「ハイザック」の版間の差分
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ハイザックの開発は、連邦軍による公国系技術の検証という側面も持っており、特に基本構造となる各種アクチュエーターや動力装置、電装系、制御系などを比較・検証し、双方の長所を盛り込むという作業は、単純に折半すれば済むというものではなかった。ボディユニットに搭載されたメインジェネレーターは連邦系のデバイスを使用しており、そのエネルギーゲインを流体パルスに変換して四肢の駆動を行っている。また、バックパックの換装を想定したため、背面の構造は基本的に連邦系MSを踏襲したものとなっており、バックパックの接合規格も連邦系の物を採用。そのため、必要に応じて[[流体パルスシステム]]と[[フィールド・モーター]]を使い分けており、異なる種類のエネルギー経路が複雑に絡み合ってしまっている。特にコクピット周りは複雑で、リニアシートと全天周囲モニターが開発初期の量産品であるためエネルギー消費が激しく、善後策としてメインパワーサプライヤーがコクピットハッチを経由する構造となってしまっている。 | ハイザックの開発は、連邦軍による公国系技術の検証という側面も持っており、特に基本構造となる各種アクチュエーターや動力装置、電装系、制御系などを比較・検証し、双方の長所を盛り込むという作業は、単純に折半すれば済むというものではなかった。ボディユニットに搭載されたメインジェネレーターは連邦系のデバイスを使用しており、そのエネルギーゲインを流体パルスに変換して四肢の駆動を行っている。また、バックパックの換装を想定したため、背面の構造は基本的に連邦系MSを踏襲したものとなっており、バックパックの接合規格も連邦系の物を採用。そのため、必要に応じて[[流体パルスシステム]]と[[フィールド・モーター]]を使い分けており、異なる種類のエネルギー経路が複雑に絡み合ってしまっている。特にコクピット周りは複雑で、リニアシートと全天周囲モニターが開発初期の量産品であるためエネルギー消費が激しく、善後策としてメインパワーサプライヤーがコクピットハッチを経由する構造となってしまっている。 | ||
− | + | ジェネレーターが高出力化されているとはいえ、パルスコンバーターが予想外に機体容積を占有した結果、ビーム兵器へのエネルギー供給を行うため、更にサプライケーブルを腕部に露出させなければならなくなってしまっていた。このエネルギー経路の複雑化は、ジェネレーター自体の出力不足と共にビーム兵器を2つ以上同時に使用できないという重大な問題を抱える原因となった<ref>実際には不可能ではないが、ライフルのエネルギーCAPシステムのアイドリングや再補充のタイミングでサーベルを使用すると武器側のブレーカーが作動して使用不可能となってしまう。初期の設定では、装備質量比が障害となり、同時装備できないとする資料(ガンプラ旧キット説明書など)もある。</ref>。 | |
== カラーバリエーション == | == カラーバリエーション == |
2023年7月30日 (日) 15:37時点における版
ハイザック | |
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外国語表記 | Hi-Zack |
登場作品 | |
デザイナー | 藤田一己 |
スペック | |
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分類 | 汎用量産型モビルスーツ |
生産形態 | 量産機 |
型式番号 | RMS-106 |
頭頂高 | 18.0m |
全高 | 20.6m |
本体重量 | 38.7t |
全備重量 | 59.6t |
主動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 1,428kW |
スラスター総推力 | 64,800kg |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材 |
センサー有効半径 | 8,900m |
開発組織 | |
開発拠点 | グラナダ |
所属 | |
主なパイロット |
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概要
地球連邦軍がジオン公国軍から接収したザクII F2型の設計を再考察し、アナハイム・エレクトロニクス社と共同開発した量産型モビルスーツ。一年戦争終結後、既存機のマイナーチェンジではなく、基礎設計から新規に行い開発された量産機の第1号である。
