マラサイ

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マラサイ
外国語表記 Marasai
登場作品
デザイナー
  • 小林誠 (ベースデザイン)
  • 藤田一己 (クリンナップ)
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    スペック
    分類 汎用量産型モビルスーツ
    生産形態 量産機
    型式番号 RMS-108
    頭頂高 17.5m
    全高 20.5m
    本体重量 33.1t
    全備重量 59.4t
    主動力 熱核融合炉
    ジェネレーター出力 1,790kW
    スラスター総推力 74,600kg
    アポジモーター数 8
    装甲材質 ガンダリウム合金
    センサー有効半径 10,900m
    開発組織 アナハイム・エレクトロニクス社
    所属
    主なパイロット
  • ジェリド・メサ
  • カクリコン・カクーラー
  • ヒューイット・ライネス
  • アーネスト・マクガイア
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    概要

    ハイザックの発展型としてアナハイム・エレクトロニクス社が開発した攻撃用モビルスーツ

    ハイザックの高い生産性と操作性を継承しつつ、ガンダムMk-IIの強奪によって獲得したムーバブルフレーム技術と、リック・ディアスにも採用されたガンダリウムγを組み合わせ、公国系のノウハウを中核に据えて設計された量産機である。

    ハイザックは基本性能こそ高かったもののジェネレーター出力が低く、ビーム兵器を1基しかドライブ出来なかった。一年戦争時にはビーム兵器を1基だけドライブ出来ても戦力として十分だったものが、宇宙世紀0080年代後半には既にそのような段階を通り越していた。そのため、マラサイはハイザックと比較して大出力のジェネレーターを装備する事でエネルギー供給能力を向上させており、ビーム・ライフルビーム・サーベルを同時に使用する事が可能となった。使用できる武装も多岐にわたり、一年戦争時に供給されたMS用の標準兵装から最新型のものまで、連邦・ジオン問わず使用可能なドライバーを装備している。

    頭部はザク系の頭部構成に加え、バルカンユニットを両サイドに配し、ネックジョイントやパワーサプライヤーなどを日本鎧の錣(しころ)状のネックプレートで覆っている。頭頂部には通信機能強化用のブレードアンテナをデフォルトで装備しているが、一説にはエゥーゴはジオン出身のベテランパイロットが多かったため、乗り慣れた機体を指揮官機とする構想があり、アンテナを標準装備としたと言われている。

    バックパックはユニットのみでかつての高機動型ザクII一機分に相当する推力を持ち、大容量のコンフォーマルタンクと2基のメインスラスター、3基のサブスラスターを備えるスラスターポッドからなり、脚部スラスターを加え、機体の軽量化とも相まって高い機動性を獲得。スペック的にはリック・ディアス百式などのハイエンド機にも勝るとも劣らない加速性能を持ち、重力下でも短時間であれば相応の飛翔能力を発揮できる。また、構造的に本体と独立しており、バックパックの換装などにも配慮された構造となっている。

    脚部も、ハイザックの構造をベースとしつつ、スラスターを最終装甲内に納め、駆動及び制御系をムーバブルフレーム内で完結させている。プロペラントタンクや推進装置の合理的な配置が可能となったため、ハイザック用に生産されていた装備品の多くを転用しつつ、さらなる高性能化に到達している。基本的には脚部の推力のみで重力下におけるホバー走行も可能。

    並行して開発されていたネモと共にエゥーゴに供給すべく生産されており[1]、その一方でこれら機体の生産を通し、共通のムーバブルフレームによる別モデルの建造トライアルも並行して行われている。

    しかし、グラナダ工場で生産されていたマラサイの一次生産分は、エゥーゴへの納品寸前、ティターンズへと無償提供された。これは、アナハイムがガンダムMk-II強奪事件に関与しているとする嫌疑をかわし、ティターンズに恭順する意志を示す為であった[2]

    グリプス戦役では極端な大火力兵器や可変機が偏重され、フラッグシップ機と量産機の運用目的が極端に差別化された結果、正当な評価をくだされる事がなく、ある意味使い潰されるような運用に供されたが、その後はアクシズネオ・ジオンにより残存機体が運用されることとなり、パイロットの練度を問わず一定の性能を示す傑作機として重宝されたという。

