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2020年2月22日 (土) 22:15時点における版
袖付き(Sleeves)
シャアの反乱(第二次ネオ・ジオン抗争)後に形成されたネオ・ジオンの残党組織。所属MSに襟や袖を模した装飾が施されているため、連邦側から「袖付き」という俗称で呼ばれている[1]。アクシズ落としが失敗し、総帥シャア・アズナブルが行方不明となったことで求心力を失った各勢力を「シャアの再来」と呼ばれるフル・フロンタルが纏め上げて成立した組織である。
様々なジオン系、反連邦の武装勢力の寄せ集めであり、新生ネオ・ジオンを中心にミネバ・ラオ・ザビを指導者に頂く事を条件に旧ネオ・ジオン残党や旧公国軍残党が合流する事で構成されている。しかし、組織としての一体性に乏しく兵員の練度や装備の質もバラつきが激しい[2]上、中にはパーツの調達が難しく、補給や修理に事欠く機体も存在する。法的にも正規の軍組織ではなくテロリスト集団と見なされており、国際法の適用や戦時条約の締結は期待できず、拘束された場合は捕虜ではなく犯罪者として扱われる可能性が高く、袖付き側もある程度はそれを認めている。
その台所事情から本来であれば組織としての体裁すらも怪しいが、当時のジオン系武装勢力としては最も影響力があり、ペペ・メンゲナン等ジオンシンパやジオン共和国の風の会から支援を受け、組織を維持している。同時に、志を同じくする地上のジオン残党組織への支援も行っている。
連邦政府も当初は仮想敵としてその存在を半ば黙認していたが、ダカール襲撃後は単なる残党組織ではなく明確なネオ・ジオンの系譜に連なる組織との見方を強め、彼らと連邦軍の一連の戦闘を「第三次ネオ・ジオン戦争」と認定する動きも出た程であった。
その目的は「サイド共栄圏」の実現とそれによるジオンの復権であり、首魁であるフロンタルもジオン共和国国防大臣モナハン・バハロが用意した人工ニュータイプであった。ガランシェール隊によるビスト財団からの「ラプラスの箱」の譲渡交渉をきっかけとして歴史の表舞台に現れ、世界中を再び戦火に巻き込んでいくが、「箱」の鍵となるユニコーンガンダムを巡る連邦軍との戦闘を経てミネバ・ラオ・ザビとガランシェール隊は袖付きを離反。更にインダストリアル7における最終決戦でフロンタルは戦死し、主力部隊も戦力の大半を失ったことで壊滅した。
登場作品
- 機動戦士ガンダムUC
- フロンタル率いる敵役の組織として登場。ミネバとフロンタルの対立など、決して一枚岩とは言えない内情が描かれた。
- 機動戦士ガンダムNT
- ゾルタン率いる敵役の組織として登場。
実際はジオン共和国軍の部隊が所属を明かされないよう、「袖付き」に偽装したものであり、組織としての「袖付き」は登場していない。
人物
主要人物
- ミネバ・ラオ・ザビ
- 組織の最高指導者。あくまで形式上の指導者であるが、ラプラスの箱の開放に反対したことで表立って行動する事になる。
- フル・フロンタル
- シャアの再来とも呼ばれる実質的な指導者。宇宙を中心に地球を間引きした「サイド共栄圏構想」を掲げる。
- ペペ・メンゲナン
- パラオ総督。熱狂的ジオンシンパであり、先行投資の意味も含めて袖付きにパラオを提供した。
- テニスン・バゲット
- 旧式装備ながら高い練度を誇る大規模艦隊、「テニスン艦隊」の司令。
フロンタル親衛隊
フロンタルのカリスマ性に惹かれた若者で構成され、新鋭機であるギラ・ズール (親衛隊仕様)が支給されている。
- アンジェロ・ザウパー
- 親衛隊長。特にフロンタルに心酔している。
- セルジ・ヘルファー
- 親衛隊メンバーの1人。ユニコーンガンダムとの初交戦時にビーム・マグナムの至近弾に巻き込まれ戦死。外伝『『袖付き』の機付長は詩詠う』では初回の主役を努めた。
