ギラ・ドーガ

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ギラ・ドーガ
外国語表記 Geara Doga
登場作品
デザイナー 出渕裕
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スペック
分類 汎用量産型モビルスーツ
生産形態 量産機
型式番号 AMS-119
頭頂高 20.0m
本体重量 23.0t
全備重量 50.8t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 2,160kW
スラスター総推力 54,000kg
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
センサー有効半径 16,400m
設計 ネオ・ジオン
製造 アナハイム・エレクトロニクス社
所属 ネオ・ジオン
主なパイロット レイラ・ラギオール
ネオ・ジオン兵
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概要

シャア・アズナブル率いるネオ・ジオンの主力となった量産型モビルスーツ第一次ネオ・ジオン抗争終結時にアクシズ残党が持ち出した原型機をベースに、コクピットや機体管制等の操縦・制御系をリニューアルされた上でアナハイム・エレクトロニクス社グラナダ工場で生産された[1]

その設計思想はザクIIを踏襲したものであり、MS本来の「人間の機能を拡大した機動歩兵」に立ち返る事を目指している。これは、グリプス戦役から第一次ネオ・ジオン抗争の間で隆盛を極めたMSの多機能・万能化の流れに対して見直しを図るという意図があった[2]。無論、この間の技術進展に伴う各種部材やパーツのスペック向上はめざましく、汎用MSとしては一年戦争当時とは比較にならない高性能機となり、同時期の連邦系量産機のジェガンと同程度のスペックを有している。また、設計自体に余裕が持たされている為、各種オプションを別途換装・装備する事であらゆる用途への投入が可能。

本機の基本仕様は「空間戦闘用」であり、長距離巡航用のバックパックを標準装備している。これはザクの開発当初の冷却ユニットを原型としており、いわゆる高機動型を上回るプロペラント容量を持つ。

基礎設計が古い事もあり、第二次ネオ・ジオン抗争の段階では既に旧式化しており、当時の標準的なMS部隊編成のスペックから考えれば機種転換寸前の機体であった。だが、当時のネオ・ジオンの台所事情からして新設計の機体を一から開発する余裕がなく[3]、短期決戦を目論んでいた事もあり、最も調達効率の良い機体として提供されていた。

第二次ネオ・ジオン抗争の際に生産されたギラ・ドーガは約100機。うち指揮官機は10機前後とされている。指揮官機と一般機の変更点は旧ジオン軍の伝統に則り頭部にブレードアンテナが装備される程度だとされている。また、一部機能の強化や専用武器、パーソナルカラー等も整備可能な範囲内で認められており、複数のバリエーションが展開されている。

本機の発展機としてサイコミュを搭載したヤクト・ドーガや後継機であるギラ・ズール等が開発された。

登場作品と操縦者

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
初登場作品。ネオ・ジオン軍の主力機として多数が投入されている。また、アクシズの後部が地球へと落下する中、その落下を阻止するために複数のギラ・ドーガも連邦軍のモビルスーツと共にアクシズの押し返しに協力した。
ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム
物語終盤にイリア・パゾム率いるネオ・ジオン軍の戦力として登場。特に目立った活躍は無く、コロニー落とし作戦の際にはDガンダムサードザクIII後期型によって数機が撃墜されている。
機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91
モビルスーツハンドブック、漫画版第4話~第5話、小説版第3話でレイラ・ラギオールの乗る漆黒に塗装された機体が登場。
ハンドブック及び小説版では自分達の住むコロニー内に侵入してきたブレイウッド隊を出迎え、難民達の住む居住区へと案内した。一方、漫画版では展開が大きく異なり、ブレイウッド隊を6年前に襲撃してきたバズ・ガレムソンの再来と勘違いしてトキオアイリスの乗る車を襲撃。その際、随行していたケビン・フォレストハーディガンと格闘戦の末にモノアイを損傷し転倒。レイラは投降し、本機はそのままコロニー内に放棄された。
機動戦士ガンダムUC
袖付きの戦力として登場。同組織への所属を表す装飾が施されており、ギラ・ズールと共に第一線で運用されている。

