「ジム」の版間の差分

提供: ガンダムWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
(少しの変更)
 
(10人の利用者による、間の37版が非表示)
1行目: 1行目:
== RGM-79 ジム (GM) ==
+
{{登場メカ概要
 +
| 外国語表記 = GM
 +
| 登場作品 =  
 +
*[[機動戦士ガンダム]]
 +
*[[機動戦士ガンダム MS IGLOO]]
 +
*その他多数
 +
| デザイナー = 大河原邦男
 +
}}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 -->
  
*登場作品:[[機動戦士ガンダム]]
+
{{登場メカ概要
*デザイナー:大河原邦男
+
| タイトル = スペック
*分類:汎用量産型[[モビルスーツ]]
+
| 分類 = 汎用量産型[[モビルスーツ]]
*装甲材質:チタン系合金
+
| 生産形態 = 量産機
*頭頂高:18.0m
+
| 型式番号 = RGM-79
*全高:18.5m
+
| 頭頂高 = 18.0m
*本体重量:41.2t
+
| 全高 = 18.5m
*全備重量:58.8t
+
| 本体重量 = 41.2t
*主動力:[[熱核融合炉]]
+
| 全備重量 = 58.8t
*出力:1,250kW
+
| 主動力 = [[熱核融合炉]]
*推力:56,500kg
+
| ジェネレーター出力 = 1,250kW
*センサー有効半径:6,000m
+
| スラスター総推力 = 55,500kg
*開発組織:[[地球連邦軍]]
+
| 装甲材質 = チタン系合金
*主なパイロット:地球連邦軍一般兵
+
| センサー有効半径 = 6,000m
 +
| 開発組織 = [[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]
 +
| 所属 = [[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]
 +
| 主なパイロット =
 +
*[[シン]]
 +
*[[ドゥーエ・イスナーン]]
 +
*[[連邦兵 (UC)|連邦兵]]
 +
*その他
 +
}}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 -->
  
地球連邦軍制式採用のMS。ジム、GMどちらにも表記する、名称の由来は「ガンダム マスプロダクトタイプ('''G'''UNDAM '''M'''assproduct)」の略。連邦側のやられメカ。[[ガンダム (MS)|ガンダム]]の量産型で、[[コアブロックシステム]]を始めとして至る所が簡略化されている。ただし盾だけはガンダムと同じでルナ・チタニウム合金製。設定上はガンダムの戦闘データをフィードバックして作られていることから、経験の浅いパイロットが搭乗しても、熟練パイロットの搭乗するザクⅡと互角の戦いができる、とされている。しかしほとんどの作品ではそのような描写は見られない。
+
== 概要 ==
 +
[[ガンダム]]の機体設計データを基に開発された[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]初の制式採用[[モビルスーツ]]。機体名称は「ガンダム マスプロダクトタイプ('''G'''UNDAM '''M'''assproduct)」の略<ref>「GUNDAM Model」とする資料もある。</ref>であり、「GM」とも表記される。装甲は[[ルナ・チタニウム合金]]からチタン系合金に変更し生産性を向上させているが、その一方で堅牢性は犠牲になっている。
  
作中での初出はジャブロー地下のハンガーで、その後も作中ではほぼ一種類しか出ていないのだが、諸般の事情から膨大なバリエーションが存在した事になっている。
+
生産数は地上用の一次生産機が42機、[[キャリフォルニアベース]]を含む6ヶ所の拠点で第二次生産型が終戦までに288機生産されたと言われている<ref>ただし、この生産数に関しては先行量産機やカスタムタイプなどが除外されているという説もあり、ジオン軍による撃墜数との齟齬、ジャブロー襲撃の際のデータ喪失や艦艇単位での部隊の失踪、あるいは遭難などもあった。また、記録外の生産拠点もあったとされ、一年戦争終結時点での総生産数は厳密には不明。</ref>。
主に数合わせのために本来の設計を一部省略して生産された前期型と本来の設計に沿って生産された後期型が存在する。
 
前期型は本来の設計を一部省略し武装の生産も間に合わない状況の中で、戦時急造という形を取ったため、ジオンのMSに対して性能不足を指摘されることも多かった。そのため現場のパイロット達からの要望で数多くの派生機が誕生した。
 
後期型は本来の設計に沿って生産された[[ジム・コマンド]]以降の機体を指す。[[パワードジム]]などのテスト機、少数生産された[[ジム・カスタム]]のようなエース専用機や後の[[ガンダムMk-II]]のベースとなる[[ジム・クウェル]]も生産されている。
 
  
また、[[機動戦士ガンダム ギレンの野望|ギレンの野望]]等ゲームでは、ガンダムに先立ってかなり初期で開発され、セイバーフィッシュや61式戦車に代わる主戦力として地球連邦軍を支える。
+
ガンダムの量産型として生産性・整備性を重視して再設計されており、脚部やマニピュレーターなどの構造はモニタリング装備やオプションの機動装備などを除きそのままのスペックで建造されているが、ガンダムのような「万能型」ではなく、投入環境に応じて「余分な装備をオミットする」というコンセプトで開発されており、投入する環境を予め選択する事で不要な装備を省き、機体の軽量化とプロペラントの増量が可能となっている。この構造は巧妙にシステム化され、基本的には[[コアブロックシステム]]と同等の中枢ブロックを換装する事で、投入環境を選択出来るようになっていた<ref>コアブロックを除いた機体部品の共有率は9割以上とされ、一つの生産ラインで地上用と宇宙用の機体を生産する事も可能であったという。</ref>。
 +
 
 +
頭部は生産性の向上を第一義とし、基本的にはガンダムの構造を簡略化した結果、極力少ない工程で建造出来るよう設計されている。額のV字アンテナはオミットされ、ツイン・アイも簡略化されているが、頭部がセンサー類の集合体である事に変わりなく、基本構造もほぼ同等で、光学端末がデュアル構成されるシステムも踏襲されている。また、各種のデバイスやセンサー類は機能を維持したまま小型化され、更に高密度で実装された結果、生産性の向上に寄与している。一方、データ収集や稼働ソフトの開発に必要だった副次的なコ・プロセッサーフレームとしての機能やモニタリング用装備など、各種のサブシステムは簡略化されている。逆に、近接武装として有効であった頭部バルカン砲は装弾数が増強された他、運用目的によって改装が簡便に行えるよう端末の配置などが改善され、カスタム化やチューンナップが容易に行えるよう配慮されている。
 +
 
