「フリーダムガンダム」の版間の差分

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| タイトル = スペック
 
| タイトル = スペック
 
| 正式名称 = フリーダム
 
| 正式名称 = フリーダム
| 分類 = 広域殲滅用試作型[[モビルスーツ]]
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| 分類 = ハイエンド試作型[[モビルスーツ]]
 
| 生産形態 = 試作機
 
| 生産形態 = 試作機
 
| 型式番号 = ZGMF-X10A
 
| 型式番号 = ZGMF-X10A
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| スラスター総推力 = 527,000kg
 
| スラスター総推力 = 527,000kg
 
| OS = [[GUNDAM (OS)|G.U.N.D.A.M.Complex]]
 
| OS = [[GUNDAM (OS)|G.U.N.D.A.M.Complex]]
| 開発組織 = [[ザフト軍]]
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| 開発組織 =  
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*[[ザフト軍]]
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*統合設計局
 
| 所属組織 = [[ザフト軍]] ⇒ [[三隻同盟]] (奪取) ⇒ [[オーブ連合首長国|オーブ軍]]
 
| 所属組織 = [[ザフト軍]] ⇒ [[三隻同盟]] (奪取) ⇒ [[オーブ連合首長国|オーブ軍]]
 
| 所属部隊 = [[アークエンジェル]] ⇒ [[エターナル]]
 
| 所属部隊 = [[アークエンジェル]] ⇒ [[エターナル]]
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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[ザフト軍]]が開発した試作型[[モビルスーツ]]。[[パトリック・ザラ]]の命令で統合設計局が設計したザフト製ガンダムの1機で、[[ゲイツ]]を基本的な設計ベースとしつつ[[地球連合軍]]から奪取した[[デュエルガンダム|4]][[バスターガンダム|機]][[ブリッツガンダム|の]][[イージスガンダム|G]]を解析して得た技術が使われており、[[フェイズシフト装甲|PS装甲]]や小型ビーム兵器を標準装備している。
+
[[ザフト軍]]の開発したハイエンド試作[[モビルスーツ]]。[[パトリック・ザラ]]の指示により、ザフトの統合設計局<ref>[[ゲイツ]]の開発にあたり主要設計3局であったハインライン、アジモフ、クラークの各設計局を統合したもの。</ref>が開発を担当し、[[コズミック・イラ]]71年4月1日に兄弟機[[ジャスティスガンダム|ジャスティス]]と共にロールアウト。プラント最高評議会議長となったパトリックによって「フリーダム」と命名されたが、[[ラクス・クライン]]の手により[[キラ・ヤマト]]に託され、ザフトから離脱した。
  
[[ニュートロンジャマーキャンセラー]]の採用により、動力源も核エンジンが採用された。これによりPS装甲を常時展開することができるようになり、大出力ビーム兵器の連続使用をも可能とした。
+
フリーダムはジャスティスと共に連合軍とのMS戦を想定したハイスペック機であり、[[ゲイツ]]を基本ベースとしつつ、これに一部に[[地球連合軍]]から鹵獲した[[GAT-Xシリーズ]]の技術(主に[[フェイズシフト装甲]]や高出力ジェネレーター等)を取り入れて完成した機体であり<ref>元々、ゲイツは設計段階ではかなりのハイスペックな機体として計画されていたが、量産面の問題からやむを得ず切り捨てられた部分が多かった。しかし、オンリーワンとして開発されるフリーダム、ジャスティスにはその心配がなく、技術者が望んだそのままの状態で実現される事になった。</ref>、ヘッドユニットはGAT-Xシリーズを踏襲した形状となっている。
  
背部中央に設置されたメインスラスターは推力が高く、大気圏内でも単独飛行が可能。速度や航続距離にも優れており、劇中では[[プラント]]本国から無補給でアラスカの[[アラスカ基地|JOSH-A]]へと到達した。両側のウイングユニットは放熱板や小型スラスターの役割も与えられている他、展開する事で高機動空戦モードへと移行でき、この状態を「ハイマット(High.M.A.T.='''High''' '''M'''aneuver '''A'''erial '''T'''actical)モード」と呼ぶ。ハイマットモード時にはウイングユニットはコンピューターによるコントロールで「能動空力弾性翼(Active Aeroelastic Wing)」として機能し、大気圏内において空気抵抗を制御しつつ航空機をも凌駕する旋回性能を本機に与えている。また宇宙でも重心制御ユニットとして機能し、質量移動によって高レベルの機動性と運動性を発揮できるようになっている。
+
武装は機体本体とは別々に開発が行われ、マイウス・ミリタリー・インダストリー社やマティウス・アーセナリー社等から複数の試作が提出されていたが、火器運用実験機によるデータを解析した結果、PS装甲と併用した場合(それ以前に複数の強力な火器を同時に使用した時においても)とても実戦に耐え得る状態ではなかった。しかし、[[ニュートロンジャマーキャンセラー]]の採用により[[核エンジン]]を搭載する事が可能となった事でこれらの問題を一挙に解決した<ref>NJCの開発を行っていた[[ユーリ・アマルフィ]]は穏健派であり、核の復活に難色を示し再三の要求を頑なに拒んでいたが、パイロットとして参戦していた[[ニコル・アマルフィ]]の戦死をきっかけにNJCの使用を決意したという。</ref>。核エンジンの搭載により、事実上エネルギー供給が無制限となり、[[ビームライフル]]やプラズマ収束ビーム砲、レール砲といった大電力を必要とする火器の装備と運用が可能となった他、フェイズシフト装甲がほぼ無制限に使用出来るようになった。また、これらをフルスペックで使用するためにOSには「Generation-Unsubdued Nuclear-Drive/Assault Module Complex」を搭載している。
  
頭部デザインは連合のGのそれを踏襲したかのようなデザインとなっていて、高性能なデュアルセンサーが搭載されている。胸部のエアインテークの上側にもマルチセンサーが2基搭載され、デュアルセンサーと合わせる事でセンサー性能もかなりの高さを誇ったとされる。
+
背部には10枚のウイングバインダー(能動空力弾性翼)を備え、それらを展開することで「ハイマット(HIGH Manuver Aerial Tactical)モードと呼ばれる高機動形態を取る事が可能。このモードではウイングバインダーの各パーツを可動させる他、内蔵されたスラスターを用いる事で高度な姿勢制御能力を獲得。大気圏内外で高い機動性と運動性を発揮した。また、ハイマットモードと並行してプラズマ収束ビーム砲、レール砲を展開した「フルバーストモード」での戦闘も可能であった。このモードでは、マルチロックオンシステムとの連動によって単機で複数の目標への同時攻撃が可能となる。また、戦術強襲機「[[ミーティア]]」との連動も前提としており、合体時はより高度な攻撃力を発揮する。
  
