]が使用しているバズーカ。バーブレス所属機が装備。
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== 関連機体 ==
 
== 関連機体 ==
;[[ガンキャノンA]]
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=== 別デザイン ===
:本機の試作段階でのバリエーションの1つ。
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;[[ガンキャノン (THE ORIGIN版)]]
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:THE ORIGIN版のガンキャノン。設定が大幅に変更されている。
 
;[[ガンキャノン最初期型]]
 
;[[ガンキャノン最初期型]]
 
:『THE ORIGIN』に登場する[[アナハイム・エレクトロニクス社]]が開発した初の量産型二足歩行機動兵器。
 
:『THE ORIGIN』に登場する[[アナハイム・エレクトロニクス社]]が開発した初の量産型二足歩行機動兵器。
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;[[ガンキャノン (サンダーボルト版)]]
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:『サンダーボルト』に登場するガンキャノン。量産化されている。
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:;[[ガンキャノン・アクア]]
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::水中戦用に改修した機体。
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=== 系列機・派生機 ===
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;RXM-1
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:連邦軍初の二足歩行型MS。ガンキャノンの開発以前の機体であり、開発にはジオンから亡命した技術者などの協力があったと言われている。
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;[[プロトタイプガンキャノン]]/[[ガンキャノンA]]
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:本機の試作段階でのバリエーションの1つ。
 
;[[ガンキャノン機動試験型]]
 
;[[ガンキャノン機動試験型]]
 
:最初期型を引き継ぐ形で評価試験用に製作された機体。
 
:最初期型を引き継ぐ形で評価試験用に製作された機体。
 
;[[ガンキャノン火力試験型]]
 
;[[ガンキャノン火力試験型]]
 
:機動試験型に続いて製作された機体。
 
:機動試験型に続いて製作された機体。
;[[ガンキャノン (THE ORIGIN版)]]
 
:THE ORIGIN版のガンキャノン。設定が大幅に変更されている。
 
;[[ガンキャノン (サンダーボルト版)]]
 
:『サンダーボルト』に登場するガンキャノン。量産化されている。
 
:;[[ガンキャノン・アクア]]
 
::水中戦用に改修した機体。
 
 
;[[量産型ガンキャノン]]
 
;[[量産型ガンキャノン]]
 
:本機の量産を目指した機体。
 
:本機の量産を目指した機体。
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;[[陸戦型ガンキャノン]]
 
;[[陸戦型ガンキャノン]]
 
:余剰パーツを用いて生産された陸戦仕様。
 
:余剰パーツを用いて生産された陸戦仕様。
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;[[ガンダム]]/[[ガンタンク]]
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:本機と同じく[[V作戦]]の結果として完成した連邦軍の試作モビルスーツ。
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=== 技術的関与のある機体 ===
 
;[[ジム・キャノン]]
 
;[[ジム・キャノン]]
 
:本機を元に[[ジム]]の生産ラインを流用して開発された機体。
 
:本機を元に[[ジム]]の生産ラインを流用して開発された機体。
;[[ガンダム]]、[[ガンタンク]]
 
:本機と同じく[[V作戦]]の結果として完成した連邦軍の試作モビルスーツ。
 
 
;[[ガンダム6号機]]
 
;[[ガンダム6号機]]
 
:本機と同じく砲撃戦に特化した機体。一年戦争時は砲術のエキスパートである[[エイガー|エイガー少尉]]が搭乗した。
 
:本機と同じく砲撃戦に特化した機体。一年戦争時は砲術のエキスパートである[[エイガー|エイガー少尉]]が搭乗した。
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;[[キャノンガン]]
 
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:本機を想起させる[[ジェガンA2型 (ゼネラル・レビル配備機)|ジェガンA2型]]をベースに開発された機体。
 
:本機を想起させる[[ジェガンA2型 (ゼネラル・レビル配備機)|ジェガンA2型]]をベースに開発された機体。
;[[GNキャノン (MS)|GNキャノン]][[リボーンズガンダム|リボーンズキャノン]]
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=== その他 ===
:本機のオマージュ。
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;[[GNキャノン (MS)|GNキャノン]] / [[リボーンズガンダム|リボーンズキャノン]]
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:本機のオマージュ機体。
  
 
== 商品情報 ==
 
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2020年7月26日 (日) 10:40時点における版

ガンキャノン
外国語表記 Guncannon
登場作品
デザイナー 大河原邦男
テンプレートを表示
スペック
分類 中距離支援用試作型モビルスーツ
型式番号 RX-77-2
頭頂高 17.5m
全高 18.1m
本体重量 51.0t
全備重量 70.0t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 1,380kW
スラスター総推力 51,800kg
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
センサー有効半径 6,000m
開発組織 地球連邦軍
所属 地球連邦軍
主なパイロット
テンプレートを表示