 +
コクピットはガンダムの構造を踏襲し、航空/航宙機を基本とした操縦感覚で扱えるよう配慮されており、パイロットの機種転換をスムーズなものとしている。構造はコアブロックを参考に設計しており、ジェネレーターやコンピューターのメインフレームそのものが制御/脱出装置を取り巻く形で配置された結果、[[コア・ファイター]]としての機能が排除された分、ガンダムが腰部に装備していたヘリウムコアやプロペラントタンクなどを内装する事が可能となった。これは本来、量産の効率化を目的とした措置であったが、生産工程や整備手順が簡略化されたため、機体そのものにコ・ジェネレーターなどの追加装備を施すだけで出力のチューンナップや砂漠戦、狙撃任務などに投入するためのカスタム化が比較的容易に施せるようになった。
 +
 
 +
主に数合わせのために本来の設計を一部省略して生産された前期型と、本来の設計に沿って生産された後期型が存在する<ref>更にそれらの中で前期生産型、後期生産型といった細かい分類が存在し、所謂「RGM-79 ジム」は前期型・後期型共に前期生産型に分類され、[[ジム寒冷地仕様]]や[[ジム・コマンド]]などは後期生産型に分類されている。</ref>。前期型は武装の生産も間に合わない状況の中で戦時急造という形を取ったため、ジオンのMSと比較して性能不足を指摘されることが多かった。さらには機体毎に性能のバラつきが生じ、現場からの不満も続出した。後期型は[[ホワイトベース隊]]の実戦データがフィードバックされており、生産ラインに余裕ができた頃に生産されたため、前期型に比べて性能が向上・安定したものになっている。
 +
 
 +
徹底したコストダウンによる大量生産は連邦軍の物量戦術を支え、一年戦争を連邦勝利に導いた一因となった。また、機体のフレーム強度や出力に余裕があり、局地戦仕様への派生も容易な為、[[一年戦争]]後半に開発された機体でありながら膨大なバリエーション機が存在している。
 +
 
 +
== 仕様バリエーション ==
 +
;指揮官用
 +
:指揮官用にチューンナップが施された機体。通信や指揮装備の機能拡張の他、ランドセルのサーベルラックが右側面にも設けられており、「二本差し」のビーム・サーベルによる視認効果も付与されている。
 +
;バズーカ装備仕様
 +
:ランドセルの右側面にバズーカ用のラックを装備した機体。
  
==四方山話==
 
インターネット界隈で用いられるアスキーアートで「(凸)」と表示される。これは頭部の形状を模したものだが、これ以上ないほど特徴を捉えている。
 
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
;[[機動戦士ガンダム]]
 
;[[機動戦士ガンダム]]
:
+
:初登場作品。初登場の第29話で[[シャア専用ズゴック]]に瞬殺されたのを皮切りに味方サイドのやられ役として登場した。TV本編では[[ガトル]]の撃墜ぐらいしか目立った戦果を挙げていないが、劇場版ではバルカンで[[リック・ドム]]を牽制しつつビーム・サーベルで撃破する等の活躍シーンが追加されている<ref>なお、この撃破シーンで1コマだけ頭部が『伝説巨神イデオン』の主役機イデオンに変わっているというスタッフのお遊びがある。</ref>。
 +
;[[ガンプラ]]「MG 1/100 RGM-79 ジム」
 +
:1999年2月発売の旧MG版にオリジナル装備としてサーベルの2本差しが可能になる追加のサーベルラック、バズーカ用のラックが付属している。以降、『ガンダム・ザ・ライド』や一部ゲーム作品などでも同様の装備が用いられるケースがある。なお、取扱説明書の武装の項に記載されている型番は「MG 1/100 [[スーパーガンダム]]」(1999年1月発売)からの流用となっている。
 +
;[[GUNDAM THE RIDE ~A BAOA QU~]]
 +
:[[ジャック・ザ・ハロウィン隊]]の2機が主役として登場。[[ジャック・ベアード]]機がバズーカラックを装備、[[アダム・スティングレイ]]機がビーム・サーベルを2本装備している(ただし隊長はジャックの方)。これ以外にも別のランチを牽引するジム2機、[[ビグロ]]に掴まれたジムなどが登場する。大河原氏によって新規に設定画が用意されており、ディテールの多いデザインにアレンジされている。ただし、映像に登場する機体は上記マスターグレードのモデリングを加工した物と思われ、設定画とは異なる形状となっている。
 +
;[[機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles]]
 +
:プレイヤーの初期機体として登場。また、漫画版では新兵が本機で操縦訓練を行っている。
 +
;[[機動戦士ガンダム MS IGLOO]]
 +
:『一年戦争秘録』第3話と『黙示録0079』第3話に登場。前者は[[ヅダ]]と交戦の末、全滅に追い込まれた。
 +
;[[機動戦士ガンダム戦記 (PS3版)]]
 +
:アバンタイトルでは前半パート・後半パート共にやられ役として登場。ただ、中破しつつも[[リック・ドム]]に斬りかかる機体やハイパーバズーカ2挺装備の機体が確認できるなど見せ場や細かなネタも存在している。ゲーム中でもやられっぷりは変わらず、[[イフリート・ナハト]]初起動時の引き立て役などになっている。
 +
;[[GUNDAM CRISIS]]
 +
:ジャック・ザ・ハロウィン隊のジムが再び登場。こちらでは『ガンダム・ザ・ライド』で用意された大河原氏の設定画に準じたモデリングとなっている。
 +
;[[機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE]]
 +
:ストーリーイベント「序章 命、めぐりあいII」や「ソロモンの悪夢」のアニメパートにおいて外観にアレンジを加えられた機体が登場。1st版とTHE ORIGIN版を掛け合わせたようなデザインになっている。
 +
;[[機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム]]
 +
:[[ガンダムEX]]のディテールに合わせてリファインされており、特にセンサーが上下に可動するギミックが追加された頭部が特徴的。第3話よりガンダムEXの僚機として登場し、共に[[リサイクル・センター]]を襲撃するも、不利を悟って撤退。[[ニーランド・ルショーン|ルショーン]]と[[イリヤ・ソラリ|ソラリ]]の[[無識別型ザクII]]に追撃され行動不能になるとパイロットは脱出し、ガンダムEXに回収された。その後、[[ユーリ・ケラーネ]]がソラリにジムの強奪任務を依頼。ソラリたちは作戦に失敗したが、結果的に前線基地に配備されていたジム4機は全機破壊されることになり、その後の[[オデッサ]]でガンダムEXは単独での運用を余儀なくされた。
  
