「機動戦士Ζガンダム」の版間の差分

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== 機動戦士Ζガンダム(Mobile Suit Zeta Gundam) ==
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{{作品概要
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| 読み = きどうせんしゼータガンダム
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| 外国語表記 = <!-- 公式名を優先とします。 -->
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| 原作 = 富野由悠季
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| 原案 = 矢立肇
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| 作画 =
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| 挿絵 =
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| 総監督 = 富野由悠季
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| 監督 =
 +
*内田順久(メカニカル作画)
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*斉藤秋男(撮影)
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*藤野貞義(音響)
 +
| シリーズ構成 =
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| 脚本 =
 +
| キャラクターデザイン = 安彦良和
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| メカニックデザイン =
 +
*大河原邦男
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*藤田一己
 +
| デザインワークス = 永野護
 +
| デザイン協力 = 伸童舎
 +
| 設定ベース = 永瀬唯
 +
| 色彩設計 = 高島清子
 +
| 美術 = 東潤一
 +
| 音楽 = 三枝成彰
 +
| 音響 = 千田啓子(音響製作)
 +
| 特殊効果 = 干場豊
 +
| 効果 = 横山正和
 +
| 制作 =
 +
*名古屋テレビ
 +
*創通エージェンシー
 +
*日本サンライズ
 +
| 編集 = 布施由美子
 +
| 調整 = 依田章良
 +
| 録音 = ニュージャパンスタジオ
 +
| 現像 = 東京現像所
 +
| チェック =
 +
*江山梨恵(動画)
 +
*吉沢亮吉(動画)
 +
| 企画 = サンライズ
 +
| 協力 = 伸童舎(デザイン)
 +
| プロデューサー =
 +
*森山涇(名古屋テレビ)
 +
*大西邦明(創通エージェンシー)
 +
*内田健二(日本サンライズ)
 +
| 放送局 =
 +
*名古屋テレビ
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*テレビ朝日系列
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| 配給元 =
 +
| 発売元 =
 +
| 掲載誌 =
 +
| 出版社 =
 +
| レーベル =
 +
| 配信元 =
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| 放送期間 = 1985年3月2日~1986年2月22日
 +
| 公開日 =
 +
| 発売日 =
 +
| 発表期間 =
 +
| 話数 = 全50話
 +
| 巻数 =
 +
| 前作 = [[機動戦士ガンダム]]
 +
| 次作 = [[機動戦士ガンダムΖΖ]]
 +
| 劇場版 = 機動戦士Ζガンダム A New Translation(全三部作)
 +
}}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 -->
  
=== 概要 ===
+
== 概要 ==
シリーズ2作目。<br />後に[[機動戦士Ζガンダム A New Translation|劇場版]]が制作された。
+
ガンダムシリーズの2作目で、前作『[[機動戦士ガンダム]]』の7年後を描いた作品。
  
ファーストガンダムのガンプラが成功を得たバンダイがメインスポンサーとなった最初のガンダム。(ファーストガンダムのメインスポンサーだったクローバーは倒産。)既に劇場三部作の上映が終わっており、ガンプラの売上げが落ち始めていたため、バンダイからの企画により製作が決定した。なお富野監督は子供向けに製作し青年層にヒットしてしまったファーストガンダムは、アニメらしさを損なったアニメという見方だったため当初続編製作は否定的だった。
+
ファーストガンダムのガンプラが成功を得たバンダイがメインスポンサーとなった最初のガンダム(ファーストガンダムのメインスポンサーだったクローバーは倒産)で、既に劇場三部作の上映が終わっており、ガンプラの売上げが落ち始めていたため、バンダイからの企画により製作が決定した。なお富野監督は子供向けに製作し青年層にヒットしてしまったファーストガンダムは、アニメらしさを損なったアニメという見方だったため当初続編製作は否定的だった。
  
 
こうした背景からバンダイの意向が強く働くガンダム作品の中でも特に際立っており、製作期間が十分にあったにも関わらずバンダイの意向と合わず主人公機のデザインがなかなか決定しなかったこともその一例である。結果的に初代のマイナーチェンジである[[ガンダムMk-II|マーク2]]を登場させたが、この出来事からガンダムのお約束の一つである「主人公の乗り換え」が生まれた。
 
こうした背景からバンダイの意向が強く働くガンダム作品の中でも特に際立っており、製作期間が十分にあったにも関わらずバンダイの意向と合わず主人公機のデザインがなかなか決定しなかったこともその一例である。結果的に初代のマイナーチェンジである[[ガンダムMk-II|マーク2]]を登場させたが、この出来事からガンダムのお約束の一つである「主人公の乗り換え」が生まれた。
  
1作目よりも複雑な勢力構造や理不尽な現実を描く作風になっており、そうした世界の流れに翻弄され悲運の最期を遂げる登場人物も少なくない。戦争におけるシビアな面を描いている。
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1作目よりも複雑な勢力構造や理不尽な現実を描く作風になっており、そうした世界の流れに翻弄され悲運の最期を遂げる登場人物も少なくない。戦争におけるシビアな面を描いている。[[ニュータイプ]]論は前作よりもスポットが当たり、主人公の[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]をはじめ多くのニュータイプと人工ニュータイプである[[強化人間]]も登場、概念の扱いが本格化した。一方でニュータイプ能力と感応した[[Ζガンダム]]の「身体を通して出る力」は(発生する設定が存在するとは言え)リアルロボットにはあるまじき超常現象であり、一部製作者からは「やりすぎた。」との声も挙がるなど扱いの難しさも露呈した。
[[ニュータイプ]]論は前作よりもスポットが当たり、主人公の[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]をはじめ多くのニュータイプと人工ニュータイプである[[強化人間]]も登場、概念の扱いが本格化した。一方でニュータイプ能力と感応した[[Ζガンダム]]の「身体を通して出る力」は(発生する設定が存在するとは言え)リアルロボットにはあるまじき超常現象であり、一部製作者からは「やりすぎた。」との声も挙がるなど扱いの難しさも露呈した。
 
  
 
平均視聴率やガンプラの売れ行きは好成績を収めたものの、バンダイが求める水準には至らなかった。主な原因として、ストーリー複雑化や全体的に暗い雰囲気による子供離れ、MS構造の複雑化により一目で敵か味方か判別しにくいこと、ガンプラの価格高騰が挙げられている。これにより次回作の[[機動戦士ガンダムΖΖ|ガンダムΖΖ]]では明るく分かりやすいガンダムへの方針転換を図られることとなる。
 