    登場作品と操縦者

    機動戦士Ζガンダム
    初出作品。第10話から登場する。先行生産型十数機がティターンズに引き渡され、その内の2機にジェリドやカクリコンが搭乗し、カミーユガンダムMk-IIと交戦したが、両者とも撃破されている。その後もティターンズの主力機として何度も登場するが、Ζガンダムらの前になす術なく撃墜されている。
    機動戦士ガンダムΖΖ
    第45話、ハマーン派の通常カラーの機体や進軍するグレミー軍の中にグレミー軍カラー(灰色)の機体がハイザック(こちらもハマーン、グレミー双方で)と共に運用されているのが確認できる。
    機動戦士ガンダム ジオンの再興
    ジオン陣営の主力MSとして活躍している。
    機動戦士ガンダム サイドストーリー オブ ゼータ
    ハイザックやアッシマーと共にエゥーゴ(ジオン)陣営のMSとして登場している。
    GUNDAM EVOLVE
    主役回である「EVOLVE../13」にジョナサンの搭乗機として登場。他にジェリド機とカクリコン機も登場している。ジョナサン機は大気圏突入中、直前のガンダムMk-IIとの戦闘で受けた損傷が原因でバリュートを損失してしまうものの、降下中のエゥーゴのMSを攻撃しつつイジェクションポッドにより脱出に成功。ジャブローから離れた位置に着水したため、幸いにも核爆発から逃れる事が出来た。
    ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者
    アーネスト機とライネス機が登場。ジム・クゥエルから機種転換する形で乗り換え、ダミーバルーンを使いジェットストリームアタックを二機で行うなどの戦法を見せた。
    ニューギニア基地でライネス機がアッシマー[ダンダチャクラ]に撃墜され、アーネストも宇宙へ上がりガブスレイ[フギン]に乗り換える形で退場した。
    機動戦士ガンダムUC (アニメ版)
    ジオン軍残党機が登場。他のジオン残党部隊と共に2機がトリントン基地を強襲、防衛隊のジムII等を圧倒するものの1機はバイアラン・カスタムを海ヘビで足止めするが、ビームサーベルで切り裂かれもう1機はジェスタにコックピットを撃たれ撃墜された。
    機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う
    7、8話で海賊側のMSとして2機登場。それぞれ通常のビーム・ライフルとフェダーイン・ライフルを装備。ベースジャバーに搭乗しバイアラン・カスタムと交戦するが、両者共に撃破された。
    機動戦士ガンダムUC バンデシネ
    episode.0に登場。シナンジュ・スタイン強奪時にフロンタル親衛隊のギラ・ドーガゲルググドライセンらと共に袖付き側の戦力として数機が運用された。
    この頃は袖付きであることを示すエングレービングがまだ施されていない。
    また、トリントン基地襲撃戦でジオン残党兵のハビエールが搭乗。キャンドルのザクキャノンと共にバンシィに特攻するが、あえなく撃墜される。
    機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST
    強盗団等が戦力として使用。損傷したモノアイの上に単眼センサーが4つ並べられるという独自の改修が施されている。また、ビーム兵器も使用出来ない為、実体剣を装備している。
    機動戦士ムーンガンダム
    1話冒頭の戦闘にティターンズ残党の戦力として登場している。
    機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE
    ストーリーパート「0087 ペッシェ・モンターニュ ~水の星にくちづけをII~」のアニメパートにおいてオーガスタ研究所バーク中隊所属機が登場。ガンダムシリーズでは珍しい連邦軍所属機であり、青ハイザックと並んで戦う光景が描かれた。
    機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還
    MATERIAL-W120から新生ネオ・ジオンの機体として登場。3機がシャアの僚機として付くが、いずれもFSS地球連邦軍との戦闘で撃破されている。

    装備・機能

    武装・必殺攻撃

    60mmバルカン砲
    頭部に2門内蔵されている機関砲。バルカンユニットは換装式で、マイクロミサイルユニットの搭載も検討されていた。
    BR-87A ビーム・ライフル
    Eパック方式の携行射撃武装。ハイザック用に開発されたものの同等品。マラサイはメイン・ジェネレーターからのエネルギー供給量に余裕があるため、通常の運用であれば複数のEパックを携行する必要がないため、専用の収納スペースを有していない。
    シールド
    右肩に固定装備されているシールド。ハイザックよりも大型化されており、シールドジョイントを介して2枚の防御板がポジションを変える事でフレキシブルな運用が可能。内1枚はビーム・サーベル用のホルダーを備える。
    ビーム・サーベル
    柄の部分が標準的な物より長尺な白兵戦用のサーベルユニット。ゲルググのビーム・ナギナタ用デバイスの発展形を採用しており、規格の合う機体ならば使用できるが、ほぼマラサイ専用の装備となっている。非使用時はシールド裏面に2基マウントする。

