ヴェイガン
ヴェイガン(Vagan)
『機動戦士ガンダムAGE』に登場する独立国家。地球連邦軍が「UE」と呼称する武装集団の正体である。
A.G.115年から150年前に地球連邦政府による火星移住計画が実施されたが、火星圏での磁気嵐によって起こる疫病「マーズレイ」により人口の2割が死亡し計画は失敗する。連邦政府は調査不足の責任を逃れる為、移住者達は全滅したとして、火星に取り残したまま歴史の闇に葬った。
その後、火星圏で生き延びた者達が独立国家としてヴェイガンを作り上げた。
自身たちを見捨てた地球圏の人間を「地球種」と呼び憎悪しているが、一方で地球をエデンと称して帰還を宿願としている。指導者であるフェザール・イゼルカントの元でプロジェクト・エデンと呼ばれる計画を進めている。
第3部のヴェイガン一斉蜂起に置いて地球圏の40%を掌握、その後の統治として地球人の根切りに走ったと推測され、ガンダムシリーズの中で単独組織による殺掠がぶっちぎりのナンバー1だと思われる。(∀前史の月光蝶被害やXの前史コロニー落とし攻防戦を除く)
イゼルカントがEXA-DBのデータの一部を手に入れる事に成功している為、連邦軍以上の兵器を保有する事に成功している。
小説版AGEではマーズレイが判明した段階で連邦政府が地球圏帰還を望む開拓民の要請を拒否・握り潰した。コロニー国家戦争の開戦で混乱期に入ると、これ幸いとばかりに火星開拓民はこの時期に地球圏に帰還したと捏造した。更に50年に渡った戦争で地球圏のネットワークシステムが壊滅状態に陥ったため、結果的に火星移民計画そのものが忘却されてしまう事となった。
その後の戦争でも絶大な軍事技術を利用して優勢を維持していたが、第二部の頃になると連邦軍が独自の技術で徐々に格差を狭めていき、第三部ではEXA-DBのサブユニットから入手した技術ではギラーガで性能がほぼ頭打ちになってしまった。更に元々マーズレイもあり人的・物的資源の継戦能力にも負荷が大きく、第三部での構成が失敗した場合はヴェイガン自体が自壊する恐れもある程までに国力を使い果たしていた。
登場作品
- 機動戦士ガンダムAGE
- 初出作品。第二部以降はこの呼び名で統一されている。
- 機動戦士ガンダムAGE UNKNOWN SOLDIERS
- 機動戦士ガンダムAGE EXA-LOG
関連施設
- 宇宙要塞アンバット
- コウモリ退治戦役におけるヴェイガンの主要拠点。司令官はギーラ・ゾイ。本来は旧国家戦争時に使われ打ち捨てられていた施設だったが、ヴェイガンにより改修され、「天使の落日」以降の地球侵攻の拠点とされた。最終的にディーヴァのフォトンブラスターによって損害を被り、尚且つギーラ・ゾイの戦死に伴って陥落した。それによりコウモリ退治戦役は集結する。尚、外観は翼を広げたコウモリに酷似している。
- ダウネス
- 第二部における主要拠点となった大型移動要塞。戦役の最終局面であるノートラム攻防戦で地球に落下しかけるが、最終的にアセムとゼハートの手で破壊される。
- テクノソロン社
- 工業コロニー「ソロンシティ」に存在する企業だが、ヴェイガンの地球制圧の為の拠点であった。第二部で連邦軍の調査が入り、最後は証拠の隠滅の為に本社施設ごと自爆した。
- ルナベース基地
- 本来は地球連邦軍の月面基地であったが、司令官のアローン・シモンズと所属パイロットであるジラード・スプリガンがヴェイガンに寝返ったために地球侵攻軍の拠点となる。最終的に連邦軍によって奪還された。
- ラ・グラミス
- 第三部、第四部において、ルナベース基地と共にヴェイガンの主要拠点となった移動要塞。第三部では主砲である『ディグマゼノン砲』で連邦軍の総司令部「ビッグリング基地」を一撃で葬っている。司令官はファルク・オクラムド。
- セカンドムーン
- ヴェイガンの首都コロニー。火星開拓移民団時代の施設を利用しており、マーズレイ対策もあってかなり特殊な外見をしている。元は火星軌道上にあったが、後に地球圏に移動する。
保有戦力