平均視聴率やガンプラの売れ行きは好成績を収めたものの、バンダイが求める水準には至らなかった。主な原因として、ストーリー複雑化や全体的に暗い雰囲気による子供離れ、MS構造の複雑化により一目で敵か味方か判別しにくいこと、ガンプラの価格高騰が挙げられている。これにより次回作の[[機動戦士ガンダムΖΖ|ガンダムΖΖ]]では明るく分かりやすいガンダムへの方針転換を図られることとなる。
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当時こそ旧来のファンには一部敬遠されたが、後に続くガンダムシリーズの基礎を築いた本作は多くのファンの支持を集め、20世紀のリアルロボットアニメのスタンダードを盤石化させた。
 
当時こそ旧来のファンには一部敬遠されたが、後に続くガンダムシリーズの基礎を築いた本作は多くのファンの支持を集め、20世紀のリアルロボットアニメのスタンダードを盤石化させた。
  
== あらすじ ==
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また、2005年~2006年には新約劇場版である『'''機動戦士Ζガンダム A New Translation'''(全三部作)』が公開されている。
[[サイド3]]の独立宣言に端を発した[[地球連邦]]と[[ジオン公国]]の武力衝突([[一年戦争]])は、連邦の勝利で幕を閉じた。<br />[[スペースノイド]]の反乱を恐れた連邦軍は、公国軍残党の討伐を名目に治安部隊「[[ティターンズ]]」を組織、スペースノイドに対する締め付けを厳しくしていった。<br />ティターンズのともすれば人道を無視した過激な活動は、スペースノイドのみならず一部の連邦軍人の反発をも招き、彼等は反連邦組織「[[エゥーゴ]]」を結成、ティターンズに対抗する。そしてそのメンバーの中には、かつての「[[赤い彗星]]」[[シャア・アズナブル]]の姿があった……。
+
 
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== ストーリー ==
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[[サイド3]]の独立宣言に端を発した[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]と[[ジオン公国]]の武力衝突「[[一年戦争]]」は、連邦の勝利で幕を閉じた。
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[[スペースノイド]]の反乱を恐れた連邦軍は、公国軍残党の討伐を名目に治安部隊「[[ティターンズ]]」を設立。地球至上主義を標榜するティターンズは、スペースノイドに対する締め付けを厳しくしていくと共に、地球連邦軍の全権限の掌握を画策する。
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 +
ティターンズのともすれば人道を無視した過激な活動は、スペースノイドのみならず一部の連邦軍人の反発をも招き、彼等は反連邦組織「[[エゥーゴ]]」を結成、ティターンズへの対抗を開始する。そしてそのメンバーの中には「クワトロ・バジーナ」と名前を変えたかつての「[[赤い彗星]]」[[シャア・アズナブル]]の姿があった……。
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 +
宇宙世紀0087年。クワトロはティターンズが開発した新型ガンダムを調査するべく、サイド7「グリーン・ノア」へと潜入する。そして、グリーン・ノアに住む少年[[カミーユ・ビダン]]は、やがて始まった戦闘の中で新型ガンダム「ガンダムMk-II」に乗り込み、クワトロと接触。強奪したガンダムMk-IIと共にエゥーゴ入りを果たす。これを機に、後に「[[グリプス戦役]]」と呼ばれる激戦の火蓋が切られた。
 +
 
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そして、人の歴史に再び、悲しき刻が流れ始めるのであった。君は刻の涙を見る――。
  
 
== 登場人物 ==
 
== 登場人物 ==
 
 
=== [[エゥーゴ]] ===
 
=== [[エゥーゴ]] ===
 
;[[カミーユ・ビダン]]
 
;[[カミーユ・ビダン]]
:主人公。[[サイド7]]「[[グリーン・オアシス]]」の[[グリーン・ノア1]]に住む少年。すぐキレる。<br />ティターンズへの反感から新型[[モビルスーツ]]「[[ガンダムMk-II]]」を強奪し、エゥーゴに参加。後に[[Ζガンダム]]に搭乗。
+
:主人公。[[サイド7]]「[[グリーン・オアシス]]」の[[グリーン・ノア1]]に住む少年。<br />ティターンズへの反感から新型[[モビルスーツ]]「[[ガンダムMk-II]]」を強奪し、エゥーゴに参加した。後に[[Ζガンダム]]に搭乗する。
 
;[[クワトロ・バジーナ]]
 
;[[クワトロ・バジーナ]]
:連邦軍大尉でエゥーゴの一員。実は元ジオンのエースパイロット、[[シャア・アズナブル]]ことキャスバル・レム・ダイクン。
+
:連邦軍大尉でエゥーゴの一員。元ジオンのエースパイロット、[[シャア・アズナブル]]ことキャスバル・レム・ダイクンその人である。
 
;[[エマ・シーン]]
 
;[[エマ・シーン]]
 
:元々はティターンズの一員だったが、ティターンズが行った虐殺を知ったことをきっかけで離れ、ガンダムMk-IIごとエゥーゴに参加。
 
:元々はティターンズの一員だったが、ティターンズが行った虐殺を知ったことをきっかけで離れ、ガンダムMk-IIごとエゥーゴに参加。
 
;[[ファ・ユイリィ]]
 
;[[ファ・ユイリィ]]
:カミーユの幼馴染。Mk-II強奪事件に巻き込まれてエゥーゴでパイロットとしての訓練を受けることになる。
+
:カミーユの幼馴染。Mk-II強奪事件の一連の騒動に巻き込まれエゥーゴに救出された後、エゥーゴでパイロットとしての訓練を受けることになる。
 
;[[カツ・コバヤシ]]
 
;[[カツ・コバヤシ]]
 
:一年戦争後、ハヤト夫妻に引き取られたカツ・ハウィン。エゥーゴ参加後はGディフェンサーのパイロットを務める。
 
:一年戦争後、ハヤト夫妻に引き取られたカツ・ハウィン。エゥーゴ参加後はGディフェンサーのパイロットを務める。
36行目: 106行目:
 
:一年戦争の英雄の一人だったが、左遷され連絡船の船長となっていた。後にエゥーゴに参加。
 
:一年戦争の英雄の一人だったが、左遷され連絡船の船長となっていた。後にエゥーゴに参加。
 
;[[ヘンケン・ベッケナー]]
 
;[[ヘンケン・ベッケナー]]
:[[アーガマ]]艦長。ブライトが艦長に着任してからは[[ラーディッシュ]]の艦長に。エマといい雰囲気になっていったのだが……?
+
:[[アーガマ]]初代艦長。ブライトが艦長に着任してからは[[ラーディッシュ]]の艦長を務める。戦いの中でエマといい雰囲気になっていく。
 