基本コンセプトはザクIIとほぼ同じで、敵味方への心理的な影響を実証する目的で外見上もザクに近い意匠を有している。接収した公国軍系の開発技術をベースに、連邦系の生産技術を融合させたもので、新機種というよりはザクの改良型、あるいはザクIIにジムの設計を採り入れたハイブリッドMSと言える機体であった。装甲の改良と新型ジェネレーターの搭載によって大幅に軽量化されており、プロペラント積載量の増加、バーニアスラスターの高性能化などもあって、無重力空間での機動性が飛躍的に向上した。
全天周囲モニターやリニアシートを量産機として初めて標準装備した機体でもあり、汎用機としてあらゆる戦闘に対応可能な上、扱いやすくメンテナンスも容易であった。これといった長所は無いが、生産性の高さから戦後の標準機として連邦軍全体に配備された。
頭部の構造・構成などはザクとほぼ同等だが、通信デバイスの性能はすべて共通であり、機能強化のためアンテナを増設する必要がなくなっている。また、腕部についてはビーム・サーベルなどの運用も想定されていたため、マニピュレーターには連邦純正のエネルギーコネクターが装備されている。
ハイザックの開発は、連邦軍による公国系技術の検証という側面も持っており、特に基本構造となる各種アクチュエーターや動力装置、電装系、制御系などを比較・検証し、双方の長所を盛り込むという作業は、単純に折半すれば済むというものではなかった。ボディユニットに搭載されたメインジェネレーターは連邦系のデバイスを使用しており、そのエネルギーゲインを流体パルスに変換して四肢の駆動を行っている。また、バックパックの換装を想定したため、背面の構造は基本的に連邦系MSを踏襲したものとなっており、バックパックの接合規格も連邦系の物を採用。そのため、必要に応じて流体パルスシステムとフィールド・モーターを使い分けており、異なる種類のエネルギー経路が複雑に絡み合ってしまっている。特にコクピット周りは複雑で、リニアシートと全天周囲モニターが開発初期の量産品であるためエネルギー消費が激しく、善後策としてメインパワーサプライヤーがコクピットハッチを経由する構造となってしまっている。
ジェネレーターが高出力化されているとはいえ、パルスコンバーターが予想外に機体容積を占有した結果、ビーム兵器へのエネルギー供給を行うため、更にサプライケーブルを腕部に露出させなければならなくなってしまっていた。このエネルギー経路の複雑化は、ジェネレーター自体の出力不足と共にビーム兵器を2つ以上同時に使用できないという重大な問題を抱える原因となった[1]。
カラーバリエーション
- ティターンズカラー
- ティターンズ所属機における一般的なカラー。ジオン残党軍にとって心理的効果が大きく、動揺を狙う意図から、ザクIIに似た緑系統の色が用いられているのが特徴。
- 連邦軍カラー
- 連邦軍所属機。青系統で塗装されている。戦争被害者、あるいはサイド3住民や連邦内のスペースノイド寄り勢力に対する配慮とされている。ただし、ティターンズカラーと連邦軍カラー、そのどちらがグラナダで量産された同機のデフォルトの初期塗装であったかは不明。
- ハイザック・カスタムカラー
- 『Ζ』第39話にてゼダンの門に配備されていた、ハイザック・カスタムと同一のカラーリングの機体。
- ジオン共和国軍カラー (Ζ)
- 『Z』第23話にて登場したジオン共和国軍の機体、角つきの指揮官機と一般機があり一見ティターンズカラーと同一に見えるが肩部分まで胴体と同一の深緑でありパターンが異なる。
- グレミー軍カラー
- 『ΖΖ』第45話に1シーンだけ登場した灰色の機体。
- ジオン共和国軍カラー (UC小説版)
- 小説『UC』独自設定におけるジオン共和国軍の所属機。小説版UCではジオン共和国軍はシャアの反乱後一度解体され連邦軍主導にて再編されたため連邦軍装備の刷新により発生した残余機体が共和国側に押し付けられる形で払い下げられている。ジオン・カラーへの塗装が禁止されており、地色を晒した白を基調としたカラーリングを使用する事が暗黙のルールとなっている。それでも兵にとっては貴重な「ザク」であり、連邦製でありながら士気の向上に繋がった。
- レイヴン隊所属機
- 地球連邦軍の教導隊「レイヴン隊」に所属する模擬演習機。部隊カラーである黒で塗装されている。
登場作品と操縦者
- 機動戦士Ζガンダム
- ジェリド・メサ、カクリコン・カクーラーを初めとした多くのパイロットに使用され、主力機の座はマラサイやバーザムに移行していくもののグリプス戦役全般で活躍した。優先的に配備されたティターンズや地球連邦軍の他、ティターンズ傘下となったジオン共和国軍でも運用されている。