武装も連合のGが装備していた物より強力なそれを多数装備しており、非常に高い火力を持つ。これらの統合管制を行うべくコクピットには「マルチロックオンシステム」が搭載され、多数の敵機をほぼ同時に、しかも高い精密度で狙い撃つ事を可能としている。なお、全武装を展開した状態は「フルバーストモード」と呼ばれる。さらには[[エターナル]]の自走砲台「ミーティア」と[[フリーダムガンダム (ミーティア)|ドッキング]]する事で火力や機動性をさらに向上させることが可能。
+
しかし、その複雑化したシステムは[[コーディネイター]]の中でも特に優れた能力を持つ者でないと乗りこなす事はできないとされる。特にフルスペックで稼働させるためには複雑な軌道予測や一対多の錯綜した状況を把握出来る高度な空間認識能力が必須とされ、その性能を引き出したのは[[スーパーコーディネイター]]であったキラであったが、本来予定されていた正規のパイロットは定かではない<ref>ジャスティスの正規パイロットは当初からアスラン・ザラが予定されており、フリーダムも同じ特務隊の人間か、当時ザラ派No.2であった[[エザリア・ジュール]]の息子[[イザーク・ジュール]]が選ばれていたのではないかと言われている。</ref>。
 
 
OSは核エンジン搭載機向けに作られた「G.U.N.D.A.M.Complex('''G'''eneration '''U'''nsubdued '''N'''uclear '''D'''rive/'''A'''ssault '''M'''odule Complex)」を搭載している。意味は「核駆動を使った世代の強襲モジュール複合体」。
 
 
 
最新技術と高性能の武装を併せ持った本機は[[C.E.]]71時において最強クラスのMSとされ、C.E.73時に開発された[[セカンドステージシリーズ]]とも互角に渡り合った(しかもパワーは本機の方が上であると言われている)。しかし、それに比例して操縦難度も非常に高く、パイロットがその高性能を最大限に活かす為には優れた反応速度と[[空間認識能力]]を持つ事が必要不可欠である。
 
 
 
名称は「[[ナチュラル]]に[[ジャスティスガンダム|正義]]の鉄槌を下し、[[コーディネイター]]の真の'''自由'''を勝ち取る」という言葉が由来となっている。
 
 
 
後継機として[[ストライクフリーダムガンダム]]が存在する。
 
 
 
デザイナーの大河原邦男氏の代表作の一つであり、本人も非常に自画自賛しているという。
 
 
 
また2021年には中国の「ガンダムベース上海」の敷地内に本機の実物大立像が建造され、同年5月28日にはオープニングセレモニーが開催された。
 
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
;[[機動戦士ガンダムSEED]]
 
;[[機動戦士ガンダムSEED]]
:初出作品。[[キラ・ヤマト]]の[[ストライクガンダム]]に次ぐ搭乗機としてPHASE-34(リマスター版第32話)から登場する。<br />当初、[[FAITH|特務隊]]の隊員の誰かか[[イザーク・ジュール]]をパイロットとする事が検討されていたとされる機体を[[ラクス・クライン]]の手引きでキラが強奪。<br />ザフト軍の「[[オペレーション・スピットブレイク]]」にて危機に陥っていた[[アークエンジェル]]の援護に現れ、全軍に対してJOSH-Aの地下に設置された[[サイクロプス]]による自爆攻撃を知らせている。<br />その後、[[オーブ連合首長国]]や[[メンデル]]で地球連合軍の部隊と交戦し、[[第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦]]にも参戦。[[ラウ・ル・クルーゼ]]の[[プロヴィデンスガンダム]]と激闘を繰り広げ、激しく損傷しつつも死闘の末に撃破する。その直後、[[ジェネシス]]の発射に巻き込まれ、直撃こそ免れたものの大破している。
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:初登場作品。[[キラ・ヤマト]]の[[ストライクガンダム]]に次ぐ搭乗機としてPHASE-34(リマスター版第32話)から登場する。<br />当初、[[FAITH|特務隊]]の隊員の誰かか[[イザーク・ジュール]]をパイロットとする事が検討されていたとされる機体を[[ラクス・クライン]]の手引きでキラが強奪。<br />ザフト軍の「[[オペレーション・スピットブレイク]]」にて危機に陥っていた[[アークエンジェル]]の援護に現れ、全軍に対してJOSH-Aの地下に設置された[[サイクロプス]]による自爆攻撃を知らせている。<br />その後、[[オーブ連合首長国]]や[[メンデル]]で地球連合軍の部隊と交戦し、[[第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦]]にも参戦。[[ラウ・ル・クルーゼ]]の[[プロヴィデンスガンダム]]と激闘を繰り広げ、激しく損傷しつつも死闘の末に撃破する。その直後、[[ジェネシス]]の発射に巻き込まれ、直撃こそ免れたものの大破している。
 
;[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
 
;[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]
 
:PHASE-13からキラの搭乗機として引き続き登場。<br />戦後に回収・修復され、アスハ家別邸にある地下シェルター内に封印されていたが、[[ヨップ・フォン・アラファス]]率いる特殊部隊によるラクス暗殺を目的とした攻撃がきっかけで再び起動され、特殊部隊のMS[[アッシュ]]を全機戦闘不能にした。<br />その後[[ユウナ・ロマ・セイラン]]との政略結婚を強いられていた[[カガリ・ユラ・アスハ]]の結婚式に乱入。カガリを連れ去りオーブから脱出した後は[[スカンジナビア王国]]でアークエンジェルと共に身を隠していたが、[[ダーダネルス海峡]]で[[ミネルバ]]とオーブ・地球軍の連合部隊が戦闘状態に突入する事を知るとそれに武力介入し、両軍の[[MS]]を次々と戦闘不能に陥らせている。<br />[[クレタ島]]の戦闘でも同様に武力介入を行い、[[ベルリン]]では[[ステラ・ルーシェ]]の[[デストロイガンダム]]を撃破するが、これがきっかけで[[シン・アスカ]]の恨みを買う事となり、またザフト軍からも敵性勢力と断定され、「[[エンジェルダウン作戦]]」にてシンの[[フォースインパルスガンダム]]の猛攻に押され、腹部をエクスカリバーで刺し貫かれ(小説版では袈裟斬り)撃墜された。<br />戦闘終了後、コクピットブロックはカガリの[[ストライクルージュ]]によって回収され、キラも軽傷で生還している。
 