;[[アポリー・ベイ]]
 
;[[アポリー・ベイ]]
:クワトロの部下。一年戦争を生き抜いたベテランパイロット。アーガマのムードメーカー的存在。
+
:クワトロの部下。一年戦争を生き抜いたベテランパイロットで、アーガマのムードメーカー的存在。
 
;[[ロベルト]]
 
;[[ロベルト]]
 
:クワトロの部下。アポリーの同僚で、同じく一年戦争を生き抜いたベテランパイロット。
 
:クワトロの部下。アポリーの同僚で、同じく一年戦争を生き抜いたベテランパイロット。
47行目: 117行目:
 
;[[サエグサ]]
 
;[[サエグサ]]
 
:アーガマのブリッジクルー。操舵手とナビゲーターを担当している。
 
:アーガマのブリッジクルー。操舵手とナビゲーターを担当している。
 +
;[[ハサン]]
 +
:アーガマの船医。
 
;[[ブレックス・フォーラ]]
 
;[[ブレックス・フォーラ]]
 
:エゥーゴの指導者。
 
:エゥーゴの指導者。
 
  
 
=== カラバ ===
 
=== カラバ ===
 
;[[アムロ・レイ]]
 
;[[アムロ・レイ]]
:一年戦争の後、「ニュータイプ」の危険性と扱いに手をこまねいていた上層部によって地球で軟禁状態になっていた。カツとフラウの叱咤激励を受け、再び戦場へと戻る。
+
:一年戦争で[[ガンダム]]のパイロットとして名を馳せた伝説のニュータイプ。一年戦争の後、「ニュータイプ」の危険性と扱いに手をこまねいていた上層部によって地球で軟禁状態になっていたが、カツとフラウの叱咤激励を受け、再び戦場へと戻る。
 
;[[ハヤト・コバヤシ]]
 
;[[ハヤト・コバヤシ]]
 
:かつての一年戦争の英雄。戦争博物館の館長になっていた。アウドムラの艦長を務める。
 
:かつての一年戦争の英雄。戦争博物館の館長になっていた。アウドムラの艦長を務める。
63行目: 134行目:
 
:カミーユのライバルポジション。カミーユがエゥーゴ入りするきっかけを作り、戦いの中で互いに確執を深めていく。
 
:カミーユのライバルポジション。カミーユがエゥーゴ入りするきっかけを作り、戦いの中で互いに確執を深めていく。
 
;[[パプテマス・シロッコ]]
 
;[[パプテマス・シロッコ]]
:木星帰りの男でニュータイプ。[[メッサーラ]]を始めとする何機かのモビルスーツの設計・開発をしている。
+
:木星帰りの男で類稀な才能を持つニュータイプ。[[メッサーラ]]を始めとする何機かのモビルスーツの設計・開発をしている。グリプス戦役の裏側で暗躍し、ティターンズの掌握を目論む。
 
;[[フォウ・ムラサメ]]
 
;[[フォウ・ムラサメ]]
 
:ニュータイプ研究機関であるムラサメ研究所の4番目の強化人間。強化によって過去の記憶を失っている。ホンコン・シティで出会ったカミーユと惹かれ合う。
 
:ニュータイプ研究機関であるムラサメ研究所の4番目の強化人間。強化によって過去の記憶を失っている。ホンコン・シティで出会ったカミーユと惹かれ合う。
73行目: 144行目:
 
:ジェリドのパートナー。ジャブローで彼を助けて以降、彼を献身的に支える。
 
:ジェリドのパートナー。ジャブローで彼を助けて以降、彼を献身的に支える。
 
;[[サラ・ザビアロフ]]
 
;[[サラ・ザビアロフ]]
:ニュータイプ候補生。シロッコに心酔している。
+
:シロッコの配下であるニュータイプ候補生。シロッコに心酔している。
 
;[[ヤザン・ゲーブル]]
 
;[[ヤザン・ゲーブル]]
 
:オールドタイプでありながら、カミーユ達を追い詰める程の腕前を持つパイロット。
 
:オールドタイプでありながら、カミーユ達を追い詰める程の腕前を持つパイロット。
79行目: 150行目:
 
:ヤザンの部下。
 
:ヤザンの部下。
 
;[[ダンケル・クーパー]]
 
;[[ダンケル・クーパー]]
 +
:ヤザンの部下。
 +
;[[アドル・ゼノ]]
 
:ヤザンの部下。
 
:ヤザンの部下。
 
;[[ジャミトフ・ハイマン]]
 
;[[ジャミトフ・ハイマン]]
:ティターンズの創始者。
+
:ティターンズの創始者。地球至上主義を掲げ、地球圏の統一を目論む。
 
;[[バスク・オム]]
 
;[[バスク・オム]]
 
:ティターンズの実戦指揮官。一年戦争時の負傷により視力が極端に低下したため、常に水中眼鏡似のゴーグルを着用している。ティターンズにおける過激派。
 
:ティターンズの実戦指揮官。一年戦争時の負傷により視力が極端に低下したため、常に水中眼鏡似のゴーグルを着用している。ティターンズにおける過激派。
 +
;[[ジャマイカン・ダニンガン]]
 +
:バスクの腹心。
 
;[[ベン・ウッダー]]
 
;[[ベン・ウッダー]]
 
:スードリの艦長。
 
:スードリの艦長。
 +
;[[アジス・アジバ]]
 +
:ダカール守備隊のMSパイロット。
 +
;[[ガディ・キンゼー]]
 +
:アレキサンドリアの艦長。
 +
;[[デーバ・バロ]]
 +
:アレキサンドリア所属のMSパイロット。
 +
;[[キッチマン]]
 +
:MSパイロット。
 +
;[[シドレ]]
 +
:MSパイロット。
 +
;[[ゲーツ・キャパ]]
 +
:オーガスタ研究所に所属する強化人間。
  
 
=== [[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]] ===
 
=== [[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]] ===
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;[[ブラン・ブルターク]]
 
;[[ブラン・ブルターク]]
 
:アッシマーのパイロット。アッシマーの性能を遺憾なく発揮し、カミーユ達を苦戦させた。
 
:アッシマーのパイロット。アッシマーの性能を遺憾なく発揮し、カミーユ達を苦戦させた。
 
+
;[[マニティ・マンデナ]]
 +
:地球連邦軍の女性士官。
 +
;[[テッド・アヤチ]]
 +
:アレキサンドリア級ハリオの艦長。
 +
;[[ローレン・ナカモト]]
 +
:科学者。
 
