サイコガンダム

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サイコガンダム
外国語表記 Psyco Gundam
別表記 サイコ・ガンダム (劇場版Ζなど)
登場作品
デザイナー
  • 村上克司 (原案)
  • 藤田一巳 (クリンナップ)
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    スペック
    分類 ニュータイプ専用試作型可変モビルアーマー
    型式番号 MRX-009
    頭頂高 40.0m
    全高 41.0m
    30.2m (MA形態時)
    本体重量 214.1t
    全備重量 388.6t
    主動力 熱核融合炉
    ジェネレーター出力 33,600kW
    スラスター総推力 168,000kg
    姿勢制御バーニア数 6基
    装甲材質 ガンダリウム合金など
    センサー有効半径 10,200m
    開発組織 ムラサメ研究所
    所属 ティターンズ
    母艦 スードリ
    主なパイロット フォウ・ムラサメ
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    概要[編集 | ソースを編集]

    地球連邦軍のニュータイプ研究所日本支部であるムラサメ研究所が開発した試作型可変モビルアーマー一年戦争後に入手したサイコミュシステムの研究を主幹とした機体となっている。ガンダムタイプとしての外見を持つ[1]ものの、同時にジオン公国軍ジオングも開発の参考にされており、言い換えればフルスペックのジオングを連邦系の技術体系の中で再現しようと試みたものと言うこともできる。

    モビルスーツ形態時には40mもの大きさになる超大型機として完成したが、これはフルスペックのサイコミュの小型化が困難であった事に起因する苦肉の策であもる。しかし、そのサイズに見合うパワーや装甲、火力を備えており、特に全身に搭載されたメガ粒子砲の火力は圧倒的である。

    強化人間ニュータイプによる運用を前提にサイコミュシステムを搭載しており、火器管制や機体制御に活用された他、登録されたパイロットのパターンデータを読み取る事で遠隔操作も可能であった。しかし、搭載されたサイコミュは不安定さが残り、パイロットの脳波に干渉し暴走してしまう危険性も孕んでいた。加えてパイロットにストレスを与えて極限状態に置き、NT能力の拡大を図る機能も実装されていた事から、人間に戦闘を強制する「悪魔のマシン」とも呼ばれている。

    本機のモビルアーマー形態は「モビルフォートレス」と呼ばれ、ミノフスキークラフトの搭載により空中飛行[2]が可能。この形態は主にミノフスキークラフトを稼働させるためのもので、脚部へのエネルギー経路を組み換え、機体内部に設けられたキューブグリッドエミッターを機体外へ露出させる。機体サイズの関係からサブ・フライト・システムを使用できず、ガルダ級の格納庫への格納も難しい為、この可変機構は機体の輸送手段として重要であった。

    本機のヘッドモジュールはコクピット兼サイコミュのインターフェイスアレイとなっており、頭頂部には2門の小型メガビーム砲を装備している。また、頭部のみでもある程度の自律稼働が可能であり、脱出ポッドとしても機能した。コクピットには通常のレバーやハンドル、ペダルなども装備されているが、ほとんど緊急避難的なものに過ぎず、機能的には制御系のほぼ全てが専任パイロット用に最適化されている。

    脚部は巨大な自重を支えつつ移動するのに充分な強度を持たせており、MA形態時にはミノフスキー・クラフトによる立方格子の生成効率を挙げるため、ボディユニットに内蔵された粒子発生機の直下から膝下部のユニットを移動させる機構が内蔵されている。これは、大腿部と下腿部の粒子偏向機を複数並列に配置させることで浮遊効果を安定させるためのものでもある。バックパックも、通常のMSが装備するものと同等の機能を持つが、その推力は破格そのものであり、緊急最大出力時にはミノフスキークラフトを併用しなくとも短時間ではあるが機体を飛行させることが出来た。

    サイコガンダムは1号機と2号機が存在し、1号機はニューホンコン、2号機はキリマンジャロ基地での戦闘に投入されたが、各機とも喪失した。2号機は解体された上でサイコガンダムMk-IIのベースになったとされている。