装備・機能

武装・必殺攻撃

ビーム・マシンガン
ギラ・ドーガの標準装備。垂直2連の銃口を持ち、ペレット状のビームをマシンガンのように連射する他、通常のビーム・ライフルとしても使用可能。銃身の上部は、複合センサーとする資料(設定画など)とビーム・ライフルとしての銃口とする資料がある。銃身下部にはオプションとしてグレネード・ランチャーも装着可能。エネルギーマガジンパックは銃身下部に側面方向へ斜め向きに装着する方式となっており、予備マガジンは腰部両側面にあるマガジンケースに収納可能。
グレネード・ランチャー
銃身下部に装着可能なオプション装備。銃身下部のサブグリップの基部に発射筒を装着した状態で使用する。
ビーム・マシンガン(指揮官用)
指揮官機用のビーム・マシンガン。一般機用のそれと同じくペレット状のビームを連射する。より高出力のビームを射出可能であり、最大射程も延長されている。より精密な射撃の為に銃身の先端に複合センサーを装備している。
ビーム・ソード・アックス
近接戦用の斬撃ビーム兵装。ビーム・エミッターを二基内蔵しており、ソード状のビーム刃の他、貫通力が高くトーチとしても使用可能なピック、切断力の高いアックスといったビーム刃を状況によって使い分ける事ができる。
シールド
シュツルム・ファウストおよびグレネード・ランチャーを装備するギラ・ドーガの標準装備。機体のポジションによって角度を調整する事ができ、グレネードの射出や防御の際のフレキシブルな対応が可能。
シュツルム・ファウスト
一年戦争の頃から運用されている使い捨ての簡易型ロケット・ランチャー。シールド裏に最大四基マウント可能。携帯用の武装としてコストパフォーマンスに優れ、宇宙世紀0090年代に入ってから武装ゲリラ等も多用している。
グレネード・ランチャー
シールド裏面に二基装備されている複合型のマルチランチャー。榴弾による攻撃の他にもスモークディスチャージャーとしての使用も可能。
ショックアンカー
敵機をワイヤーで拘束し、電流を流す。νガンダムに対して使用していた。

対決・名場面

関連機体

パーソナルカスタム機 

レズン専用ギラ・ドーガ
パーソナルカラーである青で塗装されたレズン・シュナイダー専用機。
ギラ・ドーガ (フル・フロンタル専用機)
フル・フロンタルの搭乗する耐久テスト用の実験機。C型に分類される機体で、パーソナルカラーである赤で塗装されている。
ギラ・ドーガ (ヴィンセント機)
ギラ・ドーガの実用試験のためヴィンセント・グライスナーが受領した先行配備機。パーソナルカラーである青で塗装されている。

改修機・バリエーション機 

ギラ・ドーガ改
ボックスタイプヘッドを採用し、指揮官用として開発された機体。
ギラ・ドーガ重装型
重装型バックパックを装備した機体。
ギラ・ドーガ サイコミュ試験タイプ
サイコミュを試験的に搭載した機体。
ギラ・ドーガ改 (シド・アンバー機)
連邦軍によって鹵獲・改修された機体。上記のギラ・ドーガ改とは別機体である。

派生機・後継機 

ヤクト・ドーガ / サイコ・ドーガ
本機をベースにニュータイプ専用機として開発された機体。
レーテ・ドーガ
シャア・アズナブル総帥を含むニュータイプ専用機として、数種類の試作機が開発された機体。要求条件を満たす事ができず、開発は中断されている。模型雑誌『HobbyJAPAN』1988年6月号の作例が初出。
ギラ・ズール
後継機として開発が進められていた機体。第二次ネオ・ジオン抗争後、「袖付き」の蜂起に伴い主力機として運用された。
メッサー
ギラ・ドーガの再設計機。反連邦組織マフティーの主力機。
クェル・ドーガ
白兵戦に特化させた機体。
バギ・ドーガ
ニュータイプ用に開発された実験機。

その他 

グザ
本機の前段階にあたる機体とされる。
ドーガ
本機のプロトタイプとされる機体の1つ。書籍『模型情報』や『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルズ』に名前のみ掲載されている。また、模型雑誌「HobbyJAPAN」1988年6月号の別冊『機動戦士ガンダム「新世代へ捧ぐ」GUNDAM NEW GENERATION』には、グフと同様の装備をした陸戦用の機体(AMS-117B)として作例が掲載されている。なお『ダブルフェイク』に登場するドーガとは別機体。
ザクIII後期型
ザクIIIの後期生産型。ドーガ系の技術的な基礎となったとされている。
マラサイ
シールドの機構などに技術的な流れを見る事ができる。
シャア専用ディジェ
本機の腕部と武装が流用されている。
リーベン・ヴォルフ
一部形状が共通しており、アクシズで設計が完了した機体の機構を組み込んでいる事からギラ・ドーガ(の原型機)がそれに当たると思われる。
ザクII
MSとしての基本に立ち返るという設計思想に基づき、そのコンセプトを引き継いでいる。
プシケー
宇宙戦国時代のミキシングビルドモビルスーツの1機。本機の頭部が使用されているが、センサーは別の物が外付けされている。

余談

  • 映画公開前の設定では、型式番号が「AMS-119」ではなく「MS-16」と記載されており、バリエーションにも一般用・指揮官用のG型(MS-16G)、奇襲用のF型と偵察用のE型(MS-16F)、シャア専用部隊に配備予定だったSS型(MS-16S)が存在していた。これらの点から型式番号の面でもザクII(MS-06)を意識していた可能性がある。なお、近い型式番号を持つ機体としてザメル(YMS-16M)が挙げられる。

商品情報

ガンプラ

【CCA版】

【UC版】

フィギュア 

リンク

脚注

  1. ベース機そのものはグリプス戦役後期に開発されていたとされる。
  2. この風潮は連邦軍も同様であり、同じくMSの基本に立ち返ったジェガンが開発されている。
  3. サザビーα・アジールの開発もあって開発リソースは限られていた。