=== [[アクシズ]] ===
 
=== [[アクシズ]] ===
 
;[[ハマーン・カーン]]
 
;[[ハマーン・カーン]]
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;[[レツ・コバヤシ]]、[[キッカ・コバヤシ]]
 
;[[レツ・コバヤシ]]、[[キッカ・コバヤシ]]
 
:カツと共に、ハヤト夫妻の養子になった。
 
:カツと共に、ハヤト夫妻の養子になった。
 +
;[[セイラ・マス]]
 +
:元ホワイトベースクルー。
 
;[[ウォン・リー]]
 
;[[ウォン・リー]]
 
:エゥーゴの資金提供者のひとり。アナハイム・エレクトロニクス社の幹部。
 
:エゥーゴの資金提供者のひとり。アナハイム・エレクトロニクス社の幹部。
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;[[シンタ]]、[[クム]]
 
;[[シンタ]]、[[クム]]
 
:クワトロが保護した戦災孤児。前作におけるカツ・レツ・キッカポジション。
 
:クワトロが保護した戦災孤児。前作におけるカツ・レツ・キッカポジション。
 +
;[[キグナン・ラムザ]]
 +
:グラナダに勤務する諜報員。クワトロの部下。
 +
;[[メズーン・メックス]]
 +
:カミーユが通うハイスクールの学生。空手部の主将。
  
 
== 登場メカ ==
 
== 登場メカ ==
 
+
;「*」は劇場版に登場した機体。
 
=== エゥーゴ/カラバ ===
 
=== エゥーゴ/カラバ ===
  
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;[[ディジェ]]
 
;[[ディジェ]]
 
:
 
:
;[[ジム・カスタム]]
+
;[[ジム・カスタム]]
 
:
 
:
;[[ジム・キャノンII]]
+
;[[ジム・キャノンII]]
 
:
 
:
  
158行目: 256行目:
  
 
==== モビルスーツ・[[モビルアーマー]] ====
 
==== モビルスーツ・[[モビルアーマー]] ====
;[[ジム・クゥエル]]
+
;[[ジム・クゥエル]]
 
:
 
:
 
;[[ジム・スナイパーカスタム]]
 
;[[ジム・スナイパーカスタム]]
 
:
 
:
 
;[[ジム・キャノン]]
 
;[[ジム・キャノン]]
 +
:
 +
;[[ガンダムTR-1[ヘイズル改]]]*
 +
:
 +
;[[ネモ]](鹵獲機)
 
:
 
:
 
;[[ガンタンクII]]
 
;[[ガンタンクII]]
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;[[キュベレイ]]
 
;[[キュベレイ]]
 
:
 
:
;[[ガザE]]
+
;[[ガザE]]
 
:
 
:
;[[ドラッツェ]]
+
;[[ドラッツェ]]
 
:
 
:
  
268行目: 370行目:
 
;[[カラバ]]
 
;[[カラバ]]
 
