「サブ・フライト・システム」の版間の差分
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− | + | 一般的にSFSは、MSを上面に載せて基地や拠点施設から戦闘地域まで輸送し、空中戦を行うための、いわば騎兵の騎馬の役割を果たす。「大型で重量のあるモビルスーツを載せる」という目的のため大推力の平べったい全翼機・無尾翼機が多く、STOLやホバリングが可能な機体も多い。一方で単体での積極的な戦闘は考慮されていないことが多く、武装されている機体は珍しい。モビルスーツは腹ばい、立膝、直立の状態で上に載ることが多く、グリップやフットレストなどで機体を固定し、携行火器で空中戦をこなす。基本的に戦闘中の離脱・再搭乗は困難だが、パイロットの技量によってはSFSから離脱して空中戦を行い、再びSFSにドッキングするといった戦術も可能となる。 | |
− | + | また、SFSは宇宙空間での運用に特化した機体も存在する。これはMS側の推進剤の節約と戦闘宙域への迅速な移動を狙ったもので、こちらはコクピットの付いた大型ブースターと言える機体である。 | |
− | + | SFSの機能は、[[可変モビルスーツ]]によって代替可能な場合もある。事実、[[Ζガンダム]]が緊急的に[[百式]]を載せて大気圏突入に成功している他、[[リゼル]]や[[アンクシャ]]等は本格的な連携運用を想定してグリップやフットレストが装備されている。 | |
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2021年3月12日 (金) 07:24時点における版
サブ・フライト・システム(SUB FLIGHT SYSTEM)
サブ・フライト・システムとは、モビルスーツを載せて空中機動を支持する支援機、ないしその運用方法。「SFS」と略されることもある。『機動戦士Ζガンダム』で定義が確立され、以降の各作品において一般化している。
一般的にモビルスーツの内、自力で重力下で飛行できる機体はほとんどおらず、また航空機と同等の速度を発揮できる機体も皆無である[1]。しかし重力下での飛行能力はMSの行動半径を飛躍的に拡大させ、戦術的・戦略的にも有用であり、純粋な航空機に比べ空力特性が低下する(=燃費が悪い)とはいえ、非常に魅力的な能力であった。このニーズに応えて編み出されたのがサブ・フライト・システムに分類される航空機であり、宇宙世紀で最初にこの用途で運用された(あくまで当時は副次的な運用方法に過ぎないが)のはド・ダイYSやGファイターであるとされ、グリプス戦争期に定義が確立されそれに準じた専用機が開発・運用される様になった。
基本的にはSFS1機につきモビルスーツ1機のみ積載運用だが、宇宙用の機種では上下表裏面を活用する事で2機まで同時運用できるものもある(ベースジャバ―など)。なお基本的にSFSは無人・有人の機種に関わらず撃墜や故障などが起きない限りは目的を果たした後自拠点に戻る機能があり、原則使い捨ての機体ではない。
一般的にSFSは、MSを上面に載せて基地や拠点施設から戦闘地域まで輸送し、空中戦を行うための、いわば騎兵の騎馬の役割を果たす。「大型で重量のあるモビルスーツを載せる」という目的のため大推力の平べったい全翼機・無尾翼機が多く、STOLやホバリングが可能な機体も多い。一方で単体での積極的な戦闘は考慮されていないことが多く、武装されている機体は珍しい。モビルスーツは腹ばい、立膝、直立の状態で上に載ることが多く、グリップやフットレストなどで機体を固定し、携行火器で空中戦をこなす。基本的に戦闘中の離脱・再搭乗は困難だが、パイロットの技量によってはSFSから離脱して空中戦を行い、再びSFSにドッキングするといった戦術も可能となる。
また、SFSは宇宙空間での運用に特化した機体も存在する。これはMS側の推進剤の節約と戦闘宙域への迅速な移動を狙ったもので、こちらはコクピットの付いた大型ブースターと言える機体である。
SFSの機能は、可変モビルスーツによって代替可能な場合もある。事実、Ζガンダムが緊急的に百式を載せて大気圏突入に成功している他、リゼルやアンクシャ等は本格的な連携運用を想定してグリップやフットレストが装備されている。