ヴェイガン全てのMSは頭部にスリット型センサーを持ち、「ドラゴン」をモチーフとした機体で、親指~小指が同じ長さに重なり合った左右対称形のマニピュレーターを持つ。また、腰背部に固定装備されたパーツは「尾」と呼ばれ、ライフルや銃などの武器をベースした尾を持つ機体も存在する。両掌にはビームサーベルを発生可能なビームバルカンを内臓、背中にはドラゴンに近い翼が生えている。嘗ては無人機であると思われていた。またコクピットはZ以降の宇宙世紀世界で一般化した全天周囲モニターとなっている(ただし、座席下部までは実装されていない。また形式番号には数字が用いられず全てアルファベットによる表記となっている(これはヴェイガン陣営の数字表記がローマ数字によることも関係しているかもしれない。)
- ガフラン
- 第一部での主力量産MS。ドラゴン型と呼称されている。通常はダークブルーだが、紫色の機体も存在する。
- バクト
- 電磁装甲を採用した重装甲型MS。ガフランに酷似した機体で、ドラゴン型に変形する。5連装ビームスパイクを用いた戦闘能力を持つ。カラーリングはグリーン。
- ゼダス
- Xラウンダー専用機。尾はソードとして使用可能。本機だけでなくカラーリングも様々である。
- ファルシア
- Xラウンダー専用機。カラーリングがピンク色で言う女性的なフォルムを持つ。ビットは花状。
- デファース
- 地球侵攻用の試作機。異様に長い脚部を持つ巨大な胴体に、MSの上半身が融合したようなフォルムをしている。
- ドラド
- 第二部での主力量産機。両腕にシールドを装着している。非変形型で地上戦に向いている。カラーリングは紫。
- ドラドL
- ドラドの指揮官用。両腕にシールドを装備している。カラーリングは黄緑。
- ゼダスR
- ゼダスの改修機でゼハート専用機。カラーリングは赤。
- ゼダスM
- ゼダスの改修機でマジシャンズ8専用機。カラーリングは黄色。
- ゼイドラ
- ゼハート専用機。手持ちの銃を持ち、尾はソードとして使用可能。カラーリングは真紅。
- クロノス
- デシル専用機。ゼイドラの姉妹機ではあるが、尾がない。両肩にキャノン砲を装備。
- ウィゲル
- クロノスのプロトタイプ。キャノン砲が4箇所に装備されている。
- ゼイダルス
- メデル専用機。両腕両脚や胴部形状はドラドに似ているが、尾・両手・頭部の外見が異なる。頭部センサーが縦三本式で、ガンダムAGE-1 スパローのシグルブレイドの技術が使われている。切断用のクローが両手に固定装備され、尾の先端に刺突用の剣が装着されている。
- ダナジン
- 第三部の主力量産機。ガフラン同様、陸戦を重視し純粋な人型ではなくドラゴンまたは恐竜のような姿に。顎部を発達させ、尾は頑丈で串刺しが得意。カラーリングは緑色だが、紫色の機体も存在する。
- グルジン
- ダナジンの改良型。地上戦に適した機体で、両脚が四足獣の四肢に近い形状となっている。
- グルード
- 地上での運用を前提として造られた拠点攻撃用のマッシブ型MS。最終決戦であるラ・グラミス攻防戦では戦局の悪化に伴って投入される。
- ギラーガ
- ゼイドラの後継機でゼハート専用機。ヴェイガンの技術の到達点とも言える機体で当時のヴェイガン機にしては珍しく人型と言う特徴を持ち、手持ちの武器として槍を装備。尾は鞭状になり、振り回して敵機に打撃を与えることができる。無数のビットを放出可能。
- ギラーガ改
- ギラーガの改修機。パイロットがゼハートからレイルに変更されカラーリングも緑を基調とした物に変更されている。
- ゴメル
- 砂漠戦用MS。尾がないため、その外見は類人猿を思わせる。両手の切断用のクローとミサイルが武器。両手はゼイダルスの改造。
- ウロッゾ
- 水陸両用MS。ゴメルに類似したヴェイガン機だが、頭部はダナジンに似ている。カラーリングはダークグリーンだが、薄紫の機体も存在する。両手はゼイダルスの改造。
- ウロッゾR
- ウロッゾをXラウンダー仕様に改良したゼハート専用機。
- レガンナー
- デファースの正式採用機。デファースの同型機だが、背部両側に2門のビーム砲が追加され、さらに2基のジェネレーターを持つ。
- ザムドラーグ
