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:ボウワ製の専用ビーム・ライフル。型式番号XBR-M-79a。ガンダムのXBR-Mタイプとは別設計のXBR-Lタイプのデバイスを装備している。当初はジェネレーター出力の問題から搭載は見合わされていたが、[[ルナツー]]での改修により使用可能となった。射程距離は30km。<br/>ガンダム用の物と比較すると取り回しは悪いが、照準精度や射程に優れ、遠距離からの精密射撃に用いられた。戦闘によっては装備しない場合もあった。 | :ボウワ製の専用ビーム・ライフル。型式番号XBR-M-79a。ガンダムのXBR-Mタイプとは別設計のXBR-Lタイプのデバイスを装備している。当初はジェネレーター出力の問題から搭載は見合わされていたが、[[ルナツー]]での改修により使用可能となった。射程距離は30km。<br/>ガンダム用の物と比較すると取り回しは悪いが、照準精度や射程に優れ、遠距離からの精密射撃に用いられた。戦闘によっては装備しない場合もあった。 |
2024年4月23日 (火) 15:04時点における版
ガンキャノン | |
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外国語表記 | Guncannon |
登場作品 |
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デザイナー | 大河原邦男 |
スペック | |
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分類 | 中距離支援用試作型モビルスーツ |
型式番号 | RX-77-2 |
頭頂高 | 17.5m |
全高 | 18.1m |
本体重量 | 51.0t |
全備重量 | 70.0t |
主動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 1,380kW |
スラスター総推力 | 51,800kg |
装甲材質 | ルナ・チタニウム合金 |
センサー有効半径 | 6,000m |
開発組織 | 地球連邦軍 |
所属 | 地球連邦軍 |
主なパイロット |
概要
地球連邦軍がV作戦で開発した試作型モビルスーツ。主に両肩の240mm低反動キャノン砲による中距離支援を目的としているが、その一方でMSとしては不完全だったガンタンクの問題点を解決するという開発経緯も持ち、その甲斐もあって人間同様の四肢を持つ機体として完成した。
実質的な開発そのものはV作戦の前身となる「RX計画」から始まっており、その時点で既にガンダム、ガンタンクと共に機能分化が図られていた。MS用のビーム兵器の開発が途上にあったため、ガンキャノンはガンタンクとともに主武装として信頼性の高い実体弾が採用されているが、ガンタンクと比較して総合的なジェネレーター出力が向上したため、ビーム・ライフルのドライブが可能となった。ただし、装甲厚やキャノン砲の搭載などによって高度な運動性の獲得が期待できなかったため、本格的な近接戦闘用の装備であるビーム・サーベルの運用は見送られている。
開発に際して連邦軍初の二足歩行機「RXM-1」のデータがフィードバックされたと言われ、またザニーによって頭部モジュール部分が先行運用され、頭部バルカン砲の装備などの仕様が策定されたとされる。
ガンキャノンは中距離帯での砲撃戦を想定した機体であった為、機動性よりも耐弾性を重視しており、その装甲強度はリック・ドムのジャイアント・バズの直撃にも耐えるなど、MSとしては破格の装甲強度を誇っていた。コアブロックシステムの採用によって胴体部の装甲の繋ぎ目が脆弱になるという欠点を有していたが、積層装甲の採用によってこれを補っている。特に不整地などにおける低姿勢からの砲撃は、対抗面積が小さいため被弾率も低く、強固な装甲とも相まって多大な戦果をもたらした。
頭部はバイザーで覆われたモノ・センサー方式のメイン・カメラを採用。ガンダムのデュアル・センサーよりも生産工程が簡略化出来るという利点があり、ジムにもその機構が受け継がれている。ただし、ガンキャノンのセンサーは砲撃支援の為にガンダムよりも複雑化しているとも言われている。また、機体制御と同時に火器管制を行う必要があるパイロットの負担を軽減するためにコ・プロセッサーフレームなどが搭載されている。機体の火器管制は基本的に頭部センサー群とコ・プロセッサーシステムによって処理され、肩部の火器ターレットはこのセンサーからのデータを取り入れ、パイロットの制御とはある程度独立した自動追尾及びロックオンが可能だった。
上半身はコア・ファイターとのドッキング機構とキャノン砲の機関部およびスラスター基部によって構成され、腕部の可動構造のほとんどは肩部自体に内装され、ボディ側の構造は基部のスイング機構程度で、ショルダーアーマー自体も特殊な形状となっている。マニピュレーターはガンダムに装備されているものと機能的にはほぼ同等だが、レスポンスよりはトルクを優先した調整が施されている。