 
== 装備・機能 ==
 
== 装備・機能 ==
前述の通り、質より量を優先し生産された本機の性能には、多くの熟練パイロットたちから不満が上がったため、のちに開発された[[ジムシリーズ|バリエーション機]]同様、エースパイロットや一部の小隊には武装の選択や個別のチューンアップが許されていた。<br/>
+
=== 特殊機能 ===
例えば、指揮官向けにカスタマイズされた機体は、ビーム・サーベルを2本装備し、センサー有効範囲の拡大がなされた。
+
;コアブロック
<!-- === 特殊機能 === -->
+
:ガンダムのコアブロックを参考に設計された中枢ブロック。ジェネレーターやコンピューターのメインフレームそのものが制御/脱出装置を取り巻く形で配置され、コア・ファイターとしての機能は持たないが、ヘリウムコアやプロペラントタンクの内装化が可能になった。<br/>外観上ほぼ同型のブロックを換装するだけで宇宙用と地上用どちらかに特化する事が可能となっており、そのブロックを除いた双方の部品共有率は9割以上とされ、一つの生産ラインで宇宙用・地上用双方の機体を生産する事も可能だった。
<!-- :機能名:説明 -->
+
 
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;60mm頭部バルカン砲
 
;60mm頭部バルカン砲
:[[ガンダム (MS)|ガンダム]]と同型のものを、左右に1門ずつ内蔵している。ガンダムに比べて頭部構造が簡単なため、装填数が多い。
+
:[[ガンダム]]や[[ガンキャノン]]と同型の物を、左右に1門ずつ内蔵している。近接武器として有効であった事に加え、ガンダムから頭部構造が簡素化された結果、装弾数が増量されており、近接射撃および近接戦闘や白兵に主眼を置いた設計に変更されていると見て取れる。
 
;ビーム・スプレーガン
 
;ビーム・スプレーガン
:外見が塗装用のスプレーガンに似ていることに由来する名前で、ビームが拡散するという意味ではないが、ビーム・ライフルに比べ小型・低コスト化が図られたため、実際のところビームはやや拡散気味で発射され、射程は短い。威力や射程より命中率を重視している。ビームライフルの生産が間に合わなかった状況を想定して作られた物だが、一年戦争終結後から実体弾式のジム・ライフルが主力となったため、生産終了となった。
+
:ジムの主兵装として開発された、[[ボウワ社]]製<ref>一部資料では[[アナハイム・エレクトロニクス社]]製ともされる。</ref>のビーム系携行火器。塗装用のスプレーガンに似ている事から「ビーム・スプレーガン」の名称で呼ばれている。<br/>[[ビーム・ライフル]]と比較して低コストだが収束率が低く射程も短い。ビームはやや拡散気味に発射される為、射程や威力よりも命中率を重視している。威力はビーム・ライフルに劣るものの、連射性の向上に加え、装備そのものがコンパクトな為、接近戦での取り回しに優れた。<br/>武装を携行したまま各種作業への投入も可能なよう、マウントラッチが設けてある機体も多く、時間はかかるものの戦闘状態でなければエネルギーチャージが可能な機種も存在したとされる。<br/>ビーム・ライフルの生産が間に合わなかった状況を想定して作られた物だが、一年戦争終結後から実体弾式のジム・ライフルが主力となったため、生産終了となった。
 +
;[[ビーム・サーベル]]
 +
:ガンダムが装備している物と同型の白兵戦用武器。バックパックの左側に1本装備する。指揮官機は両側に1本ずつの計2本装備している。
 +
;シールド
 +
:[[ルナ・チタニウム合金]]製と[[チタン・セラミック複合材]]製の二種類が存在。連邦軍記章を模した十字エングレーブが付いているタイプはガンダムが装備している物と同じルナ・チタニウム合金製。十字エングレーブが付いていない物にはチタン・セラミック複合材が使われている。
 +
 