:PHASE-13からキラの搭乗機として引き続き登場。<br />戦後に回収・修復され、アスハ家別邸にある地下シェルター内に封印されていたが、[[ヨップ・フォン・アラファス]]率いる特殊部隊によるラクス暗殺を目的とした攻撃がきっかけで再び起動され、特殊部隊のMS[[アッシュ]]を全機戦闘不能にした。<br />その後[[ユウナ・ロマ・セイラン]]との政略結婚を強いられていた[[カガリ・ユラ・アスハ]]の結婚式に乱入。カガリを連れ去りオーブから脱出した後は[[スカンジナビア王国]]でアークエンジェルと共に身を隠していたが、[[ダーダネルス海峡]]で[[ミネルバ]]とオーブ・地球軍の連合部隊が戦闘状態に突入する事を知るとそれに武力介入し、両軍の[[MS]]を次々と戦闘不能に陥らせている。<br />[[クレタ島]]の戦闘でも同様に武力介入を行い、[[ベルリン]]では[[ステラ・ルーシェ]]の[[デストロイガンダム]]を撃破するが、これがきっかけで[[シン・アスカ]]の恨みを買う事となり、またザフト軍からも敵性勢力と断定され、「[[エンジェルダウン作戦]]」にてシンの[[フォースインパルスガンダム]]の猛攻に押され、腹部をエクスカリバーで刺し貫かれ(小説版では袈裟斬り)撃墜された。<br />戦闘終了後、コクピットブロックはカガリの[[ストライクルージュ]]によって回収され、キラも軽傷で生還している。
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;[[ガンダムビルドリアル]]
 
;[[ガンダムビルドリアル]]
 
:第3話にチーム「ガールスキー」の使用するRGベースのガンプラとして登場。全身がピンクを基調としたカラーリングに塗装されており、所々にアクセサリーやエングレービングが施されている。チーム「ブライト」の[[ナナハチ]]と対戦し、高い機動力と[[プチッガイ|ブキッガイ]]を使った打撃攻撃で苦戦させる。しかし、塗装重視のビルドであったためフルバーストの威力を最大限に発揮できず、最後はフルバーストに耐え切ったナナハチに腹部を刺し貫かれ敗北した。なお、この際の構図はSEED最終回でフリーダムがプロヴィデンスに止めを刺したシーンを左右反転させたものとなっている。
 
:第3話にチーム「ガールスキー」の使用するRGベースのガンプラとして登場。全身がピンクを基調としたカラーリングに塗装されており、所々にアクセサリーやエングレービングが施されている。チーム「ブライト」の[[ナナハチ]]と対戦し、高い機動力と[[プチッガイ|ブキッガイ]]を使った打撃攻撃で苦戦させる。しかし、塗装重視のビルドであったためフルバーストの威力を最大限に発揮できず、最後はフルバーストに耐え切ったナナハチに腹部を刺し貫かれ敗北した。なお、この際の構図はSEED最終回でフリーダムがプロヴィデンスに止めを刺したシーンを左右反転させたものとなっている。
 +
;ガンダムベース上海
 +
:2021年に中国の「ガンダムベース上海」の敷地内に本機の実物大立像が建造され、同年5月28日にはオープニングセレモニーが開催された。
  
 
== 装備・機能 ==
 
== 装備・機能 ==
 
=== 特殊機能 ===
 
=== 特殊機能 ===
 
;[[フェイズシフト装甲]]
 
;[[フェイズシフト装甲]]
:一定の電圧を持つ電流を流して相転移させる特殊装甲。その際、装甲には色がつく。実弾兵器をほぼ無効化でき、単独での大気圏突入も可能だが、高出力のビーム兵器の前には無力である。<br />バッテリー駆動の連合製G兵器では稼働時間の短さとそれに起因する戦闘中のフェイズシフトダウン等欠点も目立ったが、本機では核エンジンの採用によりそれらの欠点を克服した。
+
:一定の電圧を持つ電流を流す事で相転移する特殊金属で構成された装甲。相転移した装甲は一定のエネルギー消費と引き換えに物理的な衝撃を無効化でき、単独での大気圏突入も可能。<br />この金属は相転移に伴って装甲面の分子配列が変化する性質があるため、パーツごとに色彩も変化する。非展開時のカラーリングは概ねメタリックグレーで、その状態は「ディアクティブモード」と呼ばれる。<br />バッテリー駆動の連合製G兵器では稼働時間の短さとそれに起因する戦闘中のフェイズシフトダウン等欠点も目立ったが、本機では核エンジンの採用によりそれらの欠点を克服した。
 
;[[ニュートロンジャマーキャンセラー]]
 
;[[ニュートロンジャマーキャンセラー]]
:[[ニュートロンジャマー]]を無効化する装置。
+
:[[ニュートロンジャマー]]を無効化する装置。これを搭載した事で、核エンジンの搭載とそれに由来する膨大なエネルギーの使用が可能となった。
 
;ハイマットモード
 
;ハイマットモード
:ウイングバインダーを展開した高機動空戦形態。この状態では機動性に加え、姿勢制御を始めとした運動性が大幅に向上する。
+
:ウイングバインダーを展開した高機動空戦形態。フリーダムは通常の状態でも飛行能力を有するが、ドッグファイト時にはこの形態を取る事で無重力下では重心制御が、大気圏内では空力制御が可能となり、より機敏な運動性を得る事ができる。その際、翼全体の形状はコンピュータ制御による能動空力弾性翼となっており、空力抵抗をコントロールする事で、人型のMSでも航空機を凌ぐ高い旋回能力を得る事が出来た。このデバイスは小型スラスターと放熱板の機能も併せ持ち、大気圏内外を問わず、高出力の火砲を多数搭載するフリーダムの信頼性向上にも貢献している。
 