:地上での反ティターンズ組織。地上でエゥーゴの支援を行っている。ホンコンシティの資産家をパトロンに活動しているらしい。所謂私兵かもしれない、謂わば官民癒着か。
 
:地上での反ティターンズ組織。地上でエゥーゴの支援を行っている。ホンコンシティの資産家をパトロンに活動しているらしい。所謂私兵かもしれない、謂わば官民癒着か。
 +
 +
== 楽曲 ==
 +
=== オープニングテーマ ===
 +
;「Ζ・刻をこえて」(第1話~第23話)
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:原作詞・作曲:ニール・セダカ / 日本語版作詞:井荻麟 / 編曲:渡辺博也 / 歌:鮎川麻弥
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;「水の星へ愛をこめて」(第24話~第50話)
 +
:作詞:売野雅勇 / 作曲:ニール・セダカ / 編曲:馬飼野康二 / 歌:森口博子
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=== エンディングテーマ ===
 +
;「星空のBelieve」
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:原作詞・作曲:ニール・セダカ、フィリップ・コーディ / 日本語版作詞:竜真知子 / 編曲:渡辺博也 / 歌:鮎川麻弥
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=== 挿入歌 ===
 +
;「ハッシャバイ」(第13話)
 +
:作詞:井荻麟 / 作曲:井上忠夫 / 編曲:宮川泰 / 歌:間嶋里美
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;「銀色ドレス」(第20話)
 +
:作詞:井荻麟 / 作曲・編曲:馬飼野康二 / 歌:森口博子
 +
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== 各話リスト ==
 +
{| class="wikitable"
 +
|-
 +
! 話数 !! サブタイトル !! 備考
 +
|-
 +
| 第1話 || 黒いガンダム ||
 +
|-
 +
| 第2話 || 旅立ち ||
 +
|-
 +
| 第3話 || カプセルの中 ||
 +
|-
 +
| 第4話 || エマの脱走 ||
 +
|-
 +
| 第5話 || 父と子と… ||
 +
|-
 +
| 第6話 || 地球圏へ ||
 +
|-
 +
| 第7話 || サイド1の脱出 ||
 +
|-
 +
| 第8話 || 月の裏側 ||
 +
|-
 +
| 第9話 || 新しい絆 ||
 +
|-
 +
| 第10話 || 再会 ||
 +
|-
 +
| 第11話 || 大気圏突入 ||
 +
|-
 +
| 第12話 || ジャブローの風 ||
 +
|-
 +
| 第13話 || シャトル発進 ||
 +
|-
 +
| 第14話 || アムロ再び ||
 +
|-
 +
| 第15話 || カツの出撃 ||
 +
|-
 +
| 第16話 || 白い闇を抜けて ||
 +
|-
 +
| 第17話 || ホンコン・シティ ||
 +
|-
 +
| 第18話 || とらわれたミライ ||
 +
|-
 +
| 第19話 || シンデレラ・フォウ ||
 +
|-
 +
| 第20話 || 灼熱の脱出 ||
 +
|-
 +
| 第21話 || ゼータの鼓動 ||
 +
|-
 +
| 第22話 || シロッコの眼 ||
 +
|-
 +
| 第23話 || ムーン・アタック ||
 +
|-
 +
| 第24話 || 反撃 ||
 +
|-
 +
| 第25話 || コロニーが落ちる日 ||
 +
|-
 +
| 第26話 || ジオンの亡霊 ||
 +
|-
 +
| 第27話 || シャアの帰還 ||
 +
|-
 +
| 第28話 || ジュピトリス潜入 ||
 +
|-
 +
| 第29話 || サイド2の危機 ||
 +
|-
 +
| 第30話 || ジェリド特攻 ||
 +
|-
 +
| 第31話 || ハーフムーン・ラブ ||
 +
|-
 +
| 第32話 || 謎のモビルスーツ ||
 +
|-
 +
| 第33話 || アクシズからの使者 ||
 +
|-
 +
| 第34話 || <ruby>宇宙<rt>そら</rt></ruby>が呼ぶ声 ||
 +
|-
 +
| 第35話 || キリマンジャロの嵐 ||
 +
|-
 +
| 第36話 || 永遠のフォウ ||
 +
|-
 +
| 第37話 || ダカールの日 ||
 +
|-
 +
| 第38話 || レコアの気配 ||
 +
|-
 +
| 第39話 || 湖畔 ||
 +
|-
 +
| 第40話 || グリプス始動 ||
 +
|-
 +
| 第41話 || 目覚め ||
 +
|-
 +
| 第42話 || さよならロザミィ ||
 +
|-
 +
| 第43話 || ハマーンの嘲笑 ||
 +
|-
 +
| 第44話 || ゼダンの門 ||
 +
|-
 +
| 第45話 || 天から来るもの ||
 +
|-
 +
| 第46話 || シロッコ立つ ||
 +
|-
 +
| 第47話 || <ruby>宇宙<rt>そら</rt></ruby>の渦 ||
 +
|-
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| 第48話 || ロザミアの中で ||
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== 関連作品 ==
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;[[機動戦士Ζガンダム A New Translation]]
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:;機動戦士Ζガンダム A New Translation 星を継ぐ者
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:;機動戦士ΖガンダムII A New Translation 恋人たち
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:;機動戦士ΖガンダムIII A New Translation 星の鼓動は愛
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:本作のストーリーを新約した劇場版。全三部作。本作とは一部違うストーリー・結末が描かれている他、キャストの多くが変更されている。
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;[[機動戦士Ζガンダム Define]]
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:本作に下記の『C.D.A.』の設定を組み込み再構成した作品。
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;[[機動戦士ガンダム]]
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:前作。本作に一部のキャラクターが続投している。
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;[[機動戦士ガンダムΖΖ]]
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:続編。本作に登場したアクシズがネオ・ジオンに名を変え地球へ侵攻。主人公[[ジュドー・アーシタ]]を始めとする少年少女がエゥーゴと共に立ち向かう。
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;[[ガンダム・センチネル]]
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:グリプス戦役末期~ネオ・ジオン地球降下作戦の間に起こった[[ニューディサイズ]]の蜂起とその討伐にあたる地球連邦軍の任務部隊の戦いを描いた作品。
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;[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY]]
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:『1st』から本作への歴史のミッシングリンクを描いた作品。物語の最後にティターンズが結成される経緯が描かれている。
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;[[ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに]]
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:本作の外伝作品群である『A.O.Ζ』シリーズの1作目。グリプス戦役をティターンズ視点で描いた作品で、本作ではティターンズがほぼ徹底して悪役として描かれていたのに対し、こちらでは正義感と熱意に溢れた兵士達の姿が描かれる。
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;[[ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者]]
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:『A.O.Ζ』シリーズの1つで、グリプス戦役を反地球連邦組織ケラウノスとエゥーゴの視点から描いた作品。
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;[[機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像]]
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:『1st』から本作までの空白の7年間をクワトロとハマーンの関係を主軸に描いた作品。
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;[[機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー]] ―カイ・シデンのレポートより―
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:『劇場版Ζ』の設定に準じた外伝作品で、フリージャーナリストになったカイ・シデンを主役とした作品。
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;[[機動戦士ゼータガンダム1/2]]
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:元ティターンズ兵、[[エドガー・エドモンド・スミス]]を主役とした外伝作品。
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;[[Ζ-MSV]]
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:『[[MSV]]』企画の一つで、本作に登場する機体のバリエーション機が設定されている。
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<!-- == 余談 == -->
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<!-- *説明 -->
  
 
== 商品情報 ==
 
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*[[DVD 機動戦士Ζガンダム]]
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劇場版Ζガンダムの集大成が遂に登場!!大胆かつ繊細な編集で再構成され、新たな物語に生まれ変わった劇場版「Ζガンダム」。その全三部のストーリー解説を中心に、上映時間の関係で劇場版では詳しく触れられなかった「Ζの世界観」や「物語上では描かれなかった設定」などを紹介し、奥深い「Ζガンダム」という物語をより深く楽しむための作品解説書が遂に登場。設定資料集から、富野由悠季監督と豪華ゲストの対談を通じ、劇場版Ζガンダムが語りたかった事―その全てが今、ここに!!
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== 話題まとめ ==
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<!-- *[[namazu:機動戦士Ζガンダム]] (全文検索結果) -->
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== 資料リンク ==
 
== 資料リンク ==
<!-- *[[一覧:機動戦士Ζガンダム]] -->
+
*[http://www.z-gundam.net/ 『機動戦士Ζガンダム』公式サイト]
*[http://www.z-gundam.net/ 映画公式サイト]
 
  
 
== リンク ==
 
== リンク ==
 
*[[シリーズ一覧]]
 
*[[シリーズ一覧]]
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*[[次回予告集 (機動戦士Ζガンダム)]]
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<!-- == 脚注 == -->
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{{DEFAULTSORT:きとうせんしΖかんたむ}}<!-- 作品タイトルの読みをひらがなで記載すること。濁点・半濁点は除く。「っ」のような小書き文字は「つ」のように大きくする。「・」のような区切り文字は半角空白「 」に変える。 -->
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2024年11月17日 (日) 13:51時点における最新版

機動戦士Ζガンダム
読み きどうせんしゼータガンダム
原作 富野由悠季
原案 矢立肇
総監督 富野由悠季
監督
  • 内田順久(メカニカル作画)
  • 斉藤秋男(撮影)
  • 藤野貞義(音響)
キャラクターデザイン 安彦良和
メカニックデザイン
  • 大河原邦男
  • 藤田一己
デザインワークス 永野護
デザイン協力 伸童舎
設定ベース 永瀬唯
色彩設計 高島清子
美術 東潤一
音楽 三枝成彰
音響 千田啓子(音響製作)
特殊効果 干場豊
効果 横山正和
制作
  • 名古屋テレビ
  • 創通エージェンシー
  • 日本サンライズ
編集 布施由美子
調整 依田章良
録音 ニュージャパンスタジオ
現像 東京現像所
チェック
  • 江山梨恵(動画)
  • 吉沢亮吉(動画)
企画 サンライズ
協力 伸童舎(デザイン)
プロデューサー
  • 森山涇(名古屋テレビ)
  • 大西邦明(創通エージェンシー)
  • 内田健二(日本サンライズ)
放送局
  • 名古屋テレビ
  • テレビ朝日系列
  • 放送期間 1985年3月2日~1986年2月22日
    話数 全50話
    前作 機動戦士ガンダム
    次作 機動戦士ガンダムΖΖ
    劇場版 機動戦士Ζガンダム A New Translation(全三部作)
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    概要[編集 | ソースを編集]