これ以外の事例として、スキウレやバストライナー等の移動砲台や、大気圏突入オプションであるフライング・アーマーもSFSとして分類されることがある。ただしSFSはあくまでMSの移動能力を補佐する物であり、MSを待機状態で輸送する輸送機および移送ユニットとは似て非なるカテゴリとなる。また単機での独立運用も可能な物を指す為、増設式ブースターユニットもこの定義には当てはまらない。
登場作品
- 機動戦士ガンダム
- 先述の通り当時は定義がまだされていなかったが、ド・ダイYSやGファイターが登場しSFSとして運用されている。また、ザクIIがルッグンにぶら下がって移動する例も存在する。
- MS-X
- スキウレ、スクート、バストライナーなどの移動砲台や、ガンキャリーが登場。
- 機動戦士Ζガンダム、機動戦士ガンダムΖΖ
- サブフライトシステムが定義確立され専用機が開発された事でほぼ一般化し、各勢力によって大気圏内用のドダイ改、ベースジャバー、宇宙用のゲター、シャクルズ、大気圏突入用のフライングアーマーが登場したほか、メガ・バズーカ・ランチャーやメガライダーもSFSとされることがある。また、Zガンダムが百式やキュベレイMk-IIを載せてSFS的な運用を行っている。
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- 『Zガンダム』に登場したものとは別機種のシャクルズとゲタ―が登場。増槽やブースターとしての役割だけでなく、連絡機や質量弾としても用いられている。通称は「ゲタ(下駄)」。
- 機動戦士ガンダムUC
- シャクルズやゲターのほか、94式ベースジャバーなどが登場。さらにリゼルやアンクシャがSFSとしても運用できる機体として描かれている他、小説版ではエアクッション型揚陸艇(ホバークラフト)のLCACが登場。
- 機動戦士Vガンダム
- ほとんどのモビルスーツが自力で大気圏内飛行できるが、一般SFSとしてセッターが登場していたり攻撃力や防御力などの総合性能を向上させるツールとしてアインラッドやツインラッドが登場。
- 機動武闘伝Gガンダム
- 風雲再起がSFSの様な運用をされている。
- 機動戦士ガンダムSEED、機動戦士ガンダムSEED DESTINY
- ザフト軍ではディンやバビのような自力で飛行できる機体も多いが、ジンやザクウォーリアのような機体の為にグゥルが開発されている。
- 機動戦士ガンダムAGE
- 地球連邦軍によってウェイボードが開発され、大気圏内外で運用されている。ヴェイガンではファルシアが台座型のファルシアベースを使っている。
SFS機体一覧(作品別)
機動戦士ガンダム
MS-X
機動戦士ガンダム 第08MS小隊
機動戦士ガンダム サンダーボルト
機動戦士Ζガンダム
機動戦士ガンダムΖΖ
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
機動戦士ガンダムUC
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
機動戦士クロスボーン・ガンダムシリーズ
機動戦士Vガンダム
機動戦士ガンダムSEED / 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
機動戦士ガンダムAGE
ガンダム Gのレコンギスタ
アナハイム・ラボラトリー・ログ
SDガンダム GGENERATIONシリーズ
SFS的運用が可能もしくはSFS機能を持つ装備を有する機体
機動戦士Ζガンダム
- Ζガンダム(ウェイブライダー形態)
ガンダム・センチネル
- ガザE(MA形態)
機動戦士ガンダムUC
機動戦士ガンダムF90
機動戦士クロスボーン・ガンダムシリーズ
機動武闘伝Gガンダム
- 風雲再起(ペデステルモード)
- ガンダムマックスター(シールド)
機動新世紀ガンダムX
- ガンダムエアマスターバースト(ファイター形態)
- ガンダムアシュタロンハーミットクラブ(MA形態)
機動戦士ガンダムSEEDシリーズ
- レイダーガンダム(MA形態)
機動戦士ガンダムOOシリーズ
機動戦士ガンダムAGE
- ガンダムAGE-2 ダークハウンド(ストライダー形態)
関連用語
リンク
脚注
- ↑ 当然これは各作品の世界観によるところが大きく、SEED系やOO系の世界では自力で飛行できる機体は多い。