;マルチロックオンシステム
 
;マルチロックオンシステム
 
:複数の敵を同時にロックオンし、精密射撃を行うことが可能な火器管制システム。フルバーストモード時やミーティアとドッキングした際に使用される。
 
:複数の敵を同時にロックオンし、精密射撃を行うことが可能な火器管制システム。フルバーストモード時やミーティアとドッキングした際に使用される。
;換装
 
:ミーティアとドッキングする。
 
  
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御用機関砲
 
;MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御用機関砲
:[[ゲイツ]]等でも採用された機関砲で、頭部に2門内蔵されている。威力はあまり高くない為、主に牽制やミサイル迎撃等に使用されている。<br>媒体によっては胸部上部のマルチセンサーも機関砲として扱われることがある。
+
:頭部に搭載されたマイウス・ミリタリー・インダストリー製のバルカン砲。[[ゲイツ]]等でも採用された機関砲で、連射性に優れるがMSには威力不足だったため、主にミサイルなどの防御用として使用される。
;MA-M20 ルプス・ビームライフル
+
;MA-M20 ルプス・[[ビームライフル]]
:本機の主兵装。ジャスティスの物と同型だが、カラーリングが一部異なる。<br />動力源である核エンジンからエネルギーを直接供給しており、連合製G兵器の装備している物と比べ出力、連射性ともに大きく向上している。未使用時はリアスカートのマウントラッチに装着可能。<br />ちなみに、このモデルはザフト軍のビームライフルの中でも制式化された時期が最も早く、[[火器運用試験型ゲイツ改]]でテストが行われていたが、エネルギー消費量の問題から、核エンジンの搭載が決定するまではデチューンした上で採用するかオミットするという方向でも検討されていた。
+
:マティウス・アーセナリー製ビームライフル。フリーダム及びジャスティスの兵装として初めて実用化された携帯型ビームライフル。核動力機によって運用されるため、既存のタイプよりも高出力・高威力のビームを発射する。<br/>ザフトにとってビームサーベルと同じく連合から遅れを取ってしまっていたのが、小型かつ大出力のビーム銃の開発であった。元来、ビーム砲は艦船や固定砲台など大出力のエネルギーが安定して供給出来る環境においてのみ可能とされていた。その有用性から機動力に優れたMSへの搭載が早くから模索されていたものの、標準装備としての実現はGAT-Xシリーズの技術流用を待つしかなかった<ref>これは技術開発においてコーディネイターがナチュラルに劣るのではなく、連合のMS開発にオーブ等にいたコーディネイターが多数関わっており、国は違えど彼らの知性に拠る物が多かった。</ref>。装備は機体よりも先に完成し、先行して[[火器運用試験型ゲイツ改]]でテストが行われた。
 
;M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲
 
;M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲
:ウイングユニットに1門ずつ、計2門格納されている高出力ビーム砲。本機の全武装の中で破壊力が最も高く、[[ランチャーストライクガンダム|ランチャーストライカー]]の装備しているアグニと同等以上の威力と射程距離を誇っている。<br />そのサイズ故に既存の機体に固定武装として装備させても機体バランスが崩れてしまい、さらにはテストとして装備させたゲイツ改がわずか2発の発射で機能停止するほどの莫大な電力を消費し、当初は「失敗作」の烙印まで押されていたが、核エンジンとウイングユニットを持つ本機でようやく本格採用と相成った。<br />後部にダクトが存在しているようで、HDリマスター版では時々排熱を行っている。またウイングユニット自体が放熱フィンを兼ねている。
+
:背部バインダー翼に収納されている2門の高出力プラズマカノン。フリーダムが装備する火器の中で最大の射程と威力を誇り、特に威力は[[ランチャーストライクガンダム|ランチャーストライク]]の「アグニ」に匹敵する。<br/>開発時点ではあまりのエネルギー消費量に事実上失敗作の烙印を押されていたが、NJCの搭載後の発射試験で改めてその威力を証明し、搭載が決定した。搭載に伴いそのサイズにより機体全体のバランスが崩れるのではという声が本体の設計サイドから上がったが、[[ユーリ・アマルフィ]]の仲裁により、大気圏内用高速翼そのものをバラエーナのバインダーとする事で機体バランスの問題を解決した。
 
;MMI-M15 クスィフィアス・レール砲
 
;MMI-M15 クスィフィアス・レール砲
:両腰に2門装備されている電磁加速砲。[[デュエルガンダム アサルトシュラウド|115mmレールガン「シヴァ」]]の発展型で口径は小さいが弾速が非常に速く、また高い速射性を持つ。弾のサイズも小さいので装弾数もかなり多い。マルチロックオンシステムとの併用で同時に複数の敵機を攻撃可能。ビーム兵器ではない為、水中の敵に対しても使用する事が出来る。不使用時は[[AMBAC|AMBACユニット]]として機能しており、スラスターも内蔵されている。<br />こちらも後部にダクトが存在しているようで、HDリマスター版で時々排熱している様子が見られる。<br />開発時、将来的にMSの射撃兵装はビーム兵器が中心になると予想されていたが、開発を行ったMMIの技術陣は速射性や技術成熟による信頼性の高さ、[[ラミネート装甲]]等の対ビーム用装備へのカウンターとして実弾兵器、とりわけレール砲の有用性を強く訴え、搭載を押し切らせたという。
+
:左右腰部に装備されたレールガン。[[デュエルガンダム アサルトシュラウド|デュエル]]の「シヴァ」と同系統の物を更に強化改造したもの。<br/>ビーム兵器の実用化により「同じエネルギーを消費するならば」と主力の座を奪われたレールガンだったが、MMI技術陣はビーム対策用のラミネート装甲が一般化した戦闘での対艦兵器としてや、複数の標的への連射攻撃を可能とするなどのレールガンの有効性を声高に主張し、フリーダムへの搭載を押し切った。この主張は正しく、最大10機を同時にロックする性能を持つフリーダムはそれを実証する形となった。<br/>通常時は折りたたんだ状態で腰部両側のビームサーベルラック兼スラスター装備の[[AMBAC]]ユニットとして機能する。
;MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル
+
;MA-M01 ラケルタ・[[ビームサーベル]]
:クスィフィアスのマウント部に1基ずつ、計2基を装備。ルプスと同様、核エンジンからのエネルギー供給により連合製G兵器以上の高出力なビーム刃を形成する。柄尻で連結して双刀状にすることも可能で、この形態は「アンビデクストラス・ハルバード」と呼ばれる。<br />劇中では2機の敵機の間を通り抜ける瞬間に抜き放って相手の頭部や腕を斬り落とす、という戦い方が多かった他、相手が発射したビームをこれで切り払うという芸当も見せている。またクレタでは[[アスラン・ザラ]]の[[セイバーガンダム]]と交戦した際に二刀流で相手を切り刻む姿が非常に印象的である。一方、アンビデクストラス・ハルバードはプロヴィデンスガンダムを撃墜した時にしか使用されていない。
+
:左右腰部、レール砲上部に装備されたマティウス・アーセナリー製ビームサーベル。核動力からの強大なエネルギーを制御し、オリジナルである連合製を遥かに凌ぐ高出力のビーム刃の形成に成功している他、格闘術の増加を狙い、柄同士を連結させる事で「アンビデクストラス・ハルバード」と呼ばれる双刃状態にする事も可能。
 
;対ビームシールド
 
;対ビームシールド
:実体式のシールド。ジャスティスの物と同型だが、カラーリングが一部異なる。<br />既存のMSのシールドとは異なり[[ラミネート装甲]]の技術が採用され、戦艦の主砲クラスの威力を持つビーム砲をも無効化できる。<br />側面にはガンポートを備え、機体やビームライフルを守りながら攻撃する事が可能。
+
:[[ローラシア級]]などの外装技術を転用し、完成された軽量かつ超硬度の盾。GAT-Xシリーズに装備されていた対ビームシールドが共振現象を利用しビームを屈折させるのに対し、フリーダムのそれは主に戦艦の外装として開発された[[ラミネート装甲]]の改良技術が取り入れられている。
 