    その他 

    フェダーイン・ライフル
    ガブスレイ等が装備している高出力ビーム・ライフル。一撃で戦艦の残骸を消滅させる威力を誇り、ライフルの後部にはビーム刃を形成するサーベルユニットを内蔵し、所謂銃剣的な運用が可能である。
    『星の鼓動は愛』のDVD版追加シーンでヘイズル改と共に登場した機体が携行しているのが確認できる他、『UC』で登場したジオン残党軍所属機が実際に使用している。
    海ヘビ
    主にハンブラビ等が装備していた対MS用の電磁兵器。対象に巻き付いた後に本体から高圧電流を送り、パイロットを気絶、または内部の電子機器をショートさせる事によって戦闘不能に陥らせる。先端部にシーカーを備え、正確に攻撃対象を捉える。
    『UC』に登場するジオン残党の機体が使用している。
    ビーム・ランサー
    ドライセンが装備していた物で刺突用に用意されたビーム白兵武装。『UC』に登場する海ヘビを携行していたジオン残党の機体が使用している。
    ビーム・マシンガン
    ギラ・ドーガ用の射撃兵装。『UC バンデシネ』に登場する袖付き所属の機体が使用している。
    ハンドグレネード
    MSサイズの手榴弾。『バンデシネ』のジオン残党機が装備。
    ハイパーメガランチャー
    ルンガ沖砲撃戦』に登場する試作ビーム・ライフルのカトキハジメ版(GFF版)デザイン。『ガンダムビルドファイターズ』第4話冒頭でビルドストライクガンダム フルパッケージを相手に使用したが、チョバムシールドで容易く防がれた。上記の武器名は作中のセイの発言より。
    ヒート・ホーク / シールド
    ハイザックの基本装備。『ガンダムUCE』に登場したバーク中隊所属機がビーム・ライフルと共に装備。特にヒート・ホークを装備していた機体は空中のジムIIに投擲して撃墜するという離れ業を見せている。
    銃剣付きビーム・ライフル
    R・ジャジャが装備している低出力ヒート剣付きビーム・ライフル。『ジョニー・ライデンの帰還』に登場した新生ネオ・ジオン軍所属機が装備している。

    対決・名場面

    関連機体

    別デザイン 

    マラサイ (Define版)
    漫画『機動戦士Ζガンダム Define』における本機。開発経緯に変更があり、リック・ディアスの開発データを盗用したデッドコピー機となっている。

    強化型・改修機 

    マラサイ改
    本機のカスタム機。
    ストライク・マラサイ
    地上用に現地改修した機体。
    マラサイキャノン
    ハイザックキャノンのキャノンパックと胸部増加装甲を装備した機体。
    アドバンスド・マラサイ
    マラサイに強化パーツを装着し、アドバンス化した形態。ダイダロスユニットやグラン・ユニットの管制ユニットとしても運用された。
    アサルト・マラサイ
    エースパイロット向けに、対MS戦における汎用性を向上させた改良型。

    系列機・派生機 

    ロゼット
    ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場したハイザックをベースに開発された本機の試作機。
    レジオンマラサイ
    レジオンによって鹵獲・再生産された機体。
    ハイザック
    前任機。

    技術的関与のある機体 

    ギラ・ドーガ
    本機の設計思想を引き継いだ形で、ザクIIIなどの機体を統合して完成した。

    余談

    • 当初はエゥーゴの量産機としてデザインされた当機だが、製作陣営から「両陣営でモノアイ機とゴーグル機が混在するのは混乱する」と言う意見が出た為、急遽ティターンズ側の機体に変更されており、これが上記の「政治的理由」の参考にされている(リック・ディアスやメタスのようなモノアイ機がエゥーゴ陣営に存在するが、一般向けの量産機では無い事から許容された模様)。
    • 初期設定では「ドミンゴ」という名前だった(ギャプランも同様)。ただ、同名の車が商標登録済みだったため「マラサイ」に変更されたとされている。「マラサイ」の名称に関しては、書籍『機動戦士ガンダムの常識 モビルスーツ大全 Ζ&ΖΖ&逆襲のシャア編』での記述によると、急な変更を受けた製作スタッフの「今さら~」という発言か元になっているとされている。
      • 一方で「ドミンゴ」の名称が『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』で、過去にエゥーゴがテストしていた機体の1つとして挙がっている。
    • 本機のデザインは後に、ロボットアニメ『装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー』に登場するアーマードトルーパー「ブラッドサッカー」のモデルになっている。

    商品情報

    ガンプラ

    【ティターンズ機】

    【ジオン残党機】

    フィギュア

    リンク

    脚注

    1. ジム系の発展機であるネモと同時開発されていたのは、エゥーゴが事実上の連邦とジオンの寄り合い世帯であり、双方に配慮した結果であると言われている。
    2. なお、アナハイムは同レベルの機体の性能差や運用法、整備ノウハウなどの情報収集とトライアンドエラーを実戦で行わせる事で、「無償提供」という「損失」を「利益」へと転じさせている。