    登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

    機動戦士Ζガンダム
    初登場作品。第17話から敵サイドのヒロインであるフォウ・ムラサメの搭乗機として登場した。スードリに配備された機体はニューホンコンでカミーユ・ビダンガンダムMk-IIアウドムラのMS部隊と交戦し、街に甚大な被害を与えている。その後、スードリの特攻作戦にも参加し、最終的にスードリの爆発に巻き込まれる形となった。第35話からは2号機が登場し、引き続きフォウが搭乗。キリマンジャロ基地に配備され、カラバのMS部隊と戦った。最終的に交戦中だったΖガンダムバイアランの攻撃から庇ってコックピットを損傷し、フォウが命を落とす結果となった。
    ∀ガンダム(小説版)
    佐藤茂の小説版でブラックドールという名前でサイコガンダムと思われる機体が登場。機体が黒く、見た目が∀ガンダムと似ていることからブラックドールと呼ばれている。装甲、武装、可変機構は揃っているが機動性は低く、重力下では動くだけで精一杯だった。また、MA状態で40mにも及ぶ大きさであるなど、オリジナルと比較して大型化しており、ボルジャーノン等と同様、後の時代に作られたレプリカであると思われる。
    作中ではグエンが操縦しているが、彼は強化人間どころか、訓練を受けたパイロットでもないにもかかわらず、淀みなく運用してみせている。
    機動戦士Ζガンダム A New Translation
    第二部「恋人たち」にて登場。TV版のキリマンジャロ戦がカットされたため、登場はスードリの特攻シーンまでとなっている。
    機動戦士ガンダム U.C.0094 アクロス・ザ・スカイ
    デビルズ・ネストでの戦闘において初期型のn_i_t_r_oを搭載した機体が登場。サイコガンダムMk-IIと共にフレスベルク隊レイヴン隊袖付きの即席混合チームに猛威を振るったが、ガンダムデルタカイ量産型ΖΖガンダムのハイメガキャノンによってMk-II共々撃墜された。
    機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST
    ムラサメという名前で登場。ムーン・ムーンの海底都市「リュグージョ」に秘匿されていた機体であり、木星から派遣されたスタッフによって改修と武装の新規開発が行われた。御神体として祀られていた物が暴走したが、アッシュ・キングによって制圧された。シールドの喪失などにより完全な変形は不可能だが、基本性能は維持されており、サイコフレームの技術を用いて復元されたためサイコミュのシンクロ率は向上している。リュグージョは立地的にムラサメ研究所に近く、何らかの理由で運び込まれたと思われるが、その詳細は不明である。
    機動戦士ガンダムNT
    ルオ商会エスコラ・ゲッダの交渉シーンで流れるニュース映像に本機が映っており、ルオ商会は本機がニューホンコンで破壊活動を行った事に対する補償をエスコラに要求した。
    機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE
    ストーリーイベント「アムロシャアモード」にてTV版Ζや新訳Ζとは異なる展開のキリマンジャロ戦が描かれており、ロザミア・バダムの搭乗機として登場。ゲーツ・キャパバイアランと共に、アムロリック・ディアス及びクワトロディジェと交戦した。

    装備・機能[編集 | ソースを編集]

    特殊機能[編集 | ソースを編集]

    ミノフスキークラフト
    ミノフスキー粒子の特性を利用し、重力下で浮揚させるシステム。システムは胴体内部に内蔵されており、脚部やシールドにもサブシステムが内蔵されている。ただし、その効果を最大限に発揮するにはモビルアーマー形態に変形する必要がある。総揚力は概算で500t。
    変形
    モビルスーツ形態及びモビルアーマー形態へ変形可能。モビルアーマー形態はモビルフォートレスとも呼称される。大型機故に変形に要する時間は長い。実戦では機体の一部を変形させての運用も可能であった。
    分離
    ジオングと同じく頭部を分離する事が可能であり、緊急時の脱出ポッドとして機能する。
    n i t r o
    デビルズ・ネストの機体に搭載されてる特殊なサイコミュシステム。非NTパイロットにニュータイプと同じ能力を付与するが、本機の物は初期型であり、使用した場合、最終的にパイロットが廃人化するため文字通り「燃え尽きる」事になる。

    武装・必殺攻撃[編集 | ソースを編集]

    小型メガ・ビーム砲
    額のV字アンテナの基部に装備されたビーム砲。頭部の可動構造により柔軟な射撃が可能だが、MA形態時にはヘッドカバーで覆われる為、使用は出来なくなる。
    3連装拡散メガ粒子砲
    胸部と腹部に内蔵されている近・中距離戦用の拡散メガ粒子砲。ジェネレーター直結式で、コンデンサやバッファによる稼働保護システムを備えていたとされる。拡散式の為、射程は長くないが、砲口部は若干の可動域が設けられている為、攻撃範囲と威力に優れる。放射角はある程度調整が可能で、威力と有効範囲は反比例する。MA形態でも問題なく使用可能な装備。
    指部ビーム砲
    五指の指先に内蔵されたエネルギーCAP式のビーム砲。ジオングの設計を色濃く受け継いだ兵装だが、有線制御機構は持たない。ビーム砲は腕部と指の可動域によって広い射角を有し、他の武装と比較して柔軟な運用が可能。MA形態時にはマニピュレータが格納される為、使用不可能となる。
    シールド
    通常のMS程の大きさを持つ専用シールド。ガンダリウム合金などの複合構造を採用した防御装備であり、標準的な火器では一撃で貫通する事はまず不可能であったとされる。ミノフスキークラフトの制御システムの一部を担っており、MA形態時には二つに分割され脚部に装着され、格納された安定翼が展開される。