    ガンダムシリーズの2作目で、前作『機動戦士ガンダム』の7年後を描いた作品。

    ファーストガンダムのガンプラが成功を得たバンダイがメインスポンサーとなった最初のガンダム(ファーストガンダムのメインスポンサーだったクローバーは倒産)で、既に劇場三部作の上映が終わっており、ガンプラの売上げが落ち始めていたため、バンダイからの企画により製作が決定した。なお富野監督は子供向けに製作し青年層にヒットしてしまったファーストガンダムは、アニメらしさを損なったアニメという見方だったため当初続編製作は否定的だった。

    こうした背景からバンダイの意向が強く働くガンダム作品の中でも特に際立っており、製作期間が十分にあったにも関わらずバンダイの意向と合わず主人公機のデザインがなかなか決定しなかったこともその一例である。結果的に初代のマイナーチェンジであるマーク2を登場させたが、この出来事からガンダムのお約束の一つである「主人公の乗り換え」が生まれた。

    1作目よりも複雑な勢力構造や理不尽な現実を描く作風になっており、そうした世界の流れに翻弄され悲運の最期を遂げる登場人物も少なくない。戦争におけるシビアな面を描いている。ニュータイプ論は前作よりもスポットが当たり、主人公のカミーユをはじめ多くのニュータイプと人工ニュータイプである強化人間も登場、概念の扱いが本格化した。一方でニュータイプ能力と感応したΖガンダムの「身体を通して出る力」は(発生する設定が存在するとは言え)リアルロボットにはあるまじき超常現象であり、一部製作者からは「やりすぎた。」との声も挙がるなど扱いの難しさも露呈した。

    平均視聴率やガンプラの売れ行きは好成績を収めたものの、バンダイが求める水準には至らなかった。主な原因として、ストーリー複雑化や全体的に暗い雰囲気による子供離れ、MS構造の複雑化により一目で敵か味方か判別しにくいこと、ガンプラの価格高騰が挙げられている。これにより次回作のガンダムΖΖでは明るく分かりやすいガンダムへの方針転換を図られることとなる。

    当時こそ旧来のファンには一部敬遠されたが、後に続くガンダムシリーズの基礎を築いた本作は多くのファンの支持を集め、20世紀のリアルロボットアニメのスタンダードを盤石化させた。

    また、2005年~2006年には新約劇場版である『機動戦士Ζガンダム A New Translation(全三部作)』が公開されている。

    ストーリー[編集 | ソースを編集]

    サイド3の独立宣言に端を発した地球連邦軍ジオン公国の武力衝突「一年戦争」は、連邦の勝利で幕を閉じた。

    スペースノイドの反乱を恐れた連邦軍は、公国軍残党の討伐を名目に治安部隊「ティターンズ」を設立。地球至上主義を標榜するティターンズは、スペースノイドに対する締め付けを厳しくしていくと共に、地球連邦軍の全権限の掌握を画策する。

    ティターンズのともすれば人道を無視した過激な活動は、スペースノイドのみならず一部の連邦軍人の反発をも招き、彼等は反連邦組織「エゥーゴ」を結成、ティターンズへの対抗を開始する。そしてそのメンバーの中には「クワトロ・バジーナ」と名前を変えたかつての「赤い彗星シャア・アズナブルの姿があった……。

    宇宙世紀0087年。クワトロはティターンズが開発した新型ガンダムを調査するべく、サイド7「グリーン・ノア」へと潜入する。そして、グリーン・ノアに住む少年カミーユ・ビダンは、やがて始まった戦闘の中で新型ガンダム「ガンダムMk-II」に乗り込み、クワトロと接触。強奪したガンダムMk-IIと共にエゥーゴ入りを果たす。これを機に、後に「グリプス戦役」と呼ばれる激戦の火蓋が切られた。

    そして、人の歴史に再び、悲しき刻が流れ始めるのであった。君は刻の涙を見る――。

    登場人物[編集 | ソースを編集]

    エゥーゴ[編集 | ソースを編集]

    カミーユ・ビダン
    主人公。サイド7グリーン・オアシス」のグリーン・ノア1に住む少年。
    ティターンズへの反感から新型モビルスーツガンダムMk-II」を強奪し、エゥーゴに参加した。後にΖガンダムに搭乗する。
    クワトロ・バジーナ
    連邦軍大尉でエゥーゴの一員。元ジオンのエースパイロット、シャア・アズナブルことキャスバル・レム・ダイクンその人である。
    エマ・シーン
    元々はティターンズの一員だったが、ティターンズが行った虐殺を知ったことをきっかけで離れ、ガンダムMk-IIごとエゥーゴに参加。
    ファ・ユイリィ
    カミーユの幼馴染。Mk-II強奪事件の一連の騒動に巻き込まれエゥーゴに救出された後、エゥーゴでパイロットとしての訓練を受けることになる。
    カツ・コバヤシ
    一年戦争後、ハヤト夫妻に引き取られたカツ・ハウィン。エゥーゴ参加後はGディフェンサーのパイロットを務める。
    レコア・ロンド
    エゥーゴには初期から参加していた。クワトロとの感情のもつれからティターンズのシロッコのもとに身を投じることになる。
    ブライト・ノア
    一年戦争の英雄の一人だったが、左遷され連絡船の船長となっていた。後にエゥーゴに参加。
    ヘンケン・ベッケナー
    アーガマ初代艦長。ブライトが艦長に着任してからはラーディッシュの艦長を務める。戦いの中でエマといい雰囲気になっていく。
    アポリー・ベイ
    クワトロの部下。一年戦争を生き抜いたベテランパイロットで、アーガマのムードメーカー的存在。
    ロベルト
    クワトロの部下。アポリーの同僚で、同じく一年戦争を生き抜いたベテランパイロット。
    アストナージ・メドッソ
    アーガマのメカニックマン。
    トーレス
    アーガマの通信士。カミーユとは喧嘩仲間。
    サエグサ
    アーガマのブリッジクルー。操舵手とナビゲーターを担当している。
    ハサン
    アーガマの船医。
    ブレックス・フォーラ
    エゥーゴの指導者。