- キュアロン・マスカ
- 親衛隊メンバーの1人。ラプラス官邸跡でデストロイモードに変身したユニコーンガンダムに接近戦を挑むものの、ビーム・トンファーで返り討ちにされ戦死。
- レイル
- ラッカー
- 親衛隊所属のMSパイロット。
- ヒル・ドーソン
- 旗艦レウルーラの艦長。
- ルガー・ルウ
- 漫画『アクロス・ザ・スカイ』に登場。リバウのパイロットを務める。
- バト・パンセリノス
- 親衛隊メンバー。漫画『アクロス・ザ・スカイ』ではフロンタル専用ギラ・ドーガのパイロットを務めた。
- ゼクスト・アーデ
- 親衛隊メンバー。漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』でヤクト・ドーガ (袖付き仕様)のパイロットを務めた。
ガランシェール隊
偽装貨物船ガランシェールを母艦とする実働部隊。
- スベロア・ジンネマン
- ガランシェール隊隊長で、通称「キャプテン」。壮絶な過去と豊富な戦歴を持つ。
- マリーダ・クルス
- ジンネマンに保護されたプルシリーズの生き残り。ジンネマンとミネバに強く忠誠を誓う。
- ギルボア・サント
- 操舵手兼MSパイロット。パラオに妻子を持つ。
- フラスト・スコール
- 航行士。ギルボアと並ぶジンネマンの腹心の部下。
- アレク
- ギルボア戦死後の操舵手。
- サボア
- MSパイロット。最序盤のインダストリアル7での戦闘で戦死。
- クワニ
- アイバン
- MSパイロット。
- ベッソン
- 乗組員。
- トムラ
- メカニック。捕虜となったバナージとも気さくに接し、ユニコーンの整備も請け負う。
その他のMSパイロット
- ザミュ・サミュ
- パラオ所属の熟練パイロットの1人。ドライセンを愛機としていたが、パラオ攻防戦で殉職する。
- ビランチャ・ベーア
- パラオ所属の熟練パイロットの1人。ガルス系の専用機シュツルム・ガルスを駆る。
- アヴリル・ゼック
- 袖付き所属のパイロットの1人。水中戦で好成績を収めており、ゼー・ズールのパイロットとなる。
- ワークラッハ・バナム
- 袖付き所属のパイロットの1人。奪取したシナンジュ・スタインのテストを務めるが、インテンション・オートマチック・システムの暴走で友軍を手にかけてしまう。
技術者・機付長
- マヌエラ
- 外伝『『袖付き』の機付長は詩詠う』に登場。レウルーラで整備兵を務める。
- ゴティ・ハヤミ
- 漫画『MSV 楔』に登場。シナンジュ・スタインの試験責任者。
- スポッター・シス
- 外伝『『袖付き』の機付長は詩詠う』に登場。フル・フロンタル親衛隊でMS整備兵を務める。
- ペンプティ・ラス
- 外伝『『袖付き』の機付長は詩詠う』に登場。MS整備兵を務める。
- ジェトロ・ロイド
- 外伝『『袖付き』の機付長は詩詠う』に登場。パラオに駐屯するMS整備兵。
ジオン残党軍
カークスを中心とする地上のジオン残党部隊。正確には袖付きに属する部隊ではないが、袖付きの支援を受けており、地球に降下したガランシェール隊と協力する。アニメ版では各地の残党にも協力を依頼、トリントン基地を襲撃した。
- ヨンム・カークス
- ダカール(アニメ版)及びトリントン襲撃を指揮したカークス隊の隊長。
- ロニ・ガーベイ
- カークスの下に身を寄せるニュータイプの少女。
- マハディ・ガーベイ
- ロニの父。ガーベイ・エンタープライズ代表。子供らと共にシャンブロに搭乗した。アニメ版ではアッバス、ワリードと共に既に故人。
- アッバス・ガーベイ
- マハディの長男。
- ワリード・ガーベイ
- マハディの次男。
- キャンドル
- カークスの部下でザクキャノンのパイロット。漫画『バンデシネ』ではシンブ根拠地隊の隊長を務める。妻子にモーラとオクタがいる。アニメでは名前のみ登場。
- ホルムス