概要

地球連邦軍V作戦で開発した試作型モビルスーツ。主に両肩の240mm低反動キャノン砲による中距離支援を目的としているが、その一方でMSとしては不完全だったガンタンクの問題点を解決するべく開発されたという経緯を持ち、人間同様の四肢を持つ機体として完成した。開発に際して連邦軍初の二足歩行機「RXM-1」のデータがフィードバックされたと言われている。

ガンキャノンは中距離帯での砲撃戦を想定して機動性よりも耐弾性を重視しており、その装甲強度はリック・ドムのジャイアント・バズの直撃に耐えるレベルであった。コアブロックシステムの採用によって胴体部の装甲が脆弱になる欠点を有していたが、積層装甲の採用によってこれを補っている。

頭部はバイザーで覆われたモノ・センサー方式のメイン・カメラを採用。ガンダムのデュアル・センサーよりも生産工程が簡略化出来るという利点があり、ジムにもその機構が受け継がれている。ただし、ガンキャノンのセンサーは砲撃支援の為にガンダムよりも複雑化しているとも言われている。

支援砲撃という役割からガンタンクとの戦術用途の重複が指摘されるが、ガンキャノンは人型をしたMSとしての機能性の面でより高度な運用柔軟性[1]を発揮。その有用性から固定火器を搭載した「支援用MS」というジャンルを確立し、連邦・ジオン双方でそのコンセプトに倣った機体が複数開発されており、MS開発史のターニングポイントの一つとなっている。しかし、ガンキャノンはコアブロックシステムの搭載によって生産性は低下し、ザクIIの4倍という膨大な生産コストを要する事になり、本格的な戦力化には設計の簡易化が必要となった。

登場作品と操縦者

機動戦士ガンダム
主にカイ・シデンが搭乗。ジオンの新型MSに苦戦を強いられる場面も見られたが、ア・バオア・クー戦で戦闘不能になるまで一年戦争を戦い抜いた。セイラガンダムで無断出撃した際はアムロが代替機として使用し、ザクを格闘戦で戦闘不能に追い込み鹵獲するという戦果を上げた。
機動戦士ガンダム (小説版)
頭頂高が約16mに変更され、ガンダムと同様のシールドを装備している。また、胸部左と左頸部に機体識別用には「108」(カイ機)、「109」(ハヤト機)のマーキングが施されている。マーキングの設定は後に劇場版に引き継がれている。
劇場版 機動戦士ガンダム
ジャブローでガンタンクと入れ換える形でもう1機がホワイトベース隊に配備され、ハヤトが専属パイロットとなる。前述の通り小説版の設定を輸入しているため、機体に識別番号のマーキングが施されている。また、ア・バオア・クー攻防戦ではこれらとは別の203号機が登場している。
機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル
203号機が登場。エリク・ブランケゲルググと相対するが相手にはせず、シールドごと踏み台にしている。
機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079
アルバトロス輸送中隊に全6機配備されており、2つの小隊に分かれていた。劇中では第1小隊はすでに壊滅しているため、第2小隊のガンキャノンが2機登場する。型式番号がRX-77-1となっているが、初期の設定であるためと思われる。
ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079
敵として登場する。ホワイトベース隊の機体の他に、ジャブローに数機配備されている。
機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…
サラブレッド隊に3機配備されている。
機動戦士Ζガンダム
第13話、戦争博物館内部に一部カラーパターンの異なる108号機のレプリカが展示されているのが確認できる。
機動戦士ガンダムUC 星月の欠片
第2話でバーブレス所属機として登場。キャノン砲は撤去され、代わりにザク・バズーカを2丁装備している。プロト・スタークジェガンのミサイルで最初に撃破された。

装備・機能

特殊機能

コア・ブロック・システム
コア・ファイターを核とし、上下半身のパーツを交換可能にしたシステム。MS運用ノウハウの無い連邦軍が、試作機の戦闘データを確実に回収するためや戦闘中の換装を素早く行う為の窮余の策でもあったと思われる。