;ハイマット・フルバースト
 
;ハイマット・フルバースト
 
:ハイマットモード時に全武装を展開し、一斉砲撃を行う。マルチロックオンシステムにより多数の敵機に対して精密な狙撃を行う事を可能としている。<br />キラが使用した場合は10機以上の敵機を同時攻撃できるとされている。なお、C.E.73時の戦闘では逆さまの状態で攻撃する事もあった。<br />名称はゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズが初出とされる。<br />当初の設定ではハイマットモードのままでのフルバーストは不可能だったが、演出を優先させた事で設定も変更された。この為、放映当時に発売された[[ガンプラ]]等の関連商品ではハイマット・フルバーストは再現できず、MG化された際に初めて可能となった。
 
:ハイマットモード時に全武装を展開し、一斉砲撃を行う。マルチロックオンシステムにより多数の敵機に対して精密な狙撃を行う事を可能としている。<br />キラが使用した場合は10機以上の敵機を同時攻撃できるとされている。なお、C.E.73時の戦闘では逆さまの状態で攻撃する事もあった。<br />名称はゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズが初出とされる。<br />当初の設定ではハイマットモードのままでのフルバーストは不可能だったが、演出を優先させた事で設定も変更された。この為、放映当時に発売された[[ガンプラ]]等の関連商品ではハイマット・フルバーストは再現できず、MG化された際に初めて可能となった。
 
;フルバーストモード
 
;フルバーストモード
:通常の状態で全武装を展開し、一斉攻撃を行う。<br />TV版ではオーブでの戦闘や[[ドミニオン]]から発射されたミサイル迎撃などで数回使われただけだったが、HDリマスター版ではJOSH-A戦でも使われ、その際はピクウスも同時に発射していた。
+
:バラエーナ・収束ビーム砲2門、クスィフィアス・レール砲2門及びルプス ビームライフルを一斉に起動した状態を「フルバーストモード」と呼ぶ。本機は核エンジンの搭載に伴って、従来のMSからは考えられないほどの大火力を持ち、これらの火器を統合管制するのが「マルチロックオンシステム」で、複数の対象を同時にかつ精密に狙撃する事ができた。
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
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== 関連機体 ==
 
== 関連機体 ==
=== 装備バリエーション ===
 
;[[フリーダムガンダム (ミーティア)]]
 
:支援機「ミーティア」との合体形態。
 
 
 
=== 系列機・派生機 ===
 
=== 系列機・派生機 ===
 
;[[ストライクフリーダムガンダム]]
 
;[[ストライクフリーダムガンダム]]
 
:後継機。元々はフリーダムの量産機となる予定だった。
 
:後継機。元々はフリーダムの量産機となる予定だった。
 +
;[[ライジングフリーダムガンダム]]
 +
:ストライクフリーダムをベースに開発された系列機。バックパックの構造などは本機のものを踏襲している。
 
;[[ドレッドノートガンダム]]
 
;[[ドレッドノートガンダム]]
 
:プロト・ザフト・ガンダム。開発時にこの機体のデータを反映している。
 
:プロト・ザフト・ガンダム。開発時にこの機体のデータを反映している。
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;[[火器運用試験型ゲイツ改]]
 
;[[火器運用試験型ゲイツ改]]
 
:フリーダム・ジャスティスで搭載される予定の武装の試験機。
 
:フリーダム・ジャスティスで搭載される予定の武装の試験機。
 +
;[[エクリプスガンダム]]
 +
:本機を再生する際にフレーム構造を解析・コピーし、ベースとして開発された機体。
 
;[[エターナル]]
 
;[[エターナル]]
 
:専用母艦。
 
:専用母艦。
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=== その他 ===
 
=== その他 ===
 
;[[フリーダムガンダムフェーダー]]
 
;[[フリーダムガンダムフェーダー]]
:『ガンダムビルドファイターズ炎トライ』に登場する本機をベースとしたガンプラ。後継機であるストライクフリーダムのパーツが部分部分に使用されている。
+
:『[[ガンダムビルドファイターズ炎トライ]]』に登場する本機をベースとしたガンプラ。後継機であるストライクフリーダムのパーツが部分的に使用されている。
<!-- == 余談 == -->
+
;[[ガンダムフリーダム]]
<!-- *説明 -->
+
:『[[機動武闘外伝ガンダムファイト7th]]』に登場するほぼ同名の機体。
 +
;[[フリーダム]]
 +
:『[[G-SAVIOUR]]』に登場する[[ジムシリーズ]]の量産機。本機と同様の名を冠する。
 +
 
 +
== 余談 ==
 +
*2022年12月14日にガンダムコミカライズの雄、高山瑞穂先生がTwitter上でロボットアニメ『重戦機エルガイム』における没設定「ファティマ([https://srw.wiki.cre.jp/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%9E ファティマ:スーパーロボット大戦Wiki])」について触れた際に、類似例として「ボンボンでSEED<ref>『機動戦士ガンダムSEED キラとアスランの激闘』と思われる</ref>のマンガ描いてた時、アニメで見たフリーダムガンダムの額ブロックに書いてある「X-10A DIECI」がカッコいいので自分のマンガにも反映させたんだけど、サンライズ側からNGが出て全部消さなきゃならなかった事件が。」という体験談を語ったところ、大きな反響があった。<br />いわく「泣く泣くトーンを剥がしてホワイトで修正をして…」と当時の苦労を語っており、なんでも「この刻印は設定書には描かれておらず、作画サイドが勝手に付け足した非公式のものなので、プラモデルにないものは描かないでほしい」という指示があったとの事。後から消せる映像はOKでモノが残る印刷物はNGという屁理屈もあったらしく不満を露にしている。
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**[https://twitter.com/mizpi/status/1602826366432354304?s=20&t=b3kszCqL_-5xB2CEPi3TVA 高山瑞穂氏のツイート1] / [https://twitter.com/mizpi/status/1602838068981288960?s=20&t=b3kszCqL_-5xB2CEPi3TVA 2]
  
 
== 商品情報 ==
 
== 商品情報 ==
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*[[登場メカ]]
 
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2024年11月20日 (水) 21:54時点における最新版