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- ネオ・ジオンがティターンズ所属機を鹵獲・運用しており、ザクIIと肩を並べる場面もある。他にも第45話では出撃したグレミー軍の機体の中に灰色の機体が紛れているのが確認できる。
- ガンダム新体験-0087-グリーンダイバーズ
- ティターンズ機が登場。エゥーゴと交戦中だった1機が戦闘区域外を航行中だったプロスペローにマシンガンで無差別攻撃を行い、墜落事件の発端を作ってしまった。展望デッキから内部を確認しているが、直後に現れたエゥーゴのジムIIから直撃弾を受けている。
- 機動戦士ゼータガンダム1/2
- 番外編『宇宙一の無責任ティターンズ~ウモン・サモンの日記~』でエゥーゴ所属機[2]が登場。リーダーのこうもりと共に略奪行為を行っていたが、通報を受け駆けつけたハーフゼータによって一網打尽にされた。
- 機動戦士ガンダムUC (小説版)
- ジオン共和国軍所属機が登場。グリプス戦役期とは異なりジオン・カラーへの塗装が禁止されたため白ベースの塗装になっている。
- 機動戦士ガンダムUC 星月の欠片
- 第6話に風の会の機体が3機登場。ラプターブルー隊のジムIIを襲い拘束するが、レプリカガンダムヘッドを装着したエンデのジムIIに全機撃破された。
- 機動戦士ガンダム U.C.0094 アクロス・ザ・スカイ
- レイヴン隊のアグレッサー機として登場。また、ティターンズ残党機としても登場する。
- 機動戦士Ζガンダム外伝 審判のメイス
- コミック1巻にてカラバ所属機が登場。キリマンジャロの戦闘に参加し、背後からのアイリス・アリスンのザクキャノンの奇襲攻撃をジャンプで避けたものの、空中へ逃れた結果、死角から再度攻撃を受け撃墜されている。武装はハイザック[ケラウノス所属機]と同様の155mmマシンガンランチャーで両肩がスパイクアーマーになっているが、ケラウノス所属機の同型機を出そうとした名残とされる[3]。
- 機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還
- MATERIAL-B010にテミスの機体が登場。ジャコビアス・ノード専用ゲルググキャノンのロングレンジ・ビーム・ライフルのエネルギー供給として随伴していたが、ユーマ・ライトニング専用高機動型ゲルググにコックピットを撃ち抜かれ撃破された。
- 機動戦士ガンダムNT (漫画版)
- 第13話から旧サイド6のスペースコロニー「メーティス」の防衛隊機として2機登場。シナンジュ・スタインに攻撃を加えるも、両機とも撃破された。
- 機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE
- ストーリーイベント「水の星にくちづけをII」において一般機の他にもバークの乗る隊長機(連邦軍カラー)が登場。ハイザックとしては珍しく頭部にブレードアンテナを装備している(Gジェネシリーズなど、前例は存在している)。
装備・機能
武装・必殺攻撃
- ザク・マシンガン改
- ジオン公国軍で運用されたザク・マシンガンの改良型である120mmマシンガン。光学系のセンサーを連邦規格の物に変更した事で命中精度が向上している。威力こそビーム・ライフルに遠く及ばないが、信頼性が高く運用性に優れる。
- BR-87A ビーム・ライフル
- Eパック方式のビーム・ライフル。ビーム・サーベルとの選択装備。出力2.2mMW。ハイザックの実戦配備よりも遅れて完成し、マラサイとの共用装備とされた。短銃身のコンパクトな構造が特徴で、射程は短いが連射性能に優れる。予備のEパックはオプション・シールドの裏側に二基格納可能。
- ヒート・ホーク
- 接近戦用のヒート兵器。ビーム・ライフルを使用する際に近接武装として選択される。腕部を介して供給出来るエネルギー容量が増えたため、ザクIIの物に比べブレード部が大型化している。非使用時にはリアスカートにマウントされる。
- ビーム・サーベル
- ビーム・ライフルとの選択装備。これを使用する際は、実体弾兵装を射撃武器として装備する。非使用時にはヒート・ホークと同じくリアスカートにマウントされる。
- 3連装ミサイル・ポッド
- ザク・マシンガン改+ビーム・サーベル装備時の火力不足を補う意図で用意されたオプション兵装。2基のミサイル・ポッドがブリッジ状の構造体で繋げられ、リアスカートのビーム・サーベル用ホルダーを介して装備される。装備時にサーベル用ホルダーを塞ぐ為、ビーム・サーベルやヒート・ホークをマウントする為のラッチを有する。
- シールド
- ザクと同様に右肩に固定されている防御兵装。
- オプション・シールド