武装・必殺攻撃

60mmバルカン砲
頭部に2門内蔵されている近接防御用の機関砲。格闘兵装を持たないガンキャノンにとっては唯一の近接戦闘兵装でもある。MSに対してはほとんど効果はないが、対空迎撃や牽制で威力を発揮する。
『1st』劇中では有効に活用された描写はないが、『ガンダム戦記 アバンタイトル』ではエリクのゲルググに対して使用して次の攻撃に繋げている。
240mm低反動キャノン砲
両肩に搭載されたキャノン砲。ガンタンクの120mmキャノン砲より大口径・単砲身な為、有効射程はミッジかかったとされる。それでもザクIIの装甲を貫通する威力を持ち、更に砲身に強制水冷ジャケットを装備した事でザク・マシンガンに匹敵する発射速度を実現した。装弾数は左右合わせて40発。
発射には薬莢ではなく液体火薬を採用し、弾頭をAパーツ、液体火薬をBパーツにそれぞれ搭載する構成を採っていたとされる。
スプレー・ミサイル・ランチャー
240mmキャノン砲を換装する形で装備する12連装の小型ミサイルランチャー。近接戦闘用に開発されたが、ミノフスキー粒子散布下で実用的な命中精度を期待できなかった為、弾幕の展開を想定した近接戦闘用の装備として設計されていた。ただし、実戦ではほとんど使用されておらず、ホワイトベース隊での使用記録もない。
ビーム・ライフル
ボウワ製の専用ビーム・ライフル。型式番号XBR-M-79a。当初はジェネレーター出力の問題から搭載は見合わされていたが、ルナツーでの改修により使用可能となった。射程距離は30km。
ガンダム用の物と比較すると取り回しは悪いが、照準精度や射程に優れ、遠距離からの精密射撃に用いられたが、戦闘によっては装備しない場合もあった。
ハンドグレネイド
膝部に格納されているMSサイズ手榴弾。マニピュレータで投擲した後、弾体に備えられたバーニアで軌道を修正しながら目標に向かっていく。劇場版でア・バオア・クー内部に侵入する際に使用している。
ザク・バズーカ
ザクⅡが使用しているバズーカ。バーブレス所属機が装備。
格闘
支援用MSとして割り切った設計により近接用兵器はオミットされておりまた機体強度そのものはこちらの方が若干高い事も有って、接近してくるMSに対しては殴る蹴るなどの原始的な戦い方で応戦する。

対決・名場面

機動戦士ガンダム

ザクII (コズン機)
第16話より。アコースのザクを撃破したアムロは、撤退しようとしていたコズンの前に立ち塞がり、右フックからの足払いで瞬く間に無力化した。ガンキャノンの格闘技が見られる貴重なシーン。

関連機体

別デザイン 

ガンキャノン (THE ORIGIN版)
THE ORIGIN版のガンキャノン。設定が大幅に変更されている。
ガンキャノン最初期型
『THE ORIGIN』に登場するアナハイム・エレクトロニクス社が開発した初の量産型二足歩行機動兵器。
ガンキャノン (サンダーボルト版)
『サンダーボルト』に登場するガンキャノン。量産化されている。
ガンキャノン・アクア
水中戦用に改修した機体。

系列機・派生機 

RXM-1
連邦軍初の二足歩行型MS。ガンキャノンの開発以前の機体であり、開発にはジオンから亡命した技術者などの協力があったと言われている。
プロトタイプガンキャノン/ガンキャノンA
本機の試作段階でのバリエーションの1つ。
ガンキャノン機動試験型
最初期型を引き継ぐ形で評価試験用に製作された機体。
ガンキャノン火力試験型
機動試験型に続いて製作された機体。
量産型ガンキャノン
本機の量産を目指した機体。
陸戦型ガンキャノン
ガンキャノンの余剰生産パーツで開発された機体。
ガンキャノン重装型
ジム・キャノンの開発過程で生まれた機体。装甲を中心に強化されている。
ガンキャノン重装型 (タイプD)
低下した機動性を克服した機体。
ガンキャノンII
試作機としての最終生産型。
陸戦型ガンキャノン
余剰パーツを用いて生産された陸戦仕様。
ガンダム/ガンタンク
本機と同じくV作戦の結果として完成した連邦軍の試作モビルスーツ。

技術的関与のある機体 

ジム・キャノン
本機を元にジムの生産ラインを流用して開発された機体。
ガンダム6号機
本機と同じく砲撃戦に特化した機体。一年戦争時は砲術のエキスパートであるエイガー少尉が搭乗した。
ガンキャノン・ディテクター
本機の名を持つメタス系の機体。
キャノンガン
本機を想起させるジェガンA2型をベースに開発された機体。

その他 

GNキャノン / リボーンズキャノン
本機のオマージュ機体。

商品情報

リンク

脚注

  1. 脚部を用いた運動性、腕部による携行火器の使用など。そもそもV作戦は設計思想が異なる複数機種を並行開発する事でMSの運用形態を模索する事も目的の一つであった。