    カラバ[編集 | ソースを編集]

    アムロ・レイ
    一年戦争でガンダムのパイロットとして名を馳せた伝説のニュータイプ。一年戦争の後、「ニュータイプ」の危険性と扱いに手をこまねいていた上層部によって地球で軟禁状態になっていたが、カツとフラウの叱咤激励を受け、再び戦場へと戻る。
    ハヤト・コバヤシ
    かつての一年戦争の英雄。戦争博物館の館長になっていた。アウドムラの艦長を務める。
    ベルトーチカ・イルマ
    カラバの一員でジャーナリスト。

    ティターンズ[編集 | ソースを編集]

    ジェリド・メサ
    カミーユのライバルポジション。カミーユがエゥーゴ入りするきっかけを作り、戦いの中で互いに確執を深めていく。
    パプテマス・シロッコ
    木星帰りの男で類稀な才能を持つニュータイプ。メッサーラを始めとする何機かのモビルスーツの設計・開発をしている。グリプス戦役の裏側で暗躍し、ティターンズの掌握を目論む。
    フォウ・ムラサメ
    ニュータイプ研究機関であるムラサメ研究所の4番目の強化人間。強化によって過去の記憶を失っている。ホンコン・シティで出会ったカミーユと惹かれ合う。
    ロザミア・バダム
    オーガスタ研究所の強化人間。家族をジオンのコロニー落としによって失っている。コロニーが落ちる光景を「空が落ちる」と形容している。
    カクリコン・カクーラー
    ジェリドの同僚。
    マウアー・ファラオ
    ジェリドのパートナー。ジャブローで彼を助けて以降、彼を献身的に支える。
    サラ・ザビアロフ
    シロッコの配下であるニュータイプ候補生。シロッコに心酔している。
    ヤザン・ゲーブル
    オールドタイプでありながら、カミーユ達を追い詰める程の腕前を持つパイロット。
    ラムサス・ハサ
    ヤザンの部下。
    ダンケル・クーパー
    ヤザンの部下。
    アドル・ゼノ
    ヤザンの部下。
    ジャミトフ・ハイマン
    ティターンズの創始者。地球至上主義を掲げ、地球圏の統一を目論む。
    バスク・オム
    ティターンズの実戦指揮官。一年戦争時の負傷により視力が極端に低下したため、常に水中眼鏡似のゴーグルを着用している。ティターンズにおける過激派。
    ジャマイカン・ダニンガン
    バスクの腹心。
    ベン・ウッダー
    スードリの艦長。
    アジス・アジバ
    ダカール守備隊のMSパイロット。
    ガディ・キンゼー
    アレキサンドリアの艦長。
    デーバ・バロ
    アレキサンドリア所属のMSパイロット。
    キッチマン
    MSパイロット。
    シドレ
    MSパイロット。
    ゲーツ・キャパ
    オーガスタ研究所に所属する強化人間。

    地球連邦軍[編集 | ソースを編集]

    ライラ・ミラ・ライラ
    ガルバルディβのパイロット。ジェリドの師匠的な存在で、彼に宇宙戦における戦闘技術を教えた。
    ブラン・ブルターク
    アッシマーのパイロット。アッシマーの性能を遺憾なく発揮し、カミーユ達を苦戦させた。
    マニティ・マンデナ
    地球連邦軍の女性士官。
    テッド・アヤチ
    アレキサンドリア級ハリオの艦長。
    ローレン・ナカモト
    科学者。

    アクシズ[編集 | ソースを編集]

    ハマーン・カーン
    ミネバを擁立してアクシズをまとめる事実上の指導者。
    ミネバ・ラオ・ザビ
    ドズル・ザビの一人娘。ザビ家唯一の生き残り。小惑星アクシズの主だが、幼少でもあり実権は摂政のハマーンが握っている。

    民間人・その他[編集 | ソースを編集]

    カイ・シデン
    フリージャーナリストで、かつての一年戦争の英雄。
    ミライ・ノア
    旧姓ヤシマ。ブライトの妻。
    ハサウェイ・ノアチェーミン・ノア
    ブライトとミライの間に生まれた子供たち。
    フラウ・コバヤシ
    旧姓ボゥ。ハヤトの妻。
    レツ・コバヤシキッカ・コバヤシ
    カツと共に、ハヤト夫妻の養子になった。
    セイラ・マス
    元ホワイトベースクルー。
    ウォン・リー
    エゥーゴの資金提供者のひとり。アナハイム・エレクトロニクス社の幹部。
    ステファニー・ルオ
    ルオ商会の実質的な指導者。
    シンタクム
    クワトロが保護した戦災孤児。前作におけるカツ・レツ・キッカポジション。
    キグナン・ラムザ
    グラナダに勤務する諜報員。クワトロの部下。
    メズーン・メックス
    カミーユが通うハイスクールの学生。空手部の主将。

    登場メカ[編集 | ソースを編集]

    「*」は劇場版に登場した機体。

    エゥーゴ/カラバ[編集 | ソースを編集]

    モビルスーツ・支援機[編集 | ソースを編集]

    Ζガンダム
    ガンダムMk-IIスーパーガンダム
    百式
    リック・ディアス
    メタス
    ネモ
    ジムII (エゥーゴカラー)
    Gディフェンサー
    ディジェ
    ジム・カスタム
    ジム・キャノンII

    艦船[編集 | ソースを編集]

    アーガマ
    ラーディッシュ

    航空機[編集 | ソースを編集]

    アウドムラ

    ティターンズ/地球連邦軍[編集 | ソースを編集]

    モビルスーツ・モビルアーマー[編集 | ソースを編集]

    ジム・クゥエル
    ジム・スナイパーカスタム
    ジム・キャノン
    ガンダムTR-1[ヘイズル改]
    ネモ(鹵獲機)
    ガンタンクII
    ガンキャノン重装型
    ザク強行偵察型
    ザクキャノン
    ザク・マリンタイプ
    ザクタンク
    グフ飛行試験型
    アクト・ザク
    ハイザック
    ハイザック・カスタム
    ジムII
    ガルバルディβ
    マラサイ
    アッシマー
    ギャプラン
    ガブスレイ
    バイアラン
    ハンブラビ
    バーザム
    バウンド・ドック
    サイコガンダム
    サイコガンダムMk-II
    メッサーラ
    パラス・アテネ
    ボリノーク・サマーン
    ジ・O