支援砲撃という役割からガンタンクとの戦術用途の重複が指摘されるが、ガンキャノンは人型をしたMSとしての機能性の面でより高度な運用柔軟性[1]を発揮。実戦での有用性の高さから固定火器を搭載する「支援用MS」というジャンルを確立し、連邦・ジオン双方でそのコンセプトに倣った機体が複数開発されており、MS開発史のターニングポイントの一つとなっている。しかし、ガンキャノン自体はコアブロックシステムの搭載によって生産性が低下しており、ザクIIの4倍という膨大な生産コストを要する事になった為、本格的な戦力化には設計の簡易化が必要となり、結果ジムを母体とするジム・キャノンの誕生に繋がる事になった。
ガンキャノンは初期試作型の他、先行型仕様として6期が生産された。型式番号は初期試作型がRX-77-1、先行型仕様型がRX-77-2とされる。6機の先行仕型のうち、3機がサイド7においてトライアルを行ったが、サイド7遭遇戦において1機を残して破壊され、使用可能なパーツ群と共にホワイトベースに搬入され、一年戦争終結まで運用された。
登場作品と操縦者
- 機動戦士ガンダム
- 初登場作品。第1話からしばらくパーツ状態での登場だったが、第8話でようやく初出撃となった。
主にカイ・シデンが搭乗し、ジオンの新型MSに苦戦を強いられる場面も見られたが、ア・バオア・クー戦で戦闘不能になるまで一年戦争を戦い抜いた。セイラがガンダムで無断出撃した際はアムロが代替機として使用し、ザクを格闘戦で戦闘不能に追い込み鹵獲するという戦果を上げた。 - 機動戦士ガンダム (小説版)
- 頭頂高が約16mに変更され、ガンダムと同様のシールドを装備している。また、胸部左と左頸部に機体識別用には「108」(カイ機)、「109」(ハヤト機)のマーキングが施されている。マーキングの設定は後に劇場版に引き継がれている。
- 劇場版 機動戦士ガンダム
- ジャブローでガンタンクと入れ換える形でもう1機がホワイトベース隊に配備され、ハヤトが専属パイロットとなる。前述の通り小説版の設定を輸入しているため、機体に識別番号のマーキングが施されている。また、ア・バオア・クー攻防戦ではこれらとは別の203号機が登場している。
- 機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル
- 203号機が登場。エリク・ブランケのゲルググと相対するが相手にはせず、シールドごと踏み台にしている。
- 機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079
- アルバトロス輸送中隊に全6機配備されており、2つの小隊に分かれていた。劇中では第1小隊はすでに壊滅しているため、第2小隊のガンキャノンが2機登場する。型式番号がRX-77-1となっているが、初期の設定であるためと思われる。
- ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079
- 敵として登場する。ホワイトベース隊の機体の他に、ジャブローに数機配備されている。
- 機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…
- サラブレッド隊に3機配備されている。漫画版ではそれぞれにナンバリングが施されており、C01にウェスリー、C02にダリル、C03にカークがそれぞれ搭乗している。
- 機動戦士Ζガンダム
- 第13話、戦争博物館内部に一部カラーパターンの異なる108号機のレプリカが展示されているのが確認できる。
- 機動戦士ガンダムUC 星月の欠片
- 第2話でバーブレス所属機として登場。キャノン砲は撤去され、代わりにザク・バズーカを2丁装備している。プロト・スタークジェガンのミサイルで最初に撃破された。
装備・機能
特殊機能
- コア・ブロック・システム
- コア・ファイターを核とし、上下半身のパーツを交換可能にしたシステム。MS運用ノウハウの無い連邦軍が、試作機の戦闘データを確実に回収するためや戦闘中の換装を素早く行う為の窮余の策でもあったと思われる。
武装・必殺攻撃
- 60mmバルカン砲
- 頭部に2門内蔵されている近接防御用の機関砲。白兵・格闘兵装を持たないガンキャノンにとっては唯一の近接戦闘武装でもある。MSに対してはほとんど効果はないが、対空迎撃や牽制で威力を発揮する。
『1st』劇中では有効に活用された描写はないが、『ガンダム戦記 アバンタイトル』ではエリクのゲルググに対して使用して次の攻撃に繋げている。 - 240mm低反動キャノン砲
- 炸薬によって実体弾を発射する低反動砲。火器としての信頼性が高く、ビーム兵器のように大気によって威力が減衰することもなく、重力下では弾道砲撃も可能。ガンタンクの120mmキャノン砲より大口径・短砲身な為、有効射程は短かったとされる。それでもザクIIの装甲を貫通する威力を持ち、更に砲身に強制水冷ジャケットを装備した事でザク・マシンガンに匹敵する発射速度を実現した。装弾数は左右合わせて40発。
装薬には液体炸薬を採用し、弾体をAパーツ、装薬部をBパーツにそれぞれ搭載する構成を採っていたとされる。 - スプレー・ミサイル・ランチャー