- トリントン基地襲撃に参加したドワッジのパイロット。
- ヤス・トクミツ
- トリントン基地襲撃に参加したドム・トローペンのパイロット。
- ハビエール
- 『バンデシネ』に搭乗。マラサイのパイロット。
- テッセラ・マッセラ
- 「『袖付き』の機付長は詩詠う」の登場人物。片腕のズゴックEのパイロット。
- クイント
- 「『袖付き』の機付長は詩詠う」の登場人物。ザク・デザートタイプに搭乗。戦傷が元で簡素な操縦しか出来ず、後方任務に従事している。
- フレッド・リーバー
- 『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』『『袖付き』の機付長は詩詠う』の登場人物。
- ラプラス戦争時はイフリート・シュナイドに搭乗。一年戦争時は連邦軍特務部隊「スレイヴ・レイス」に所属していてガンダム・ピクシーに搭乗していた。
- キョゴ
- 『『袖付き』の機付長は詩詠う』に登場。カークス隊に所属するジュアッグのパイロット。
- チーシン
- 『『袖付き』の機付長は詩詠う』に登場。カークス隊に所属するカプールのパイロット。
ジオン共和国 / ジオン共和国軍
右翼政治団体「風の会」の部隊が戦力として参加しており、袖付き壊滅後も一部構成員を迎え入れ、本組織に偽装した部隊を結成している。
- ギリガン・ユースタス
- 「風の会」が掲げる思想に傾倒するMSパイロット。実戦経験は浅い。
- モナハン・バハロ
- ジオン共和国国防大臣。「サイド共栄圏構想」の発案者であり、裏で資金援助を行っている。袖付きの黒幕とも言える人物。
- ゾルタン・アッカネン
- ジオン共和国軍大尉。フロンタルと同様に「シャアの再来」として生み出されたものの、失敗作の各印を押されてしまった強化人間。
- エリク・ユーゴ
- ジオン共和国軍中尉。ゾルダンの監視役。
保有戦力
袖付き
- ドライセン
- ガザC
- ガザD
- ガ・ゾウム
- ズサ
- バウ (袖付き仕様)
- アイザック
- シュツルム・ガルス
- ドラッツェ
- ギガン
- 作業用ザク
- ゲルググ
- ヤクト・ドーガ (袖付き仕様)
- リゲルグ
- マラサイ
- ザクIII (袖付き仕様)
- ドーベン・ウルフ (袖付き仕様)
ジオン残党軍
- マラサイ
- ゲルググ
- ズゴック
- カプール
- ジュアッグ (残党軍機)
- ゾゴック (残党軍機)
- ドワッジ
- ドム・トローペン
- デザート・ゲルググ
- イフリート・シュナイド
- ガザC
- ズゴックE
- ドム・トロピカルテストタイプ
- ド・ダイ
- ドダイII
- ベースジャバー
- ファット・アンクル改
- ルッグン
- グレイファントム級 (航空不能艦を拠点として使用)
- ユーコン
- ザクIIJC型
- 陸戦高機動型ザク
- ザク・デザートタイプ改
- ゲルググG
- ライノサラス
- 『ガンダムEXA VS』に登場。あくまで別世界での登場という事もあり、公式に戦力として登場しているかは不明。
ジオン共和国軍
関連施設
- パラオ
- 本拠地。居住区や大規模な基地施設を持ち、関係者を含めておよそ3万人が居住している。L1宙域に位置しているが、行政上はサイド6の保有となっている。
関連組織
- 地球連邦軍
- 敵対組織だが、軍の予算獲得を目的にあえてその存在を黙認。シナンジュ・スタインを譲渡するなどの裏工作も行っている。
- ビスト財団
- 「箱」を巡る取引を目論むが、交渉は決裂。財団の主導権がマーサ・ビスト・カーバインに渡った事から対立関係となる。
- ジオン軍、ネオ・ジオン
- 母体組織。人員・装備の大半はこれら組織の再利用。
- ジオン共和国
- 裏で援助を行っており、組織崩壊後も隠密行動の為に袖付きに偽装した部隊を編成している。
- 風の会
- ジオン共和国の右翼政治団体。