フリーダムガンダム
外国語表記 Freedom Gundam
登場作品
デザイン 大河原邦男
テンプレートを表示
スペック
正式名称 フリーダム
分類 ハイエンド試作型モビルスーツ
生産形態 試作機
型式番号 ZGMF-X10A
全高 18.03m
重量 71.5t
動力 核エンジン
ジェネレーター出力 8,826kW
スラスター総推力 527,000kg
装甲材質 フェイズシフト装甲
OS G.U.N.D.A.M.Complex
開発組織
所属組織 ザフト軍三隻同盟 (奪取) ⇒ オーブ軍
所属部隊 アークエンジェルエターナル
パイロット キラ・ヤマト
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概要[編集 | ソースを編集]

ザフト軍の開発したハイエンド試作モビルスーツパトリック・ザラの指示により、ザフトの統合設計局[1]が開発を担当し、コズミック・イラ71年4月1日に兄弟機ジャスティスと共にロールアウト。プラント最高評議会議長となったパトリックによって「フリーダム」と命名されたが、ラクス・クラインの手によりキラ・ヤマトに託され、ザフトから離脱した。

フリーダムはジャスティスと共に連合軍とのMS戦を想定したハイスペック機であり、ゲイツを基本ベースとしつつ、これに一部に地球連合軍から鹵獲したGAT-Xシリーズの技術(主にフェイズシフト装甲や高出力ジェネレーター等)を取り入れて完成した機体であり[2]、ヘッドユニットはGAT-Xシリーズを踏襲した形状となっている。

武装は機体本体とは別々に開発が行われ、マイウス・ミリタリー・インダストリー社やマティウス・アーセナリー社等から複数の試作が提出されていたが、火器運用実験機によるデータを解析した結果、PS装甲と併用した場合(それ以前に複数の強力な火器を同時に使用した時においても)とても実戦に耐え得る状態ではなかった。しかし、ニュートロンジャマーキャンセラーの採用により核エンジンを搭載する事が可能となった事でこれらの問題を一挙に解決した[3]。核エンジンの搭載により、事実上エネルギー供給が無制限となり、ビームライフルやプラズマ収束ビーム砲、レール砲といった大電力を必要とする火器の装備と運用が可能となった他、フェイズシフト装甲がほぼ無制限に使用出来るようになった。また、これらをフルスペックで使用するためにOSには「Generation-Unsubdued Nuclear-Drive/Assault Module Complex」を搭載している。

背部には10枚のウイングバインダー(能動空力弾性翼)を備え、それらを展開することで「ハイマット(HIGH Manuver Aerial Tactical)モードと呼ばれる高機動形態を取る事が可能。このモードではウイングバインダーの各パーツを可動させる他、内蔵されたスラスターを用いる事で高度な姿勢制御能力を獲得。大気圏内外で高い機動性と運動性を発揮した。また、ハイマットモードと並行してプラズマ収束ビーム砲、レール砲を展開した「フルバーストモード」での戦闘も可能であった。このモードでは、マルチロックオンシステムとの連動によって単機で複数の目標への同時攻撃が可能となる。また、戦術強襲機「ミーティア」との連動も前提としており、合体時はより高度な攻撃力を発揮する。

しかし、その複雑化したシステムはコーディネイターの中でも特に優れた能力を持つ者でないと乗りこなす事はできないとされる。特にフルスペックで稼働させるためには複雑な軌道予測や一対多の錯綜した状況を把握出来る高度な空間認識能力が必須とされ、その性能を引き出したのはスーパーコーディネイターであったキラであったが、本来予定されていた正規のパイロットは定かではない[4]

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

機動戦士ガンダムSEED
初登場作品。キラ・ヤマトストライクガンダムに次ぐ搭乗機としてPHASE-34(リマスター版第32話)から登場する。
当初、特務隊の隊員の誰かかイザーク・ジュールをパイロットとする事が検討されていたとされる機体をラクス・クラインの手引きでキラが強奪。
ザフト軍の「オペレーション・スピットブレイク」にて危機に陥っていたアークエンジェルの援護に現れ、全軍に対してJOSH-Aの地下に設置されたサイクロプスによる自爆攻撃を知らせている。
その後、オーブ連合首長国メンデルで地球連合軍の部隊と交戦し、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦にも参戦。ラウ・ル・クルーゼプロヴィデンスガンダムと激闘を繰り広げ、激しく損傷しつつも死闘の末に撃破する。その直後、ジェネシスの発射に巻き込まれ、直撃こそ免れたものの大破している。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
PHASE-13からキラの搭乗機として引き続き登場。
戦後に回収・修復され、アスハ家別邸にある地下シェルター内に封印されていたが、ヨップ・フォン・アラファス率いる特殊部隊によるラクス暗殺を目的とした攻撃がきっかけで再び起動され、特殊部隊のMSアッシュを全機戦闘不能にした。
その後ユウナ・ロマ・セイランとの政略結婚を強いられていたカガリ・ユラ・アスハの結婚式に乱入。カガリを連れ去りオーブから脱出した後はスカンジナビア王国でアークエンジェルと共に身を隠していたが、ダーダネルス海峡ミネルバとオーブ・地球軍の連合部隊が戦闘状態に突入する事を知るとそれに武力介入し、両軍のMSを次々と戦闘不能に陥らせている。
クレタ島の戦闘でも同様に武力介入を行い、ベルリンではステラ・ルーシェデストロイガンダムを撃破するが、これがきっかけでシン・アスカの恨みを買う事となり、またザフト軍からも敵性勢力と断定され、「エンジェルダウン作戦」にてシンのフォースインパルスガンダムの猛攻に押され、腹部をエクスカリバーで刺し貫かれ(小説版では袈裟斬り)撃墜された。
戦闘終了後、コクピットブロックはカガリのストライクルージュによって回収され、キラも軽傷で生還している。
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 ΔASTRAY
カガリを結婚式場からさらった際にアグニス・ブラーエデルタアストレイと交戦しているが、ビームを1発発射して頭部を損傷させただけでまともに戦う事はなかった。
ガンダムビルドリアル
第3話にチーム「ガールスキー」の使用するRGベースのガンプラとして登場。全身がピンクを基調としたカラーリングに塗装されており、所々にアクセサリーやエングレービングが施されている。チーム「ブライト」のナナハチと対戦し、高い機動力とブキッガイを使った打撃攻撃で苦戦させる。しかし、塗装重視のビルドであったためフルバーストの威力を最大限に発揮できず、最後はフルバーストに耐え切ったナナハチに腹部を刺し貫かれ敗北した。なお、この際の構図はSEED最終回でフリーダムがプロヴィデンスに止めを刺したシーンを左右反転させたものとなっている。
ガンダムベース上海
2021年に中国の「ガンダムベース上海」の敷地内に本機の実物大立像が建造され、同年5月28日にはオープニングセレモニーが開催された。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

特殊機能[編集 | ソースを編集]