- 240mmキャノン砲を換装する形で装備する12連装の小型ミサイルランチャー。近接戦闘用に開発されたが、ミノフスキー粒子散布下で実用的な命中精度を期待できないたため、弾幕の展開を想定した近接戦闘用の装備として設計されていたのだが、やはりミノフスキー粒子散布下では実用的な命中精度を確保することが出来なかったため、実戦ではほとんど使用されておらず、ホワイトベース隊での使用記録もない。
『1st』第6話の1シーン(4分35秒頃)で、ホワイトベースの格納庫の床に1つだけ転がっているのが一瞬だけ確認できる。 - ビーム・ライフル
- ボウワ製の専用ビーム・ライフル。型式番号XBR-M-79a。ガンダムのXBR-Mタイプとは別設計のXBR-Lタイプのデバイスを装備している。当初はジェネレーター出力の問題から搭載は見合わされていたが、ルナツーでの改修により使用可能となった。射程距離は30km。
ガンダム用の物と比較すると取り回しは悪いが、照準精度や射程に優れ、遠距離からの精密射撃に用いられた。戦闘によっては装備しない場合もあった。 - ハンドグレネード
- 膝部に格納されているMSサイズ手榴弾。ランチャーは使わず、マニピュレータで投擲した後、弾体に備えられたバーニアで軌道を修正しながら目標に向かっていく。拠点攻略時の施設破壊などに有効。
『めぐりあい宇宙』でア・バオア・クー内部に侵入する際に使用している。 - 格闘
- 支援用MSとして割り切った設計によって近接用兵器はオミットされており、また機体強度そのものはこちらの方が若干高い事も有って、接近してくるMSに対しては殴る蹴るなどの原始的な戦い方で応戦する。
その他
- 岩石
- 機体全高の半分以上はある大きさの岩石。『1st』第22話で弾切れとなった際、投擲武器として使用。
- ザク・バズーカ
- ザクIIが使用しているバズーカを鹵獲した物。『星月』第2話でバーブレス所属機が装備。
- ハイパー・ビーム・ジャベリン
- フルアーマーユニコーンガンダムのオプション装備の1つ。『GBFT』第1話で使用。
- ヒート・ジャック / キャノン・ミサイル / ポット・ミサイル / ガン・ナパーム / キャノン・シールド
- 『1st』が『ガンボイ』として企画進行していた時期に玩具用としてデザインされた武器。その内、ヒート・ジャックについては後のシリーズにオマージュと見られる武器が登場している。
対決・名場面
機動戦士ガンダム
- 対ザクII (コズン機)
- 第16話より。アコースのザクを撃破したアムロは、撤退しようとしていたコズンの前に立ち塞がり、右フックからの足払いで瞬く間に無力化した。ガンキャノンの格闘技が見られる貴重なシーンである。
関連機体
別デザイン
- ガンキャノン (THE ORIGIN版)
- 『THE ORIGIN』に登場するガンキャノン。機体形状や複数の試作機の存在など、設定が大幅に変更されている。
- ガンキャノン最初期型
- THE ORIGIN版ガンキャノンでは最初期の機体。アナハイム・エレクトロニクス社が開発した初の量産型二足歩行機動兵器である。
- ガンキャノン機動試験型
- 最初期型を引き継ぐ形で評価試験用に製作された機体。
- ガンキャノン火力試験型
- 機動試験型に続いて製作された機体。
- ガンキャノン (サンダーボルト版)
- 『サンダーボルト』に登場するガンキャノン。量産化されている。
- ガンキャノン・アクア
- 水中戦用に改修した機体。
系列機・派生機
- RXM-1
- 連邦軍初の二足歩行型MS。ガンキャノンの開発以前の機体であり、開発にはジオンから亡命した技術者などの協力があったと言われている。
- ザニー
- 本機の頭部などを流用しMSそのものの構造解析や運用ノウハウ構築などに用いられた前身機の一つ。
- プロトタイプガンキャノン / ガンキャノンA
- 本機の試作段階でのバリエーションの1つ。
- 量産型ガンキャノン
- 本機の量産を目指した機体。
- 陸戦型ガンキャノン
- ガンキャノンの余剰生産パーツで開発された機体。
- ガンキャノン重装型
- ジム・キャノンの開発過程で生まれた機体。装甲を中心に強化されている。
- ガンキャノン重装型タイプD
- 低下した機動性を克服した機体。
技術的関与のある機体
- ジム・キャノン
- 本機を元にジムの生産ラインを流用して開発された機体。
- ガンダム6号機
- 本機と同じく砲撃戦に特化した機体。一年戦争時は砲術のエキスパートであるエイガー少尉が搭乗した。
- ガンキャノン・ディテクター
- 本機の名を持つメタス系の機体。
- キャノンガン
- 本機を想起させるジェガンA2型をベースに開発された機体。
その他
- GNキャノン / リボーンズキャノン / リボーンズガンダム オリジン
- 本機のオマージュ機体。
商品情報
ガンプラ
フィギュア
リンク
脚注
- ↑ 脚部を用いた運動性、腕部による携行火器の使用など。そもそもV作戦は設計思想が異なる複数機種を並行開発する事でMSの運用形態を模索する事も目的の一つであった。