 +
=== その他 ===
 
;ハイパー・バズーカ
 
;ハイパー・バズーカ
:300mm口径の様々な実弾を装填できるバズーカ。弾速の遅さから対MS戦には向かないが、ビーム撹乱幕散布下や悪天候時にも使用できるので、他の多くのMSに流用されている。
+
:300mm口径のMS用単砲身ロケットランチャー。弾速の遅さから対MS戦には向かないが、ビーム撹乱幕散布下や悪天候時にも使用できるので、他の多くのMSに流用されている。バックパック右側に専用のラッチを設けた機体も存在する。<br/>[[ジム・キャノン]]の配備が遅れた関係から、通常のジムが支援火器として装備する例もあった。
;100mmマシンガン
+
;[[100mmマシンガン]]
:ハイパー・バズーカと同じく、ビーム撹乱幕や天候、大気の状態に左右されない信頼性と安定性から、一部のパイロットや小隊が好んで使う。
+
:[[陸戦型ジム]]などが携行しているマシンガン。ハイパー・バズーカと同じく、ビーム撹乱幕や天候、大気の状態に左右されない信頼性と安定性から、一部のパイロットや小隊が好んで使う。
;90mmブルパップ・マシンガン
+
;90mm[[ブルパップ・マシンガン]]
:ブルパップ型のマシンガン。100mmマシンガンのように、一部のパイロットや小隊が好んで使う。
+
:ブルパップ型のマシンガン。100mmマシンガンと同様に、動作の確実性から一部のパイロットや小隊が好んで使用した。<br/>主に『MS IGLOO』に登場する機体などに見られる。
;ビーム・サーベル
+
;[[ビーム・ライフル]]
:ガンダムが装備しているものと同型で、バックパックの左側に1本装備。指揮官機は2本装備している。
+
:ガンダムの物と同じビーム・ライフル。生産性が低かったため実際に共有された機体は決して多くはない。<br/>『1st』第29話にて画面に登場するや否や直撃弾で撃墜された機体と、シャア専用ズゴックと交戦した機体が一瞬だけ装備している。
;シールド
+
;ショート・シールド
:十字架がついているタイプはガンダムが装備しているのと同型で、ルナ・チタニウム合金が使われている。十字架がついていないタイプはさらにコストダウンが図られたもので、チタン・セラミック複合材が使われている。
+
:[[陸戦型ガンダム]]等が使用する物と同型の小型シールド。通常のシールド(ラージ・シールド)と比較して取り回しを重視しており、先端部での打突攻撃も可能。
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
;機動戦士ガンダム
+
=== 機動戦士ガンダム ===
:ジャブロー地下にて、シャア専用ズゴックにより腹に風穴を開けられる。
+
;対[[シャア専用ズゴック]]
 +
:第29話より。ジャブロー地下でシャアの乗るズゴックと交戦し、ビームを連射するが懐に飛び込まれ、アイアン・ネイルの一撃で胴体に風穴を開けられ大破した。ジムの「やられ役」としての活躍を象徴するシーンであり、ガンプラを使用したジオラマ作品等でも人気のテーマとなっている。
 +
:因みにこのジム、ガンダムと同型のビーム・ライフルを持って連射していたのに、風穴を開けられたカットではビーム・スプレーガンを持っているという作画ミスがある。
 +
;対[[リック・ドム]]
 +
:映画『めぐりあい宇宙』で追加されたシーン。[[マゼラン級]]の砲台に攻撃するリック・ドムをバルカンで牽制しつつ、すれ違いざまに両断する機体やジャイアント・バズでスプレーガンを弾き飛ばされながらも、ビーム・サーベルで返り討ちにする機体が登場した。TV版では終始やられ役の機体だったが、乗り手次第で十分に活躍できることを証明した。
 +
 
 +
=== GUNDAM THE RIDE ===
 +
;決死の逃避行
 +
:[[スルガ]]から脱出した[[ランチ]] (3号機)に襲い掛かった[[ザクレロ]]を撃破したジャック・ザ・ハロウィン隊のジムは、安全な場所を求め、ア・バオア・クーの混戦の中をランチと共に駆け巡る。逃げ惑う中、[[ガンダム]]や[[ジオング]]などのエースと邂逅しつつも要塞内部に逃げ込んだハロウィン隊は、そこで敵が秘匿していた小型のソーラ・レイを発見。アダム機が破壊に成功するも、追いすがるザクと共に爆炎に飲み込まれてしまう。アムロの声に導かれ、要塞の外に脱出したジャック機とランチは最新鋭艦[[ブランリヴァル]]への退避に成功。安心したのも束の間、辛うじて脱出に成功したアダム機もMSデッキへと突入。ハロウィン隊は無事、ランチと共に生還する事が出来た。<br/>なお、アダム機が強制着艦した際、ジャック機とハンガーに寝かされていた[[G-3ガンダム]]に激突。これによりG-3ガンダムは破損する憂き目を見ている。
 +
 
 +
=== 機動戦士ガンダム MS IGLOO ===
 +
;対[[ヅダ]]
 +
:『一年戦争秘録』第3話より、ジム部隊とヅダの対決シーン。軌道上の[[HLV]]を一方的に屠っていたものの、援軍として現れたヅダに翻弄される。その後、相手の挑発に乗り、最大推力で飛行するヅダを追跡するが、結果、ヅダよりも先に空中分解を引き起こし自滅。直前に離脱した機体も残りのヅダに撃墜され、部隊は全滅してしまった。
 +
 
 +
=== ガンダム短編集 ===
 +
;対[[ザク・マリンタイプ]]
 +
:第3巻収録の『[[MS海洋戦記 眼下の宇宙|MS海洋戦記 眼下の<ruby>宇宙<rt>そら</rt></ruby>]]』より。[[ランス]]伍長の搭乗機として登場する。ジャンプ中に水中からの攻撃を受け落下してしまうも、シールドをサーフボードのように扱いつつ反撃。続く攻撃でシールドを破壊され水中に投げ出されてしまうが、水中での操縦感覚が宇宙空間のものと似ていた事が幸いし、苦戦しつつもザクをビーム・サーベルの一刺しで撃墜する事に成功する。
  
 
== 関連機体 ==
 
== 関連機体 ==
;[[ジムシリーズ]]
+
'''※[[ジムシリーズ]]内記述機体(MSV等)はリンク先を参照。'''
:ジオン軍の量産機とは違い、ジムはシリーズを通して同じ規格で作られており、武装の互換性や他機種への乗り換えのしやすさから一年戦争終結後も多くのバリエーションが生まれてい る。
+
=== 別デザイン・カラーバリエーションなど ===
;[[ガンダム (MS)|ガンダム]]
+
;[[ジム (ホワイト・ディンゴ仕様)]]
:原型機。
+
:[[ホワイト・ディンゴ|ホワイト・ディンゴ隊]]が運用する、地上戦用にチューンナップされたジム。
 +
;[[ジム (ギャザーロード隊仕様)]]
 +
:ゲーム『ガンダムバトルアライアンス』で主人公達が所属する試験部隊「[[ギャザーロード隊]]」が運用するジム。稼働データの収集を主目的としている。
 +
;[[ジム (アージェント・キール仕様)]]
 +
:傭兵組織[[アージェント・キール]]が運用している銀色のジム。時代に合わせて主要なコンポーネントが最新規格に更新されるなどの近代化改修が施されている。機体デザイン自体は下記のTHE ORIGIN版と同一。
 +
;[[ゲファンナー・ゲム]]
 +
:[[ジオン軍]]による鹵獲仕様。実戦投入もされている。
 +
;[[ジム (THE ORIGIN版)]]
 +
:本機のTHE ORIGIN版デザイン。デザインが[[ガンダム (THE ORIGIN版)|ガンダム]]寄りになっている他、複数の換装形態を持つ。
 +
;[[ジム (サンダーボルト版)]]
 +
:本機のサンダーボルト版デザイン。暗礁宙域仕様に改修されたもので、ガンダムの物とは異なるが[[コアブロックシステム]]が採用されている。
 +
;[[ジム後期生産型]](センチネル0079版)
 +
:上記の概要の欄で述べた後期型のカトキ版デザイン。
 +
 