    その他[編集 | ソースを編集]

    イカリマル
    『DUST』にてムラサメこと本機が使用。宇宙戦国時代に木星が本機用に開発した大型ビーム・サーベル。最大展開時に刃渡り30mにも及ぶビーム刃を展開可能で、省エネルギーモードではヒート・サーベルとしても使用出来た。サイコミュを用いたビットとしての運用も想定されており、スラスターや大容量コンデンサも内蔵されていたが、最終的にアンカーが使用することとなり、本機が使用することは無かった。

    対決・名場面[編集 | ソースを編集]

    機動戦士Ζガンダム[編集 | ソースを編集]

    ガンダムMk-II
    第17話と第19話にて。ホンコン・シティで単独出撃したサイコガンダムはその攻撃力でホンコン・シティを破壊尽くした。カミーユのガンダムMk-IIでは全く歯が立たなかった。
    永遠のフォウ
    第36話にて。カミーユの説得で、フォウの元の人格が戻った直後、ジェリドバイアランが襲い掛かる。その結果、カミーユのΖガンダムを庇う形でビーム・サーベルがサイコガンダムの頭部に直撃して機能を停止。キリマンジャロ基地諸共に崩壊するのだった。

    関連機体[編集 | ソースを編集]

    デザインバリエーション[編集 | ソースを編集]

    サイコ・ガンダム (GQ)
    機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の世界観におけるサイコガンダム。型式番号やカラーリングはサイコガンダムMk-IIに準ずる。

    系列機・派生機[編集 | ソースを編集]

    プロトタイプサイコガンダム
    ガンダムMk-IIをベースとした本機の試作機。
    ザナドゥ
    プロトタイプをベースに「n_i_t_r_o」を内蔵した特殊バックパックを搭載した機体。
    プロトタイプサイコガンダム大型化試作機
    可変機構導入のため廃棄された機体。
    サイコガンダム試作8号機
    サイコガンダムの8番目の試作機。この機体のデータにより、本機は完成した。
    サイコガンダムMk-II
    後継機。グリプス戦役終盤にネオ・ジオンに鹵獲され、その後ダブリンで運用された。
    量産型サイコガンダム
    サイコガンダムMk-IIの小型量産機。
    フルバースト・サイコ・ガンダム
    ガンダムトライエイジ』に登場するオリジナル機体。本機を捕獲したカラバが改修した機体である。

    技術的関与のある・疑われる機体[編集 | ソースを編集]

    サイコガンダムMk-III
    サイコガンダムの後継機の1つだと思われる機体。
    G-ドアーズ
    サイコガンダムMk-IVの3号機。サイコフレームを使用したサイコプレートが装備されている。
    ゲミヌス
    チャクラ研究所が開発した試作可変モビルアーマー
    ジオング
    本機のオールレンジ攻撃の基になったと考えられる機体。
    フルアーマー・ストライカー・カスタム
    特殊AIシステム「妖刀」の搭載機。この機体の妖刀を回収し、サイコガンダムに転用されたと言われている。

    その他[編集 | ソースを編集]

    サイコロガンダム
    サイコガンダムのデフォルメ機体。ファミコンでは胴体を描けなかったため胴体がサイコロになっている。
    サイコガンダムMk-IV
    パロディ企画『機動戦士Oガンダム 光のニュータイプ』で紹介された機体。上記のGドアーズと同名の機体であるが、全くの別物である。
    デストロイガンダム
    『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』における本機と同じ立ち位置の機体。MS形態が本機に似ている他、劇中での暴れっぷりや、パイロットの立ち位置も似通っている。
    サイコジム
    ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』に登場したガンプラ。頭部がジムを思わせる形状に変わっている。

    余談[編集 | ソースを編集]

    • 本機の機体名は公式・非公式問わず表記ゆれが多く、中黒なしの「サイコガンダム」と中黒ありの「サイコ・ガンダム」が混在した状態となっている。

    商品情報[編集 | ソースを編集]

    ガンプラ[編集 | ソースを編集]

    フィギュア[編集 | ソースを編集]

    リンク[編集 | ソースを編集]

    脚注[編集 | ソースを編集]

    1. 連邦軍内の「ガンダム信仰」により「ガンダムの後継機でなければ開発予算が降りなかった」とする資料もある。ただし、サイコガンダムの設計はガンダムタイプとは異なりサイコミュの搭載・活用を第一義としている。
    2. 厳密には「浮遊」が正しい。この際の総浮力は概算値で500t。マッハ0.5の速度で最大320分の滑空が可能。