- ザナルド専用機。肥満・肉体派型で通常のMSよりも大型なのが特徴。筋肉質で、かなり強い格闘力や機動性を持つ。両手だけでなく、両足にもマニピュレーターが発達している。ヴェイガン機としては珍しく目が3個ある。打撃用の長い尾を持ち、両手指先から5連装ビームバルカンを発射する。カラーリングは暗青色。
- フォーンファルシア
- ファルシアの後継機。手持ちの武器としてバトンを装備。
- ティエルヴァ
- マッドーナ工房製のXラウンダー専用機。Gバウンサーを改良した機体。元は連邦軍のMSであったが、ヴェイガン機となった。他のヴェイガン機にはないアイセンサーや武器を持つ。機体ごとパイロットが裏切っている。
- ガンダムレギルス
- 鹵獲したガンダムAGE-3のデータを使い制作したヴェイガン製のガンダム。ガンダムとヴェイガン機の特徴を併せ持つ。手持ちの武器としてライフルを持ち、シールドを展開させて無数のビットを放出する。手持ちのシールドは他のヴェイガン機にはない特徴を持つ。頭部センサーはスリット型メインカメラだったが、最終的にツインアイタイプとなった。
- ガンダムレギルス ゼハート機
- ガンダムレギルスをゼハートのパーソナルカラーである赤に塗装されている。MOEに登場。
- ジルスベイン
- ヴェイガンのゼイドラを改良したXラウンダー用の量産機。カラーリングはクロノスと同じ。
- グルドリン
- 未完成の機体。先端のビームスクレイパーからドリル状のビームを発射する。また、格闘戦にも注意が必要。ヴェイガン機にしては珍しくビームバルカンが内蔵されていないことも重要である。
- ヴェイガンギア
- ゼラ・ギンス専用機。悪魔または暗黒竜を思わせる風貌をしている。両腕部のフック状の部分が武器。頭部センサーが赤い丸形ツインアイで、他のヴェイガン機にはなかった特徴を持つ。
- ヴェイガンギア・シド
- ヴェイガンギアを戦場に乱入して来たシドが取りついた状態。
- アビゲル
- 真紅のカラーリングとバクトに似た重兵装が特徴。尾はビームバズーカ型で、胸部はデファースに類似している。
- ディエルガ
- 黄土のカラーリングとゼイダルスに似た縦三本式が特徴。尾はパイルバンカー状の武器で、ドラドの姉妹機でもある。
- エゴス
- 青いカラーリングとガフランやドラドよりも生物的なフォルムを持つ最新鋭量産機。鋭利な尾による刺突や、両腕部下側に固定装備された短剣を用いた攻撃が得意。
主要人物
- フェザール・イゼルカント
- ヴェイガンの絶対的指導者。
- ゼハート・ガレット
- イゼルカントの側近、後に後継者となる。
- ザナルド・ベイハート
- イゼルカントの側近。
- ドレーネ・イゼルカント
- イゼルカントの妻。
- ギーラ・ゾイ
- 宇宙要塞アンバット司令官。
- アラベル・ゾイ
- ギーラ・ゾイの息子。
- デシル・ガレット
- ゼハートの兄のXラウンダー。
- ダズ・ローデン
- ゼハートの副官。
- イゴール・エバンス
- 地球圏の工場コロニー・ソロンシティにあるテクノソロン社「ガルバーディア」工場長だが、ヴェイガン側の人間である。
- メデル・ザント
- 2部でのゼハートの副官。実際はヴェイガンの司令官である。
- マジシャンズ8
- Xラウンダー部隊。ゼダスMを駆る強敵。
- 「マジシャンズ8」のリーダー。
- グリン・ライズ
- 「マジシャンズ8」のサブリーダー。
- レオ・ルイス / ザファー・ローグ / ミンク・レイデン
- ゼル・ブラント / レッシー・アドネル / ネッド・カーン
- 「マジシャンズ8」のメンバー。
- フラム・ナラ
- 3部以降でのゼハートの副官。ザナルドにゼハートの監視役として派遣されたドールの妹。
- レイル・ライト
- ゼハートの命令に従う一人。
- ダレスト・グーン
- ゼハートの命令に従う一人。
- ファントム3
- 砂漠戦の特殊部隊。
- ディーン・アノン / ルウ・アノン
- ヴェイガンのコロニー「セカンドムーン」の人々。
- ゼラ・ギンス
- イゼルカントのクローン。
- ジラード・スプリガン
- 元連邦軍のエースパイロット。
- アローン・シモンズ
- 地球連邦軍基地「ルナベース」の司令官。
- ファルク・オクラムド
- 宇宙要塞「ラ・グラミス」の司令官。