 +
=== 派生機・系列機など ===
 +
;[[ガンダム]] / [[ガンキャノン]]
 +
:ベース機。基本的に踏襲点はガンダムの比率が高いがガンキャノン寄りの部分も幾つか有る。
 +
 
 +
=== 運用関連 ===
 +
;[[ボール]]
 +
:本機と連携して運用された戦闘ポッド。
 +
;[[ゲム・カモフ]]
 +
:敵の欺瞞を目的に本機を模して開発された[[ジオン軍]]の機体。
 +
 
 +
=== その他・オマージュ・パロディなど ===
 +
;[[サム]]
 +
:本機の量産型ないしギャグ機体。作画にも優しいシンプルなデザイン。
 +
;[[GM/GM]]
 +
:『[[ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲]]』に登場する、本機をモチーフとしたガンプラ。可動域や機動性が強化されている。
 +
;[[GBN-ガードフレーム]]
 +
:『[[ガンダムビルドダイバーズ]]』に登場するガンプラ。機体自体をベースとはしていないが、コンセプトを参考としている。
 +
;[[ノブッシ]]
 +
:[[F.C.]]世界のジムに該当する機体。
 +
;[[ドートレス]]
 +
:[[A.W.]]世界のジムに該当する機体。
 +
;[[ストライクダガー]]
 +
:[[C.E.]]世界のジムに該当する機体。
 +
;[[アルヴァアロン]]
 +
:[[A.D.]]世界に登場する機体。その頭部形状ゆえに「金ジム」という通称でファンの間で呼ばれており、ドラマCDのネタにもなっている。
 +
;[[ジェノアス]] / [[アデル]]
 +
:[[A.G.]]世界のジムに該当する機体。
 +
;[[獅電]]
 +
:[[P.D]]世界のジムに該当する機体。
 +
 
 +
== 余談 ==
 +
*インターネット界隈で用いられるアスキーアートでは「(凸)」と表記される。頭部の形状を模したものだが、これ以上ないほど特徴を捉えている。
 +
*『1st』第29話でシャア専用ズゴックに向けてビーム・ライフルを発射するも敢え無く撃墜されたジムだが、原画の初期段階ではビーム・スプレーガンだった模様。もし原画が本物であれば、何故に修正過程でビーム・ライフルへと変更されたのかが気になる所である。仮に変更が意図的だった場合、風穴を開けられたカットのビーム・スプレーガンが差し替えられていない点にも疑問が生じる。
  
 
== 商品情報 ==
 
== 商品情報 ==
 +
=== [[ガンプラ]] ===
 +
<amazon>B0016EHZ8O</amazon>
 +
<amazon>B00030EU4E</amazon>
 +
<amazon>B001P4DFM0</amazon>
  
=== ガンプラ他 ===
+
=== フィギュア ===
*<amazon>B0016EHZ8O</amazon>
+
<amazon>B01J7JN5LA</amazon>
*<amazon>B001P4DFM0</amazon>
 
*<amazon>B00030EU4E</amazon>
 
  
 
=== 書籍 ===
 
=== 書籍 ===
*<amazon>4575464511</amazon>
+
<amazon>4575464511</amazon>
 +
<amazon>4797359048</amazon>
  
== 話題まとめ ==
+
== リンク ==
<!-- *[[namazu:ジム]] (全文検索結果) -->
+
*[[登場メカ]]
  
== 資料リンク ==
+
== 脚注 ==
<!-- *[[一覧:ジム]] -->
+
<references/>
 +
<!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 -->
  
== リンク ==
+
{{DEFAULTSORT:しむ}}
*[[登場メカ]]
+
[[Category:登場メカさ行]]
 +
[[Category:機動戦士ガンダム]]
 +
[[Category:機動戦士ガンダム MS IGLOO]]
 +
[[Category:GUNDAM THE RIDE ~A BAOA QU~]]
 +
<!-- DEFAULTSORTとCategoryを元に、各カテゴリページに表示・自動整列されます。 -->

2024年11月17日 (日) 13:05時点における最新版

ジム
外国語表記 GM
登場作品
デザイナー 大河原邦男
テンプレートを表示
スペック
分類 汎用量産型モビルスーツ
生産形態 量産機
型式番号 RGM-79
頭頂高 18.0m
全高 18.5m
本体重量 41.2t
全備重量 58.8t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 1,250kW
スラスター総推力 55,500kg
装甲材質 チタン系合金
センサー有効半径 6,000m
開発組織 地球連邦軍
所属 地球連邦軍
主なパイロット
テンプレートを表示

概要[編集 | ソースを編集]

ガンダムの機体設計データを基に開発された地球連邦軍初の制式採用モビルスーツ。機体名称は「ガンダム マスプロダクトタイプ(GUNDAM Massproduct)」の略[1]であり、「GM」とも表記される。装甲はルナ・チタニウム合金からチタン系合金に変更し生産性を向上させているが、その一方で堅牢性は犠牲になっている。

生産数は地上用の一次生産機が42機、キャリフォルニアベースを含む6ヶ所の拠点で第二次生産型が終戦までに288機生産されたと言われている[2]