- 左腕部ラッチに接続される携行型のシールド。ジム系の機体から乗り換えるパイロットの利便性を考慮して装備された。連邦軍で普及しているシールドと同様、十字マークのエンブレムが取り付けられており、所属を示す記章表示にも有効である。シールド裏には格納スペースがあり、シールド先端のパネルを押すとカバーが開放。ビーム・ライフルの予備エネルギーパックを2基格納できる。
その他
- 白旗
- 竿から噴射するガスもしくはエアーによって棚引く白旗。『Ζ』第25話でサラ・ザビアロフ搭乗機がエゥーゴへの投降時に使用している。
- 大型メガ・ランチャー
- 長距離砲撃用の大型メガ粒子砲。ジェネレーターが出力不足のため2機で運用する(1機が射手を担当。もう1機がアシストジェネレーター役を担う)。ハイザックの胴体部をパッケージングして搭載すれば、1機での運用も可能。『Ζ』第27話でサラ機が射手、マウアー・ファラオ機がタンク役を務め、クワトロの乗るシャトルの狙撃に用いられた。
- レーザートーチ
- 溶接用のトーチ。『Ζ』第29話でG3ボンベをコロニー外壁へ溶接する際に使用している。
- 155mmマシンガンランチャー
- ケラウノス所属機と同様の装備。『審判のメイス』にてカラバ所属機が使用。
- MMP-78マシンガン
- ザク・マシンガンの後期モデル。『アクロス・ザ・スカイ』にてレイヴン隊所属機が使用。模擬戦用に模擬弾を使用しているが、ガンダムデルタカイ強奪事件の際に途中から実弾入りのマガジンを装填し襲撃を開始した。
- ジム・ライフル
- ジム・カスタムが携行している物と同型の実弾式ブルパップライフル。『0083 REBELLION』においてモンシア、アデル、ベイト機が使用。
- ビーム・ライフル (ゲルググM用)
- 大型のビーム・ライフル。『0083 REBELLION』においてハイザックを奪取したネオ・デラーズ・フリート機が使用。
- ハイパー・バズーカ
- ジム系列機が携行している肩掛け式ロケットランチャー。
- バズーカ
- 宇宙世紀0090年代に連邦軍で採用されている汎用バズーカ。漫画版『NT』の機体が閃光弾を装填して使用している。
- シュツルム・ファウスト
- 使い捨てのロケットランチャー。盗賊が装備。
- ザクバズーカ
- ザクが使っていたバズーカ。盗賊が使用している。
対決・名場面
関連機体
別仕様・装備バリエーション
- ハイザック (レジオン鹵獲仕様)
- レジオンが鹵獲・改修した機体。赤い機体色が特徴。火星プラントで新規に製造された機体も存在する。
- グランザック
- レジオン仕様のハイザックに地上走行用のグランユニットを装着した機体。
- ハイザック・キャノン
- バックパックをキャノン・パックに換装した機体。
- ハイザック試作型
- 量産化前の試作機。性能はこちらの方が上とされる。
- ハイザック先行量産型
- 先行量産機。動力パイプ等の取り回しが制式仕様と異なる。
- バイザックTR-2[ビグウィグ]
- 先行量産型にビーム・キャノンユニットBL-85Xを組み合わせた機体。
系列機・派生機
- ザクIIF2型
- ベース機。ザクのバリエーションとしては後期に開発された機体に当たる。
- マラサイ / ロゼット
- 後継機。ジェネレーター出力を引き上げ供給経路の見直しなどが施され、複数のビーム兵器が運用出来るなど、運用時の問題点が改善されている。
強化型・改修機
- ハイザック[ケラウノス所属機]
- ケラウノス所属機。独自の改良によって冷却能力が向上している。
- ハイザック[アイリス]
- 頭部を出自不明の試作品に変更した機体。
- ハイザック[エピデンドルム]
- 頭部をジム系センサーを搭載した物に換装した機体。
- ハイザック[ヴァナルガンド]
- TR計画由来の技術で改修された強化人間専用機。
- ハイザック・カスタム
- ジェネレーターをAE社製の物に換装する等の改修が施された機体。
- アイザック
- ハイザックを偵察用に改良した機体。連邦軍の他、ネオ・ジオンでも運用された。
- ホビー・ハイザック
- 民間用に払い下げられた機体。軍用機とは異なる派手なカラーリングが特徴。
- リビルドハイザック
- サナリィがハイザックをチューンナップした機体。性能がジェガン並みに引き上げられている。
商品情報
ガンプラ
- 【ティターンズカラー】
- 【連邦軍カラー】
資料リンク
リンク
脚注
- ↑ 実際には不可能ではないが、ライフルのエネルギーCAPシステムのアイドリングや再補充のタイミングでサーベルを使用すると武器側のブレーカーが作動して使用不可能となってしまう。初期の設定では、装備質量比が障害となり、同時装備できないとする資料(ガンプラ旧キット説明書など)もある。
- ↑ 作中の描写からエゥーゴを騙った盗賊である可能性もあり
- ↑ ROHGUN/老眼氏のツイート