フェイズシフト装甲
一定の電圧を持つ電流を流す事で相転移する特殊金属で構成された装甲。相転移した装甲は一定のエネルギー消費と引き換えに物理的な衝撃を無効化でき、単独での大気圏突入も可能。
この金属は相転移に伴って装甲面の分子配列が変化する性質があるため、パーツごとに色彩も変化する。非展開時のカラーリングは概ねメタリックグレーで、その状態は「ディアクティブモード」と呼ばれる。
バッテリー駆動の連合製G兵器では稼働時間の短さとそれに起因する戦闘中のフェイズシフトダウン等欠点も目立ったが、本機では核エンジンの採用によりそれらの欠点を克服した。
ニュートロンジャマーキャンセラー
ニュートロンジャマーを無効化する装置。これを搭載した事で、核エンジンの搭載とそれに由来する膨大なエネルギーの使用が可能となった。
ハイマットモード
ウイングバインダーを展開した高機動空戦形態。フリーダムは通常の状態でも飛行能力を有するが、ドッグファイト時にはこの形態を取る事で無重力下では重心制御が、大気圏内では空力制御が可能となり、より機敏な運動性を得る事ができる。その際、翼全体の形状はコンピュータ制御による能動空力弾性翼となっており、空力抵抗をコントロールする事で、人型のMSでも航空機を凌ぐ高い旋回能力を得る事が出来た。このデバイスは小型スラスターと放熱板の機能も併せ持ち、大気圏内外を問わず、高出力の火砲を多数搭載するフリーダムの信頼性向上にも貢献している。
マルチロックオンシステム
複数の敵を同時にロックオンし、精密射撃を行うことが可能な火器管制システム。フルバーストモード時やミーティアとドッキングした際に使用される。

武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御用機関砲
頭部に搭載されたマイウス・ミリタリー・インダストリー製のバルカン砲。ゲイツ等でも採用された機関砲で、連射性に優れるがMSには威力不足だったため、主にミサイルなどの防御用として使用される。
MA-M20 ルプス・ビームライフル
マティウス・アーセナリー製ビームライフル。フリーダム及びジャスティスの兵装として初めて実用化された携帯型ビームライフル。核動力機によって運用されるため、既存のタイプよりも高出力・高威力のビームを発射する。
ザフトにとってビームサーベルと同じく連合から遅れを取ってしまっていたのが、小型かつ大出力のビーム銃の開発であった。元来、ビーム砲は艦船や固定砲台など大出力のエネルギーが安定して供給出来る環境においてのみ可能とされていた。その有用性から機動力に優れたMSへの搭載が早くから模索されていたものの、標準装備としての実現はGAT-Xシリーズの技術流用を待つしかなかった[5]。装備は機体よりも先に完成し、先行して火器運用試験型ゲイツ改でテストが行われた。
M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲
背部バインダー翼に収納されている2門の高出力プラズマカノン。フリーダムが装備する火器の中で最大の射程と威力を誇り、特に威力はランチャーストライクの「アグニ」に匹敵する。
開発時点ではあまりのエネルギー消費量に事実上失敗作の烙印を押されていたが、NJCの搭載後の発射試験で改めてその威力を証明し、搭載が決定した。搭載に伴いそのサイズにより機体全体のバランスが崩れるのではという声が本体の設計サイドから上がったが、ユーリ・アマルフィの仲裁により、大気圏内用高速翼そのものをバラエーナのバインダーとする事で機体バランスの問題を解決した。
MMI-M15 クスィフィアス・レール砲
左右腰部に装備されたレールガン。デュエルの「シヴァ」と同系統の物を更に強化改造したもの。
ビーム兵器の実用化により「同じエネルギーを消費するならば」と主力の座を奪われたレールガンだったが、MMI技術陣はビーム対策用のラミネート装甲が一般化した戦闘での対艦兵器としてや、複数の標的への連射攻撃を可能とするなどのレールガンの有効性を声高に主張し、フリーダムへの搭載を押し切った。この主張は正しく、最大10機を同時にロックする性能を持つフリーダムはそれを実証する形となった。
通常時は折りたたんだ状態で腰部両側のビームサーベルラック兼スラスター装備のAMBACユニットとして機能する。
MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル
左右腰部、レール砲上部に装備されたマティウス・アーセナリー製ビームサーベル。核動力からの強大なエネルギーを制御し、オリジナルである連合製を遥かに凌ぐ高出力のビーム刃の形成に成功している他、格闘術の増加を狙い、柄同士を連結させる事で「アンビデクストラス・ハルバード」と呼ばれる双刃状態にする事も可能。
対ビームシールド
ローラシア級などの外装技術を転用し、完成された軽量かつ超硬度の盾。GAT-Xシリーズに装備されていた対ビームシールドが共振現象を利用しビームを屈折させるのに対し、フリーダムのそれは主に戦艦の外装として開発されたラミネート装甲の改良技術が取り入れられている。
ハイマット・フルバースト
ハイマットモード時に全武装を展開し、一斉砲撃を行う。マルチロックオンシステムにより多数の敵機に対して精密な狙撃を行う事を可能としている。
キラが使用した場合は10機以上の敵機を同時攻撃できるとされている。なお、C.E.73時の戦闘では逆さまの状態で攻撃する事もあった。
名称はゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズが初出とされる。
当初の設定ではハイマットモードのままでのフルバーストは不可能だったが、演出を優先させた事で設定も変更された。この為、放映当時に発売されたガンプラ等の関連商品ではハイマット・フルバーストは再現できず、MG化された際に初めて可能となった。
フルバーストモード
バラエーナ・収束ビーム砲2門、クスィフィアス・レール砲2門及びルプス ビームライフルを一斉に起動した状態を「フルバーストモード」と呼ぶ。本機は核エンジンの搭載に伴って、従来のMSからは考えられないほどの大火力を持ち、これらの火器を統合管制するのが「マルチロックオンシステム」で、複数の対象を同時にかつ精密に狙撃する事ができた。

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

SEED[編集 | ソースを編集]