ガンダムの量産型として生産性・整備性を重視して再設計されており、脚部やマニピュレーターなどの構造はモニタリング装備やオプションの機動装備などを除きそのままのスペックで建造されているが、ガンダムのような「万能型」ではなく、投入環境に応じて「余分な装備をオミットする」というコンセプトで開発されており、投入する環境を予め選択する事で不要な装備を省き、機体の軽量化とプロペラントの増量が可能となっている。この構造は巧妙にシステム化され、基本的にはコアブロックシステムと同等の中枢ブロックを換装する事で、投入環境を選択出来るようになっていた[3]

頭部は生産性の向上を第一義とし、基本的にはガンダムの構造を簡略化した結果、極力少ない工程で建造出来るよう設計されている。額のV字アンテナはオミットされ、ツイン・アイも簡略化されているが、頭部がセンサー類の集合体である事に変わりなく、基本構造もほぼ同等で、光学端末がデュアル構成されるシステムも踏襲されている。また、各種のデバイスやセンサー類は機能を維持したまま小型化され、更に高密度で実装された結果、生産性の向上に寄与している。一方、データ収集や稼働ソフトの開発に必要だった副次的なコ・プロセッサーフレームとしての機能やモニタリング用装備など、各種のサブシステムは簡略化されている。逆に、近接武装として有効であった頭部バルカン砲は装弾数が増強された他、運用目的によって改装が簡便に行えるよう端末の配置などが改善され、カスタム化やチューンナップが容易に行えるよう配慮されている。

コクピットはガンダムの構造を踏襲し、航空/航宙機を基本とした操縦感覚で扱えるよう配慮されており、パイロットの機種転換をスムーズなものとしている。構造はコアブロックを参考に設計しており、ジェネレーターやコンピューターのメインフレームそのものが制御/脱出装置を取り巻く形で配置された結果、コア・ファイターとしての機能が排除された分、ガンダムが腰部に装備していたヘリウムコアやプロペラントタンクなどを内装する事が可能となった。これは本来、量産の効率化を目的とした措置であったが、生産工程や整備手順が簡略化されたため、機体そのものにコ・ジェネレーターなどの追加装備を施すだけで出力のチューンナップや砂漠戦、狙撃任務などに投入するためのカスタム化が比較的容易に施せるようになった。

主に数合わせのために本来の設計を一部省略して生産された前期型と、本来の設計に沿って生産された後期型が存在する[4]。前期型は武装の生産も間に合わない状況の中で戦時急造という形を取ったため、ジオンのMSと比較して性能不足を指摘されることが多かった。さらには機体毎に性能のバラつきが生じ、現場からの不満も続出した。後期型はホワイトベース隊の実戦データがフィードバックされており、生産ラインに余裕ができた頃に生産されたため、前期型に比べて性能が向上・安定したものになっている。

徹底したコストダウンによる大量生産は連邦軍の物量戦術を支え、一年戦争を連邦勝利に導いた一因となった。また、機体のフレーム強度や出力に余裕があり、局地戦仕様への派生も容易な為、一年戦争後半に開発された機体でありながら膨大なバリエーション機が存在している。

仕様バリエーション [編集 | ソースを編集]

指揮官用
指揮官用にチューンナップが施された機体。通信や指揮装備の機能拡張の他、ランドセルのサーベルラックが右側面にも設けられており、「二本差し」のビーム・サーベルによる視認効果も付与されている。
バズーカ装備仕様
ランドセルの右側面にバズーカ用のラックを装備した機体。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダム
初登場作品。初登場の第29話でシャア専用ズゴックに瞬殺されたのを皮切りに味方サイドのやられ役として登場した。TV本編ではガトルの撃墜ぐらいしか目立った戦果を挙げていないが、劇場版ではバルカンでリック・ドムを牽制しつつビーム・サーベルで撃破する等の活躍シーンが追加されている[5]
ガンプラ「MG 1/100 RGM-79 ジム」
1999年2月発売の旧MG版にオリジナル装備としてサーベルの2本差しが可能になる追加のサーベルラック、バズーカ用のラックが付属している。以降、『ガンダム・ザ・ライド』や一部ゲーム作品などでも同様の装備が用いられるケースがある。なお、取扱説明書の武装の項に記載されている型番は「MG 1/100 スーパーガンダム」(1999年1月発売)からの流用となっている。
GUNDAM THE RIDE ~A BAOA QU~
ジャック・ザ・ハロウィン隊の2機が主役として登場。ジャック・ベアード機がバズーカラックを装備、アダム・スティングレイ機がビーム・サーベルを2本装備している(ただし隊長はジャックの方)。これ以外にも別のランチを牽引するジム2機、ビグロに掴まれたジムなどが登場する。大河原氏によって新規に設定画が用意されており、ディテールの多いデザインにアレンジされている。ただし、映像に登場する機体は上記マスターグレードのモデリングを加工した物と思われ、設定画とは異なる形状となっている。
機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles
プレイヤーの初期機体として登場。また、漫画版では新兵が本機で操縦訓練を行っている。
機動戦士ガンダム MS IGLOO
『一年戦争秘録』第3話と『黙示録0079』第3話に登場。前者はヅダと交戦の末、全滅に追い込まれた。
機動戦士ガンダム戦記 (PS3版)
アバンタイトルでは前半パート・後半パート共にやられ役として登場。ただ、中破しつつもリック・ドムに斬りかかる機体やハイパーバズーカ2挺装備の機体が確認できるなど見せ場や細かなネタも存在している。ゲーム中でもやられっぷりは変わらず、イフリート・ナハト初起動時の引き立て役などになっている。
GUNDAM CRISIS
ジャック・ザ・ハロウィン隊のジムが再び登場。こちらでは『ガンダム・ザ・ライド』で用意された大河原氏の設定画に準じたモデリングとなっている。
機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE
ストーリーイベント「序章 命、めぐりあいII」や「ソロモンの悪夢」のアニメパートにおいて外観にアレンジを加えられた機体が登場。1st版とTHE ORIGIN版を掛け合わせたようなデザインになっている。
機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム
ガンダムEXのディテールに合わせてリファインされており、特にセンサーが上下に可動するギミックが追加された頭部が特徴的。第3話よりガンダムEXの僚機として登場し、共にリサイクル・センターを襲撃するも、不利を悟って撤退。ルショーンソラリ無識別型ザクIIに追撃され行動不能になるとパイロットは脱出し、ガンダムEXに回収された。その後、ユーリ・ケラーネがソラリにジムの強奪任務を依頼。ソラリたちは作戦に失敗したが、結果的に前線基地に配備されていたジム4機は全機破壊されることになり、その後のオデッサでガンダムEXは単独での運用を余儀なくされた。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊機能[編集 | ソースを編集]