    艦船[編集 | ソースを編集]

    サラミス改
    アレキサンドリア
    ハリオ
    ロンバルディア
    ドゴス・ギア
    ジュピトリス
    ムサイ改
    チベ改

    航空機[編集 | ソースを編集]

    スードリ
    メロゥド

    アクシズ[編集 | ソースを編集]

    モビルスーツ[編集 | ソースを編集]

    ガザC
    キュベレイ
    ガザE
    ドラッツェ

    艦船[編集 | ソースを編集]

    グワダン
    グワンバン

    組織[編集 | ソースを編集]

    エゥーゴ
    ティターンズに対する反発を理由に地球連邦軍内部から発足した軍事組織。「A.E.U.G.(反地球連邦政府)」と表記する。
    ティターンズ
    ジオン軍残党の掃討を目的に組織されたアースノイド中心の精鋭特殊部隊。ティターンズによる地球圏統一を真の目的としており「地球至上主義」を掲げている。スペースノイドに対する過激な弾圧を行っており、その事がエゥーゴなどの反地球連邦組織を生むことに繋がった。設立の経緯は後に「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」の最後で語られる。
    アクシズ
    アステロイドベルトにある小惑星アクシズに逃げ延びたジオン残党が、ザビ家の生き残りミネバを擁して地球圏に移動してきた。ティターンズとエゥーゴの紛争に介入する。
    カラバ
    地上での反ティターンズ組織。地上でエゥーゴの支援を行っている。ホンコンシティの資産家をパトロンに活動しているらしい。所謂私兵かもしれない、謂わば官民癒着か。

    楽曲[編集 | ソースを編集]

    オープニングテーマ [編集 | ソースを編集]

    「Ζ・刻をこえて」(第1話~第23話)
    原作詞・作曲:ニール・セダカ / 日本語版作詞:井荻麟 / 編曲:渡辺博也 / 歌:鮎川麻弥
    「水の星へ愛をこめて」(第24話~第50話)
    作詞:売野雅勇 / 作曲:ニール・セダカ / 編曲:馬飼野康二 / 歌:森口博子

    エンディングテーマ [編集 | ソースを編集]

    「星空のBelieve」
    原作詞・作曲:ニール・セダカ、フィリップ・コーディ / 日本語版作詞:竜真知子 / 編曲:渡辺博也 / 歌:鮎川麻弥

    挿入歌 [編集 | ソースを編集]

    「ハッシャバイ」(第13話)
    作詞:井荻麟 / 作曲:井上忠夫 / 編曲:宮川泰 / 歌:間嶋里美
    「銀色ドレス」(第20話)
    作詞:井荻麟 / 作曲・編曲:馬飼野康二 / 歌:森口博子

    各話リスト[編集 | ソースを編集]

    話数 サブタイトル 備考
    第1話 黒いガンダム 
    第2話 旅立ち 
    第3話 カプセルの中 
    第4話 エマの脱走 
    第5話 父と子と… 
    第6話 地球圏へ 
    第7話 サイド1の脱出 
    第8話 月の裏側 
    第9話 新しい絆 
    第10話 再会 
    第11話 大気圏突入 
    第12話 ジャブローの風 
    第13話 シャトル発進 
    第14話 アムロ再び 
    第15話 カツの出撃 
    第16話 白い闇を抜けて 
    第17話 ホンコン・シティ 
    第18話 とらわれたミライ 
    第19話 シンデレラ・フォウ 
    第20話 灼熱の脱出 
    第21話 ゼータの鼓動 
    第22話 シロッコの眼 
    第23話 ムーン・アタック 
    第24話 反撃 
    第25話 コロニーが落ちる日 
    第26話 ジオンの亡霊 
    第27話 シャアの帰還 
    第28話 ジュピトリス潜入 
    第29話 サイド2の危機 
    第30話 ジェリド特攻 
    第31話 ハーフムーン・ラブ 
    第32話 謎のモビルスーツ 
    第33話 アクシズからの使者 
    第34話 宇宙そらが呼ぶ声 
    第35話 キリマンジャロの嵐 
    第36話 永遠のフォウ 
    第37話 ダカールの日 
    第38話 レコアの気配 
    第39話 湖畔 
    第40話 グリプス始動 
    第41話 目覚め 
    第42話 さよならロザミィ 
    第43話 ハマーンの嘲笑 
    第44話 ゼダンの門 
    第45話 天から来るもの 
    第46話 シロッコ立つ 
    第47話 宇宙そらの渦 
    第48話 ロザミアの中で 
    第49話 生命いのち散って 
    第50話 宇宙そらを駆ける 

    関連作品[編集 | ソースを編集]

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    本作に下記の『C.D.A.』の設定を組み込み再構成した作品。
    機動戦士ガンダム
    前作。本作に一部のキャラクターが続投している。
    機動戦士ガンダムΖΖ
    続編。本作に登場したアクシズがネオ・ジオンに名を変え地球へ侵攻。主人公ジュドー・アーシタを始めとする少年少女がエゥーゴと共に立ち向かう。
    ガンダム・センチネル
    グリプス戦役末期~ネオ・ジオン地球降下作戦の間に起こったニューディサイズの蜂起とその討伐にあたる地球連邦軍の任務部隊の戦いを描いた作品。
    機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
    『1st』から本作への歴史のミッシングリンクを描いた作品。物語の最後にティターンズが結成される経緯が描かれている。
    ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに
    本作の外伝作品群である『A.O.Ζ』シリーズの1作目。グリプス戦役をティターンズ視点で描いた作品で、本作ではティターンズがほぼ徹底して悪役として描かれていたのに対し、こちらでは正義感と熱意に溢れた兵士達の姿が描かれる。
    ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者
    『A.O.Ζ』シリーズの1つで、グリプス戦役を反地球連邦組織ケラウノスとエゥーゴの視点から描いた作品。
    機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像
    『1st』から本作までの空白の7年間をクワトロとハマーンの関係を主軸に描いた作品。
    機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―
    『劇場版Ζ』の設定に準じた外伝作品で、フリージャーナリストになったカイ・シデンを主役とした作品。
    機動戦士ゼータガンダム1/2
    元ティターンズ兵、エドガー・エドモンド・スミスを主役とした外伝作品。
    Ζ-MSV
    MSV』企画の一つで、本作に登場する機体のバリエーション機が設定されている。


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    TV版

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    劇場版

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