舞い降りる剣
PHASE-35(リマスター版第33話)より。サイクロプスから逃れる為にJOSH-Aから離脱しようとするアークエンジェル。しかしザフト軍は逃すまいと執拗に攻撃を仕掛けてくる。やがて1機のジンの銃口がブリッジに向けられ、クルー達が死を覚悟した瞬間、上空から一発のビームがジンの重突撃機銃を破壊。直後に現れたその機体――フリーダムはジンの頭部を斬り飛ばすと、翼を広げながらアークエンジェルを守るかのようにザフト軍機の前に立ちはだかったのだった。
カラミティガンダムレイダーガンダムフォビドゥンガンダム
オーブ解放作戦で交戦。チームワークは最低だったものの連合の新型機が3機がかりで攻めてきている(しかもパイロットは全員ブーステッドマン)という事もあって、撃墜寸前まで追い詰められた。
その後はアスランのジャスティスと共に戦っており、互角に渡り合っている。しかし、メンデルでの二度目の戦闘ではキラが自身の出生の秘密をクルーゼから聞かされた事で動揺しており、しかもフレイ・アルスターがポッドに乗せられて救助を求めていた事から更に動揺。その結果、左のウイングユニットと頭部を破損して戦闘どころではなくなってしまった。
なお、この3機の中でもフォビドゥンは相性が最悪で、ゲシュマイディッヒ・パンツァーとトランスフェイズ装甲のせいでビームサーベル以外は全て無効化されてしまう。
プロヴィデンスガンダム
PHASE-50(リマスター版第48話)第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦の終盤、エターナルに攻撃を仕掛けているプロヴィデンスと交戦。「人類は滅ぶべくして滅ぶ」と叫びながらドラグーンを展開し、43門ものビームを放ってくるクルーゼに対し、「人はそんなものじゃない」と否定するキラは傷つきながらもドラグーンを撃ち落していく。
最後はフリーダムのアンビデクストラス・ハルバードがプロヴィデンスのコクピットを貫き、クルーゼは発射されるジェネシスの光に呑まれて消滅したが、プロヴィデンスの核爆発に巻き込まれフリーダムも戦闘不能となった。尚、終盤の決戦で損傷することの多い主役機だが大抵の場合は左腕を損失し残る右腕の武器でケリをつけることが多かったのに対し、当機はそれとは逆にライフルを持った右腕を損失し、残された左腕のビームサーベルでケリをつけると言う珍しいパターンとなった。

SEED DESTINY[編集 | ソースを編集]

アッシュ
ヨップ率いるラクス暗殺部隊が使用した機体と交戦。キラがMSで戦うのは実に2年振りだったが、ブランクを一切見せずに圧倒的な力で全機を戦闘不能に持ち込んだ。しかし、ヨップ隊はその後機密保持の為に全機が自爆している。当時アッシュはザフトの特殊部隊にしか配備されていなかった為、この襲撃でキラ達はザフトの関与を疑う事になった。
フォースインパルスガンダム(エンジェルダウン作戦時)
エンジェルダウン作戦でフリーダムへの攻撃を命じられ、ステラを死なせた恨みから猛攻撃をかけるシン。キラも応戦するが、「武装やメインカメラのみを破壊して戦闘不能にする」という戦い方が仇となってインパルスの特性を存分に活かしたシンに押されてしまい、機体も損傷していく。
最終的にはエクスカリバーがフリーダムの腹部を貫き、大破した。この時、キラは直前に核エンジンの閉鎖ボタンを押しており、核爆発は免れているようである。

関連機体[編集 | ソースを編集]

系列機・派生機 [編集 | ソースを編集]

ストライクフリーダムガンダム
後継機。元々はフリーダムの量産機となる予定だった。
ライジングフリーダムガンダム
ストライクフリーダムをベースに開発された系列機。バックパックの構造などは本機のものを踏襲している。
ドレッドノートガンダム
プロト・ザフト・ガンダム。開発時にこの機体のデータを反映している。
ジャスティスガンダム
フリーダムとの連携を前提にして開発された兄弟機。
リジェネレイトガンダム / テスタメントガンダム / プロヴィデンスガンダム
兄弟機。

技術的関与のある機体 [編集 | ソースを編集]

ゲイツ
設計の基本ベースとなった機体。
火器運用試験型ゲイツ改
フリーダム・ジャスティスで搭載される予定の武装の試験機。
エクリプスガンダム
本機を再生する際にフレーム構造を解析・コピーし、ベースとして開発された機体。
エターナル
専用母艦。

その他 [編集 | ソースを編集]

フリーダムガンダムフェーダー
ガンダムビルドファイターズ炎トライ』に登場する本機をベースとしたガンプラ。後継機であるストライクフリーダムのパーツが部分的に使用されている。
ガンダムフリーダム
機動武闘外伝ガンダムファイト7th』に登場するほぼ同名の機体。
フリーダム
G-SAVIOUR』に登場するジムシリーズの量産機。本機と同様の名を冠する。

余談[編集 | ソースを編集]

  • 2022年12月14日にガンダムコミカライズの雄、高山瑞穂先生がTwitter上でロボットアニメ『重戦機エルガイム』における没設定「ファティマ(ファティマ:スーパーロボット大戦Wiki)」について触れた際に、類似例として「ボンボンでSEED[6]のマンガ描いてた時、アニメで見たフリーダムガンダムの額ブロックに書いてある「X-10A DIECI」がカッコいいので自分のマンガにも反映させたんだけど、サンライズ側からNGが出て全部消さなきゃならなかった事件が。」という体験談を語ったところ、大きな反響があった。
    いわく「泣く泣くトーンを剥がしてホワイトで修正をして…」と当時の苦労を語っており、なんでも「この刻印は設定書には描かれておらず、作画サイドが勝手に付け足した非公式のものなので、プラモデルにないものは描かないでほしい」という指示があったとの事。後から消せる映像はOKでモノが残る印刷物はNGという屁理屈もあったらしく不満を露にしている。

商品情報[編集 | ソースを編集]

ガンプラ[編集 | ソースを編集]

フィギュア[編集 | ソースを編集]

リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. ゲイツの開発にあたり主要設計3局であったハインライン、アジモフ、クラークの各設計局を統合したもの。
  2. 元々、ゲイツは設計段階ではかなりのハイスペックな機体として計画されていたが、量産面の問題からやむを得ず切り捨てられた部分が多かった。しかし、オンリーワンとして開発されるフリーダム、ジャスティスにはその心配がなく、技術者が望んだそのままの状態で実現される事になった。
  3. NJCの開発を行っていたユーリ・アマルフィは穏健派であり、核の復活に難色を示し再三の要求を頑なに拒んでいたが、パイロットとして参戦していたニコル・アマルフィの戦死をきっかけにNJCの使用を決意したという。
  4. ジャスティスの正規パイロットは当初からアスラン・ザラが予定されており、フリーダムも同じ特務隊の人間か、当時ザラ派No.2であったエザリア・ジュールの息子イザーク・ジュールが選ばれていたのではないかと言われている。
  5. これは技術開発においてコーディネイターがナチュラルに劣るのではなく、連合のMS開発にオーブ等にいたコーディネイターが多数関わっており、国は違えど彼らの知性に拠る物が多かった。
  6. 『機動戦士ガンダムSEED キラとアスランの激闘』と思われる