コアブロック
ガンダムのコアブロックを参考に設計された中枢ブロック。ジェネレーターやコンピューターのメインフレームそのものが制御/脱出装置を取り巻く形で配置され、コア・ファイターとしての機能は持たないが、ヘリウムコアやプロペラントタンクの内装化が可能になった。
外観上ほぼ同型のブロックを換装するだけで宇宙用と地上用どちらかに特化する事が可能となっており、そのブロックを除いた双方の部品共有率は9割以上とされ、一つの生産ラインで宇宙用・地上用双方の機体を生産する事も可能だった。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

60mm頭部バルカン砲
ガンダムガンキャノンと同型の物を、左右に1門ずつ内蔵している。近接武器として有効であった事に加え、ガンダムから頭部構造が簡素化された結果、装弾数が増量されており、近接射撃および近接戦闘や白兵に主眼を置いた設計に変更されていると見て取れる。
ビーム・スプレーガン
ジムの主兵装として開発された、ボウワ社[6]のビーム系携行火器。塗装用のスプレーガンに似ている事から「ビーム・スプレーガン」の名称で呼ばれている。
ビーム・ライフルと比較して低コストだが収束率が低く射程も短い。ビームはやや拡散気味に発射される為、射程や威力よりも命中率を重視している。威力はビーム・ライフルに劣るものの、連射性の向上に加え、装備そのものがコンパクトな為、接近戦での取り回しに優れた。
武装を携行したまま各種作業への投入も可能なよう、マウントラッチが設けてある機体も多く、時間はかかるものの戦闘状態でなければエネルギーチャージが可能な機種も存在したとされる。
ビーム・ライフルの生産が間に合わなかった状況を想定して作られた物だが、一年戦争終結後から実体弾式のジム・ライフルが主力となったため、生産終了となった。
ビーム・サーベル
ガンダムが装備している物と同型の白兵戦用武器。バックパックの左側に1本装備する。指揮官機は両側に1本ずつの計2本装備している。
シールド
ルナ・チタニウム合金製とチタン・セラミック複合材製の二種類が存在。連邦軍記章を模した十字エングレーブが付いているタイプはガンダムが装備している物と同じルナ・チタニウム合金製。十字エングレーブが付いていない物にはチタン・セラミック複合材が使われている。

その他 [編集 | ソースを編集]

ハイパー・バズーカ
300mm口径のMS用単砲身ロケットランチャー。弾速の遅さから対MS戦には向かないが、ビーム撹乱幕散布下や悪天候時にも使用できるので、他の多くのMSに流用されている。バックパック右側に専用のラッチを設けた機体も存在する。
ジム・キャノンの配備が遅れた関係から、通常のジムが支援火器として装備する例もあった。
100mmマシンガン
陸戦型ジムなどが携行しているマシンガン。ハイパー・バズーカと同じく、ビーム撹乱幕や天候、大気の状態に左右されない信頼性と安定性から、一部のパイロットや小隊が好んで使う。
90mmブルパップ・マシンガン
ブルパップ型のマシンガン。100mmマシンガンと同様に、動作の確実性から一部のパイロットや小隊が好んで使用した。
主に『MS IGLOO』に登場する機体などに見られる。
ビーム・ライフル
ガンダムの物と同じビーム・ライフル。生産性が低かったため実際に共有された機体は決して多くはない。
『1st』第29話にて画面に登場するや否や直撃弾で撃墜された機体と、シャア専用ズゴックと交戦した機体が一瞬だけ装備している。
ショート・シールド
陸戦型ガンダム等が使用する物と同型の小型シールド。通常のシールド(ラージ・シールド)と比較して取り回しを重視しており、先端部での打突攻撃も可能。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダム[編集 | ソースを編集]

シャア専用ズゴック
第29話より。ジャブロー地下でシャアの乗るズゴックと交戦し、ビームを連射するが懐に飛び込まれ、アイアン・ネイルの一撃で胴体に風穴を開けられ大破した。ジムの「やられ役」としての活躍を象徴するシーンであり、ガンプラを使用したジオラマ作品等でも人気のテーマとなっている。
因みにこのジム、ガンダムと同型のビーム・ライフルを持って連射していたのに、風穴を開けられたカットではビーム・スプレーガンを持っているという作画ミスがある。
リック・ドム
映画『めぐりあい宇宙』で追加されたシーン。マゼラン級の砲台に攻撃するリック・ドムをバルカンで牽制しつつ、すれ違いざまに両断する機体やジャイアント・バズでスプレーガンを弾き飛ばされながらも、ビーム・サーベルで返り討ちにする機体が登場した。TV版では終始やられ役の機体だったが、乗り手次第で十分に活躍できることを証明した。

GUNDAM THE RIDE[編集 | ソースを編集]

決死の逃避行
スルガから脱出したランチ (3号機)に襲い掛かったザクレロを撃破したジャック・ザ・ハロウィン隊のジムは、安全な場所を求め、ア・バオア・クーの混戦の中をランチと共に駆け巡る。逃げ惑う中、ガンダムジオングなどのエースと邂逅しつつも要塞内部に逃げ込んだハロウィン隊は、そこで敵が秘匿していた小型のソーラ・レイを発見。アダム機が破壊に成功するも、追いすがるザクと共に爆炎に飲み込まれてしまう。アムロの声に導かれ、要塞の外に脱出したジャック機とランチは最新鋭艦ブランリヴァルへの退避に成功。安心したのも束の間、辛うじて脱出に成功したアダム機もMSデッキへと突入。ハロウィン隊は無事、ランチと共に生還する事が出来た。
なお、アダム機が強制着艦した際、ジャック機とハンガーに寝かされていたG-3ガンダムに激突。これによりG-3ガンダムは破損する憂き目を見ている。

機動戦士ガンダム MS IGLOO [編集 | ソースを編集]

ヅダ
『一年戦争秘録』第3話より、ジム部隊とヅダの対決シーン。軌道上のHLVを一方的に屠っていたものの、援軍として現れたヅダに翻弄される。その後、相手の挑発に乗り、最大推力で飛行するヅダを追跡するが、結果、ヅダよりも先に空中分解を引き起こし自滅。直前に離脱した機体も残りのヅダに撃墜され、部隊は全滅してしまった。

ガンダム短編集 [編集 | ソースを編集]

ザク・マリンタイプ
第3巻収録の『MS海洋戦記 眼下の宇宙そら』より。ランス伍長の搭乗機として登場する。ジャンプ中に水中からの攻撃を受け落下してしまうも、シールドをサーフボードのように扱いつつ反撃。続く攻撃でシールドを破壊され水中に投げ出されてしまうが、水中での操縦感覚が宇宙空間のものと似ていた事が幸いし、苦戦しつつもザクをビーム・サーベルの一刺しで撃墜する事に成功する。

関連機体[編集 | ソースを編集]

ジムシリーズ内記述機体(MSV等)はリンク先を参照。

別デザイン・カラーバリエーションなど [編集 | ソースを編集]

ジム (ホワイト・ディンゴ仕様)
ホワイト・ディンゴ隊が運用する、地上戦用にチューンナップされたジム。
ジム (ギャザーロード隊仕様)
ゲーム『ガンダムバトルアライアンス』で主人公達が所属する試験部隊「ギャザーロード隊」が運用するジム。稼働データの収集を主目的としている。
ジム (アージェント・キール仕様)
傭兵組織アージェント・キールが運用している銀色のジム。時代に合わせて主要なコンポーネントが最新規格に更新されるなどの近代化改修が施されている。機体デザイン自体は下記のTHE ORIGIN版と同一。
ゲファンナー・ゲム
ジオン軍による鹵獲仕様。実戦投入もされている。
ジム (THE ORIGIN版)
本機のTHE ORIGIN版デザイン。デザインがガンダム寄りになっている他、複数の換装形態を持つ。
ジム (サンダーボルト版)
本機のサンダーボルト版デザイン。暗礁宙域仕様に改修されたもので、ガンダムの物とは異なるがコアブロックシステムが採用されている。
ジム後期生産型(センチネル0079版)
上記の概要の欄で述べた後期型のカトキ版デザイン。

派生機・系列機など[編集 | ソースを編集]

ガンダム / ガンキャノン
ベース機。基本的に踏襲点はガンダムの比率が高いがガンキャノン寄りの部分も幾つか有る。

運用関連[編集 | ソースを編集]

ボール
本機と連携して運用された戦闘ポッド。
ゲム・カモフ
敵の欺瞞を目的に本機を模して開発されたジオン軍の機体。

その他・オマージュ・パロディなど [編集 | ソースを編集]

サム
本機の量産型ないしギャグ機体。作画にも優しいシンプルなデザイン。
GM/GM
ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』に登場する、本機をモチーフとしたガンプラ。可動域や機動性が強化されている。
GBN-ガードフレーム
ガンダムビルドダイバーズ』に登場するガンプラ。機体自体をベースとはしていないが、コンセプトを参考としている。
ノブッシ
F.C.世界のジムに該当する機体。
ドートレス
A.W.世界のジムに該当する機体。
ストライクダガー
C.E.世界のジムに該当する機体。
アルヴァアロン
A.D.世界に登場する機体。その頭部形状ゆえに「金ジム」という通称でファンの間で呼ばれており、ドラマCDのネタにもなっている。
ジェノアス / アデル
A.G.世界のジムに該当する機体。
獅電
P.D世界のジムに該当する機体。

余談[編集 | ソースを編集]

  • インターネット界隈で用いられるアスキーアートでは「(凸)」と表記される。頭部の形状を模したものだが、これ以上ないほど特徴を捉えている。
  • 『1st』第29話でシャア専用ズゴックに向けてビーム・ライフルを発射するも敢え無く撃墜されたジムだが、原画の初期段階ではビーム・スプレーガンだった模様。もし原画が本物であれば、何故に修正過程でビーム・ライフルへと変更されたのかが気になる所である。仮に変更が意図的だった場合、風穴を開けられたカットのビーム・スプレーガンが差し替えられていない点にも疑問が生じる。

商品情報[編集 | ソースを編集]

ガンプラ[編集 | ソースを編集]

フィギュア[編集 | ソースを編集]

書籍[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 「GUNDAM Model」とする資料もある。
  2. ただし、この生産数に関しては先行量産機やカスタムタイプなどが除外されているという説もあり、ジオン軍による撃墜数との齟齬、ジャブロー襲撃の際のデータ喪失や艦艇単位での部隊の失踪、あるいは遭難などもあった。また、記録外の生産拠点もあったとされ、一年戦争終結時点での総生産数は厳密には不明。
  3. コアブロックを除いた機体部品の共有率は9割以上とされ、一つの生産ラインで地上用と宇宙用の機体を生産する事も可能であったという。
  4. 更にそれらの中で前期生産型、後期生産型といった細かい分類が存在し、所謂「RGM-79 ジム」は前期型・後期型共に前期生産型に分類され、ジム寒冷地仕様ジム・コマンドなどは後期生産型に分類されている。
  5. なお、この撃破シーンで1コマだけ頭部が『伝説巨神イデオン』の主役機イデオンに変わっているというスタッフのお遊びがある。
  6. 一部資料ではアナハイム・エレクトロニクス社製ともされる。